「憂い」
あぁごめんなさい、ごめんなさい。
こんなものを書くつもりなどなかった。
こんなものを吐露するつもりなどなかった。
醜い汚いこんなものなど。
けれど打ち明けなければ胸が張り裂けてちぎれてしまいそうで、この身が崩れてしまいそうで、今はまだ死んではならないので吐き出してしまうことにした。
見ないでほしい、何も出来ず燻るだけのわたしは何の価値も無い。
声を掛けないでほしい、あなた方のように日々生産しながら生きているわけじゃない。
けれど誰かに気付いてほしい、だからこうして人の目に映るところに文字を連ねる。
色々なものに押し潰されて消えてしまう、弱い生き物を誰も認めないでほしいのに。
こんな歳にもなってまるで10代の思春期のように頭を抱えて眠れぬ夜を過ごしている。
ストレスに弱い身体であれやこれやと悩むとあっという間に朽ちてしまう。
もうひと月近くこうしてずっと静かに朽ちている。
原因は分かっている。
それを取り除くことが出来ないことも分かっている。
上手く付き合うしかないのだ。
秋の始めの頃は比較的穏やかに生きていられたのに。
寒くなった途端にこれなのか。
人間活動に支障が出る環境になった途端にこれなのか。
それとも寒さなんて関係ないのか。
どうしてこんな目に遭わなければならなくなった。
物事のタイミングなのか。
それを見誤ったというのか。
悔しい。
いずれ終わると分かっているのに恋焦がれて求めてしまう。
そうして身を焼いて、妬いてしまうことがたまらなく愚かであると。
普遍の満足を求めることすら傲慢だと言うのか。
この罪にまみれて黒く汚れた手では触れてはならないと言うのか。
やはりわたしは真に愛されてなどいないのではないか。
あぁ悲しい、悲しい。
自分が選んだ道なのに、自分が全て招いたことなのに、現状を憂い悲しみ憐れむことでしか慰められない。
熱でうなされた脳が沸騰している。
明日は目が覚めたら一番に窓を開けて朝の空気で冷却しようと思う。
夜の暗闇の空気を取り込むのは良くない気がするから。
比翼
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