最後のプレゼント

今ね、病院の待合室であなたへの誕生日プレゼントを何にしようかなって考えているの。

外での現場作業のあなた。まだ少し汗ばむ季節の9月、タオルなんてどうかな？

あ、そうだ。最近ね、コーヒーにハマっているの。

そういえばコーヒーの話なんてしたことなかったよね。

いつも、ゲームの話ばかりして楽しそうだから口を挟めなくて。

よし、これに決めた。

タオルとドリップコーヒーのセット。

珍しい組み合わせのギフト。

喜んでくれるかな？

反応がとても楽しみ。

＊＊＊

誕生日当日。

出張先から帰宅したと連絡が来た。

しばらくして、「プレゼント届いてたよ、ありがとう」と、確かこんな返事が来た。

とても反応が気になっていた私は直ぐに

「どうだった？」

と反応を促した。

でも帰ってきた返事は、

「まだ見てない。明日も早いから」

もう寝ますor明日見るかのどちらかの返事が来た気がする。

………。

そうだね、あなたにプレゼントを選んでいた私の気持ちは1ミリも届いていなかったね。

これは私が最後のプレゼントを贈った時の話。