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140文字言葉のタクティクス[文章構文編]:読みやすく分かりやすい文章術

① 序論

いきなりですが質問です。

「あなたは、140文字は多いと思いますか少ないと思いますか?」

一度真剣に考えていただきたい。
「たった140文字で自分の考えなど表現できない。」
「140文字も埋める言葉が出てこない。」
「140文字制限?どうでもいいかな。」
様々な意見があると思います。
私の意見は、「140文字はちょうどいい」です。
意地悪な回答ですみません。
本当にそう思っています。
理由はいくつかありますが、最も大きな理由は、

「140文字でも工夫しだいで自分の考えを十分に伝えることができるから」

です。
私のアカウントは、おそらくこれを読まれている方よりもフォロワー数が少ないと思います。
それでも、たくさんの文章に関するご意見をいただきます。
「論理的な文章ですね。」
「Whiteさん。どうやったらたった140文字でそんなにも伝えることができるのですか?」
「Whiteさんの文章は深い。」
などなど。
ありがたいことに、たくさんのお褒めの言葉をいただきます。
なので、一度自分の文章術(術と呼べるかわかりませんが)を体系化しようと思いました。
それが、皆さんのためになるかなと思い、ささやかな社会貢献としてです。
以下から思いつく限りの私の文章術を載せていきます。

ご意見等いただけると幸いです。

② 140文字の書き方[文章構文編]

早速ですが、私の文章術について詳細にご紹介します。
ちなみに、ここに書いていることは意識すれば誰でもできることです。
というのも、私は、特別、文章に関する教育を受けたわけでもなく、単にライティングをちょっとしていただけにすぎません。
そんな文章に関して素人であり、不器用な私でも、お褒めの言葉をいただくくらいになりました。
皆さんなら楽々できるようになると思います。

「文章に自信を持つこと。だけど、驕らず。」

これが文章を書くときの心構えです。
そして、もう一つ重要なことですが、

「国語の授業のように文法的にきれいな文章を心掛ける必要はない」

ということです。
Twitterの場合、相手に伝われば問題ないので、体言止めでも、「です」「ます」「である」のような断定表現もいりません。
むしろ、これらの表現はTwitter読者にとって邪魔になることもあります。
箇条書きツイートが多いのは、その証拠です。
Twitter文章術の心構えを述べたところで、さっそく書き方の全体的な手順からお話しします。

1. 文章を書くときの流れ

文章を書くとき私は、以下の図の一連の流れを必ずしております。

文章構文編1

大きく分けてこの四つのプロセスを経てます。
こんなの当たり前だと思われるかもしれませんが、これを真剣にやっているかどうかで差がでます。
各段階の詳細を書いていきます。

2. 思っていることを書ききる

とりあえず言いたいことをそれなりの文字数で書ききる
まず大事なのは、自分の頭の中にある文章を140文字制限気にせず書ききることです。
ただし、300文字とか400文字とか書いていい訳ではありません。
あくまでも、140文字を少しオーバーするくらいです。
具体的には、私は毎回、150文字~200文字くらい書いています。
「140文字を気にせずに」とは言っていますが、完全無視はいけません。
あくまでも、後の作業で修正できる範囲での超過分です。

よく「ツイートの主張は、一つか二つに絞ろう」という意見を聞きますが、私は140文字に収められて、かつ文意が伝わるのならいくつ主張を入れてもいいと思っています。
これは、そのためのnoteです。

ツイートで苦労する方の中で、「140文字に最初から納めなければならない」と考える人がいます。
これは、正直私にしたら無理に近いです。
もちろん、自分の言いたいことを全て書ききって140文字以内に収まることもありますが、めったにないです。

3. 超えた分の文字数を考慮して削る

伝えたいことをコンパクトに表現する方法
140文字を少し意識しながら書くには、文章をコンパクトにして書く必要があります。
正直、個人の経験が大きく関係する部分でもありますが、意識すればできるようになります。
いくつか例を出します。※これらの例は過去ツイートした内容も含みます。

重要なのは、「接続詞・副詞・助詞・助動詞などを省略する」ことです。

例えば、「賢者は過去から学び、愚者は経験から学ぶ」という文章を引用して、自分の主張を混ぜつつ、詳細化する場合を考えます。
一見難しく思えますが、慣れると簡単にできます。
そこで私が意識するのは、

文章構文編2

の四つです。

「接続詞の省略」に関して
賢者と愚者の行動の違いという観点から詳細化するとき、「賢者は○○。一方、愚者は△△。」と書いてしまいます。
この「一方」を省略することができます。
Twitter文章では基本接続詞はいりません。
もちろんあった方がいいですが、文字数制限を考慮して判断するといいでしょう。
私は、せいぜい強調表現の延長線上として使うくらいです。
どうしても接続詞を使って表現する場合、以下のように短縮することができます。

