MY FIRST STORY -THE TWO- 2023年7月24日神戸公演 ライブレポ

ここはロックキッズの中では有名な老舗ライブハウス、神戸太陽と虎

キャパ250人とコンパクトな箱ながら、インディーズからメジャーアーティストまで様々なライブが毎年敢行されている

そしてこの日はなんと47都道府県ツアーの一環としてMY FIRST STORYがステージに立つ

彼らがここでライブをするのは実に約6年ぶりで

普段は少なくとも数千人の規模感でライブをしている彼らのプレミア過ぎるこの日を目撃したいとチケットは秒でソールド

そんなライブの目撃談

開演まで普段より近過ぎる距離感に戸惑いや不安も入り混じった独特の緊張感が支配していたが、照明が落とされるとフロアのテンションはいきなり最高潮に

楽器隊がステージに立つとラウドバンド顔負けの激しいセッションをお見舞いする

至近距離すぎてバスドラの振動がいつもよりダイレクトに内臓を揺らし、ギター・ベースの音も生々しさを帯びてより鋭く響く

最後にHiroがギラついた目つきをフロアに向けながら「っしゃぁぁぁ久しぶりだなぁ神戸‼︎今日はめちゃくちゃやろうぜ‼︎」と吠えると1曲目KING & ASHLEYへ突入

