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「カンガルー日和」の中の「鏡」再読

先日読んだ「みみずくは黄昏に飛びたつ」の中に、村上春樹さんの「鏡」という作品を朗読するエピソードが出てきました。どんな筋のお話だったか思い出せなくて、約15年ぶりにイエローの背表紙の作品集「カンガルー日和」(英訳だとA Perfect Day For Kangaroo)を開きました。今の文庫本より字が小さめだけど、こちらの作品集も何度も読み直した形跡があります。私は自分の周りの100人の中では、一番村上春樹さんの作品を読み込んでいる自信があったけれど、川上未映子さんによるインタビューを読んでいて、完全に圧倒されてしまいましたし、他の「ハルキスト」のブログの数々を読んでまだまだ自分は読みが浅いだなって考えてしまいます(笑)

「鏡」は家族が寝静まった夜に読んだので、「音読」はできませんでした。またホラーな出来事は起きませんでしたが、怖い物知らずの若い学生が暗い学校でアルバイトするという設定が共通しているので、なぜか大江健三郎さんの「死者の奢り」を連想してしまいました。文体は全く正反対だけども。

「自分」の内面を見つめることが、ある意味一番恐ろしくて、怖いこと(ホラーな出来事)なのかもしれないけれど、そこが一番目をそらしてはいくないことでもあります。約15年ぶりにこの作品集を開いた感想でした。

ところで、私の住む街でも、だいぶ風がやわらかくなってきました。私の街の動物園には、カンガルーも象もいないのだけど、みみずくはいるはずなので、もう少し暖かくなったら、久しぶりに足を運んでみようかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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