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ウイスキー小噺 第003回:シングルモルトも「混ざっている」?

第002回までの説明で、「シングルモルト→混ざっていない」「ブレンレッド→混ざっている」という印象を持ったのではないでしょうか。
実はシングルモルトも「混ざっている」のですが、どういうことなのか、以下で説明していきます。
私の体感ですが、ウイスキーを飲む人でも「シングルモルトは混ざっていない」という勘違いをされてる方もそれなりにいますので、そうならないようにここで理解しておきましょう。


複数の樽の原酒を混ぜる

ウイスキーは樽の中で長期間熟成されますが、ボトルにつめて販売するにあたり、複数の樽の原酒を混ぜ合わせるのが一般的です。複数の樽の原酒を混ぜ合わせることで、風味を調整したり、大量に同一品質のウイスキーを製造できるようになります。
シングルモルトウイスキーも例外ではありません。蒸留所では材質や熟成期間の異なる樽がたくさんあり、それらを混ぜ合わせてボトルに詰めて、私たちの手に届くわけです。
シングルモルトウイスキーの定義は「1つの蒸留所で製造した、モルトのみを原料にしたウイスキー」でした。複数の樽を混ぜ合わせても、それら全てが単一の蒸留所で製造されたモルトウイスキーである限り、シングルモルトの定義を満たします。

具体例:サントリー山崎

サントリー山崎の商品紹介には、「山崎の伝統であるミズナラ樽貯蔵モルトと、革新のワイン樽貯蔵モルトをはじめとした様々な山崎モルトが出会うことで生まれた山崎です。」と記されています。
山崎は日本を代表するシングルモルトウイスキーですが、複数の樽原酒を混ぜていることが明記されています。

「混ざっていない」ウイスキー?

「混ざっていないウイスキー」も存在します。
「シングルカスク」とか「シングルバレル」などと呼ばれ、「カスク」も「バレル」も樽のことを指し、「1つの樽からボトル詰めしたウイスキー」のことを言います。
1つの樽からとれるボトルはせいぜい数百本。リリースされるとしたら限定品であり、結構なお値段です。シングルカスクに手を出すのはもう少しウイスキーを勉強した後でも遅くありません。

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