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ゲーム実況でSteam Nextフェスを楽しみたい!ゲーム実況鑑賞 #8

ゲームコンテンツが素晴らしいのは、言語の問題さえ気にしなければ時間差なく、世界中にあるインディーゲームをプレイできるということ。
そもそもゲームって、開発からプレイまで国境も、クリエイターとプレイヤーの境目もほとんどないメディアだというのが魅力だと思うんです。
そんなわけで私はプレイはしないけれど、たとえば異国の小さなスタジオでどんなゲームが生み出されていくのか、とても興味があります。
けれども無数にリリースされるゲームの中でどれが面白そうなのか?を調べるのは大変です。そんな時こそゲーム実況!

Steam Nextフェスに参加するインディーゲームが気になる

そもそも「Steam Nextフェス」って何なの?という話なのですが。
Steamは、PCゲームの大半をダウンロード購入できるおそらく世界最大のプラットフォームで、そこが開催中(6月21日2:00までのインディーゲームを応援するお祭りです。期間中、開発者によるライブ配信が随時放送され、新作リリース予定のタイトルのDEMO版が何百も公開。DEMO版をプレイすると「2022年夏のSteam Nextフェスバッジ」が獲得できるそうです。

「Steam Nextフェス」を契機としてインディーゲームとその実況を見ることのすばらしさをぜひ多くの人に知っていただきたく、今回は、公開されるDEMO版の中から、インディーゲームキュレーターともいえるゲーム実況者の方々が紹介するおすすめゲームを見ていきたいと思います。

インディーゲーム実況が魅力的な5人の実況者別動画紹介

1)関西弁の軽快でわかりやすい紹介「やまチャンネルPCゲーム紹介実況」

「ゲームがあるからギリ生きてる」に始まる軽快なトークで普段は実況より解説中心でSteamのゲームを紹介するやまチャンネルは、最新の素敵なゲーム探しでいつもお世話になっています。

Steamキュレーターでもあるやまチャンさんはこのお祭りにもしっかり参加。すばらしいのは、導入としての紹介とラストのおすすめポイントまで30分尺に丁寧に編集し、スピーディに公開していくところ。

紹介されているゲームも独自性があり、コンセプトが面白かったりアートワークが魅力的なものを発掘してくるセンスが光ります。

特にこのキツネの親子と荒廃した世界の作品のDEMO版は、他の方の実況ではほとんど紹介されていなかったけれど、世界観、アートワーク、ゲームシステムどれをとっても魅力的で、とても興味深く視聴しました。
シンプルに子ギツネがかわいすぎてもだえます。

こちらもドット絵が素敵な、昼はダイビングで魚を捕獲し、夜は寿司屋で稼ぐという、斬新なコンセプトのアドベンチャーゲーム。
ぽっちゃりデイブと黒人寿司職人の番長という、登場人物のキャラ立ち具合もいい感じで、関西弁でやまチャンさんがつっこんでいったりするところも楽しめます。

2)怒涛のインディーゲーム実況をたんたんと「ToiletPaper Gaming」

ToiletPaperさん(でいいのかな?)は、良質なインディーゲームは時期を問わずだいたい網羅して、最後までちゃんとやる方で、とにかくインディーゲームの投稿頻度がずば抜けていると思います。

DEMO版においても話題作は全部やるし、え、それどこから見つけてきたの?ってやつまで、フェス期間前からやってる方です。

特にジャンルを絞らず何でもトライしてみる方ですが、特にアートワークが魅力的なパズルアクションやポイント・アンド・クリック系のゲームは、他の人がやっていないマニアックなものまで網羅してプレイしている印象です。

これは話題作寄りですが、ゲームクリエイターの悩みがギュッと詰まりつつ、ゲーム内ゲームでアクションも楽しめるというスタイルのドット絵ゲーム。敢えて懐かしいエフェクトの入ったドット絵の世界がとても魅力的なうえに、DEMO版はめちゃくちゃ続きが気になる終わり方で、製品化が待ち遠しい作品です。

昔のアメリカのアニメみたいな独特の表現が見事なポイントクリック系のアドベンチャーゲーム。ゲームのジャンルは全然違うけれど、Cupheadのレトロ感にリスペクトを感じます。
よくこんなゲーム発掘してきたなっていう、これぞまさにインディーゲームの醍醐味が詰まっている作品だと思いました。

3)Vtuberだけどインディーゲーム愛があふれる「しろこりGames」

女性でこの人いいって実況者さんなかなかいない中、インディーゲーム実況動画で素敵な作品を多くとりあげている方という印象。
一見、美少女Vtuberとしの配信がメインで、ゲームはおまけ的なポジションかと思いきや、ごりごりに編集した動画あげてるし、とりあげてるゲームの大半はインディーゲーム。丁寧な動画編集と公開へのスピード感が素晴らしい。
媚びるような話し方じゃないたんたんとした、しかしながら聞き取りやすい声がまた良いです。

このフェスのDEMO版もたくさんアップしており、チョイスもよくて楽しめます。

「夜廻」を彷彿とさせる、メルヘンなタッチで残酷な童話風のストーリーが展開するホラーアクションです。人間が動物のペットになっている世界で、敵に襲われて逃げ回りつつタスクをこなしていくような内容なのですが、敵より何よりプレイヤーの少女の闇が深そうなのめちゃくちゃいい。真相が気になります。

