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【NO.18】Talisker The Distillers Edition 1993-2007

今回は京都洋酒研究所からいただきましたサンプルをテイスティング。

京都洋酒研究所公式テイスティング・ノート【第一回】Talisker The Distillers Edition 93-07

今回、いただいたのは毎年1バッチリリースされるThe Distillers Editionの2007年版(以下、DE)。
アメリカンオーク樽で熟成した後、アモロソシェリー樽で2回目の熟成をしているという変わり種です。

ベタですが個人的にハイボールはタリスカー10年かベンロマック10年が好物でして、手軽に手に入る価格と流通量から、我が家でも最もボトル購入本数と消費量の激しいウイスキーです。

さて、この未知の90年代のDEの味わいはいかに·····

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【スペックおよび概要】
日時(Date):2020/4/20 21:08
場所(Place):自宅
銘柄(Brand):タリスカー
ボトル種別:オフィシャル(限定品)
蒸留/瓶詰/熟成年(Distilled/Bottled/Age):1993~2007  年数表記はなし 
樽種別(CaskType):アメリカンオーク&アモロソシェリー
度数(Strength):45.8%
種別/国(Category):スコットランド(アイランズ)
所有会社(Owner Company):ディアジオ・モエ・ヘネシー
ボトル残量:


【プロフィール(Profile)】
色調(Color):Clear(0)~Dark(10) 8
甘味(Sweetness):Dry(0)~Sweet(10) 2
ピート(Peat):None(0)~Heavily(10) 3
ボディ(Body):Light(0)~Heavy(10) 3
バランス(Balance):Bad(0)~Good(10) 3


【香り(Aroma)】
オールド感がある・ジョニ黒のオールドに似ている?・少々の火薬・シナモンスパイス・八角強めのチャーシュー・たまり醤油・海外の人工着色料甘味料多めのチョコレート菓子・粘性を予感させる
【味わい(Flavor)】
軽い口当たり・徐々にスパイシー・あずき・アーモンドの皮・香りに比べると味の主張は穏やか・海外製のチョコレート・粘性はない
【余韻(Finish)】
わずかにパフューム・短く、奥行きは感じない・ややサルファリー・アーモンドの皮のビター


【総合評価(Total)】
・タリスカーに抱いていたイメージを覆すおもしろいタリスカー
50/100


タリスカーと言うと、ハイボールにしても負けない芯の強い香りと味の、一種の「荒々しさ」が売りのウイスキーであり、黒胡椒を思わせるスパイス感が特徴です。

対してこちらのDEはそのタリスカーへの先入観が「むむっ?」と翻る仕上がりとなっております。

特にまず目に飛び込む色と香りから、味わいの濃さも予想しますが、口にするとかなり穏やかなキャラクターであり、また現行のタリスカーの特徴である「荒々しさ」は見受けられません。正直これをブラインドで飲んだとしてタリスカーにたどり着ける気がまったくしません。

未体験の要素が多く、京都洋酒研究所さまの「中華の飴がけカシューナッツ、酢豚の甘酢」という《所長のひとことテイスティング》がユニークな表現ですが、かなり的を射ていると感じました。


あと個人的に「おや?」と感じたのはオールドのジョニーウォーカー:ブラックラベルを彷彿とさせる香りを感じたことでした。

JOHNNIE WALKER BLACK HP

ジョニーウォーカーからは数多くのシリーズが出ておりますが、その中でも有名なブラックラベルのキーモルトにはタリスカーが含まれています。

とは言うものの、個人的は現行品でもオールドでも正直なところ、タリスカーの要素については「うーん・・・あるような、ないような・・・」という曖昧な(タリスカーそのものの個性が強すぎる&味覚が貧弱という事もあり)感想でした。

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ところがこちらのDEについては、ノージングの瞬間に「あ、この香りは!」と頭の中で不思議と歯車が噛み合う感覚がありました。

もちろんジョニーウォーカーのキーモルトにこのDEが使用されているのかと言えば、そんなはずはなく、的外れな話と言えばそれまでですが、シェリー樽の主張が強いタリスカー、もしくはタリスカーとシェリー樽の主張の強い何かを組み合わせるとこんな香りが生まれるのかな?などという妄想を抱いた次第です。非常におもしろいテイスティングでした。機会を与えてくださった京都洋酒研究所さまに感謝を。


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