見出し画像

闇は光へ至るのか?

過去に、私、箱白が闇のものとして深く沈んでいた頃。
怒りと苦しみと悲しみと恐れに震えながら、どこか虚空に向かって怒鳴り声を上げたことがありました。

その様子を、近くで見ている透明の"何か"がありました。
しかし、その透明の"何か"は、何もしてくれませんでした。

ただ、黙ってこちらを見ていました。

私はその"何か"を呪いました。

「神様なんていない!越えられる試練だったら、今ここで超えさせてよ!今!この瞬間に!苦しんでる私を!助けてよ!」


【注意喚起】
この記事は、当時の私が体験した、闇の記憶の再現です。
解釈が難しい部分も、誤解を招きやすい部分も多く含みます。内容もかなり重いです。コメディ要素一切ないガチのやつです。

闇です。

それを理解し、このnoteそのものが高次からの謎かけである、という視点でお読みください。

既に体調が悪い方や、メンタルが不安定な方はこの先に進まないでください。
「自分は読むべきだ」と心から思える方のみ、お進みください。

一応、画像を一つ用意します。
これを見てから、読もう、と思ったら、お進みください。






「助けてよ!」
そう声に出して叫んでも、助けてくれるものはいませんでした。
私はうつ症状の中にいました。

暗くて、気持ちの悪いところで、何もかもが敵でした。
こんな世界にどうして私はいるのだろう?
逆に、どうしてこんな世界なんて存在しているんだろう?

不安。ただただ、不安。
将来が不安?自分のことが?家族のこと?学校のこと?仕事のこと?
ううん、そんなもんじゃない。
何もかも。
世界の全てが不安と恐怖で満ちていました。

「どうして?どうして私はこんなに苦しまないといけなの?」
問いかけても、問いかけても、答えてくれる光のものは現れませんでした。

…いえ、正確には、いました。
元気の出る歌を聞かせてくれた人。
昔同じように病気に苦しんだ自分の体験を話して、治る未来があることを教えてくれた人。
学校はお休みしたっていい、ゆっくり休んで、と声をかけてくれた人。

たくさん、たくさん、救いの手は差し伸べられました。
私は、必死にその手を掴もうとして、

やめました。

光り輝く世界からやってきた天使のような人たちは、
みんな笑顔だったり、あるいは心配そうに覗き込んできました。

その光り輝く世界には、私は不似合いでした。
みんなニコニコ笑っています。幸せそうです。
楽しそう、何も苦しみも悲しみもなく、沢山の苦難を乗り越えたことを誇らしそうにしていました。

私は瞬間、惨めな気持ちになった後、
猛烈な怒りが沸き起こりました。

そんな手は取りたくない。
と思いました。
理想やキラキラしたことだけしか知らない、まるで異世界からきた人のように見えました。

羨ましくはありませんでした。
あんなところで、みんなが幸せな場所で一人孤独に暮らすくらいなら
ここの方がまだマシだと思いました。

きっと、あの光の先こそが地獄だろうと思いました。

私は自ら、闇に住むことを選びました。
闇の方がよほど私には優しかったのです。

怒り、悲しみ、苦しみ、痛み、たくさんの負の感情が渦巻いては沈殿する世界には、私にとって友達と呼べそうな存在がたくさんいました。

しかし同時に、たくさん敵もいました。
でも、友達になれそうなものを見つけられたので、一緒に力を合わせて敵と戦い、殺し合いました。
戦いました。
ずっとずっと、戦いました。

きっと全ての敵を倒せば、この闇の世界こそが天国になると思いました。
ものすごい発明だと思いました。
逆転の発想です、
ここが闇なら、ここに私が暮らしても孤独にならない場所を作ればいい。
もう闇に生きると決めたから。

しかし、倒しても倒しても、敵はどんどん湧いて溢れてやってきます。
劣勢でした。
それでも不思議です。
「大丈夫!」そう思えるようになりました。

「だってきっと、神様は見てるから!
頑張って戦って敵を殺して滅ぼして、楽園を作ろうと頑張ってるんだもん!
見捨てないよ!きっと見捨てないよ!」

しかし、敵はどんどん増えました。
ついに私の足を掴み、手を掴み、喉に手がかかります。
…実際はこれはきっと妄想でしょう。いえ、妄想かどうかなんてどうでも良いのです。
その時確かに感じたのは、命の危険を感じた、動物の本能的な恐怖でした。

「死」に直面した動物は、どうするか?

