「動画」

動画配信サイトで様々なアーティストの曲が聞けるようになってもう何年も経つ。
そういうサービスの場所では大抵の場合ミュージックビデオが同時に再生されている。

わたしは音楽を聞きながらミュージックビデオを見ることが出来ない。
耳と目から入る情報を処理しきれないからだ。

音楽、歌唱、歌詞、映像。
大まかに分けても4つの要素があるわけだが、わたしは同時に2~3つの要素までしか処理できない。

もう少し噛み砕いて説明するなら、1つの要素を100%しっかり処理することが出来るのが3つまで、それ以上になると1つの要素の処理が30%までガタ落ちしてしまう、こんなかんじだ。

なので知らない音楽を動画配信サイト等で聞く時は、少なくとも2回は再生する。

音楽・歌唱・歌詞、の3つを処理する回、
音楽・歌詞・映像、の3つを処理する回、これで2回。
さらに気に入った曲であれば、
歌唱・コード・楽器、や
歌詞・映像・デザイン、などの要素も処理する。

そうやって何度も繰り返し処理をして、ようやく1つの曲をきちんと聞き終えることが出来る。
なかなかに手間が掛かるし、もっと直感的に聞いてもいいのではないかと思う。

もしかしたらこの手数を踏みまくる作業量の多さが、わたしの聞く音楽の幅を狭めているのではないだろうか。

現在、好きなアーティストは誰かと聞かれたら「ずとまよ」「ピポワン」が思い浮かぶのだが、それ以外はまるで知らない。
流行りの曲で耳に入ってきたことはある、程度のアーティストが多すぎる。
最早好きなアーティスト、というよりも知っているアーティスト、とする方が正しいと思う。

音楽に興味が無いなんてことはない、むしろ超ある。
ひとつひとつをキッチリ噛み砕いて紐を解いて聞こうとするから、なかなか範囲が広がっていかないし、広げてしまうとまた聞かねばならない曲がそのアーティスト分増える。

自分の処理能力が低いことが心底恨めしい。
まだまだきっと興味深い音楽がこの世には存在しているのに、わたしのCPUとメモリは限界なのだ。

比翼

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