レガシー環境における青白構築の歩み

以前、他所で書き溜めていたものの中から、青白構築(奇跡や石鍛冶)に関する記事のみを列挙しました。
奇跡デッキの起こり(2012年)からどういった変遷を経て、現在の構築理論、プレイングの基本姿勢、サイドボードプランに至ったか。
禁止改定や、その時々のメタゲーム記事も合間に入っていますので、当時を振り返るのもありでしょう。
総文字数26万字弱。
外に出辛いこんな週末の、一助になれば。
*年代によって表記の揺れがあります。
*古すぎてリンク切れしてるものがあります。
*ミッドレンジ全盛期や、レン6奇跡などの時期は記事がすっ飛んでいます。

Eternal Europe Surviving In The Age Of Miracles

By Carsten Kotter

10/05/2012


さあ、《終末》を起こそう!

私はたった1マナで使える《神の怒り》が、現在のレガシーシーンにおけるU/Wコン登場(あるいは復権)を支えていると思う。
少なくともここ数週間、《渦巻く知識》や《師範の占い独楽》を用いた『奇跡』を使わずに、大きなレガシーイベントで入賞をしている奴はほとんど居ない。
《相殺》+《独楽》ロックをかいくぐって場に出たクリーチャーたちでさえ、たった1マナ(かつインスタントスピード)で明後日の方向へ吹き飛ばされてしまうのだから。

そうやって、《相殺》への解答を持たぬデッキを封じ込め、盤面に出た多くの脅威は《終末》によって捌かれ、ロック可能な状態にまで戻されてしまう。そうなると、もうお手上げだ。

だから、多くのプレイヤーはどうやってこの一大勢力に対応し、いかに『奇跡』コンの大行進を台無しにしてやろうかと考えている。
この記事はそういったあなたのためにある。

熱心に『奇跡』コンへと打ち込んできた者の一人として、私はこのデッキへの対処法をアドバイスするの人物として適任だろう。
テーブルの反対側で何をされるのが嫌か、私は知っているのだから。


The Nature of the Beast

まずはあなたが『奇跡』コンを理解することが先決だ。
二つの異なるデッキリストを紹介するから見て欲しい。純コントロールタイプと、《石鍛冶の神秘家》とのハイブリッドタイプだ。


U/W Stoneblade by Kobie Spaeth
2012-08-12 SCGレガシーオープン1位

2*Snapecaster Mage
4*Stoneforge Mystic
2*Vendilion Clique
4*Brainstorm
2*Counterspell
4*Force of Will
2*Spell Pierce
4*Swords to Plowshares
4*Ponder
3*Terminus
1*Batterskull
1*Engineered Explosives
3*Sensei’s Divining Top
3*Jacc,the Mind Sculptor
4*Island
2*Plains
4*Flooded Strand
4*Scalding Tarn
4*Tundra
2*Volcanic Island
1*Academy Ruins

Sideboard
4*Coounterbalance
2*Disenchant
2*Path to Exile
2Pyroblast
3*Surgicak Extraction
1*Umezawa’s Jitte
1*Terminus


U/W Control by Joe Lossett
2012-09-23 SCGレガシーオープン4位

2*Snapecaster Mage
2*Vendilion Clique
4*Brainstorm
1*Counterspell
4*Force of Will
3*Spell Pierce
4*Swords to Plowshares
2*Entreat the Angels
1*Portent
3*Terminus
4*Counterbalance
1*Oblivion Ring
4*Sensei’s Divining Top
3*Jacc,the Mind Sculptor
4*Island
2*Plains
4*Flooded Strand
4*Misty Rainforest
1*Arid Mesa
2*Tundra
2*Glacial Fortress
2*Volcanic Island
1*Karakas

Sideboard
2*Relic of Progenitus
2*Baneslayer Angel
1*Moat
1*Seal of Cleasing
1*Sphere of Law
1*Disenchant
1*Pyroblast
2*Red Elemental Blast
2*Surgical Extraction
1*Vendilion Clique
1*Terminus


まず純コントロールの方から始めよう。
ここ最近、多くのプレイヤーは《神秘家》ではなく、Joeがした様に赤タッチになりつつある。主な理由は《赤霊破》(あるいは《紅蓮破》。まあ、つまりは一緒だ)が、ミラーマッチや《実物提示教育》を用いたデッキに対して有効だからだ。
もちろん《仕組まれた爆薬》が3マナ域まで範囲内になるというのも、かなり大きな理由になる。

この純コントロールデッキについて、私が口を出す部分は無い。だって、このデッキについてよく知っているし、《石鍛冶の神秘家》の存在有無はほぼデッキに影響しないからだ。
相手がピン除去をし損なった時にちょっとだけ早くゲームを決着させるためのカードよりも、《破滅的な行為》や《終末》などの場の支配を取り戻すパワーカードを入れる方がずっと良い。


奇跡デッキのプラン

U/W『奇跡』コントロールはとても伝統的なコントロールデッキで、自分が死ななない様にしながら、相手の選択肢を無くしていき、最終的に天使で殴り殺す。
この目標は、アドバンテージエンジン(《相殺》+《独楽》や、《神ジェイス》)の早期確立と場の支配によって達成される。
一度、場が“出来上がって”しまえば、遅かれ早かれいずれゲームは終わるだろう。
終わらせ方は《神ジェイス》の奥義なり、《天使への願い》なり、もっと単純に《三人衆》や《瞬唱》によるビートダウンによって勝利はもたらされる。(Old School Vintageのコントロールミラーで私の《Gorilla Shaman》がそうした様に)

《終末》がカード・テンポ両面でのアドバンテージを稼ぎ出すので、勝利へ繋がる道筋を手繰り寄せる事に集中できるのだ。


奇跡デッキの武器

『奇跡』コンはとても単純な - 自分が土地を置き、カードの質を高め、やがてゲームを掌握するまでの間、対戦相手が色々やっている - という過程に基づいた行動計画を立てる。
そのためのカードをいくつかのカテゴリーに分けてみよう。

「ライブラリー操作」

だいたいは《渦巻く知識》や《師範の占い独楽》が挙げられ、たまに《悟りの教示者》、それから《思案》や《先触れ》の様なキャントリップカードも含まれる。
それらは二つの理由から不可欠なもので、
まず第一に、《神ジェイス》や《相殺》の様な、後半戦に強いカードを適切なタイミングで引けるようにする。
次に、これらのカードは長引いたゲームを勝利へと導く。
個々で見れば小さなアドバンテージでも、長い時間をかけて相手よりもカードの質を高めていく事で、結果的に大きなアドバンテージとなるからだ。

そして、ライブラリー操作は『エセ奇跡』まで可能とする。
《渦巻く知識》と《独楽》無しの《終末》をコントロールカードとして見なすのは、非常に心もとない。
《渦巻く知識》(と《神ジェイスの能力》)が、引いてしまったカードをライブラリーに戻し、しかも望むなら《独楽》の能力によってインスタントスピードでの『奇跡』をも可能としている。


「序盤の防衛手段」

U/Wコントロールデッキは、「クリーチャーを除去する」あるいは「スタック上で処理する(いわばカウンターするだとか、《ヴェンディリオン三人衆》だとか)」という二種類の異なる方法で序盤の防御を固める。
それらの任務は、ライブラリー操作やエンドカードに辿り着くまでの間、プレイヤーを生き長らえさせるという簡単なものだ。
あなたはほとんどの場合、3~4ターン目には『奇跡』を起こす準備が整っているため、多種多様な戦術(それがクリーチャーによるものであれば)に対して《終末》が対戦相手の目論見を挫くだろう。


「中盤戦の器用さ」

相手によって柔軟さが必要で、流れる様に解答を見つけ出さなければならない。。
遅いコントロールデッキでは、序盤の攻勢を捌くカードよりも、より柔軟性の高いカードを必要とする。
《対抗呪文》や《忘却の輪》は対戦相手が繰り出すカードのほとんどに対処でき、それによって中盤戦から終盤戦までゲームを引き延ばすことが可能になる。
《瞬唱の魔道士》はちょうど上記二つのカテゴリーを一手に担い、柔軟性と伸張性をデッキに与えている。


「終盤戦の決め手」

そして最後の最後に、ゲームを終わらせるカードが来る。それは《神ジェイス》や《天使への願い》や、《相殺》だ。
この中で《相殺》は最も弱いもので、いくつかのデッキタイプには上手く機能しないからだ。けれど、大抵そういうデッキはインスタントスピードの全体破壊に対して非常に脆い(《実物提示教育》を除いて)。
逆に、《相殺》の効く相手の多くは全体破壊が余り効かない。(なんて偶然の一致だろう)
例外として、RUGには《終末》と《相殺》の両方が刺さるから最高だね。

《神ジェイス》はとにもかくにもジェイス様って感じで、どれだけ《神ジェイス》の強さを話しても語り足りない。ジェイスはゲームを通してカードアドバンテージを供給し、あまつさえ《終末》で武装し、真っ新な場に彼だけが残る。とにかくジェイスは場に存在するカードとして抜きん出て強力なんだ。
一つ注意するなら、《神ジェイス》がU/Wコンのエンドカードでは無いという事。
彼はあくまで『奇跡』を起こすための補佐役でしかない。
ジェイスによって《終末》をライブラリートップに置く事が、最も強いプレイだ。

《天使への願い》はこうしたデッキで圧倒的な勝利手段になる。
一度コントロールを確立させ、土地を伸ばし、エンド前に《独楽》によって五体の天使を出せば、それでおしまいだ。
これは最も好ましい方法ではあるが、《願い》は三枚から四枚の土地が並び次第使っても十分効果がある。
二体の4/4フライヤーとやり合えるデッキは多くないし、仮に対処されたとしても《願い》がゲームを長引かせるのに十分な時間を稼いでくれたという事になる。


長所と短所

このデッキがどうのように動くのか見てきたけれど、このデッキのどこが強くて、どこが弱点なのか要約しよう。

「長所」
・クリーチャー戦略に対して強引にテンポを取ることが出来る
・堅実な積み重ねによるコントロール力
・ジェイスと願いによるゲーム終盤の強さ
・《相殺》能力によるロック
・ライブラリー操作によって上がるカードの質
・シナジーが弱点をカバーしている
・柔軟な解答が用意されている
・強固で、厚いマナベース

「弱点」
・特定の方法でしかカードアドバンテージを稼げない(《終末》《相殺》《神ジェイス》など)
・《呪文貫き》以外、ノンクリーチャーパーマネントへの解答が少な目
・土地に対しては無力
・勝負が決していても、遅いクロックを使わなければならない
・重いカードが多い
・効率良く動くために大量のマナを必要とする
・《師範の占い独楽》に頼り過ぎている(終盤での優位の確立や、『奇跡』エンジンと《相殺》の両方で必要になる)


支配から逃れる

『奇跡』を叩きのめすには、二通りの方法がある。弱いポイントを叩くか、自分の強いポイントを伸ばすか。
トーナメントマジックを構成する「ゲーム中」「サイドボードとメインボードの構築」そして「どのデッキをプレイするか」それら三つの観点から一つ一つ見ていこう。

「ゲーム中」

U/W『奇跡』と立ち向かうに際し、いくつか自問自答すべきだ。大きなものでは、

「《相殺》+《独楽》を潰せるか」
「《終末》による被害を最小限に出来るか」
「《ジェイス》を止める、あるいは倒す事ができるか」
「《Los Angeles》にやられる前に、どれだけの時間があるか」 ※《天使への願い》のスペイン語名は《Rogar a los angeles》

U/Wコンと戦って勝つには、不確かな情報を元に上手く舵取りする必要がある。
《神ジェイス》や《相殺》+《独楽》が場を掌握してしまう前に相手を殺せるだけの脅威で圧力をかけつつ、《終末》されてもまだ余力を残しておける様にしておかねばならない。

このやり方が多くのレガシープレイヤーにとって難しい事は想像に難くない。
だって、レガシーで《神の怒り》がプレイされていたのはどの位前の事だったろう?
神の怒りやそれに似た効果を体験したことがないせいで、プレイヤー達はもがき苦しんでいたが、理解するのは容易だ。

《終末》の脅威を前にして、あなたの部隊を留めるか、それとも「アヴェマリア!」と泣き叫びながら火を噴く銃の前に躍り出る(自決する)かを決めるのは、かなり状況次第だ。
あなたの使うデッキの残存勢力や、ゲームが長引いた場合の脅威(特に《相殺》)に対するデッキの耐性、あなたの手札、それからゲームの状況、諸々によって下すべき判断は異なってくる。
そのためにはひたすらテストを繰り返して正しいプレイを学ぶしかない。
ここに、いくつかのガイドラインを示そう。

まず一つ目として、もし相手の《師範の占い独楽》が場に出たら、そこから先は一層重要なターンとなる。
《独楽》は求める物を見つけ、プレイヤーに十分な時間を与えるので、そうさせないためにも、より多くのプレッシャーを与える必要がある。それが妙ちくりんに聞こえるなら、相手が《終末》を最高のタイミングで使える状況と、そうでない状況を比べてみれば良い。