私は、我を忘れて暴れました。
とりあえず周りの敵を殺しました。
それまで友達だと思っていたものも、敵になる前に殺しました。
あと、その辺にいた何かも殺しておきました。リスクヘッジ。
たくさんたくさん、呪いの言葉を吐きました。
呪って殺して、絶対に二度と甦らないように封じました。




…。

そこからは、よく覚えていません。

気づいたら、私は虚無の中にポーンと放られていました。

…?

何これ。

????

ちょっとよくわかんない。
まあいいや。
何にもないし。ふーん。



…。


…。



なんでここにいるんだろう、私って。
まあいいや。うん。









…?








…、

あ。
少しだけ思い出しました。

そういえば私めっちゃ戦ってた!かも??
なんかそりゃもうすごい戦いだった気がする!たぶん。
なんか覚えてないけど。



…、

…戦い?
ん?てことはあれか、敵がいたのか?


…うん、いたわ!いた!うん、確かに怖いやつがいた。
え?そいつらは今どこ?


…。


いない…?

と、いうことは?




勝ちでは????

えっ勝ち!?これ勝ちですか!?
え、マジで???ほんとに???

だって敵いないし?
そういえばなんか不安とかそんなに無いかも?

よっしゃ!これや!!!なんか知らんけど上手く行ったっぽい!

で、えーーーーーと。

ここは、どこだ????





奈落の底の虚無の世界

現実世界の私は、普通に実家のリビングのソファに座っていました。
虚空を見つめていました。

視覚情報から察するに、ここは家。
当然です。
一応、ちゃんと座ってるし。うん。

…でもなんだろう、誰も人がいない。

…誰か人がやってきました。あ、お母さんだ。
ねえ、と話しかけました。

「多分、もう私大丈夫!なんかもう怖くないの、不安もないの!
すごくね?勝ったよ!」

母は何か返事をしました。
でも母の言葉を私は理解できませんでした。

…?なんか言ってる。よくわからん。なんだ??





そんな状態が、多分、数ヶ月続きました。


戦った先にあったのは、なんかよくわからん世界でした。
いえ、現実です。現実には何も変わりはないはずなのに、何かおかしい。
そこに自分が存在していることが、なんだかものすごく違和感がありました。

家族と会話ができません。意思の疎通ができません。

ていうか、もう私の中になんの感情も残っていません。

「戦いは終わった」と思っても、そうだね、と言ってくれる存在がありません。

だから、よくわかりません。
「戦いは終わった、平和になった説」。

空虚な平和でした。思ってた平和と全然違いました。

…???





よし、これは死ぬしかないわ。と思いました。
でも同時に「死ぬの無理だな」とも思いました。
今まで散々戦って、抗って、闇から逃れるために必死に頑張った記憶はあります。
だから、「死」への本能的な恐怖を私は嫌というほど全身で体験していました。



辿り着いた先は、ボーーーーっとした虚無の闇でした。

辛いことも悲しくもありません。何もありません。
ただただ、虚無が広がるばかりの虚しい気持ちです。

ご飯を食べるのも申し訳ない。息を吸うのも申し訳ない。
そう思って生き続ける自分は、きっともう死んでるんだと思いました。
ただ、肉体がたまたま動いてるだけの人形だと思いました。

こんな私、生きててごめんなさい。



「こんなの嫌だよ」

ぽこっと、そんな気持ちがどこからか泡のように生まれました。
あれ。
私、そんなことまだ思ってたんだ?

「…悲しいよ、不安だよ、怖いよ」

どこからか、その嫌な負の気持ちが湧き起こります。

いやいや待て待て、私は確かこの気持ちを全て殺したんだけど?

