【簡単に解説】不動産モーゲッジ(ローン)ファンドはどのようにして貸付を決めているのか

北米では不動産を購入したい人、もしくは持ち家をリフォームしたい人が自己資金だけじゃ足りない場合 、Private Mortgage Fundからお金を借りることがあります。Mortgage(モーゲッジ)とは住宅ローンのことです。

通常は銀行からローンを借りるのが普通ですが、銀行のローンの審査は厳しいのでたまに銀行からのローンがおりない人もいます。あるいは銀行からのローンでは資金が足りないこともあります。

こういった場合、Private Mortgage Fundからのローンが利用されることがあります。利子は銀行より少し高めに設定されています。

Private Mortgage Fundでは投資家からお金を集め、ローンを借りたい人にお金を貸して利子を回収し、回収した利子を投資家に分配します。

投資家にとっては銀行に預けておくよりも高い利子収入を得ることができます。基本的にはFundが資金を運用してくれるので投資家は何もすることなく利子収入を得ることができます。

ただしリスクも銀行より少し高めになっています。なぜならPrivate Mortgage Fundに借りに来るのは、さきほどもいったように銀行からローンを借りることのできなかった人、あるいは銀行からすでにローンを借りていてさらに資金が必要な人がだからです。

前者の場合はそもそも銀行がローンを貸さなかったということで借主の収入や現在の経済状況など、返済能力にかかわる要素に問題があった可能性があります(※借主の返済能力に問題がなくてもローンがおりない場合もあります。一概には言えません)。

後者の場合は、すでに銀行からローンを借りているわけです。もし貸倒れになった場合はまず銀行が優先的に返済を保障されます。これは銀行がFirst mortgageeという立場にあるからで、日本ではシニアローンと呼ばれています。どういうことかというと、ローンの借主が返済が滞った場合、ローンを貸した銀行やローン会社は貸付に設定された担保(この場合担保は物件)を使ってローンの回収を行います。このときの返済の順位としてシニアローンの立場にある債権者がまず優先的に返済されます。次に優先されるのがSecond mortgagee(日本ではメザニンローン)の債権者なのです。もし物件が安値でしか売れなかった場合、Second mortgageeには取り分がない場合もありえます。ですのでこの場合もリスクは上がる可能性があります。

こういった特徴からPrivate Mortgage Investmentはミドルリスクミドルリターンと言われています。このリスクを抑えるためにPrivate Mortgage Fundでは不動産を担保した貸つけを行うことで投資家を保護するのが大前提となっています。そして万が一貸倒れが起こった時に損失が出ないよう計算した額をローンとして貸し出しており、リスクマネージメントを徹底しているのです。

不動産が担保になっている点において日本の「不動産ソーシャルファンディング」と似ているかと思います。このnoteではPrivate Mortgage Fundがどのような審査基準でお金を貸し付けているかを説明します。これによって不動産モーゲッジ投資について少し理解が深まり、リスクなども把握できるかと思います。

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