もしあなたのデッキが《相殺》に対して脆弱なら、場にある《独楽》はあなたにより積極性を求めるし、《独楽》が無かったとしてもプレッシャーはかけ続けなければならない。
《終末》を使わせるために中規模の攻勢をかけ、一度流されたなら、もう一度相手を仕留めるだけの攻勢をかける。もし相手が二枚目の《終末》を持っていたら、残念ながら間もなく《相殺》+《独楽》ロックがかかってしまうだろう。

ロックされていたとしても、理屈上は4から5のパワーを持つクリーチャーで勝てる見込みはある。二体居れば尚良い。
これより多くのクリーチャーを展開すると、《終末》でアドを取られるが、逆に一体しか出さないと、《剣を鋤に》が突然《Time Walk》に変わるし、ジェイスは《送還》能力で自身を守ってしまう。
 
なぜ4から5のパワーが必要なのかって?
そう、その数字は《願い》が使用可能になる前に相手を仕留められるダメージであり、かつ、最小限のディフェンスを突破しながら《神ジェイス》を脅かせる数字だからだ。そうやってプレッシャーをかけ続け、全体除去が尽きるまで何度も使わせるんだ。

一度5マナ域に彼らが到達すると、例え《終末》が来ようとクロックを増やさなければならない。
もっと分かり易く言うなら、《願い》のために急がなければならないし、手こずっていれば天使たちがあなたを叩きのめしてしまう。

出来れば、彼らのマナが伸びるのを抑制し、猶予を与えずに仕留めたい。彼らに満足にカードを掘らせてはいけない。
《もみ消し》を『奇跡』の誘発を打ち消すために温存するのは良い考えに思えるけれど、相手の気持ちを《もみ消し》た方が早い。

基本的には、彼らが何色のマナを使用可能なのかを強く意識すべきだ。
もし彼らの唯一の白マナ源がまだ砕かれていないフェッチランドなら、《独楽》のドロー能力や《渦巻く知識》を使った後のアップキープに割りに行くと、大抵相手のプランをへし折る事ができる。
 それが《願い》の場合なら、二つ目の白マナ源に対しても同じ事が言える。

《師範の占い独楽》を止める事は最優先にすべきだ。《陰謀団式療法》で指定するとか、《思考囲い》で抜くとか、なんなら《Force of Will》だって使って良い。
《独楽》はこのデッキの要なので、全力で妨害しなければならない。
《独楽》があれば、彼らは必要な時に必要なカードを手にするだろう。けれど、《独楽》がなければ、《ジェイス》や《奇跡》カードを不幸なタイミングで引いてしまい、置く土地を間違え、後で必要になるカウンター呪文を使ってしまうことになる。

《神ジェイス》の処理は急ぐ必要がある。
相手のライフが低く、相手を打倒できるだけのダメージ源があるとしても、《ジェイス》を残したままターンを返すのは、ほとんど最悪と言って良い。一旦《ジェイス》が動き出せば、相手は《ジェイス》を守り、更にあなたの繰り出す脅威のほとんどに対処できるようになってしまうだろう。
今では当たり前の様に思えるかもしれないが、相手を殺しきれない状態で《ジェイス》を生存させたままターンを返している人々を未だに見かける。
あいつは絶対に放置してはいけない。

ここまで述べた様に、いくつかの大雑把なガイドラインと、何を考えながらテストプレイすべきかという指針を示した。
どうすれば良いか分からなかったのなら、ぜひ参考にして欲しい。


カード選択

U/W『奇跡』コン対策のカードはたくさん存在するが、本当に効果的なカードは弱点を突いたり、相手の長所から守ってくれたりするものだ。
どういう働きをするのか、トップメタの二つのデッキを見ながら理解しよう。
きっと自分のデッキに対策カードを入れる時の一助になるはずだ。


「Canadian Thresh aka RUG Delver」

メインデッキ

《敏捷なマングース》-脅威の一つ。U/Wコンではこれへの対処法が少なく、ジェイスさえも脅かす。

《緑の太陽の頂点》-追加のマングースを探してくるだけでなく《相殺》下では余分にマナを支払うことでクリーチャーを呼び出せる。

サイドボード

《クローサの掌握》-《相殺》ロックと《独楽》をただちに壊すことができる。

《森の知恵》-『奇跡』はカードアドバンテージを稼ぐ手段に乏しく、あなたのライフを脅かす手段もほぼ無い。従って、積極的にこれを使うべきだ。

《硫黄の渦》-対処するのが困難で、これが場に出ればいつかはゲームが終わる。


「Marverick」

メインデッキ

《ガドック・ティーグ》-二枚の《ガドック》を入れたメインデッキは考慮に値する。《終末》はあなたの目論見を壊すが、《ガドック》はその目論見を潰えさせる。

《森の知恵》-ちょうどRUGの項でも言ったけれど、《聖遺の騎士》に《剣を鋤に》させれば、二枚以上のカードが引けてアドバンテージが取れる。

《森を護る者》-《頂点》によって持って来られるスーパー《ルーンの母》。これで《ガドック》を《剣を鋤に》系統から守る。

《Karakas》-《終末》に対応して《サリア》や《スラーン》を手札に戻すことが出来るので、戦線を広げることなく被害を軽減する事ができる。

《最後のトロール、スラーン》-対処が難しく、《終末》を強制させる大きさを持っている。上で述べたように、《Karakas》と一緒にU/Wコンをノックアウトさせる。

《装備品》-装備品のいくつかは、《終末》を前にして戦線を拡大させ過ぎずにプレッシャーを供給する事ができる。とりわけ《光と闇の剣》や《火と氷の剣》は戦力の補充が出来るので相性が良い。《光と闇の剣》が《ガドック》に付けば大抵ゲームは終わりだろう。なぜなら『奇跡』コンはプロテクション白黒の付いた《ガドック》を除去できないのだから。
《プレインズウォーカー》-《情け知らずのガラク》と《遍歴の騎士、エルズペ》の両方は《終末》できないクロックを確実に供給してくれるので対策カードになる。


サイドボード

《クローサの掌握》-《独楽》や《Moat》や《忘却の輪》対策。これを使わない理由なんて、ないんじゃないかい?

《真髄の針》-《独楽》と《ジェイス》を止める。それだけで十分だ。

《窒息》-『奇跡』コンはマナ食い虫な上に、《島》を使っている。

《ハルマゲドン》-『奇跡』コンはマナ食い虫な上に、土地を使っている。

これらの選択肢は、マナを大量消費し、ゲーム展開が遅く、《独楽》に依存し過ぎているという弱点を攻撃するか、《終末》を有効打にさせないようにしたり、《相殺》から上手く逃れたり、遅いゲームにさせないようにしたりして、『奇跡』コンの長所から身を守るものだ。
これらは、U/W『奇跡』コンに対峙した時に必要となるカードで、ぜひ構築の際には、覚えておいて欲しい。


デッキ選択

そして、あなたが本当に『奇跡』にしてやられて病んでいるというなら、あなたは『奇跡』に対して分かり易い力関係にあるデッキを使っても良いんだ。
それらは難なくU/Wコンの防御から逃れ、または「なんでそんなデッキ使ってんの?」と言う位にU/Wコンをボコれる。
まさにそういった二種類のデッキを紹介しよう。

Goblin by Carsten Kotter
2012-10-7

4*Aether Vial

4*Gempal Incinerator
4*Goblin Lackey
4*Goblin Matron
3*Goblin Piledriver
4*Goblin Ringleader
1*Goblin Sharpshooter
4*Goblin Warchief
3*Mogg War Marshal
1*Siege-Gang Commander
1*Skirk Prospector
1*Stingscourger
1*Tuktuk Scrapper
1*Krenko,Mob Boss

1*Warren Weirding

4*Mountain
2*Arid Mesa
2*Badlands
4*Cavern of Souls
3*Rishadan Port
4*Scalding Tarn
4*Wasteland


Sideboard
2*Relic of Progenitus
1*Tuktuk Scrapper
3*Pyrokinesis
2*Red Elemental Blast
3*Surgical Extraction
4*Cabal Therapy


最近よくゴブリンを使っていて、ここまで最高に良い気分でいる。
(もちろん知ってるよ。「クリーチャーの大量展開だって?」って君が思う事。でも、ゴブリンは大量のカードを引き、信じられない位柔軟な対応が可能で、だから私の主張から外れることを許してほしいんだ)

ゴブリンの様にU/W『奇跡』を叩きのめせるデッキは基本的には無い。
《魂の洞窟》、《霊気の薬瓶》それから《首謀者》や《女看守》などのドローエンジンはあなたを息切れさせないし、《終末》が無ければそのまま終わってしまう。
この半端ないクリーチャーの圧力の前では、ジェイスも有効打になりはしない。
U/Wデッキの勝ち筋としては、早い段階で十分な《願い》を撃つことだが、これは普通は起こらない。特に《港》と《不毛の大地》の前では。

であれば、彼らは用途の狭い兵器を持ち出してでも君をねじ伏せようとするだろう(《Moat》なんかはその最たるものだ)
もしあなたの周りがそういう状況なら、Max Tietzeによる解説を読むか、コンボに対処するために黒をタッチしていた部分を緑に換え、《クローサの掌握》を入れる。
《クローサの掌握》は頭を悩ますエンチャントに対する最適の解だ。
アーティファクトが邪魔なら、《壊し屋》よりもマナ効率の良い《ブリキ通りの悪党》を入れた方が良いだろう。


Manaless Dredge by Michael Keller
2012-10-7

Maindeck

2*Flayer of the Hatebound
4*Golgari Grave-Troll
4*Golgari Thug
4*Ichorid
4*Narcomoeba
4*Nether Shadow
4*Phantasmagorian
3*Shambling Shell
4*Stinkweed Imp
4*Street Wraith

3*Griselbrand

4*Bridge from Below

3*Contagion
1*Sickening Shoal

4*Cabal Therapy
4*dread Return

4*Dryad Arbor


Sideboard

1*Contagion
4*Nature’s Claim
3*Sickening Shoal
4*Reverent Silence
1*Forest
2*Verdant Catacombs


あなたが「フェアな」クリーチャーよりも、暗黒面に堕ちる事でU/Wコンを叩きのめしたいなら、Michael Kellerのマナレスドレッジはまさに探し求める物だろう。

ドロー、ディスカード、発掘、これらの干渉できない行為に対してU/Wコンのカードはほとんどが紙くずになってしまい、その繰り返しによって勝利を掴み取る。
あなたが唱えるのは《陰謀団式療法》と《戦慄の復活》のみで、それらは《黄泉からの橋》によって大量のゾンビたちを引き連れてくる。
カウンターされることなんて全く気にしなくていい。
ピン除去はちょっとイラっとするけど、毎ターン大量のカードを墓地に送り込めば、すぐに前より大量のゾンビが盤面に溢れ返る。
《イチョリッド》なんかは《独楽》無しの《終末》に向かってドヤ顔しているんだ。

彼らがインスタントのドローカードを使えるタイミングで《イチョリッド》を全部出してしまわない様に気を付けている限りは、ゲーム1は実に楽に取れるし、墓地対策カードに対しても十分な耐性がある(もちろん、墓地対策はプレイされると思うけど)。
ゆっくりとしたU/Wコンから、二戦目以降のどっちかを取れば良い。

おっそいデッキをぶっ潰すデッキは他にもあって、例えばクラウドポストなどは《エムラクール》を素出しするし、《不毛の大地》不在の低速デッキに対して脅威を出し続けられる。


青白コントロールの終焉?

これでU/W『奇跡』はたちまち使うに値しないデッキになってしまっただろうか。
そうではない。絶対に違う。
相変わらずパワフルで、レガシーにおいて多芸なデッキとして存在し続けるだろう。
けれども、ここに『奇跡』コンへの対処法-Todd Andersonがこの前のSCGインヴィテーショナルで見せたRUGでの『奇跡』への対処法の様に-があるし、『奇跡』コンを前にした時に必要な“技術”が、普遍的な“知識”になることが重要だと思う。

『奇跡』をよく理解していない相手を前にしても面白くない。もっとヒリヒリしたいんだ。
私はまだまだU/Wコンを使っていくつもりなんだ。
本当にコントロールデッキが好きだし、最高のものをWotCは与えてくれた。
こんな良いもの、どうして止められる?

それでもなお、あなたがたの何人かが旧ジャンル的新ジャンルのU/Wコントロールに少しでも対処できるようになっていてくれたらと思うよ。
最後に一つだけお願いがある。
私とマッチした時には、今日私が言った事を全てすっかり忘れてくれよな!!

ここまで読んでくれてありがとう。

次に会う時まで、U/Wコン使いには奇跡以上のものを要求してやってくれよ!


