無属性ぬい依頼に失敗した話

初めての無属性ぬいぐるみ(棉花娃娃)を作るために中国の工場に依頼し、自分が無知すぎて結果的に失敗した話です。
あくまで自分の中の整理として書くためほとんど自戒&自分用のメモなのですが、初心者の方やぬいデザについて気になっている方の参考になることがあれば嬉しいです。

ここでいう「失敗」は「思い描いていたぬいぐるみに仕上がらなかった」という意味です。
ほとんどが自分のデザイン力のなさの問題です。
先に言っておきますが工場はとても丁寧に対応して下さいました。レスポンスも早かったし、何度もリテイクして頂いて感謝しかありません…。

わたしが具体的に失敗したなーと思った点は以下です。
・目が離れすぎていた
・目のハイライトの位置が合ってなかった
・刺繍イメージを複雑にしすぎた
・イラストが立体になった時のイメージが全然出来ていなかった
・色選びに失敗した、そもそもイラストの時点で自分の手癖で色を明るめにしすぎていた

こんな感じです。
今思えばこうすれば回避できたな、と思うところがいくつかあります。
工場に依頼したきっかけはたまたまTLで20cm私生ぬいが流れてきて、色々見ていくうちにわたしも工場に依頼したい!うちの子のぬいぐるみ欲しい!と思ったからです。
そこから色々下調べをしたり工場選びをしたりとあったのですがそこは割愛します。
依頼したのは10cm骨あり私生ぬいになります。
依頼するにあたり、こんなぬいにしたい!とイメージをイラストに起こしたのですが……

・失敗点①テンプレートを使用した


テンプレートというのは、ツイッター(X)などで有志の方がたまに配布してくださっている、フリーのぬいぐるみ素体イラストのようなもののことです。(もちろん使用許可があるものです)
左右対称のデフォルメイラストを描くのが苦手だったため、先人のお力をお借りした方がいいだろうという安易な気持ちでテンプレートを使用しました。
どんな風に描けばいいのか分からなかった初心者には大変ありがたかったです…が!
わたしはイラストが若干描けるタイプのオタクです。若干、というのは決して上手くはないが自分の絵柄はある程度確立している程度という意味です。
その中途半端な画力の人間がテンプレートの輪郭に合わせてデフォルメイラストを描く、という不慣れなことをしてしまい、結果イラストの段階から目の離れた&そのバランスを整えるために目頭の主張が激しいイラストが完成してしまっていました…。
テンプレートはとてもありがたく便利なものだと思いますし、使った方がいい人もたくさんいらっしゃると思います。
ただ結果的にわたしには合わなかったです。自分の中の顔の作画のバランス感覚は、自分の描く輪郭の中で収めた方が絶対に良かったな…と今となっては思います。特にデフォルメイラストやぬいはパーツひとつひとつのクオリティよりもバランスが命だと思っているため、多少下手でも勝手知ったる土台に載せる方が上手くいく可能性が高い気がします。


・失敗点②ぬいぐるみになった後のことを考えずに作画した

続いての失敗はイラストとしての完成度を高めるあまり、それが立体化したときのバランスを考えきれなかったことです。
棉花娃娃の画像を色々見ていると分かるのですが、そのほとんどが寄り目&ハイライトも中心寄りです。これは立体になったときに前に視線が合っているように見せるためだそうです。
わたしも最初デザインをする時に寄り目にしようと気をつけながら描いていたのですが、寄り目ってイラストで見ると正直微妙な絵になってしまいます……普段描き慣れている自分の絵柄でやると尚更です。イラストとして修正をしているうちに「気持ち寄り目気味かな…?」くらいの絵が完成していました。
これが立体化した結果「どこを向いてるんだろう???」という目の焦点がぼやけたぬいぐるみになってしまいました。
平面である絵のバランス感覚と「ぬいぐるみ」のバランス感覚は想像よりも全然違います。イラストとしてかわいい絵が描けたって、それを立体にしてかわいいとは限らなかったです。

・失敗点③色を増やしすぎた&描き込みすぎた


わたしは普段色使いが淡い&明度彩度が高め&描き込みが多めの絵柄でイラストを描いています。それをそのままデフォルメ化し、ぬいぐるみイラストとして工場に提出しました。
結果、描き込んだことと色の淡さが仇となってなんだかよくわからない印象の瞳になってしまいました。
10cmなので尚更です。
20cmだったら描き込みは多くてもいいと思うのですが、10cmで細かいイラストの再現は正直無謀です。線で引くのと糸で縫うのとでは印象が全然違います……
これも「ぬいぐるみにする」ということへの理解の無さのひとつでした。
これは解決法として、デザインを一度白黒にして明度だけで見てみると良いかもしれないと思いました。
全然違う色、たとえばピンクと水色であっても、明度が同じくらいであれば刺繍になったとき輪郭がぼやけてほとんど分かりません(もちろんグラデーションなどその方が可愛い場合もあると思うので状況によります)。
イラストを白黒にした時ぼやけてよくわからない部分は、刺繍になった時もぼやけると思って良い気がします。

これは余談ですが、真っ黒を使うとそこだけ強い印象になってしまうのでそこも注意が必要かもしれないと思いました(個人の感想です)。全体的に明度が低めの暗いイメージのぬいなら大丈夫だと思うのですが、カラフルなぬいに黒は濃すぎてそこだけ浮きやすいので、気になる場合は濃いめのグレーとかにしたほうがいいかもしれないです。

・失敗点④工場に指示を出す時、元イラストを再現しようとしすぎた

これも失敗したな〜と思うことのひとつです。
工場に依頼すると、イラストをぬいぐるみにするための刺繍データやそれを実際に出力した生地などが送られてきます。そこで、何度かこちらから修正したい箇所をお願いするタイミングがあります。
わたしはそこで、「元絵と見比べながら」修正指示を出していました。なるべく元絵に近いものを作りたかったからです。
ですが、ここは柔軟に「ぬいぐるみとして」かわいいかどうかを念頭に置いて指示をした方が良かったなと思いました。
元絵に近いデータにすればするほど、刺繍にした時になんだか違う……というのを繰り返してしまうハメになりました。本当に工場の方に申し訳なかったです。
自分の場合はですが、元絵はあくまでイメージ図くらいの気持ちでいた方がいいと思いました。
データが出来上がるたび、刺繍が出来上がるたび、それ自体がかわいいかどうかで判断する!元絵はもう見ない!くらいの覚悟が必要でした。
結果、元絵とかけ離れたものになったとしてもかわいければそっちの方が絶対にいいです。
実際に持ち歩いたり写真を撮ったりするのは元絵ではなくぬいなのですから。

そして平面データや平面刺繍で元絵に限りになく近づけてもらった結果、立ち上がった時に顔面が全然思ってたのと違う……となるぬいが完成してしまいました。
他にもある気がするので思い出したら追加します。
これはこれでかわいいと思えたら良かったのですが、今は自己嫌悪と後悔ばかりでまともに愛してあげることができません。。だいぶ見慣れてきたのでいつかかわいく見えて来そうですが。。。。
失敗は成功のもと!という気持ちで、ここまでの失敗を踏まえて懲りずに10cmをまた依頼したので、成功しても失敗しても完成したらそれもノートにまとめたいなと思います。
正直実際に依頼しないことには分からなかった失敗だらけなので、結果的にいい勉強になったな〜と思っています。
誰かのお役に立てたら嬉しいです。


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