「そして、」→「また」や「&」

「しかし」「けれども」→「けど」「けれど」「が」

「二文を一文に合体」に関して
これは結構簡単なのですぐ使えます。
というのも、型が決まっているからです。

「賢者は□□という性質がある。一方、愚者は、◇◇という性質がある。」

この文章が典型的です。
私が表現するとしたら以下のようにします。

「賢者は□□(で)、愚者は◇◇の性質(がある)。」

これでだいぶ文字数は減らせますし、文意も伝わります。
正直、()の中も省略できます。

ここから定式化すると以下のようになります。

Ⅰ:「●●というものは、■■である」→「●●は■■だ」

Ⅱ:「●●には▲▲という・・・がある。■■には◆◆という・・・がある」
   →「●●は▲▲、■■は◆◆の・・・(がある)」

この二つの型でかなり表現できると思います。

「 体言止め」に関して
これはあまり説明しなくても分かると思いますので具体例を出します。

「今日は天気が良くて、とても心が晴れやかになる。」

「今日は良い天気。とても心が晴れやか。」

これで十分伝わります。
すっきりしていて逆に読みやすくなります。
テンポも出て読み手を楽しませてくれる効果もあります。

「文末を省略」に関して
これもパターンが決まっているので簡単にできます。
例えば

「私は・・・と思っている(考えている)。」

という文章の場合以下のように省略できます。

「私は・・・かと(だと)」

つまり、「思います」や「考えている」という文章のニュアンスを残しながら二文字で表現するのです。
どんなに文脈が読めなくても、「・・・かと」と表現されれば、「・・・かと思います」と相手は理解します。
よって定式化すると

Ⅰ:「●●だと思います(考えます)」→「●●かと(だと)。」

このようにあまり意味を果たさない定型文章については、省略可能です。
他にも、「私(僕・俺)は」という主語を入れると、断定形で終わらせることができます。

「私は・・・と思います」→「私は・・・(です)」

少し後者の方が断定的ですが、文章をすっきりさせることができます。
「です」を省略できることもあります。
例えば、「私は△△派です」という文章の場合、「私は△△派」で十分です。
体言止めとの組み合わせです。
1)~4)は基本的に自由に組み合わせられます。
いろんな組み合わせを試してみて、相手に伝わる自分なりの表現を探してみてください。

以上が伝えたいことをコンパクトにする方法です。
ただし、ここで注意が必要なのが、文章を省略・短縮する場合、かならず省略・短縮したぶん、伝わらない文意が出てきます。
例えば、「である」を省略したとき、必ず「強調」や「断定」の意味合いは薄れてしまいます。
ここではあくまで、コンパクトに表現することに重点を置いていますので、省略・短縮法だけを述べました。

4. 何度も読み返して批判的に文章を検討

最後の段階は、最も重要と言っても過言ではありません。
この過程を経るかどうかで、文章の質が変わります。
相手に伝わるだけではなく、相手に好印象を抱いてもらえる文章になります。
多くの方は、自分の文章を読み返さずに、文章を投稿しています。
そうすると、誤字・脱字だけではなく、文章として成立しているのかも怪しい文章が出来上がります。
私でも、これまでの段階を経て、自分の文章が「汚いな」と思うことは日常茶飯事です。
ですので、何度も文章を読み返して(最低三回)文章を検討しています。

このとき重要なのが、「批判的に」ということです。
つまり、自分の文章が本当に伝えたい文章として成立しているのかを、第三者的な視点から見て校正するのです。

「文章を何度も読み返す」+「批判的に読み返す」

がここでは重要です。

文章を何度も読み返すことは何を目的にしているのか?

文章構文編3

最低この5つです。
1)と2)は、社会人であれば基本ですのでここでは省略します。
最後の5)も説明はいらないでしょう。
問題は3)と4)です。

論理構造がおかしくないか
これを見極めるには、意外と文章力と国語力がいります。
私は国語力が他人より劣っていますが、論理構造を見るコツを知っています。
それが、接続詞に注目することです。
当たり前かもしれませんが、これで大抵の論理構造はわかります。
例えば、

「私はラーメンが好き。特にしょうゆはその店の基本の味だから外せない。しかし、メニューを見るととんこつがこの店では有名。だが、私はしょうゆと決めていたからしょうゆを頼んた。数分後、店員はとんこつを持ってきた。だから、とんこつを食べることにした。うまかったので結果オーライ。」(134文字)