元記事
http://www.starcitygames.com/magic/standard/24983-Eternal-Europe-Surviving-In-The-Age-Of-Miracles.html


Legacy Weapon The Azorius Conflict

2012/11/01

by Caleb Durward


MtGの歴史の中で、間違いなく青白というのはコントロールの色だ。
青白ランドスティルと戦ったのが、私のレガシー人生で最初の思い出なんだ。
それから、《飛行機械の鋳造場》+《弱者の剣》デッキがシーンに登場した。
けれども、《緑の太陽の頂点》デッキや《石鍛冶の神秘家》たちの台頭によって、《鋳造所》+《剣》デッキは姿を消して行った。

長い間、レガシーシーンにはコントロールデッキが不在で、中には「コントロールは死んだんだ」と考える者さえいた。
多くはクリーチャーの強さに悩んでいた。
年々強さを増していくクリーチャー達に対して、一体どんな解決策があれば真のコントロールデッキは復権できるのだろうか。

しかし、《終末》というカードがコントロールに救いの手を差し伸べた。
スタンダードでの《終末》はフェアな全体除去と言える。《師範の占い独楽》や《渦巻く知識》の様な容易なライブラリー操作手段がないからだ。
《忌むべきもののかがり火》のように不安定で、初手にあるとゲンナリとする。
しかしながら、レガシーでは、《終末》が《相殺》ベースのコントロールデッキに復活の兆しを与えた。
WotC社はスタンダードでは上手く機能しなくても、古い環境ではばっちりと機能する《神の怒り》カードをデザインした。そしてそれは正しく求めていたものだったんだ。

【奇跡】デッキと【石鍛冶】デッキのどちらにあなたの《Tundra》を入れるか迷うだろう。
どちらも同じ青と白の呪文を使うが、【石鍛冶】の方は勝利手段を装備品に依存している。
例え《相殺》+《独楽》や《終末》が欠けていたとしても、それらの青と白の呪文は二つのデッキにとって優先されるべきものなのだ。

この記事では、二つの対照的なデッキがどのようにメタゲームに影響を与え、そして、次のイベントであなたがどちらのデッキを持ち込むべきか見ていきたいと思う。

[Part1 石鍛冶+剣]
by Bernie Wen

Main Deck
2*Island
1*Plains
1*Swamp
4*Flooded Strand
2*Marsh Flats
4*Polluted Delta
1*Scrubland
3*Tundra
2*Underground Sea
2*Wasteland
1*karakas
1*Batterskull
1*Engineered Explosives
1*Sensei’s Divining Top
3*Snapcaster Mage
4*Stoneforge Mystic
4*brainstorm
1*Counterspell
4*Force of Will
2*Spell Pierce
4*Swords to Plowshares
1*Umezawa’s Jitte
2*Vendilion Clique
2*Jace the Mind Sculptor
3*Inquisition of Kozilek
1*Ponder
1*Terminus
1*thoughtseize
1Vindicate

Sideboard
2*Nihil Spellbomb
1*Pithing Needle
1*Sword of Feast and Famine
1*Engineered Plage
1*Disenchant
1*Spell Snare
2*Surgical Extraction
1*Jace,the Mind Sculptor
2*Lingering Souls
1*Perish
1*Supreme Verdict
1*Thoughtseize


スターウォーズファンの一部が新作を非難するように、多くの人は【石鍛冶】をコントロールデッキとはみなしていない。

【石鍛冶】デッキは数々の変化を遂げてきた。
以前は黒をタッチせず、《不毛の大地》と《ミシュラの工匠》を四枚ずつ入れるという悪劣な土地配分によって、《対抗呪文》ではなく《マナ漏出》のような劣ったカードが入る有様だった。

最近では、強豪たちが個々人の好みに合わせて調整しているものの、大筋のリストは完成している。
Matt Hoeyは《不毛の大地》よりも《黄塵地帯》を好んでいるし、インヴィテーショナルでトップ8のBen Friedmanはサイドに《Terminus》を三枚積んでいる。
ここに示した、Bernie Wenはサイドに《未練ある魂》を取り、ひいてはTom Martellが青白ミラーとRUGに支配されたGPインディアナポリスを《魂》によって泳ぎ切ることに成功している。

[長所]

1.青白コンは《石鍛冶の神秘家》にとっての晴れ舞台

青白コンでは、展開するクリーチャーが少ないために、《石鍛冶の神秘家》が《従者》サイズでありながらも、実際以上に評価される。
アグロデッキと比較すれば、1/2なんてクリーチャーは使わないだろう。
2マナあれば5/6クリーチャー(タルモ)が出せるし、3マナあれば、10/10で能力付きクリーチャー(聖遺)が出せるのだから。
なので、そういったアグロデッキでは装備品を素引きする方を好む。
この理屈に納得できないなら、マーヴェリックのミラーマッチで、どちらのデッキにも《貴族の教主》が入っていて、《聖遺の騎士》が3/3で、土地が三枚ある状況を考えて欲しい。
あなたのターンに《石鍛冶の神秘家》を引けば、あなたは「やった!」と思うだろう。「こいつで《梅澤の十手》を探してこられる!」って。
けれど、装備品を持ってくるのにターンを費やせば、その分だけ、対戦相手に解決策を探す時間を与えている事にもなり、やがて長期戦になれば、1/2という存在は無用の長物となってしまう。
もし《神秘家》ではなく《十手》そのものだったのなら、その瞬間に勝利が決まっていたのに。

今度は同じ状況であなたが青白コンをプレイしていると想像してみて欲しい。
素引きで《梅澤の十手》を引いたなら、付ける先の無い装備品のドローはとてもじゃないけど良いとは言えない。
けれど、《石鍛冶の神秘家》だったなら、その両方を満たす。
デッキの残りには《クァーサルの群れ魔道士》や装備品対策への解答となる有能な呪文が詰め込まれている。
一度装備品で殴り始めれば、勝利はぐっと近付く。

2.多面攻撃

【石鍛冶】デッキが《剣》だけだと思ったら大間違いだ。
このデッキは《神ジェイス》を主役としたもので、プレインズウォーカーと装備品という多面攻撃を行う。
更に、これによって《瞬唱の魔道士》を最大限に活かせる。
もしあなたの対戦相手が戦闘を仕掛けない相手ならば、《神ジェイス》の事を気にかけているはずだ。
また、プレインズウォーカーに強い相手ならば、おそらくは《殴打頭蓋》に弱いデッキに違いない。
そして、相手はこちらが《殴打頭蓋》でラッシュするのか、それとも4マナから《神ジェイス》を出すのか(あるいはその両方とも)という問題に対処できるだけの手札を抱えている必要がある。毛色の異なる脅威は、異なった対策カードを対戦相手に求める。
これがZooデッキの場合は、大抵1ターン目にクリーチャーを出して、2ターン目に次のクリーチャーを出してと動きが決まっているので、対戦相手は除去を構えるだけで済んでしまう。


[短所]

1.半分は必要なカード、もう半分は不必要なカード

《剣》や《十手》はあなたにアドバンテージを与えるだろう。
大きな問題は、マッチアップ次第で《神ジェイス》か装備品かのどちらかが弱くなってしまうということだ。
マーフォークとのマッチアップなら《神ジェイス》を引くのは微妙だし、《破滅的な行為》の入ったデッキ相手の時は、装備品を引くと困ったことになる。

【石鍛冶】デッキの弱点を正確に叩けるデッキ、言うなれば《神ジェイス》を《赤霊破》でいなしたり、《殴打頭蓋》を《古の遺恨》で捌いたりすれば、【石鍛冶】デッキとしてはかなり厳しいマッチになる。
Bernieはそれらに《未練ある魂》で対抗したが、その戦術を私が(渋々)アリだと考えている間は、このデッキを私がプレイするだけの解決案には至っていないということだ。


2.本当の意味での、支配力と積極性の欠如

【石鍛冶】デッキをコントロールデッキと呼ぶ向きがあるにも関わらず、そのコントロール力には説得力が無い。
例えばゴブリンに対して、大量の《ゴブリンの首謀者》を前に悠長に構えている暇は無い。
また、《霊気の薬瓶》や《ゴブリンの従僕》に対処できない初手をキープする余裕も無い。
このマッチアップでは、序盤と終盤のアドバンテージは得られないと思って良い。
多くの場合は、中盤にゲームを決めなければいけない。


[Part2 奇跡]
by Justin Adams

Main Deck
6*Island
2*Plains
2*Arid Mesa
4*Flooded Strand
4*Scalding Tarn
2*Tundra
1*Volcanic Island
1*Karakas
1*Engineered Explosives
1*Relic of Progenitus
4*Sense’s Divining Top
1*Snapcaster Mage
3*Counterbalance
1*Detention Sphere
4*Brainstorm
2*Counterspell
1*Enlightened Tutor
4*Force of Will
2*Spell Pierce
4*Swords to Plowshares
1*Vendilion Clique
3*Jace,the Mind Sculptor
2*Enterat the Angels
1*Supreme Verdict
3*Terminus
Sideboard
1*Grafdigger’s Cage
1*Tormod’s Crypt
1*Humility
1*Luminarch Ascension
1*Moat
1*Porphyry Nodes
1*Rest in Peace
1*Disenchant
1*Path to Exile
2*Pyroblast
1*Red Elemental Blast
1*Vendilion Clique
1*Jace,the Mind Sculptor
1*Mountain


【奇跡】コンは日に日にリストが似通ってきた。
最近では、みんなが《終末》と《至高の評決》を3:1に分けているし、メインデッキから《拘留の宝球》を入れ、サイドの《赤霊破》のために赤をタッチする。
それらはメインに1~2枚の《瞬唱の魔道士》と一枚の《ヴェンディリオン三人衆》を入れているのが特徴になっている。

たまにサイドに《悪斬の天使》が仕込まれている時がある。
アグレッシブサイドボードは良い案で、特に相手がサイドに除去呪文を引き上げていると効果覿面だ。
《悪斬の天使》はそれ自体が強烈な対ビート性能を持つ上に、戦線を拡大した相手に対して《終末》との組み合わせが強烈だ。
四枚目の《終末》を見届けるまで、マーヴェリックやそれに類するデッキが脅威を盤面に並べ続けることができるだろうか。

勘違いかも知れないが、《聖トラフトの霊》はサイドボードの選択肢としてぴったりかも知れない。
これは他の《ジェイス》デッキに非常に有効であると同時に、時間内に決着をつけられるようになるし、コンボデッキに対しての圧力もかけられる。
最初に言ったように、クリーチャーデッキに対してはサイドボードスロットをほとんど割く必要がないだろう。
【石鍛冶】デッキに対して中盤戦を優位に進められるようになるのが《悪斬の天使》の利点で、これは《聖トラフトの霊》には出来ないことだ。


[長所]

1.《相殺》がとにかく強い

散々《終末》について話してきたし、これがクリーチャーデッキに効果抜群な事も話してきた。
それとは別に、《相殺》+《師範の占い独楽》コンボがこのデッキにはある。
この二枚の相乗効果によって、【奇跡】コンはコンボデッキへの耐性を確かなものにし、ビートダウンデッキへの対策へとスロットを割ける。

《相殺》+《独楽》の別の面から見てみると、ビートダウンデッキには効果が薄いようにみえても、実際は《終末》をめくるまでの時間稼ぎをするし、最終的にはこのデッキの二つの勝利手段を護るコンボになる。(《神ジェイス》と《願い》)

2.単体除去を無効化する

早期の《天使への願い》を別として、相手のデッキに入っている単体除去は無駄カードとなる。
それらへの対策を切った分だけ、《相殺》コンボや他の奇跡カードを引くための手段に費やせるということだ。


[短所]

1.《願い》は良い勝利手段ではない

今まで多くの『《天使への願い》死』を見てきた。
序盤に引いてしまったり、相手が特定の除去手段を構えている時がそれだ。
《仕組まれた爆薬》や《大渦の脈動》によって4/4天使たちは吹き飛ばされてしまう。
勝利が確定するだけの天使を並べても、まだ相手には抗う手段があるのだ。

このカードを組み込む主な理由は、少ない枚数で勝利手段となれるからで、
《相殺》でめくれた時に3マナというのも好都合だ。
こう考えると、《鋳造所》+《弱者の剣》コンボよりも優秀に聞こえるが、あちらは《アカデミーの廃墟》による柔軟性があり、そういったリカバリー性は《願い》に欠けている要素でもある。

また、これは自分の《神ジェイス》を守るための部隊も、相手の《神ジェイス》を攻め立てる部隊も居ないことを意味している。
打消す以外の方法では、こちらもプレインズウォーカーを出すしかない。
そういう事もあって、サイドボードには《赤霊破》が仕込まれている。

2.デッキが遅い

もし《独楽》を効果的に使えるなら、ほとんどのドローは操作できるだろう。(参考 http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-top-dog/)
しかしながら、ゲームはあなた一人でするものではない。
対戦相手も慎重なプレイをするのなら、時間内に決着をつける事は難しい。

あたかも大蛇がジワジワと獲物を締め付けて殺す様なゆっくりとしたプレイをジャッジに見張られるなんて、楽しくない。
マーフォークや親和などの高速デッキを使う利点は、こういったシチュエーションを避けられる点にある。
使うデッキが遅い程、あなたはより多くの時間を使うようになる。
そして、このデッキは最も遅い部類に属している。


[Part3 青白 対 青白]