いきなりマイファス流ロックナンバーを投下するとフロアもクラップやヘッドバンキングでいきなりカオスだ

「今日のセットリストはだいぶ攻めてるんで‼︎休憩無しでどんどん行くぞ‼︎」

そう宣言するとSmash Out‼︎、ブラック・スワン、MONSTARを連投

Teruがステージ端のお立ち台から身を乗り出し後方まで煽ったり、kid'zの叫びながらカウントしてドラムを叩きまくる様が余計にテンションを上げてくる

こうも攻めてこられたらファンも相応のリアクションで返すしかないと更に熱量は上昇

感情が臨界を超えた者はダイブするし
偶発的モッシュが常に起こってるような地獄絵図だ

しかし疾走感溢れた曲から重厚な曲までマイファスの表現力と創造力には驚かされる

それでいて全てがマイファスの曲として唯一無二なのだ

そんな中でカタルシスなI'm a mess、悪戯フィクションのような楽曲も組み込まれた

これがこの規模感のライブハウスで鳴っているのが不思議な気分だ

やはり楽器の音の方が前に出てくるので普段よりバンドサウンド感が強く出ている

大きいライブハウスやアリーナとはまた少し表情を変えたこの曲達を聴けたのは貴重な機会だった

しかしここで懐かしのBullet radioに突入するとフロアのテンションはまた一気にピークへ

悲鳴のような歓声にニヤッとしたメンバー

これは確信犯である、今の彼らが鳴らす初期の楽曲はより濃厚でテクニカルに進化してファンの耳に入る

「楽しんでるか神戸⁉︎こんな規模でライブすんの久しぶりだからさ‼︎もっともっとアガッていこうぜ‼︎」

このタイミングで定番曲モノクロエフェクターをやれば盛り上がらないわけがない

何度も演奏されたからこその一体感でアガッていると再び懐かしの1曲Awakeをぶち込む

Nobがマイクを通さず広がれ！と煽ればHiroも「遊び方知ってるよな⁉︎激しいのが欲しかったんだろ⁉︎」と気合を入れる

そうなれば阿鼻叫喚のモッシュが始まるしかない

今やどんな会場でもソールドさせてしまう彼らのまだがむしゃらな時代のライブがここに再現されたかのようだった

そんな光景から一気に現代へ

大迷惑の美しくも切ない音色と歌声は彼らの進化をより引き立たせるようだった

ここでようやくMCに

「湯気？がヤバくて前3列目くらいまでしか見えなかったw あとなんかよく分からない水が上から落ちてくるw」とkid'z

「序盤でいきなりイヤモニがぶっ壊れた」とHiroが告白し今日のライブのヤバさを物語る

「前回の47都道府県ツアーでここに来た時はあんまり(メンバー)仲良くなかった、けど今やこんなに仲良しです‼︎」とkid'zが笑いを誘えば

高架下に位置するため電車が通過するとダイレクトに音が伝わるため「インディーズの頃に爪痕残そうといい感じのMCをしたら台無しにされた」と黒歴史も披露

MCもほどほどにライブを進めようとするも、ここから8曲バラード無しで休みなしのセットリストに加えてメンバーも想像以上に疲弊しておりもう少しMCをする事に

ステージ上の水をほぼ全てフロアに配り、自らの水分補給の手段を断ち余計にピンチにしてしまったり

この距離感なのでファンと直接会話するようにMCを続ける

kid'zと同じ日の誕生日のファンを祝ったり
女性ファンの元カレが晒され弄られたりと
自由奔放だった

中でもこの日の前々日に舞洲で行われた野外フェス、ジャイガでのセットリストについて

「ラインナップがゴリゴリだったから最初からセットリストをかなり攻めて組んでたら関係者各位からもう大ブーイングw フェスでI'm a messやらないとかアホかとw」

実際そのフェスではライブ中に、オーディエンスへ向けてI'm a messがいいかこのまま攻める方がいいか挙手制でアンケートを取った

「I'm a messでかなり手が上がったからこれは決まりかな〜と思ったら攻める方でもグゥワァァァァァってw いや君らどこおったん⁉︎ってくらいw」

「あの、フェスに出る時はね、前に来るような人は勿論だけど如何に後ろの方で棒立ちになってる人を獲得できるかが大事なわけ。そしたらmessやらないってなった途端『最悪………』って言ってたってwww これI'm a missだろ‼︎www 前の方のファンより濃くしただけじゃねぇかwww」

と爆笑を巻き起こした、流石のトーク力である笑

ひとしきり笑って体制を整えたら後半戦へ

虚言NEUROSEから"BOOM"、そしてThe Story Is My Lifeと濃いファンに人気のロックナンバーを連投し濃厚なレスポンスを繰り返せばWINNER、無告と歌謡曲のようにどこかで聴いたようなメロディーが秀逸の２曲を休み無しにお見舞いする

そして代表曲不可逆リプレイスではステージが見えなくなるほどの人数がリフトしサビで一気にクラウドサーフする盛り上がり

ライブもラストスパートに差し掛かると「あと2曲‼︎まさか出し惜しみしてねぇだろうな⁉︎全力でかかって来い‼︎」と喝をいれREVIVERで更にピークを更新

サウナの様なフロアで飛び跳ね拳を上げ合唱する空間は地獄のような天国でまさに生き返るような心地だ

「ラスト‼︎今日が最高の時間だったって終われるかどうかはここにかかってるぞ‼︎出し切れ‼︎」

ラストナンバーALONEではまだそんなに動けたのかと唖然とする程フロアが盛り上がる
レスポンスのデカさも序盤以上だ

そして全員で全身を駆使したヘッドバンキングを繰り出しフィナーレとなった

「ありがとな神戸‼︎最高だったぞ‼︎」

Hiroが満面の笑みでシャウトする程とんでもない2時間だった

この後もツアーは全国のライブハウス・ホールを回り

その後には念願の東京ドームにてONE OK ROCKとの対バンが待っている

各地のファンと濃密なコミュニケーションを取り迎えるその日がどんな日になるのか

この日のライブで垣間見得たメンバーのギラついた一面とファンの熱量を考えたら期待が高まるばかりだ

01.KING & ASHLEY
02.Smash Out‼︎
03.ブラック・スワン
04.MONSTAR
05.I'm a mess
06.悪戯フィクション
07.Bullet radio
08.モノクロエフェクター
09.Awake
10.大迷惑
11.虚言NEUROSE
12."BOOM"
13.The Story Is My Life
14.WINNER
15.無告
16.不可逆リプレイス
17.REVIVER
18.ALONE