ここで、論理構造を解剖してみましょう。

私はラーメンが好きでしょうゆは外せない。
しかし・・・。
だが、・・・・。
しょうゆを頼んだのにとんこつを持ってきた。
だから・・・。
うまかったのでOK。

二行目と三行目の、「しかし」と「だが」という逆説が二つ続いていることに違和感を持てると十分です。
これが論理構造を意識することです。
しかし、今回の例では、逆説が連続して続いてもギリ問題はありません。

では、明らかに論理構造がおかしい文章と比較してみましょう。
実際にあった文章です。

「私は反対です。数字に囚われたくないので。数字に囚われると何もできないので。」

「ので」が二つ並んで明らかに文章として変です。
せっかくの理由付けが台無しになります。
まず、どちらが本当の理由なのかわかりません。
文脈的に並列の意味で、両方が理由だと思われますが、明らかに読者に優しくありません。

また、二つ目の「ので」は何を表しているのかわかりません。

「数字に囚われると何もできないので。」→だから何でしょう?

主張がわからないのです。
おそらく、「反対です」の理由付けだと思いますが、これでは分かりにくいです。
このように、論理構造がおかしい文章には突っ込みどころがたくさんあります。
ここまでわかりやすい文章はあまりありませんが、実際に使ってしまっている人が多いです。

「てにをは」の確認
この間違いは非常に多いです。
「てにをは」を意識しない人は文章に真剣ではない方です。
というのも、「てにをは」一つで文章の意味がガラリと変わるからです。

例えば、「太郎に手土産を持ってきた」と「太郎は手土産を持ってきた」という文章は全く違います。
前者は主語が明示されていない「私」になりますが、後者は「太郎」です。
簡単な例ですが、たった10文字ちょっとでもここまで異なりますので、140文字だとどれくらい変わるのか想像に難くはありません。
「てにをは」を意識できるかは文章を大切にしているかを知る試金石です。

「批判的に」読み返すとは?
「批判的に」という言葉にはネガティブなイメージを持つ方がいらっしゃるかもしれません。
「他人の行いを批判する」とか、「他人の意見を批判する」とか。
でも、ここでの「批判的に」とは意味が異なります。
ここでの意味は、ビジネス用語でいう「クリティカル・シンキング」に近く、「第三者的に俯瞰して、本当に正しいのかどうか、本当に相手に伝わるのかどうかを検討する」という意味合いです。

例えると、自分が書いた文章に「ツッコミを入れる」感覚です。

「本当にこれで伝わるのか?」
「別の意味に取られないか?」
「おかしくないか?」

このような疑問を抱きながら文章を読み返すのです。
例えば、道などを説明するとき「たこ焼き屋さんが右側にある」と書いたとしましょう。
あなたはこの文章で、たこ焼き屋の場所がわかりますか?
私は、この文章だけだと真逆の方向を指し示している可能性があるのでわからないです。
自分から見て右側なのか、相手から見て右側なのか、どの方向から右側なのか。
もっと詳細な情報がないと「右側」だけでは通じないのです。
これが「批判的に」読み返すということです。

③ 文章構成を学ぶには

文章が上手くなる方法は二つあります。

一つは、きれいな文章を読むことです。
書籍・新聞・雑誌・漫画など多くの読み物があります。
中でも、私がお勧めするのが、書籍です。
書籍の中でも、特に評論系の書籍です。
というのも、評論系の書籍は論理的で簡潔な文章が多いからです。
小説やビジネス書の類は、著者の癖が強かったり、そもそも文章的に変な表現が多かったりします。
なので、専門書等の評論系の文章を読むことが、文章力向上への近道です。
できるだけたくさんの表現を盗んでください。
たくさんインプットがあれば、その分アウトプットにも生かされます。

二つ目は、とにかく書いて練習です。
下手でもいいので、上記のことを意識して実行してみてください。
すると自然に上手くなっていきます。
まずは、100ツイートくらい意識して練習してみたら劇的に文章がきれいになっています。

④ 文章構文編のまとめ

以上が文章を書く手順と文章の形式上の修正方法についてです。
「こんな長いプロセスを経てるのか」と落胆する方もいるかもしれません。
最初は難しく時間がかかるかもしれませんが、慣れると数分でできるようになります。
きれいな文章はそれだけで相手からの印象も良くなります。
何よりも相手を気遣った文章は、相手にもそのことが伝わりますので相手にとっても気持ちの良い文章になります。

なお、この手順は私が個人的に行っていることなので、全てを行う必要はありません。
自分の足りないところを取り入れるだけでいいと思います。
細かいテクニックもご紹介しましたが、まずは文章を書ききって、何度も読み返すところから始めてください。
それだけで文章の全体的な印象はがらりと変わります。
たかが140文字、されど140文字です。
たった140文字でも見る人によっては分かります。

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