メイドさん
メイドさんになる夢を見た
オープン初日 みんなが1列に並んで お客さんを待つ
1人お客さんが入っては 私じゃない女の子の前に歩いていく
「Aちゃん 遊びに来たよ」
「来てくれたんだね!ありがとう」
そんな言葉が色んな方向から聞こえてくる
1人の男の子が私の前に歩いてきた
目を合わせてすぐ 違う子の所へ歩いていった
悲しいけど 悲しさを顔に出せなくて
焦っているのに どうしようもなくて
1人で佇んだまま 時間だけが過ぎていった
閉店後 店長が 売上を発表していく
Aちゃん 8人
Bちゃん 12人
Cちゃん 10人
れあんちゃん 0人
その瞬間 視線が私に集まった
嘲笑する子
こちらを見ながらひそひそ話をする子
劣等感と気まずさで 何も考えられなかった
隣の女の子が話しかけてきた
「あなたがブスだからじゃない? 友達すらも呼べないの?努力した?」
周りもバカにするように笑う
メイクも研究して ケアも頑張って すごく準備したのにな
結果に繋がらなかった努力は 無かったことになってしまうのか
愛想笑い
「Bちゃんは凄いね すごく可愛いし 1番人を呼べて」
心はズタズタなのに その子の機嫌をとるかのような返事しか出来なかった
私は 人の見えない努力にも気づいてあげられるようになりたいな
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