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「後輩の結婚式」と「父の葬式」

2021年12月31日をもって閉店した「あいまいな酒場」

それから今に至る半年間は、虚無感、自己無能感に苛まれ、現実逃避をし尽くしていた気がする。

昨年の年末から父がコロナをきっかけに肺に穴が空き、瀕死の状態が続いていたのだが、今年の5月21 日にとうとう死んでしまった。

同時に、大切に想う後輩が結婚式をあげたのも同時期だった。それを祝うため、歌を歌った。

複雑な感情がジェットコースターのように上へ下へ、揺さぶられるような日々だった。


葬式を終えると不思議なもので、気はラクになった。
「あぁ、人はやっぱり死ぬんだなぁ」を再確認し、ただただ深く実感しながら父の骨を拾う。

「なぜ生きるのか?」「なんのために生きるのか?」

そういったたぐいの妄想はどこかに消えてくようで、帰りの道はいつもより明るく感じ、高揚感すらあった。


感情が落ち着いた頃、結婚式を終えた後輩と電話をしたあとわんわん泣いた。

「幸せ」という気持ちと「辛い」という気持ちが同時に押し寄せ、同時に深く味わった2022年5月。このさき一生忘れることはないだろう。


今じぶんは29歳。

「30歳までに何がしたいだろう?」とよく考えていた。

父が私へ、20代最後に遺してくれたのは「親の死」。

有り難くいただき、もう少し生きてみようと思った。

父さん、またいつか。一緒に酒でも飲もう。土産話、たくさんもってくわ。


ウイスキー飲みます🥃