二つのデッキ間ならば、【石鍛冶】の方が相性は悪いと思う。
【奇跡】コンを使うあなたがミスをするとは言い切れないが、大抵は【奇跡】コンが勝つだろう。
《渦巻く知識》、《師範の占い独楽》それから《Force of Will》の扱いが少し厄介な位で。

この二つの違いとしては【《石鍛冶】デッキは少しのミスでコロっと死んでしまう事が挙げられる。挽回のチャンスはほぼ無いと言って良い。
このデッキを使うということは、転落防止用ネットの無い場所で長い時間綱渡りをするようなもので、当然ながら大抵の人は滑って落ちる。
一方【奇跡】コンでは、その時々での判断こそ難しいが、ミスをしても《終末》や《願い》、素の《相殺》等々によって何とかなってしまう。

これは【石鍛冶】デッキには不可能だ。
メインに全体除去を入れていないため、除去呪文は的確に使わなければいけない。
ダメージクロックはRUGほど速くなく、【奇跡】コンの《相殺》+《独楽》ロックを採用することも出来ないので、カウンター呪文の負担が一層増す。

そして、完璧にデッキを調整し、堅実なプレイを積み重ねていったとしても、それでもまだマッチ運によって左右されるのだ。もはや笑うしかない。

では、なぜこういった賛否両論があっても、なお人々は【石鍛冶】デッキを選ぶのだろうか?
それはおそらく、「どうやってゲームに勝つか」という感覚を楽しんでいるのだろう。
あるいは、彼らのMtG歴や直観的なものによってゲームを楽しんでいるのだ。
私としては、何とも言えない。
だって、このデッキをプレイする理由が私には見当たらないのだから。


[Part4 別の見解]

偏見を取っ払い、私はMatt Hoeyに別の見方を得るべくインタビューした。
Hoeyは【石鍛冶】デッキでオープン大会を勝ち抜き、レガシー選手権を含む別の大会でもトップ8に入っている。
それ以上に、私は彼と何度か対戦し、その強さを肌で感じていた。

Q.「このデッキで、最も誤解されている部分といえば、どこ?」

 あまり誤解されている面ってのはないんじゃないかと思ってる。
 これは素直なデッキだし、何をすべきで、相手が何をしようとしているのかを理解出来ていれば(難しくは無い)。
 思うに、多くの人はこれを《相殺》+《独楽》に似たコントロールデッキだと思ってるみたいだけど、そうじゃない。これは中速デッキだ。
 【石鍛冶】デッキは、ジャンドに似ているんだ。
 盤面の有利を得るために、ライフはもちろん手札も費やしていく。
 対戦相手の行動に制限をかけつつ、最終的には倒してしまえる様な有用な圧力(マナ効率だったり、カードの質を高めるであったり)をかけるべきなんだ。
 これが一番の強みであり、第二の質問への導入でもある。

Q.「最大の長所と短所はなに?」

 コンボや他のコントロールデッキと向かい合っている時に、相手と有利なカードのやり取りが出来るし、手軽なクロックによって相手のリソースを圧迫することも可能だ。(《石鍛冶の神秘家》が毎ターン《飢餓と饗宴の剣》でディスカードを迫っている時なんかは特に)
 そして、ゴブリン、マーヴェリック、マーフォークのようなアグレッシブなデッキと向かい合っている時は、妨害はもとより、《剣を鋤に》やカウンター呪文で1対1交換が出来るし、装備品がこちらの部隊の拡充と相手のクロックの軽減を同時に行う事ができる。
 このデッキの弱点は、特定のカードが他よりも強いことによって生じている。
 というのも、《石鍛冶の神秘家》(あるいは《三人衆》)無しには、丁度良い具合にゲームを終わらせる事が難しく、それは初手の重要性が他のデッキよりも高いと言う事になる。
 《石鍛冶の神秘家》と一枚の土地と五枚の呪文という初手で始めて、何度シャッフルしても次の《石鍛冶》を引けないという災難に見舞われたことは一度や二度ではないよ。

Q.「初心者がする最大のミスはどんな事?」

 前述の事が、初心者の犯す最大のミスかな。
 彼らは甘え過ぎたマリガンを行うし、一枚土地信奉者かって位に土地一枚きりの初手をキープするんだ。
 このキープ基準が、他のコントロールデッキやコンボデッキから移ってきた人を悩ますタネだと思っている。
 彼らはキープ判断を誤り、結果的にそれが負けへと繋がってしまう。
 他にあるとすれば、2ターン目に《石鍛冶の神秘家》を出そうとするのは間違いだね。
 あと1~2ターン待ってから、《呪文貫き》や《対抗呪文》あるいは《渦巻く知識》のバックアップを得てから展開した方が良い。

Q.「最後に、なぜ【石鍛冶】を【奇跡】よりも好むの?」

 普通、レガシーで徹底したコントロールデッキというのは、積極的に対戦相手を倒しに行くデッキと比べて非常に悪い選択だと思っているんだ。
 【石鍛冶】も【奇跡】もどちらも強いデッキだけど、場と手札の両面から積極的に攻められるデッキの方がもっと強いし、個人的には好きだな。


インタビュー終了


さあ、決めるのはあなただ。
Hoeyと私は別々のデッキタイプが強いという結論に達している。
今、私の頭の中では、二つのデッキがディスり合いを展開している。
私の精神を覗き見れない読者のみなさんのために、以下にテキスト版を置いておこう。

Epic Deck Battles of History!

青白【石鍛冶】 vs 【奇跡】

始め!!

【奇跡】

おい、【石鍛冶】!
ノロノロしてる攻撃したいがために、
ノルウェー軍隊よりも弱い部隊を使うはめに。
お前は根なし草、時代遅れ、本当ガッカリ。
やっぱり、哀れなマッチアップばっかり。
お前の長所を並べようとする偽善者。
せいぜい出して喜べよ、ツルギと《従者》。
《神聖なる埋葬》でお前の部隊は粉々で。
たった一マナで、ドローはもちろんこの《独楽》で。


【石鍛冶】

ああ、そんなマジックは哀れでヒドイ。
退屈なゲームをまあじっくり見るなんて喜劇。
勝利はいつも1勝0敗1分。
楽しみだよ、お前の言い分。
3ターン目に送り込む《三人衆》。
その膝で憎いお前らをさあ一蹴。
俺のマッチアップが不利だらけ?
お前の《相殺》だってほんとダセェ!

Who won?

Who’s next?

You Decide!

この場には「Who’s next」がないけれど、決めなくて良いよ。
私は楽しんでやってるからね。


記事
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-the-azorius-conflict/


Legacy Weapon - Two Decks *4th & 8th*

2012/11/08

Caleb Durward


先週末はレガシーのデッキ選択に終始した。
スタンダードでは7-2したけど、何かを起こしたってわけじゃない。
ただ、馬を選んで、上手に乗りこなしただけのことなんだ。

一方で、レガシー環境はというと、曲芸紛いの狂ったリストを用いた直前調整が混迷を極めていた。
いつも通り、独特の角度からメタゲームを検分していると友人がこう訪ねるんだ。
「なぜもう一度【テゼレット】をやらないの?」ってね。
だってこの環境にはまだまだ面白そうなオモチャがたくさんあるんだ。
他のも試してみたいじゃないか。

私はプロツアー後から、黒白デッキに強く惹かれていて、それについて考えている。
以下のリストは私が地方大会で使用し、セントルイスのオープン大会に持ち込んだものだ(結局使わなかったけど)

Deathrite Ale

Main Deck
4*Scrubland
4*Marsh Flats
2*Arid Mesa
2*Verdant Catacombs
3*Isolated Chapel
1*Godless Shrine
1*Bayou
1*Swamp
1*Plains
1*Chrome Mox
1*Sense’s Divining Top
4*Dark Confidant
2*Tidehollow Sculler
2*Stoneforge Mystic
1*Batterskkull
2*Umezawa’s Jitte
3*Thoughtseize
1*Cabal Therapy
1*inquisition of Kozilek
4*Swords to Plowshares
2*Oblivion Ring
2*Mirran Crusader
2*Hero of Bladehold
4*Lingering Souls
4*Liliana of the Veil
3*Deathrite Shaman
2*Aven Mindcensor

Sideboard
1*Pithing Needle
1*Relic of Progenitus
1*Sword of War and Peace
1*Sword of Feast and Famine
1*Ethersworn Canonist
1*Gatekeeper of Malakir
1*Engineered Plague
1*Rest in Peace
1*Darkblast
1*Enlightened Tutor
1*Inquisition of Kozilek
2*Zealous Persecution
2*Perish


[なぜこのデッキを選ぶに足るか]

まず相手に与える混乱がすごい。
最高の単体除去と最高のディスカード手段のタッグは、クリーチャーデッキと呪文多目のデッキのどちらにも立ち向かえるアーキタイプとなりえる。
《ヴェリアナ》はこの二元性を体現する存在で、相手の手札を攻めつつ盤面にも影響を及ぼす。
その上で、このカードは(容易に)奥義発動までいってしまう。

こちらが場に出すクリーチャーも二重の混乱を引き起こす。
《潮の虚ろの漕ぎ手》や《エイヴンの思考検閲者》は直接的に、《ミラディンの十字軍》や《未練ある魂》は継続的な攻撃手段であり、プレインズウォーカーへの牽制でもある。
《死儀礼のシャーマン》はもっぱらマナ加速が役割だが、ついでに墓地対策もこなす。

《死儀礼》についてちょっと言わせてもらうと、このカードは私たちを2マナから3マナへとジャンプアップさせてくれる(不安定な《金属モックス》のように)。
2ターン目に《ヴェリアナ》を出せると言う事実は、つまり5ターン目の奥義を意味する。これはレガシーに存在するコントロールデッキに対して、かなり破壊力がある。

この2ターン目《ヴェリアナ》という流れは、人気の【実物提示教育】デッキにも効く。加えて、《名誉回復》を《忘却の輪》に差し替えたことで、このマッチアップはより盤石なものとなった。
一つ良くない点があるとすれば、厄介な土地に触れなくなったという事だが、しかしそれもなんとか捌けるだろう。

Chris PikulaがグランプリでDeadguy Aleを使ってトップ8になった時から不動だった《不毛の大地》を抜いたのは、特筆すべきことだろう。
しかし、《不毛の大地》を削って無色マナの数を減らした方が、相手の《不毛の大地》に対する耐性がつくことが分かった。
これは、装備と独楽回しに大量のマナが必要な事や、《ヴェリアナ》から《刃砦の英雄》へと続くマナカーブを意味している。

しかし《刃砦の英雄》ときたら!
これが黒白をプレイしたい大きな理由だ。
大量のディスカード手段と、除去したい対象(《死儀礼》や《闇の腹心》など)によってデッキが構成されているため、《英雄》が降臨した頃には対戦相手の除去手段が尽きていた、なんて事もザラだ。
3マナ以下という制限のある《コジレックの審問》や《突然の衰微》のような妨害如きでは止められない。
その上、《英雄》は簡単マジックをさせてくれる。
《死儀礼》がマナ域を上げてくれる意味がここにもある。

レガシーにおいて、相手を妨害した後で速やかに仕留められるかというのは重要だ。
その代表格である《タルモゴイフ》と同じように、《ミラディンの十字軍》と《刃砦の英雄》のスピード感が好ましい。


[なぜ黒白を使わなかったか]

記事の最初で言ったように、黒白は私が考えていた2、3のアーキタイプの内の一つだった。
先週アゾリウスについて書いていた時、《安らかなる眠り》コンボと【奇跡】のハイブリッドデッキを試して非常に上手くいった。
一方で、相棒のJeremyは【奇跡】に専心したいようだったが、良いリストがあるからと説き伏せた。
どのカードをプレイすべきかと、何が重要なのかと、私は彼に話した。
そうしてる間、常に私は内なる声に耳を澄ませていた。
「大丈夫。テストしてきたんだ。自分を信じろ」

そして彼はその通りにした。
それが私への信頼なのか、そうでないのかは分からない。
しかし、土壇場で私は自身が持ち込んだデッキよりも【青白】デッキの方が僅かに好きなのだと気付き、もしもカードが揃えば【青白】を組もうと決めた。

日曜の朝、まだ【青白】デッキは組み上がってはいなかった。
四枚目の《溢れかえる岸部》と二枚の《エネルギー・フィールド》が見つからなかったからだ。
しかし、最後の最後で数人が私を助けてくれた。
その内の一人Josh Hendricksは《エネルギー・フィールド》を持っていたが、自分が使うデッキを必要としていた(使おうと思っていたカードを私に貸したため)。
幸いにも、私は黒白デッキを持ってきていたのでそれを貸すことにした。
急なことながら、彼は変に満足そうだった。

結局、七人の人々からカードを借りて、以下のデッキが完成した。

RIP Miracles

Main Deck
2*Arid Mesa
2*Scalding Tarn
4*Flooded Strand
3*Tundra
1*Karakas
1*Dust Bowl
6*Island
3*Plains
4*Force of Will
4*Brainstorm
4*Sensei’s Divining Top
4*Terminus
3*Counterbalance
4*Swords to Plowshares
2*Detention Shphere
3*Rest in Peace
2*Energy Field
1*Helm of Obedience
1*Enlightened Tutor
3*Jace,the Mind Sculptor
1*Entreat the Angels
2*Counterspell