だからここには何もないはずなんだけど??
私はその気持ちを、まあどうせすぐまた消えて虚無に戻るさ、と思ってやり過ごしました。

虚無の状態になる時間は、日に日に増えて、たまにポッカリ浮き上がってくる負の感情の残り香のようなものは、次第に現れなくなっていきました。

自分はこうして消えていくんだろうなあ。と思いました。


闇から湧き出る負の源泉のそのさきに

「神様は見てる、きっと幸せになれる。どんなに苦しくても、未来は大丈夫」

そんなことを笑顔で語る人が、私は嫌い。
どうせ渦中にいない部外者に、何がわかるの?

自分は助かった、だからあなたも助かるはず?
なんてひどい論理破綻。あなたと私は同一人物ではないでしょう?
同じ条件でなければその論理は成立しない。

ただの気休め。希望的観測。馬鹿らしい。

ええ、よかったね、あなたは助かったのね。
でもそれ、私にも当てはまるって誰がどう証明するの?

良いじゃない、あなたはそのまま綺麗で美しい世界に行けば?
わざわざ引き返してこっちにきて、何をしたいの?
誰かを助けてあげたいの?
なんて傲慢、なんて恩着せがましい、厚かましい。
親切心に酔ってるのね、かわいそうに。

幸せな光のものは、永遠にそちらの世界で楽しく仲良く暮らしていれば?
どうせ私を助けることなんて、不可能なんだから。
余計なことしないでくれる?

「大丈夫よ、あなたもこっちに来れるんだから!
素直になって!心のままに!」

そんな光のものの声が聞こえました。
その声には「受け入れてあげる!」という優しくて残酷な響きがありました。
その声は、さらに闇を奈落へ突き落としました。

誰もわかってくれないの。
わかってくれないの!!
私の苦しみも悲しみも痛みも、みんな「大丈夫だよ、すぐになくなるよ」って言うの。
みんな私が感じてることを否定するの!

闇にいる人の方が、その負の感情をわかってくれるの。
だから私の居場所はここしかないの。


もう一度闇を見よ

虚無からぽこぽこ浮かんでくる「不安」「悲しい」「怖い」を見ていたら、
……当時の苦しみを思い出しました。
空虚な闇の中で。
寂しかったなあ、と思いました。

…どこからぽこぽこ湧いてくるんだろなあ、これ。
ああ、記憶か。
自分の記憶の中のやつか。うん。

まあ飽きもせず、不安は次から次へと出てくるものです。
でももう虚無なんだから、それを発生させるものもないはずなのに。

完全に殺しきったはずなのにね。


あ。

忘れてた。


今、ここに一つ存在してるものがあります。
自意識。
これは殺せていません。
…いえ、殺す方法がわかりません。
死のうとはもう思えないのです、正直怖すぎてそんな勇気も気力もありません。

体は動きます、息もしてます。肉体はかなり弱っているけど、とりあえず死んではいなさそう。
意識は?

…ビミョー。
死んでるって言われたら妙に納得できちゃうし、生きてるって言われてもまあそうだろなって感じです。

でも、なんか誰かが言ってた気がします。「人間は考えていれば存在する」的な何かを。なんかどっかの偉人か何かが言ってた気がします。

じゃあ、存在してるのかなあ私。

ぽこぽこぽこ、ぽこぽこ、とまた小さな泡のような不安が出てきました。
まあ、小さすぎて今まで体験してきた不安と比べたら全然大したことありません。

ふーーーん。
………。
寂しかったよなあ、私。できたら否定されたくなかったなあ。
わかるよ、相手もこっちを助けるのに必死なんだ。
未来を信じて欲しかったんだろうね。きっと。

でもさ、無理だよなあ。
だって、あんな異世界に私の居場所なんてないよ流石に…


妙な気分でした。
ちっちゃな不安の泡のようなポコポコをぼーーっと眺めながら、
なんか、自分に同情しました。

「散々な目にあったよねえ」

その瞬間。

不安がブワああああああっと広がります。
悲しみも苦しみも怒りも何もかも、負の感情の全てが湧き上がりました。

湧きあがった感情は確かに今までと同じものでしたが、
その時の私の意識は、別の捉え方をしました。

私、辛かったよね、怖かったよね…
誰も理解してくれなくて、周りはみんな異世界人で、怖かったよ、辛かったよ、
でもやっぱりあそこには行きたくないなあ。

私は、自分で殺したはずの負の感情たちと一緒に泣きました。
わんわん泣いて、子供みたいに顔ぐちゃぐちゃにして泣きました
私は、自分が世界中の全てに否定されたと思いました。
だから全て殺そうとして、自分の感情も殺しました。
決して甦らないように、入念に殺しました。

