UVERworld THE LIVE 12/31 福岡マリンメッセ 前置き

2022年、UVERworldはとにかくライブに力を入れて来た

1月末から3月まで全国のライブハウスをツアーで回り
関東の春フェスにも出演
結成記念日・デビュー記念日にもワンマンライブをしたかと思えば
間髪入れず急遽日本武道館2daysライブを敢行
その後数百人規模のライブハウスでのワンマンを皮切りにロッキンジャパンをはじめ四国、九州、関西のフェスにも出演
更にはメンバーの生誕祭を含むライブハウス・アリーナツアー

昨年末にアルバムがリリースされたばかりとは言え、今年は僅かシングル1枚のリリースとなり
制作よりもライブ、更に言えば各地のcrewに会いに行く事を最重要事項としているかのような活動内容であった

更に言えばライブの内容も前代未聞だ
固定曲は多くて5.6曲と言ったところか、各公演大幅にセットリストを変更し
これだけの本数のライブをこなしながら全く同じライブがほぼ無いのだ

crewからのリクエストを募ったり、各媒体を通して意見や要望をわざわざチェックし
どうしたら皆が喜んでくれるか………ただただその一心でライブを構築していた

正直言えばそんな事、本当に特別なライブでも無い限りする必要は一切無い
ファンの数だけ刺さる曲、期待するセットリストがある
どんなにこれだ!と構築しても誰かは不満を溢す
キリが無いのだ

SNS等を見ていると、如何に自分がプレミアムなセットリストを聴けたかがライブの大きな評価基準になっているように思える

それ故に、せっかく産み出した新曲やライブの核となる定番曲は歓迎されない場合も増えてきた

UVERworldは各時代ごとの色があり、その全ての色で最高傑作があるばかりにファンからの不満も中々に辛辣だ

それでも彼らは向き合い続けた
crewがどうしたら喜んでくれるだろうと

結果この1年は他のアーティストがまぁ真似できない様な奇跡的なライブ活動になったと思う

今年唯一リリースされた新曲、ピグマリオンとカップリングのBVCK

この2曲は人生の在り方を見直すきっかけとなるような曲だった

徹底的に歌詞を届けるための歌パートと演奏パートを分け、ギリギリまで削ぎ落とした名作ピグマリオン

そしてあえて様々な要素をごちゃ混ぜにし、どこか肩の力を抜いてくれるような言葉遣いとメロディーが秀逸なBVCK

『相手の気持ちは分からない 抱きしめもせずに分かるはず無い』

『もう二度と会えなくても 自分を変えてくれた人を "運命の人"と』

かつては反骨精神剥き出しで、自分の味方以外には牙を剥くような楽曲もあったが

今回はなんとも暖かく、寄り添ってくれるような2曲だろうか

そう、自分には理解できない相手・自分とは合わなかったような相手が連想出来そうな歌詞ながら
全くその相手を否定するような言葉が無い

誰かを否定し攻撃するのが日常茶飯事な時代
そんな中でこんなメッセージを出せる彼らの懐の広さと優しさ、暖かさが垣間見える

彼らが満たされていて幸せそうな理由、crewの為と自らの欲求を可能な限り削り取ったライブのモチベーション

2022年の活動内容がこうなった理由が少し分かったような気がした途端
自分の行ったライブ以外でもセットリストが公開される度に泣きそうになった

いよいよ12月31日、福岡マリンメッセ

素敵な1年の集大成のライブが昼夜2公演行われる
来年も激動の1年になる事が確定している彼らだが

まずはこの1年をどう締め括るのか
その愛情を一滴も溢さず受け止めたい

余談だがこのライブレポートを始めたきっかけはとあるアーティストの解散だった

結局1度もそのアーティストのライブを観ることは叶わなかった

絶望と言っても差し支えない状態が続いた日々で
ふと誰かのライブレポートを見かけた

映像化されてない、なんてことないライブのレポート
ただそれが、当時の風景を連想させてくれた

MCや客席の盛り上がり、自身の感想
全てがまるで自分がそこにいるかのように感じる事が出来て少し心が救われた

だからこのレポート達を残した5年後、10年後
当時のライブを感じたい、知りたいと思った人達の目に留まり

少しでもその日のライブを疑似体験出来るようにと
脳のフィルムにに焼き付いたライブを言葉にしてこれからも残していきたい

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