Sideboard
1*Pithing Needle
1*Aura of Silence
1*Grafdigger’s Cage
3*Vendilion Clique
1*Path to Exile
1*Supreme Verdict
2*Spell Snare
1*Counterspell
2*Jace Beleren
1*Luminarch Ascension
1*Helm of Obedience

このデッキは《独楽》によって成り立ち、終盤向けに作られたデッキだ。
こういった脆くて状況次第でカウンターしていくのを基本戦術とするデッキは好きじゃない。
全てのカードはシナジーを持つか、それ単体で強くなければならない。
また、《呪文嵌め》は《安らかなる眠り》と一緒の時は必要性が下がる。このフォーマットの2マナと言えば、《タルモゴイフ》や《瞬唱の魔術士》なのだから。(この二枚はRIPで沈黙する)
呪文ベースのデッキと戦う時には、《呪文嵌め》サイドインするのが常だ。


[どうしてこのデッキを選んだのか]

このフォーマットで【奇跡】デッキは、クリーチャーデッキに対しては《終末》、スペルデッキには《相殺》+《独楽》という対抗手段を持つ最も一貫性のあるデッキの一つだ。
それらを用いれば、環境を泳ぎ切り、大会を制するのは容易だと感じていた。
スタンダードの【奇跡】デッキを好まない理由の一つは、《願い》に依存し過ぎている点だ。
大抵の場合で《思考ジェイス》は十分に働くのに、《願い》はそれでも度々負けてしまう。
強力だけれども、やっぱり《願い》が出すのはクリーチャーなので、相手の《終末》などによって処理されてしまう可能性は否めない。

調整中、私は数回しか《Helm of Obedience》で勝っていないのに、そういった稀な状況へのサイドボーディングを対戦相手に迫った。
私はメインデッキをノンクリーチャーのコントロール/コンボデッキにし、サイドボードから入れる《ヴェンディリオンの三人衆》と《願い》が勝利手段として機能するように構築した。


[サイドボーディング]

私はラウンド間にサイドボーディングしないが、いくつか有用なサイドボーディングを見つけたので公開する。
サイドボーディングにおいて勝利手段と妨害手段のどちらを優先すべきかはマッチアップによって非常に難解だが、それは相手にとっても同じ事だ。
以下に示すのは私のオススメで、トーナメントでも実際に行ったサイドプランになる。
セントルイスでは【エスパーブレード】デッキ相手に《終末》よりも《剣を鋤に》を優先して第3ゲームの《聖トラフトの霊》に驚いたりもした。(なんとかやり過ごして勝ったけれど)。


[VS RUG]

Remove…1*Jace,the Mind Scluptor 1*Detention Sphere
Add…1*Supreme Verdict 1*Path to Exile

サイド前のゲームでは《エネルギー・フィールド》無しでも、《安らかなる眠り》の効果だけでRUGの三つの勝利手段の内の二つを潰してしまう。
横に広げてきたら《終末》で分からせる。
加えて、ほとんどのフォーマットでそうだが、完成した《相殺》+《独楽》は残忍な事この上ない。

スイスラウンドは堅実なプレイと《安らかなる眠り》のおかげでRUGをねじ伏せた。
準決勝では、その前に黒白と75分フルで戦っていて、異なる思考に切り替えるのに十分な休息が取れなかった。
プレイはお粗末で、相手はブン回っていた。
私の《終末》が《もみ消し》されて墓地に落ちるのを見て、勝つ気が無いと悟った相棒のSamは「家から見るわ」と言った。(訳注:終末の奇跡誘発をもみ消されても、その後で手札に入るため、墓地には落ちない。それだけ集中が切れていたということ)
どちらにせよ、意味なく《終末》を落とす奴に先なんて無かった。


【VS Elves】

Remove…3*Rest in Peace 2*Energy Field 1*Helm of Obedience
Add…3*Vendilion Clique 1*Path to Exile 1*Supreme Verdict 1*Grafidigger’s Cage

エルフたちのコツコツとした攻撃は《エネルギー・フィールド》のソフトロックで止められるが、それだけではエルフのコンボを止められず、いくつかのエルフデッキでは《生ける願い》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》を持って来られる。
なので、《ヴェンディリオン三人衆》で彼らの《垣間見る自然》を奪い取る。

サイドボーディングを正しくするのが重要なのではない。
《Force of Will》を上手く使い、《剣を鋤に》を的確に当て、《終末》で大損害を出させるのが重要なのだ。
大抵、『奇跡』を誘発させるのは相手のターンエンドが好ましい。
全ての資源が盤面に注がれているからだ。

対戦相手の一人が《召喚士の契約》を唱えたので、私は相手の盤面を掃除してやった。
彼は次のターンに契約を履行できずに死んだ。

コンボプランの最重要カードは《垣間見る自然》だ。
コツコツと殴るプランの場合は《ワイアウッドの共生虫》が最重要。
正しく妨害すること。


[VS Reanimater]

Remove…2*Swords to Plowshares 2*Energy Field 1*Entreat the Angels 1*Dust Bowl
Add…1*Grafdigger’s Cage 2*Spell Snare 1*Supreme Verdict 1*Helm of Obedience 1*Counterspell

リアニメイターは2ターン目に全てを注ぐデッキだ。
セントルイスでは、コラム仲間で複数のオープン大会優勝者のJoey Mispagelと戦った(そしてミスサイドボーディングをした)
相手がサイドから仕込んでくる《実物提示教育》プランに対して《ヴェンディリオン三人衆》が刺さると踏んだが、リアニメイターの平均始動ターンを考えれば、そのサイドボーディングは誤りだった。

《終末》、《拘留の宝球》、《Helm》コンボ、そして《神ジェイス》が通ってしまった《実物提示教育》に対処できるので、デッキの残りで第2ターンに出てくる《グリセルブランド》へ焦点を合わせるべきだ。


[VS Esper Blade]

Remove…2*Swords to Plowshares 1*Terminus 2*Energy Field 3*Rest in Peace 1*Helm of Obedience
Add…3*Vendilion Clique 1*Counterspell 2*Jace Beleren 1*Aura of Silence 1*Luminarch Ascension 1*Spell Snare

エスパーブレードとの第1ゲームは荒れる。
こっちには死に札があり、相手はこちらのリソースを攻めてくる。
サイドボーディング後は、死に札が減り、《ジェイス》合戦に強くなり、《ヴェンディリオン三人衆》によって相手のゲーム展開に干渉出来る。


[おいしい準々決勝]

今回は最高のイベントだった。
決勝卓で、私のデッキは全然強そうではなかったが、この時私はトップ8に二つの新しいリストを送り込んでいて、それはデザイナーとして初めての事だった。
一方、相棒のJermyは同じ【RIP+奇跡】を使って二敗でトップ8を逃した。
私はエルフプレイヤーとも75分戦った末に勝利を収めた。

あなたのプレイしているデッキが他の誰かに見られるのは、我が事のように嬉しい。
あなたはドミノをひっくり返す人ではないかも知れないが、その一員であることに変わりはない。
Joshが対戦相手に《刃砦の英雄》を叩きつけ、彼らの顔が驚きと恐怖に歪むのを見て私は満足する。

『君の《刃砦》に対応して少し吐くわ。で、それ解決するとどうなる?』

私はトップ8になったものの、結局Joshとやることになった。
私のデッキはどちらもRUGに強いのに、二人がここで当たるなんて。
準決勝ではひどいプレイングだった。
プレイヤーとしては順当なところだが、デザイナーとしてはもっと上を目指したい。あたかも親が子供に最善を求める様に。


[変化の可能性]

《安らかなる眠り》コンボは今のメタゲームに適していて、アグロデッキや墓地利用デッキの存在する現環境で理想的な選択肢だと考えている。
もしも今後コントロールミラーが増えると予想するなら、メインに四枚目の《神ジェイス》と《至高の評決》を私は入れるだろう。

黒白デッキの大きな変更はサイドボードに《沈黙のオーラ》、メインに《Karakas》、そして多分《マラキールの門番》を増加するんじゃないかな。


元記事(訳注 リンク切れ)
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-two-decks-4th-8th/


Eternal Europe - Strasbourg Expectations

2013/04/05

by Carten Kotter


ついにGP Ghent以来の欧州でのLegacyGPが久々にやってくるね。
みんなの準備のために、今回は私のGP予想を話したいと思うんだ。(タイトルでバレバレかな)
紹介するのはよく見かけるデッキたちだ。
それぞれのデッキに短い紹介文も載せ、サンプルレシピも公開するし、そのデッキの利点とどんな人がそれを使うべきなのかも解説するつもりだ。

これら全てが、あなたのデッキ選択、あるいは調整やサイドボード選び、そしてテーブルについた相手のデッキが何なのかを容易に判断するための一助になればと思っている。

そうだ、言い忘れていたけど、もしもあなたが不運にも欧州圏に住んでいないのなら、今回の情報はStarCityGames.comのオープンシリーズのために活かすといいんじゃないかな。
Atlantaでのthe Invitationalとかね!

よし、前置きはこれくらいにしよう。
本題に行こうじゃないか!


Common Enemies(メタ上位デッキ)

まず最もいるだろうデッキたちから始めよう。
これらのデッキはEternal Magicが体現するデッキそのものと言える。
コンボ、コントロール、アグロコントロール、ミッドレンジ、それらが環境を作っている。

「Jund」

Punishing Jund, Michael Bryant

// Lands
1 [UNH] Forest
1 [UNH] Swamp
4 [FUT] Grove of the Burnwillows
3 [B] Badlands
2 [B] Bayou
3 [ON] Bloodstained Mire
4 [ZEN] Verdant Catacombs
3 [TE] Wasteland
2 [ON] Wooded Foothills

// Creatures
3 [ARB] Bloodbraid Elf
4 [RAV] Dark Confidant
4 [RTR] Deathrite Shaman
4 [FUT] Tarmogoyf

// Spells
1 [RAV] Life from the Loam
1 [ARB] Maelstrom Pulse
4 [LRW] Thoughtseize
3 [FE] Hymn to Tourach (2)
4 [ISD] Liliana of the Veil
3 [ZEN] Punishing Fire
1 [LG] Sylvan Library
3 [RTR] Abrupt Decay
2 [B] Lightning Bolt

// Sideboard
SB: 1 [ISD] Ancient Grudge
SB: 1 [ARB] Bloodbraid Elf
SB: 1 [LG] Chains of Mephistopheles
SB: 3 [UL] Engineered Plague
SB: 3 [IA] Pyroblast
SB: 1 [BOK] Umezawa’s Jitte
SB: 3 [US] Duress
SB: 2 [SOM] Nihil Spellbomb


このモダンからやってきたデッキは、Strasbourgで最もプレイされる「非青」デッキだろう。
攻撃的な初手と、長期戦でもアドバンテージの取れる有用なカードの組み合わせによって、フェアなデッキ同士のマッチアップでの支配権を握っている。
僅かだが黒の妨害によって、コンボデッキに抗うことも可能だ。(実際は会いたい相手では無いとしても)
GP Denverで脚光を浴びたこのデッキは最も《突然の衰微/Abrupt Decay》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を上手く使えるデッキで、特に他のプレイヤーがフェアなデッキを使っている時は尚更輝く。
オランダとフランスの両方に近いことで私は少し危ぶんでいる。(訳注:Strasbourgは国境沿い)

『Jund』には難しい事はない。
判断に悩むのは大抵《思考囲い/Thoughtseize》と《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》くらいで、多くのプレイヤーが容易にGPへ持ち込めるデッキだろう。
クリーチャーを横向きにして楽しむ人なんかには特に好まれる。
非常に昔ながらのゲームが出来るデッキで、レガシーに慣れていない人にも簡単に扱える。そう、あなたはPTQシーズンの間にModernで既に経験を積んでいるはずだ!


