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【短編小説】Hey!スーパーアレクサ!

 魔皿町にいる大木戸博士のとある物語、今回はどんな物語があるのでしょうか。それでは始まり始まり。

大木戸博士「ついにできた!長年の思いがついに実現した!」
助手「博士、今回は何ができたのですか?バナナとかですか?」

大木戸博士「今回はこれだ!スーパーアレクサだ。略してスパクサ。声をかけるだけで反応する、だけでなく自由に動き回ることができる。」
助手「そうなんですか、でも見たところ四角い箱ですよ、冷蔵庫ほどの。」

大木戸博士「Hey!スパクサ!蛍光灯を変えて!」
そう博士がいうと四角い物体から手と足が出てきてあっという間に蛍光灯を取り換えた。

それから、私大木戸はスパクサと一緒に発展途上のエリアを支援することとなった。現地の方々は初めて見る私とスパクサに釘付けだった。

大木戸博士「Hey!スパクサ!言葉を翻訳して伝えて!」
こんなことは簡単なことだ。スマホでもできる。本領はここからだ。

大木戸博士「Hey!スパクサ!橋を架けて!」「Hey!スパクサ!設計図を描いて学校を建てて!」
そう私が言うと、スパクサはてきぱきと動く!私とアレクサは一心同体だ。

大木戸博士「Hey!スパクサ!現地の方に作業の指示をして!」
もちろんAIを搭載しているのでこのぐらい朝飯前だ。

 数か月が経ち、作業は順調に進み、この途上地域のインフラがみるみる整備されていった。そんなある日のことだった。

現地の方「今度、インフラ整備に貢献してくださった方の表彰式をしますので、是非…」私はすぐに答えた。
大木戸博士「ありがとうございます、大変光栄です!」

ノーベル賞を取り逃した私にとって、非常に嬉しかった。しかも、今回は人のために働けたという気持ちが非常に大きい。ここまで頑張ってよかった。スパクサを開発してよかった。

 表彰式当日、相棒のスパクサと一緒にホールに行った。このホールも私が建てたものだ。燕尾服を着て表彰式開始をまだかまだかと待っていた。

司会者「えー、この地域のインフラ整備に貢献してくださった方を表彰します。呼ばれたら、檀上にあがっていください。」



司会者「スーパーアレクサ殿!!」
私は驚愕した、現実が受け入れられない。隣のスパクサが檀上に上がって行った。私は驚いてるなか、周囲の方々の声が聞こえてきた。

周囲の方々「このスパクサって素晴らしかったな。四六時中 中心になってよく動くのはもちろん。皆と仲良くなってプライベートでも打ち解けるし、どんな相談にも乗ってくれる、最高の奴だったな!」

私は非常に複雑な気持ちだった、開発したものが優れていたが故に、こんな仕打ちになるなんて…

私はスーパーアレクサと一緒に帰路に着いた。



スーパーアレクサ「Hey!大木戸博士!起動を終了して」

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