ネガティブな感情との付き合い方
Inspiritブログ部のお題。「ネガティブな感情との付き合い方」です。
今回はネガティブな感情との付き合い方についてお伝えいたします。
出来事が起こった時、どのように振る舞うのか、どのような感情を出すのかを決めるのは「記憶」です。
過去の経験から、同じような出来事はあったか、なかったか。
あったとしたら、その時はどのように振る舞って、どのように感じたのか。
同じようなことが何度かあれば、体験の積み重ねから、どう振る舞うべきなのかがわかってきます。
脳は記憶を探り、答えを探します。
そして、同じような出来事を見つけると、その時と同じように振る舞おうとします。
同じようにしようとするのは、前回と違うことをして困ったり傷ついたりしないよう、日々を過ごすために必要な動作などが習慣化されるのと同じように、私達を守るためです。
ですが、それは過去の積み重ねです。
時には、過去から今の状態へと変化させた方がいい場合もあるのです。
感情とは、代表的なもので「喜怒哀楽」があります。
そのうち、ポジティブに分類されるのは、喜・楽です。
ネガティブに分類されるのは、怒・哀です。
感情との付き合い方は感じきるという一言に尽きますが、「感じきる」とは、どういうことでしょうか。
人には感情があります。
感情が薄いという人もいらっしゃるかと思いますが、感情がない人はいません。
感情は、出しやすいか出しにくいかのどちらかです。
人にはそれぞれ、自分にとって出しやすい感情と出しにくい感情があります。
人前で喜ぶものではないと、ポジティブな感情を出しにくい人もいれば、
人前では怒らない、泣かない、など、ネガティブな感情の方が出しづらい人もいます。
どちらかというと、ネガティブにとらえられる感情ほど、人前では出しづらいものではないでしょうか。
そして、感じきることが難しいのもまた、ネガティブな感情の方が多いです。
喜びや楽しさを表現して、表現したりない! と思うことはあっても、スッキリはすると思います。
ですが、怒りや哀しさの場合、怒りを感じて怒りを表現したのに、なんだかモヤモヤする。
哀しさを感じて哀しさを表現したのに、なんだかスッキリしない。
そんなことはありませんか?
スッキリしないのは、本当に出したい感情を出さないようにしているからです。
ネガティブな感情を出しきってもモヤモヤする場合。
例えば、自分が大切にしているものがありました。
大切にしていると伝えていたのに、とあることで相手がそれを壊してしまいました。
無くなったという喪失感から泣き続けて哀しさを表現し続けました。
涙も出なくなり、相手も「ごめんなさい」と謝ってきたのに、なんだかモヤモヤが残っている。
そんな時、感情はどのようになっているでしょうか。
まず、過去から同じような出来事を探してきて、感情としては「哀」を選びました。
しかし、実はその過去の出来事では、悲しむ前に怒っていたのです。
「大切にしてたのに、なんで壊したんだよ!」と。
ところが、相手から、「そんなことで怒るなよ」と言われました。
そして、自分の反応がおかしいのかと怒りをひっこめて哀しいと伝えると、相手は謝ってくれました。
この体験で得られたことは、怒りより哀しいが相手に伝わるということでした。
本来選んだのは怒りでしたが、怒りでは相手に自分の表現したいことが伝わらなかった。
そこで、別の感情を出したら伝わった。
それは哀しいだった。
この場合、同じような状況で本来選んだ「怒り」を出してしまっては、以前と同じように間違った選択をしたことになってしまいます。
そうすると、一度は選んだ怒りを出さないようにぎゅうぎゅうと抑えます。
そして、代わりの感情を出します。
以前と同じ選択をすれば、間違いはありません。
相手に自分の気持ちが伝わるはずです。
しかし、抑え込んだ感情は消えるわけではありません。形が変わっただけで、感情そのものは残っています。
感情が底の方でくすぶり続けるのです。
代わりになるものとしては、怒りの代わりには哀しみ、哀しみの代わりには怒りがなりやすいようです。
感情は思考と同じ、働きかけとなるエネルギーです。
一度生まれたエネルギーは消費されるまで、いくら抑えても消えることなく存在しています。
抑えることが習慣化された感情は、どんどんたまっていきます。
たまった感情は、重しとなっている代わりの感情を感じきった時に飛び出します。
きっかけは些細なことでも、ゴムボールを押さえてから放せばよりよく飛ぶように、一気に噴き出すのです。
いつもニコニコしている人が、何が切欠かわからないけどいきなり怒り出した。
というような状況があったとしたら、本来出したい感情を抑えていたのかもしれません。
まとめ
ネガティブな感情との付き合い方は、モヤモヤしている時は、
もしかしたら別の感情が残っていないだろうかと振り返ってみてください。
怒りを感じ切っても哀しみが残っていたり、哀しみを出し切っても怒りが残っていたりする。
感情を感じきるとは、エネルギーとなって残っているものを全て見つけて出していくということです。
はじめはなかなか見えないかしれませんが、感情はいつだって見つけてほしくてそこにいます。
質問を投げれば答えは返ってきます。
自分の感情は自分のもので、周りの反応で変えるものではありません。
ですが、小さい頃は周りの反応が全てです。
周りの反応を見ながら、自分がどう振る舞うのが一番いいのかを探っていくしかありません。
自分が白だと思っても、周りが赤だよと言えば赤かもしれない、と思います。
白じゃなくて赤かもしれない、いや赤だ、赤に違いない、となっていきます。
モヤモヤが出てきているなら、赤になった色を、本来自分が感じた白に戻すタイミングなのかもしれません。
もう小さい頃の自分ではなく、自分なりに体験を重ねて判断できるようになった「私」を新たに見いだす時であるのかもしれません。
そして別の見方を見つけられれば、周りとの関係性もまた違って見えてくるかと思います。
ネガティブな感情を感じて、感じきったと思ってもモヤモヤしているのなら。
「私が最初に思ったことは何だろう。」
と、振り返ってみてください。
怒っていてモヤモヤしたのなら、もしかしたら、私は哀しかったのかもしれない。
哀しんでモヤモヤしたのなら、もしかしたら、私は怒りたかったのかもしれない。
そんなふうに、別の感情ではないだろうかと、別の角度から見つめていただければと思います。
きっと、ハッとする、すっきりして前に進める瞬間が現れると思います。
ここまで読み進めていただきまして、ありがとうございました。
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