「RUG Delver」

RUG Delver, Jeff Rasmussen

// Lands
4 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ZEN] Scalding Tarn
4 [TE] Wasteland
3 [B] Volcanic Island
3 [B] Tropical Island

// Creatures
4 [OD] Nimble Mongoose
4 [FUT] Tarmogoyf
4 [ISD] Delver of Secrets/Insectile Aberration

// Spells
4 [NE] Daze
4 [IA] Brainstorm
4 [AL] Force of Will
3 [ZEN] Spell Pierce
4 [SC] Stifle
4 [M12] Ponder
2 [DIS] Spell Snare
1 [LG] Sylvan Library
4 [B] Lightning Bolt

// Sideboard
SB: 2 [SC] Sulfuric Vortex
SB: 2 [TSP] Krosan Grip
SB: 2 [4E] Red Elemental Blast
SB: 3 [NE] Submerge
SB: 2 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [PLC] Sulfur Elemental
SB: 1 [MI] Mind Harness
SB: 2 [PLC] Rough/Tumble


私が知る限り、最も長くLegacyで生き残っているデッキで、2006年に行われた欧州で最初のGP Liileでは既に実用的だった。
このデッキはむしろ、《精神的つまずき/Mental Misstep》が禁止された直後に優勢を築いていた。
《死儀礼のシャーマン》+《突然の衰微》デュオとそのデッキの運用方法の確立が、『RUG』を壇上から押し出そうとするが、それでもなおこのフォーマットで最高のデッキの一つに居座っている。

『RUG Delver』の最大の利点は序盤からの干渉手段と、《不毛の大地/Wasteland》/《もみ消し/Stifle》によって相手にゲームをさせずに勝つという強力な攻めの組み合わせにある。

『RUG Delver』をプレイするメリットは多くあるが、カードの引きと戦況の見極めの双方が大事になってくる。(こちらの妨害から相手が脱する前に勝つ必要がある)
そんなわけで、このデッキ自体をやりこんでいるか、以前のスタンダードで『青白Delver』を使っていてアグロコントロールの面倒くさいやり取りに精通しているプレイヤーにとっては良い選択肢だろう。


「Esper Stoneblade」

Esper Stoneblade, Nick Carlson

// Lands
2 [RTR] Island (1)
2 [RTR] Plains (1)
1 [RTR] Swamp (1)
4 [ON] Flooded Strand
4 [ON] Polluted Delta
1 [B] Scrubland
3 [B] Tundra
2 [B] Underground Sea
1 [TE] Wasteland
1 [TSP] Academy Ruins
1 [LG] Karakas

// Creatures
3 [ISD] Snapcaster Mage
4 [WWK] Stoneforge Mystic
1 [MOR] Vendilion Clique

// Spells
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
1 [NPH] Batterskull
1 [FD] Engineered Explosives
4 [AL] Force of Will
1 [BOK] Umezawa’s Jitte
2 [ROE] Inquisition of Kozilek
3 [DKA] Lingering Souls
2 [M12] Ponder
1 [RTR] Supreme Verdict
2 [LRW] Thoughtseize
1 [AP] Vindicate
4 [IA] Brainstorm
1 [TE] Counterspell
4 [B] Swords to Plowshares

// Sideboard
SB: 1 [ROE] Inquisition of Kozilek
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict
SB: 1 [MBS] Sword of Feast and Famine
SB: 1 [TSB] Disenchant
SB: 2 [ZEN] Spell Pierce
SB: 3 [ISD] Geist of Saint Traft
SB: 2 [PD3] Cabal Therapy
SB: 1 [TE] Perish
SB: 3 [PLC] Extirpate


『Esper Stoneblade』は、Tom Martellが約一年前のGP Indianapolisで優勝して以来このフォーマットに定着している。
最大の利点は、対応力の高さと、『Jund』に似て個々のカードパワーが高い事だ。
ハンデスとカウンターの組み合わせが、相手のゲームプランを乱す上に、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》や《未練ある魂/Lingering Souls》《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》などを軽除去からも守る、そして、素晴らしき《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》はいくつかのゲームでアグロコントロールのテンポを崩す事が出来る。
他のミッドレンジデッキの様に長引いた場合、本格的な《ジェイス》コントロールへと移行することも出来る。

だが、この対応力というのが曲者だ。
あなたが『Esper Stoneblade』及びこのマッチアップに精通していない場合、ゲーム中にどう対処すべきか判断を下すのが困難になるだろう。それは1999年からMike Floresが我々に教え続けているように、「ミスったら、負け」という事だ。

それでも、あなたはミスをしてもなお多くのゲームに勝てるだろう。(《石鍛冶の神秘家》と《ジェイス》はスタンダードで禁止になる位に強いのだから)
そんなわけで、もしもあなたがこのデッキの基本的なカードについてと、Legacyで主に使われるカード同士のシナジーの両方について明るくないなら私はこのデッキをオススメできない。
しかし、過去に『Stoneblade』デッキを触った事のある人ならばプレイする価値のあるデッキだ。
もし『Esper Stoneblade』についての経験が豊富ならば、Strasbourgに持ち込むデッキとしては素晴らしいものだろう。


「Sneak and Show」

Sneak and Show, Dave king

// Lands
2 [EX] City of Traitors
3 [TE] Ancient Tomb
3 [RTR] Island (1)
1 [RTR] Mountain (1)
4 [ZEN] Misty Rainforest
3 [B] Volcanic Island
4 [ZEN] Scalding Tarn

// Creatures
4 [AVR] Griselbrand
4 [ROE] Emrakul, the Aeons Torn

// Spells
4 [US] Show and Tell
3 [ZEN] Spell Pierce
4 [US] Sneak Attack
4 [TE] Lotus Petal
4 [IA] Brainstorm
4 [M12] Ponder
4 [AL] Force of Will
2 [TE] Intuition
2 [MM] Misdirection
1 [CMD] Flusterstorm

// Sideboard
SB: 1 [4E] Red Elemental Blast
SB: 2 [DS] Echoing Truth
SB: 3 [9E] Defense Grid
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 3 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [RTR] Pithing Needle
SB: 3 [SC] Stifle
SB: 1 [LG] Karakas


『Sneak and Show』はとても強力なコンボデッキだ。
《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul,the Aeon’s Torn》やこれまでに刷られた強烈なクリーチャーを2~3ターン目に難なく展開するデッキの力を否定する方が無理ってもんだ。

このデッキは非常にプレイが簡単で(少なくともLegacyのコンボデッキとしては)ゲーム時間が短く、多くのデッキを打ち破る事が出来る。
『Sneak and Show』専用対策カードが限られている(《実物提示教育/Show and Tell》と《騙し討ち/Sneak Attack》もしくは《エムラクール》と《グリセルブランド》両方を止められるカードは滅多に無い)し、強力なカウンタースペルが勢揃いしているため、様々な干渉手段から身を守れる。
このデッキは非常にGP向きで、多くの対戦相手よりも経験が不足がちだと感じているプレイヤーに特にオススメだ。

このデッキのプレイングに対する二つの大きな課題がある。
少し矛盾するが、結局、このデッキには二枚コンボを揃えるまでは無駄なカードが大量に入っている。
それから、スキル差を見せる機会もほとんどない。なぜなら、両方のプレイヤーが判断すべき事の多くは、そう複雑ではないからだ。


「U/W and U/W/R Miracles」

U/W Miracles, Joe Lossett

// Lands
2 [B] Plains (2)
2 [LG] Karakas
2 [B] Volcanic Island
4 [ON] Flooded Strand
1 [ZEN] Scalding Tarn
1 [ZEN] Arid Mesa
2 [B] Tundra
4 [B] Island (3)
2 [SHM] Mystic Gate
3 [ON] Polluted Delta

// Creatures
1 [ISD] Snapcaster Mage
3 [MOR] Vendilion Clique
1 [FUT] Venser, Shaper Savant

// Spells
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
2 [AL] Force of Will
4 [MM] Brainstorm
3 [IA] Swords to Plowshares
3 [ZEN] Spell Pierce
1 [TE] Counterspell
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [AVR] Terminus
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
1 [RTR] Supreme Verdict
2 [MM] Misdirection

// Sideboard
SB: 1 [AL] Force of Will
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 1 [PLC] Sulfur Elemental
SB: 1 [FUT] Venser, Shaper Savant
SB: 1 [MM] Misdirection
SB: 1 [TE] Disenchant
SB: 1 [OD] Sphere of Law
SB: 3 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [FD] Engineered Explosives


U/W/R Miracles, Alex Binek

// Lands
2 [B] Plains (2)
1 [LG] Karakas
1 [B] Volcanic Island
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
2 [ZEN] Arid Mesa
3 [B] Tundra
5 [B] Island (3)

// Creatures
1 [ISD] Snapcaster Mage
1 [FUT] Venser, Shaper Savant

// Spells
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [MM] Brainstorm
3 [IA] Swords to Plowshares
2 [MI] Enlightened Tutor
2 [ZEN] Spell Pierce
1 [TE] Counterspell
1 [AVR] Entreat the Angels
3 [AVR] Terminus
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
3 [CS] Counterbalance
1 [RTR] Detention Sphere
1 [9E] Blood Moon
1 [RTR] Supreme Verdict
2 [RTR] Rest in Peace
1 [AL] Helm of Obedience

// Sideboard
SB: 1 [IA] Swords to Plowshares
SB: 1 [MI] Enlightened Tutor
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 1 [TE] Humility
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 1 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 1 [SH] Ensnaring Bridge
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [US] Energy Field
SB: 1 [TE] Disenchant
SB: 3 [ISD] Geist of Saint Traft
SB: 1 [FD] Engineered Explosives


《終末/Terminus》が易々と盤面を掃除し、そのコストの安さと《相殺/Counterbalance》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divinign Top》によるロックという非常に強力な戦略でもって、Legacyの純コントロールデッキはこの環境のほとんどのデッキに対抗し得る。

どちらのバージョンに関する議論も有意義だ。
『青白赤』バージョンは《安らかなる眠り/Rest in Peace》と《悟りの教示者/Enlightened Tutor》ツールボックスによる的確なシルバーバレッドで多くのマッチに勝利できる。
一方で、Joe Lossett(注1)のような古典的な『青白』バージョンはアドバンテージの損失を避けるために《悟りの教示者》とシルバーバレッド戦術をカットしている。

『Miracles』のパワーはほとんどのマッチアップで十分に高いレベルにあるが、《ヴェールのリリアナ》と(それよりは少ないが)《突然の衰微》はこのアーキタイプの悩みのタネとなっている。
また、GPのような長丁場において、このデッキの氷河の様なゲームの遅さは大きな問題点だ。
あなたが適切なペースでプレイしたとしても、時間をかなり食ってしまうため疲労困憊してしまう事と、不本意な引き分けが増えてしまうという問題が起こり得る。
もしこのデッキを順序立てて迅速にプレイ出来る程に慣れているわけでは無いのなら、止めておいた方が良い。

(注1)
Joeのリストに関して言いたい事は、《Force of Will》を《誤った指図/Misdirection》に置き換えた事が、本当に上手いやり方だとは思えないと言う事だ。
もちろん、《Hymn to Tourach》や《突然の衰微》に対する相性は向上するだろうが、対コンボ戦では価値を見いだせない。


Other Decks I’d Expect to See(それなりにいるデッキ)

上記五種のデッキはかなり使われると予想しているデッキだが、他にもそこそこいるだろうと思っているデッキがいくつかある。

「Reanimator」

Reanimator, Jacob Kory

// Lands
4 [ZEN] Marsh Flats
4 [ON] Polluted Delta
1 [RTR] Swamp (1)
2 [B] Underground Sea
1 [B] Tundra
1 [B] Scrubland

// Creatures
1 [ROE] Emrakul, the Aeons Torn
2 [TSP] Children of Korlis
2 [AVR] Griselbrand

// Spells
4 [MI] Shallow Grave
4 [IA] Brainstorm
4 [TE] Dark Ritual
4 [OD] Entomb
1 [SC] Tendrils of Agony
2 [LRW] Thoughtseize
3 [BOK] Goryo’s Vengeance
2 [MR] Chrome Mox
1 [TE] Reanimate
4 [TE] Lotus Petal
4 [JU] Cabal Therapy
1 [M11] Silence
4 [M12] Ponder
4 [NPH] Gitaxian Probe

// Sideboard
SB: 2 [M11] Silence
SB: 2 [ON] Chain of Vapor
SB: 2 [RTR] Pithing Needle
SB: 3 [NPH] Surgical Extraction
SB: 1 [DS] Echoing Truth
SB: 1 [4E] Hurkyl’s Recall
SB: 2 [TSP] Pull from Eternity
SB: 2 [NE] Massacre


Reanimator, Devin Koepke

// Lands
2 [UNH] Swamp
1 [B] Island (3)
4 [B] Underground Sea
1 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ON] Polluted Delta
3 [ZEN] Verdant Catacombs
1 [LG] Karakas

// Creatures
1 [RAV] Blazing Archon
1 [NPH] Elesh Norn, Grand Cenobite
4 [AVR] Griselbrand
1 [ZEN] Iona, Shield of Emeria

// Spells
4 [OD] Careful Study
4 [US] Exhume
4 [TE] Reanimate
4 [LRW] Thoughtseize
4 [AL] Force of Will
4 [OD] Entomb
4 [TE] Lotus Petal
2 [B] Animate Dead
4 [IA] Brainstorm
3 [NE] Daze

// Sideboard
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [CFX] Inkwell Leviathan
SB: 1 [DIS] Tidespout Tyrant
SB: 2 [NE] Submerge
SB: 2 [NPH] Surgical Extraction
SB: 4 [US] Show and Tell
SB: 2 [EX] City of Traitors


この二つのバージョンは突き詰めれば別の物ではあるが、両方とも出来るだけ早くファッティを墓地に落として釣り上げる事を目標としているため同一カテゴリーで扱うことにした。
どういう事かと言うと、どちらも同じ対策カードに脆く、どちらもだいたい同じターン数で勝つために選んだファッティが《グリセルブランド》だということだ。