でもどうしてか、感情は死んでいませんでした。

それどころかどんどん増幅していきます。
ポコポコ湧くどころの話ではありません。


半狂乱になって泣き叫ぶ私に、どこからか手が伸びてきました。
母の手でした。
そういえば、私は実家で家族と暮らしていたことを思い出しました。

その時湧き出て溢れた感情は、「誰もわかってくれないの」と悲しんで怒る感情。それは自分に向けられたものでした。
あの時、私が感じていたことと、そのままそっくり同じことを、私は自分自身に感じていたことを知りました。


ごめんね、殺してごめんね、私が一番されたくないことを、自分自身にしてたのね。ごめんね、ごめんね、とずっと謝りました。
私が殺した分だけ、その感情は私を「ひどい」「ひどい」と責めました。
でも、流石にそれと戦う気持ちにはなれませんでした。だって自分自身が泣いてるんだから。

何ヶ月もかけて、謝りました。
なかなか許してくれません。
当然です、だって殺したの自分だもん。

暴れて殺したものの中には、かつて自分で大切にしていた記憶や、友達との関わりや、趣味や、家族との会話や、何もかもがありました。友達だと思っていたものが、心の支えにしていたものが、たくさんありました。
とりあえず殺しておいたものの中にも、大好きだった料理のこととか、好きな絵のこととか、色々ありました。

そして、敵だと思って殺したものには、人からもらった言葉とか、心配してくれて声をかけてくれた人との記憶とかが、たくさんありました。
当時は確かに敵でした
私のことを理解してくれない、私の見ている世界を否定する怖い人でした。

でも、私はもう、それらを敵だとは思えませんでした。

「ごめんね、否定してごめんね、私が一番されたくなかったことを、自分がしてたなんて、ごめんね」

すると、少し間を置いて

「いいよ」

と不貞腐れた誰かが言いました。



私は闇から脱しました。

度々、闇の中に引きずり戻され、その度にその不安も、恐怖も、苦しみも、否定しないように頑張りました。

光の世界は暖かくて、優しくて、みんな親切です。
闇から這い上がってきた私を、泣いて喜んで、本当に迎えてくれました。
仲間だよって言ってくれました。
光のものは、異世界人ではありませんでした。

でもね、
私は、過去の自分にとって異世界人にはなりたくないなあ、
おんなじ世界で生きていたいなあと思いました。



問う。

闇は、光から拒絶されて絶望の底へ叩き落とされても、それでも光を愛することができます。
光は、闇から何度否定されても、無視されても、殺されても、それでも闇を赦すことができます。

光と闇を経て、再び戻ってきた光の世界は、どこか懐かしくて、どこか不思議な場所でした。

「光を尊び、闇を敬え。
そのさきに至る世界へ共に行こう」
なんか知らんが誰かに言われたやつ。



はい。



…と、いう高次からの謎かけだよ!!!
めっちゃ長くなりましたほんとすいません!!!

無駄にリアルに書いたせいでもーーーーほんっと鼻水やばくてティッシュの箱が空っぽですよ!
HAHAHA!

数年かけて光と闇の世界をガチ旅しましたが、死ぬかとおもたわ!
てか、死んだ方がマシだわあれ、死ねないのキッツイ。

もしここの後書きを読んで「チッやっぱ救われてるじゃんかよてめえ、異世界人が」と思う方、別に私はあなたを救うためにこれを書いてないです。
他人である私が、これを読んでいる人を救うなんてあり得ないでしょ?
だってこれは人間の「内側」の話です。
他人の存在は出てきても結局ここにあるのは全て「一人称による認識と解釈」。

これは謎かけです。

人間が高次のものに「なぜ」を問い続けるなら、高次もまた人に「なぜ」を問いかける。

それゆえに、これは謎かけです。



サポート頂けますととっても嬉しいです!(サポートでいただいた分は美味しいコーヒー飲んで自分のグランディング費にしようと思います)