これもシンプルにすっごく面白そう。製品版の実況が出たらぜひ見たいと思った作品でした。
しろこりさんが今回のフェス系の動画で投稿しているのは、動物モノがなぜか多めで、ここで紹介するのも2本とも動物ものですが、さきほどのメルヘンホラーと打って変わって、こちらはハードボイルドな動物たち!刑務所の脱獄の仕組みは「The Escapists 2」に近しいのですが、登場人物の動物たちがけっこう作り込まれているし、なぜ刑務所に入れられたのかのストーリー設定がぐっときます。

4)見やすい編集に安定感のある「AT-AT(仮)のインディゲーム沼」

名前は仮らしいAT-ATさん。変えなくていいのではと思いつつ、この方も2020年チャンネル開設後に破竹の勢いでインディーゲーム実況してる方。このフェスに関する動画も多くてどれにしようか迷ったんですが、この2本に。

フェスの注目作ながら2か月前のDEMO版公開時にすぐやってるのが、さすがインディーゲーム専門チャンネル。こちらはいろいろなインディーゲームニュースの中でも少し話題になっていて気になっていたんです。
なんと道教をコンセプトにしている台湾のアクションアドベンチャーゲーム。
こういう暗いテイストなのに動物系のイラストがかわいい作品ってずるいですよね。
アクションに詰まった部分はカットして、内容がわかりやすいようにコンパクトにまとめているのと、ポイントポイントでキャプションを入れてくれているのも丁寧で良いです。

もう、これは、スタイリッシュでユニークなピンクカラートーンのアートワークってだけで目を引かれてしまう。ジャンルとしては「リズム天国」を感じるリズムゲームです。とはいえ、リズム天国はポップで元気いっぱいな感じだけれども、こっちは眠れない主人公のふわふわした夢の世界がステージになっていてアンニュイな雰囲気すら漂うところが対照的です。
普通に難しそうで、リズムゲーって失敗が多いと気になるけど、適度にカットして楽しい部分見せてくれていてよかったです。

5)インディーゲームをプレイする楽しみを発信「LayerQ *Indie Channel*」

基本的にゲーム実況はLIVE配信でなくて編集済みの動画を扱いたいと思っているのですが、LayerQさんはぜひ触れておきたい。
彼は日ごろは割と動画もつくっていますが、このフェスについてはLIVE配信動画が中心でした。海外のインディーゲームを日本に紹介する仕事をしている方で、インディーゲーム紹介に定評のある方として外せないと思っています。(その仕事、大変そうだけど面白そう)
サバイバル、ハクスラ、デッキ構築型など戦略要素もある忙しめなゲームが得意なイメージです。単にゲーム実況を見せるだけでなく、視聴者が未プレイでもプレイしてみたいと思えるように、ゲームの楽しみ方を丁寧に紹介する優しさが詰まった動画をつくっています。

インディーゲーム実況者さんはだいたい、あげてる、話題作。2022年1番の期待作ともいわれるカルト教団の教祖になるローグライトアクションゲーム。
DEMO版公開間もなく速攻でLayerQさんがLIVE配信していました。
とにかく羊のアニメーションがかわいい。なのにテーマがダーク。しかもゲーマーは大好きなローグライト。LayerQさんのDEMO版を見てみたところ、サバイバル要素もある感じ。

そしてこういう見下ろし型アクションでかわいいのに割と戦いはハードで忙しいみたいなゲームはLayerQさんの得意なスタイルと合っているのでLIVE配信でもだれることなく楽しめます。

配信しながらDEMO版を複数本楽しむLIVE配信。下記4本の全く趣の異なるインディーゲームが紹介されます。
・Passpartout2:お絵描きアドベンチャー
・MIDNIGHT FIGHT:ベルトスクロールアクション
・NAIAD:癒し系パズルアドベンチャー
・Turbo Golf Racing:ゴルフ&レース
つまみ食いする感じに楽しめました。

インディーゲームというロマン

小さなスタジオで低予算でゲームをつくるのはとっても大変だけどロマンを感じるというか。
CGがすごかったり、壮大な世界を味わえるオープンワールドだったり、そういう大型タイトルももちろん素晴らしいけれども、それだけがゲームじゃない。

制作にかかわっている人がかなり少人数というケースも多いので、個のこういうの創りたいんだという意志が芯にしっかりあって、その想いがしっかり表現に落とし込まれたとき、そのとんがり具合がとんでもない感動を生むことがあるんですよね。映画でいうとミニシアターにはミニシアターの良さがある、みたいな話です。

そしてそれを実況する人にもまたゲーマーのロマンを感じる。利益を出すこと以上に良いゲームを楽しみ広めていきたいという熱い想いを感じてぐっとくるんですよね。

今日ここに紹介したチャンネルをチェックしていればだいたいのインディーゲームのタイトルは知ることができます。

ゲームプレイすることはもちろん、こうした実況動画をアップする方々をどんどんチャンネル登録などできる形の応援をして、めぐりめぐってインディーゲーム界隈が盛り上がって、クリエイターさんも面白いゲームにたくさんチャレンジできるようになればいいと思っています。

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