《御霊の復讐/Goryo’s Vengeance》バージョンの利点はゲームがすぐに終わる事と、それによって《グリセルブランド》を場に留め続けなくて良いという事だ。(これは対戦相手の《Karakas》や《罠の橋/Ensnaring Bridge》を相手にする時に助かる)
言うまでもなく、《グリセルブランド》は出てすぐに殴り、あなたの7/7付き《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth’s Bargain》によってカードを引けるようにする。
高い水準のマナ加速(《暗黒の儀式/Dark Ritual》)もまたこのデッキを従来の古典的『Reanimator』よりも僅かに速くしている。

古典的な『Reanimator』デッキには《御霊の復讐》バージョンには無い三つの重要な利点がある。
《御霊の復讐》バージョンがコンボ要員を入れる数よりも『Reanimator』バージョンは多くのファッティをデッキに入れることが可能で、それによって《入念な研究/Careful Study》がどの局面でも素晴らしい一枚となる。
《再活性/Reanimate》で釣り上げた際にそのクリーチャーが場に残るので、そのターン中に全て終わらせなければいけないという事もない。
そして、あなたのメインエンジンはより汎用性が高く、仮に《グリセルブランド》によってデッキの半分を引けなくてもそこまで重大では無い。

この《グリセルブランド》デッキの二つ目は、ラウンドの短さとプレイの楽さという点を《Show and Tell》デッキと共有しており、これにより対戦相手よりもプレイングが際立っていないと感じるプレイヤーには理想的だと言える。
そして相手が墓地対策をサイドから入れる事を見越した選択肢が取れる。(訳注:《実物提示教育》プラン)
あなたがより速度を重視し(特にコンボデッキのミラーマッチなど)、墓地対策が控え目だと予想する時は、《実物提示教育》プランよりも《再活性》プランを選ぶ方が正しいだろう。

《御霊の復讐》バージョンについて言う事があるとすれば、付随的な墓地対策(《死儀礼のシャーマン》のような)や単発の墓地対策(《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》や《外科的摘出/Surgical Extraction》など)に対して、マナ加速とインスタント速度のリアニ効果によって対処が非常に楽だというのは大きな強みだ。


「Tendrils Storm;TES and ANT」

The Epic Storm, Bryant Cook

// Lands
2 [AN] City of Brass
4 [WL] Gemstone Mine
1 [ON] Polluted Delta
2 [ZEN] Scalding Tarn
2 [B] Underground Sea
1 [B] Volcanic Island

// Spells
1 [TSP] Empty the Warrens
4 [NPH] Gitaxian Probe
4 [DIS] Infernal Tutor
4 [M12] Ponder
4 [CS] Rite of Flame
2 [US] Duress
4 [MI] Lion’s Eye Diamond
3 [MR] Chrome Mox
1 [JU] Cabal Therapy
4 [TE] Lotus Petal
1 [ALA] Ad Nauseam
4 [IA] Brainstorm
4 [TE] Dark Ritual
4 [M11] Silence
4 [JU] Burning Wish

// Sideboard
SB: 3 [RTR] Abrupt Decay
SB: 1 [TSP] Empty the Warrens
SB: 2 [SC] Xantid Swarm
SB: 2 [ON] Chain of Vapor
SB: 1 [AL] Diminishing Returns
SB: 1 [TSP] Grapeshot
SB: 1 [US] Ill-Gotten Gains
SB: 1 [ISD] Past in Flames
SB: 1 [SC] Tendrils of Agony
SB: 2 [JU] Cabal Therapy


Ad Nauseam Tendrils, Grant Wilkinson

// Lands
1 [ZEN] Misty Rainforest
2 [UNH] Swamp
2 [ZEN] Scalding Tarn
2 [B] Underground Sea
1 [B] Volcanic Island
4 [ON] Polluted Delta
1 [B] Island (3)
2 [WL] Gemstone Mine

// Spells
4 [TO] Cabal Ritual
4 [M11] Preordain
1 [SC] Tendrils of Agony
1 [TSP] Empty the Warrens
4 [US] Duress
2 [JU] Cabal Therapy
4 [IA] Brainstorm
4 [MI] Lion’s Eye Diamond
4 [TE] Lotus Petal
1 [ALA] Ad Nauseam
4 [TE] Dark Ritual
4 [NPH] Gitaxian Probe
4 [DIS] Infernal Tutor
4 [M12] Ponder

// Sideboard
SB: 4 [RTR] Abrupt Decay
SB: 1 [SC] Tendrils of Agony
SB: 3 [US] Carpet of Flowers
SB: 2 [ON] Chain of Vapor
SB: 2 [FUT] Slaughter Pact
SB: 1 [JU] Cabal Therapy
SB: 1 [B] Tropical Island
SB: 1 [LG] Karakas


より速いコンボデッキと、より守られたコンボデッキがあるが、私たちがLegacyで一般的に見るこの《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を基に作られた二つの『Storm』コンボは、速度と一貫性と防御力を最適なバランスで備えているデッキだ。

ちらっと見ただけではこのリストは似通って見えるが、『TES』と『ANT』の間には大きな違いがある。
前者がより速度に特化し早期の勝利を目指し、攻撃的なのに対し、後者は大部分のマッチアップでVintageのコンボ-コントロールデッキのような観点から取り組む。
相手の手札を切り刻み、こちらが完璧な手札になるまであなたのライブラリーにマッサージをしてやる、そして準備が整えば相手をぶちのめす。
以下にそれぞれの長所短所を短く比較した。

・『TES』はゲーム序盤に強い。
 メインから入った《巣穴の総出/Empty the Warrens》の有用性と、全体的なマナコストの低さと《金属モックス/Chrome Mox》の存在によって《むかつき/Ad Nauseam》をより強く使えることが、『ANT』よりも早い勝利を可能にする。
 《沈黙/Silence》が相手のソフトカウンターを咎めるため、その点でも『ANT』より良い。

・『TES』が速度を手にし、『ANT』は柔軟性を得た。
 より柔軟なマナベース(基本土地、《金属モックス》の不在、《真鍮の都/City of Brass》もしくは《宝石鉱山/Gemstone Mine》)、キャントリップとシナジーするフェッチランドの増加、多めなキャントリップは《炎の中の過去/Past in Flame》を使うのに最適で、『TES』と比較して『ANT』は3ターン目以降のゲームプランがより強い。

これらのデッキは、あなたが出くわすだろう多くの相手に対してかなり強い選択肢となる。
どちらも、こちらへ干渉出来ない(あるいは先に勝利できない)相手を叩きのめすのに十分な程速く、こつこつ投げられる多数の妨害に対しても耐性がある。
高い柔軟性を持つエンジンが、あなたのスキルと情報アドバンテージに信じられない程の影響を与える。

最大の問題点は、プレイヤースキルに依存することだ。
もし全ての判断が正しければ、どちらのデッキも信じられない程に強力だ。
しかし裏を返せば、頻繁にプレイミスを咎められるデッキでもある。
つまり、小さな間違いが負けに直結してしまうのだ。
『Storm』デッキはあなたが昨日の今日で選び取る類のデッキではなく、正直に言って、過去の経験から『Storm』に触った事がないのなら、このデッキは止めておいた方が賢明だ。

メモ:オランダ人は伝統的に『Storm』コンボを多く使っていて、Adam Prosakによって広まった上記の『Storm』リストは、GP Amsterdam以前はフランス人が作った非常にマイナーな物だった。
デッキの複雑さのせいで多くのプレイヤーがこのデッキを選ばないとしたら、GP Strasbourgではこれらのデッキが注目に値するかもしれない。
そのため、私はこれらのデッキが会場に存在すると思っている。


「Maverick」

Maverick, Evan Wagstaff

// Lands
3 [UNH] Forest
1 [UNH] Plains
1 [LG] Karakas
4 [ON] Windswept Heath
1 [FUT] Dryad Arbor
2 [AVR] Cavern of Souls
2 [FUT] Horizon Canopy
2 [ZEN] Misty Rainforest
4 [B] Savannah
4 [TE] Wasteland

// Creatures
1 [LRW] Gaddock Teeg
2 [FUT] Aven Mindcensor
4 [DKA] Thalia, Guardian of Thraben
4 [CFX] Knight of the Reliquary
4 [UL] Mother of Runes
4 [CFX] Noble Hierarch
2 [ARB] Qasali Pridemage
3 [CMD] Scavenging Ooze
1 [TSP] Scryb Ranger
1 [MBS] Thrun, the Last Troll

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
2 [BOK] Umezawa’s Jitte
4 [MBS] Green Sun’s Zenith

// Sideboard
SB: 1 [SH] Spike Feeder
SB: 2 [DK] Tormod’s Crypt
SB: 1 [LG] Sylvan Library
SB: 3 [M12] Oblivion Ring
SB: 2 [NPH] Gut Shot
SB: 1 [TSP] Krosan Grip
SB: 3 [ZEN] Mindbreak Trap
SB: 1 [CFX] Path to Exile
SB: 1 [LRW] Gaddock Teeg


『Meverick』は《終末》と《死儀礼のシャーマン》のせいで表舞台から遠退いていたかも知れないが、有用なカードの組み合わせ、対策内蔵クリーチャーの汎用性、《ルーンの母/Mother of Runes》と《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》のセットはまだまだやれる。
コンボデッキが苦手なのは他のフェアデッキも同様で、対策クリーチャーを出すための2ターンを確保出来れば、逆に多くのコンボデッキを悩ませるようになるだろう。

このデッキの人気が出ると思う理由は二つあって、
一つ目は世の中にはほぼクリーチャー単というデッキを愛している人がいて、『Elves』のようなコンボを考えていないなら、『Maverick』はそういった層に最もウケるだろう。
しかし、より重要なのは、対『Maverick』のマッチアップが少なくなり対策が甘くなっている事だ。(最近どれだけ《夜の戦慄/Dread of Night》を見た?)
そして、一旦準備を怠れば、コンボに弱いのを補って余りある程フェアデッキに対して『Maverick』は強いんだ。


「BUG Control」

BUG Control, Brian Braun-Duin

// Lands
4 [ZEN] Verdant Catacombs
3 [TE] Wasteland
1 [ON] Polluted Delta
4 [ZEN] Misty Rainforest
2 [B] Bayou
4 [B] Underground Sea
2 [B] Tropical Island
3 [4E] Mishra’s Factory
1 [WWK] Creeping Tar Pit

// Creatures
4 [FUT] Tarmogoyf
4 [RTR] Deathrite Shaman
2 [MOR] Vendilion Clique
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [IA] Brainstorm
4 [RTR] Abrupt Decay
1 [ARB] Maelstrom Pulse
4 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
1 [AP] Pernicious Deed
3 [LRW] Thoughtseize
1 [RAV] Life from the Loam
1 [ROE] Inquisition of Kozilek
1 [NPH] Dismember
1 [TE] Counterspell
2 [ISD] Liliana of the Veil
1 [ISD] Garruk Relentless/Garruk, the Veil-Cursed

// Sideboard
SB: 2 [SOM] Nihil Spellbomb
SB: 2 [AP] Pernicious Deed
SB: 3 [AL] Force of Will
SB: 4 [UL] Engineered Plague
SB: 2 [M10] Jace Beleren
SB: 1 [LRW] Thoughtseize
SB: 1 [RAV] Darkblast


『Jund』の隆盛によって『BUG Control』は一度は支持者を失ったものの、《突然の衰微》+《死儀礼のシャーマン》の強さに抗えず、コンボのために青も切りたくない(あるいは《渦巻く知識/Brainstorm》に恋をしている)ような病的な人々がいる。

このデッキは確かに強く、《ジェイス》の存在と《渦巻く知識》によって『Jund』よりも安定する。
しかし、良くないことというのは起こってしまう。
このデッキは、『Jund』(長期戦に長け、圧力も強い)とコンボ(メインの妨害枚数が少ないため)の両方に対して問題を抱えている。
これは、ミッドレンジとコントロールを両立させるために払う代償と言える。


「BUG Delver」

BUG Delver, James Sung

// Lands
1 [B] Tropical Island
4 [B] Underground Sea
1 [ZEN] Verdant Catacombs
4 [TE] Wasteland
4 [ON] Polluted Delta
4 [ZEN] Misty Rainforest
2 [B] Bayou

// Creatures
4 [FUT] Tarmogoyf
4 [ISD] Delver of Secrets/Insectile Aberration
2 [FUT] Tombstalker
4 [RTR] Deathrite Shaman

// Spells
4 [AL] Force of Will
4 [IA] Brainstorm
4 [HL] Hymn to Tourach
4 [M12] Ponder
4 [NE] Daze
4 [RTR] Abrupt Decay
1 [NPH] Dismember
1 [LG] Sylvan Library

// Sideboard
SB: 1 [BOK] Umezawa’s Jitte
SB: 1 [ARB] Maelstrom Pulse
SB: 2 [SOM] Nihil Spellbomb
SB: 1 [ZEN] Disfigure
SB: 1 [RAV] Life from the Loam
SB: 2 [NE] Submerge
SB: 2 [TSP] Krosan Grip
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 1 [B] Blue Elemental Blast
SB: 3 [UL] Engineered Plague


大挙して押し寄せてくるコンボの群れに立ち向かう時、人々はいつだってより積極的な『BUG』デッキを使いたがる。そして、そこには至極当然の理由がある。
ハンデスとカウンター、そして迅速なクロックの組み合わせによって作られる『BUG Delver』はコンボ狩りに最適なデッキの一つだからだ。

このデッキの短所は大量の軽除去に弱いことだが、上記のリストを見た通り、この短所はそこまで問題ではないようだ。
特に《死儀礼のシャーマン》の採用によって『BUG Delver』から《瞬唱の魔道士》が抜けた。
このデッキを使うには良い環境で、多くの非Legacyプレイヤーにも十分Magicを楽しめるだけの魅力がある。


「Other Show and Tell Decks(Omniscience、Dream Halls、Hive Mind)」

Omni-Tell, Aaron Lilla

// Lands
4 [B] Island (3)
1 [EX] City of Traitors
4 [ZEN] Scalding Tarn
4 [TE] Ancient Tomb
4 [ON] Flooded Strand
1 [MI] Mountain (4)
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
2 [AVR] Griselbrand
2 [ROE] Emrakul, the Aeons Torn

// Spells
4 [M13] Omniscience
4 [M11] Preordain
4 [JU] Burning Wish
4 [IA] Brainstorm
4 [M10] Ponder
3 [US] Show and Tell
4 [AL] Force of Will
1 [PT] Personal Tutor
2 [TE] Lotus Petal
4 [ZEN] Spell Pierce
2 [CMD] Flusterstorm

// Sideboard
SB: 1 [US] Show and Tell
SB: 4 [M11] Leyline of Sanctity
SB: 4 [UL] Defense Grid
SB: 1 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [MM] Misdirection
SB: 1 [GTC] Enter the Infinite
SB: 1 [CHK] Eye of Nowhere
SB: 1 [TO] Overmaster


Infi-Tell, Rob Vaca

// Lands
1 [ZEN] Scalding Tarn
2 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ON] Flooded Strand
4 [TE] Ancient Tomb
7 [B] Island (3)

// Creatures
3 [ROE] Emrakul, the Aeons Torn

// Spells
4 [US] Show and Tell
4 [M12] Ponder
4 [GTC] Enter the Infinite
2 [TE] Intuition
4 [AL] Force of Will
3 [M13] Omniscience
4 [SH] Dream Halls
3 [UL] Grim Monolith
1 [JU] Cunning Wish
4 [IA] Brainstorm
2 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [M11] Preordain

// Sideboard
SB: 4 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [ISD] Laboratory Maniac
SB: 4 [M11] Leyline of Sanctity
SB: 1 [RTR] Cyclonic Rift
SB: 1 [ZEN] Mindbreak Trap
SB: 1 [MM] Misdirection
SB: 1 [NPH] Surgical Extraction
SB: 1 [TSP] Wipe Away
SB: 1 [4E] Hurkyl’s Recall


私はこれらが二つの特徴を共有するので合算して扱う事にする。
これらは『Sneak and Show』よりも《グリセルブランド》を出すのが不得意な代わりに、コンボが成立した時点で事実上の勝利を手にする。
個人的に、最近のメタゲームでは『Sneak and Show』をプレイした方が良いと思う。例え『Miracles』相手に《罠の橋》でゲームを一つ二つ落とすとしてもだ。
なぜこれらのデッキがダメか。
それは、多くのデッキが妨害として手札破壊を取っている現状で、二枚コンボ(ファッティ+始動役)の方が三枚コンボ(《実物提示教育》+二枚のコンボパーツ、あるいはマナ加速+二枚のコンボパーツ)よりも妨害に耐性があると考えるからだ。

じゃあなぜ人々がこのデッキを使うかも知れないと私が予想しているのか。
それはコンボ成立=即勝利というのと、クリーチャーを使わない勝利手段というのが、どちらも強力だからだ。
もしあなたが多数の《謙虚/Humility》、《真髄の針/Pithing Needle》、それから《Karakas》などをプレイされることを懸念するなら、多角的に攻撃可能なデッキを選択するのは理に適っている。

もしこれらのデッキをプレイしたいのなら、メインデッキ内のコンボカードの枚数がより少ない、つまり死に札が少ない『Omni-Tell』をオススメしたい。
個人的な読みでは、『Hive Mind』を使う人はいないだろう。
《無限への突入/Enter the Infinite》が刷られてからの《ドリーム・ホール/Dream Halls》デッキよりも、根本的に悪い選択になってしまったからだ。


「Elves」

Elves

// Lands
1 [ON] Windswept Heath
3 [US] Gaea’s Cradle
4 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ZEN] Verdant Catacombs
1 [B] Savannah
2 [B] Bayou
1 [ON] Wooded Foothills
1 [UNH] Forest
1 [FUT] Dryad Arbor

// Creatures
1 [ON] Birchlore Rangers
4 [M13] Elvish Visionary
3 [VI] Quirion Ranger
1 [AVR] Craterhoof Behemoth
4 [EVE] Nettle Sentinel
4 [MOR] Heritage Druid
4 [RTR] Deathrite Shaman
1 [EVE] Regal Force
1 [US] Priest of Titania
1 [M12] Llanowar Elves
4 [SC] Wirewood Symbiote
3 [IA] Fyndhorn Elves
1 [MR] Viridian Shaman

// Spells
1 [UL] Crop Rotation
4 [MBS] Green Sun’s Zenith
4 [CHK] Glimpse of Nature
3 [VI] Natural Order

// Sideboard
SB: 1 [UL] Crop Rotation
SB: 1 [VI] Natural Order
SB: 1 [TSP] Harmonic Sliver
SB: 4 [PD3] Cabal Therapy
SB: 2 [RTR] Abrupt Decay
SB: 1 [CFX] Progenitus
SB: 1 [LRW] Gaddock Teeg
SB: 1 [CMD] Scavenging Ooze
SB: 1 [WWK] Bojuka Bog
SB: 1 [FUT] Dryad Arbor
SB: 1 [LG] Karakas


Luis Scott-VargasとMatt Nass(と二人以外の誰か)によってGP Denverで広められたこの新型『Elves』は、以前のリストから大幅に改良された。
《垣間見る自然/Glimpse of Nature》を見つけることは、コンボモードに入った際に常について回る難題だったが、《自然の秩序/Natural Order》によって容易に《威厳の魔力/Regal Force》へアクセスできるようになったことで、この問題は緩和された。
そして実際には勝てない盤面からでも簡単にゲームを終わらせられる《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》のスーパー《踏み荒らし/Overrun》もまた同様に《自然の秩序》を悪用している。

この改良は、デッキ本来の力を底上げしつつ、一貫したコンボデッキとしての強さも持ち合わせている。
環境最速のコンボデッキともやり合えるだけの速度を持ちながら、他のフェアデッキを理不尽に打ちのめし、万が一対戦相手がこちらのコンボを全て止めたとしても、代替案としてのエルフビートダウンプランもある。


The Old Standbys(あるいはいるかも知れないもの)

最後のグループは、一部のプレイヤーが常に使っているだろうデッキタイプだ。
幾人かは、金額面(『Burn』が最も安価で現実的だ)で、幾人かは、プレイの簡単さ(7まで数えられるというのは、『Belcher』を使う上では十分だ)で、幾人かは特定のゲームをしたいのだろう(『Dredge』)。


「Goblins」

Goblins, Justin Nguyen

// Lands
4 [AVR] Cavern of Souls
4 [ZEN] Scalding Tarn
1 [ZEN] Arid Mesa
4 [MM] Rishadan Port
4 [TE] Wasteland
4 [UNH] Mountain
2 [B] Plateau

// Creatures
1 [M13] Krenko, Mob Boss
2 [ON] Goblin Piledriver
1 [PLC] Stingscourger
4 [M12] Goblin Chieftain
1 [ON] Goblin Sharpshooter
1 [ON] Skirk Prospector
4 [US] Goblin Lackey
2 [SC] Siege-Gang Commander
3 [TSP] Mogg War Marshal
4 [AP] Goblin Ringleader
4 [US] Goblin Matron
4 [LE] Gempalm Incinerator

// Spells
4 [DS] AEther Vial
2 [LRW] Tarfire

// Sideboard
SB: 2 [TSB] Disenchant
SB: 4 [RTR] Rest in Peace
SB: 4 [ZEN] Mindbreak Trap
SB: 2 [AL] Pyrokinesis
SB: 3 [B] Red Elemental Blast


『Goblins』はどういうわけか不滅のデッキの一つだ。
一部のコミュニティには、小さくて赤いクリーチャーを大量にレッドゾーンに突っ込ませるのが好きな人々がいて、そして『Goblins』はそれに適うデッキだと言える。
もちろん、このデッキを取り巻く環境は悪い(その多くはコンボデッキのせいだ)が、その代わりに長期戦をしかける相手に対してはバカバカしい程に相性が良い。
2/2速攻持ち《嘘か真か/Fact of Fiction》と1/1の《Demonic Tutor》は本当に良いカードで、特に《霊気の薬瓶/Aether Vial》と《魂の洞窟/Cavern of Souls》によってカウンターされないならなおさらだ。
あなたが第4ターンに大量のカードを引く事を全く気にしないデッキ(コンボ)に対抗するために、サイドボードが用意されている。

個人的な見解では、長い歴史の中でも、今回のGPで『Goblins』をプレイするのは最悪な判断だと思う。
余りに多種多様のコンボデッキが跳梁跋扈している環境では15枚きりのサイドボードでは補いきれず、もしも『Goblins』で上手くやりたいのなら、少しばかり幸運に頼る他無いだろう。


「Merfolk」

Merfolk, Jacob Montano

// Lands
12 [B] Island (3)
4 [MOR] Mutavault
4 [TE] Wasteland

// Creatures
1 [ROE] Coralhelm Commander
3 [M12] Phantasmal Image
4 [SHM] Cursecatcher
4 [B] Lord of Atlantis
4 [M13] Master of the Pearl Trident
4 [LRW] Merrow Reejerey
4 [LRW] Silvergill Adept

// Spells
1 [ZEN] Spell Pierce
4 [AL] Force of Will
1 [NPH] Dismember
3 [NE] Daze
4 [DS] AEther Vial
3 [OD] Standstill

// Sideboard
SB: 1 [ZEN] Spell Pierce
SB: 2 [ALA] Relic of Progenitus
SB: 1 [US] Gilded Drake
SB: 2 [B] Blue Elemental Blast
SB: 2 [4E] Hurkyl’s Recall
SB: 3 [NE] Submerge
SB: 2 [NPH] Surgical Extraction
SB: 1 [BOK] Umezawa’s Jitte
SB: 1 [BOK] Kira, Great Glass-Spinner


あなたが既に《不毛の大地》、《Force of Will》、《変わり谷/Mutavault》を持っているのなら、『Merfolk』は『Counter Sliver』戦略をLegacyで受け継ぐ非常に安いデッキだ。
フェアデッキの使う軽除去とコンボデッキ相手に使えるカウンターの少なさからこのデッキの立ち位置が良いとは思えないが、未だにこのデッキがプレイされている最大の理由は、デッキの安さが関係している。
もし妨害&ビートをしたいなら、私は多分『RUG Delver』を使うと思う。
とは言え、このデッキがデュアルランドを使わない対コンボデッキの最右翼なので、あなたがStrasbourgへ行くのなら、一度は出くわすのではないかと確信している。


「Burn」

Burn, Jacob Dobbs

// Lands
3 [ZEN] Scalding Tarn
3 [ON] Bloodstained Mire
3 [ON] Wooded Foothills
3 [ZEN] Arid Mesa
8 [MI] Mountain (4)

// Creatures
4 [ZEN] Goblin Guide
4 [TO] Grim Lavamancer

// Spells
4 [CHK] Lava Spike
4 [B] Lightning Bolt
4 [LG] Chain Lightning
4 [TSP] Rift Bolt
4 [EX] Price of Progress
4 [NE] Flame Rift
4 [VI] Fireblast
4 [SC] Sulfuric Vortex

// Sideboard
SB: 4 [WWK] Searing Blaze
SB: 3 [SH] Ensnaring Bridge
SB: 4 [B] Red Elemental Blast
SB: 4 [ZEN] Mindbreak Trap


一部の人は『Burn』を好んでいる、あるいはこのデッキの扱いに長けている。
もしくは、これ以外にカードを持っていない。
あなたがコンボデッキを避けて戦い抜くか、サイドからの対策を十分に引けるのなら、『Burn』はかなり良い選択と言える。
速く、プレイが簡単で、大方のコンボデッキよりも一方通行なプレイが出来るからだ。


「Dredge」

Dredge, David Thomas

// Lands
1 [VI] Undiscovered Paradise
3 [OD] Cephalid Coliseum
4 [AN] City of Brass
4 [WL] Gemstone Mine

// Creatures
4 [RAV] Golgari Grave-Troll
4 [RAV] Stinkweed Imp
3 [RAV] Golgari Thug
3 [TO] Ichorid
4 [FUT] Narcomoeba
4 [TO] Putrid Imp
4 [FUT] Street Wraith
1 [ZEN] Iona, Shield of Emeria

// Spells
1 [TO] Breakthrough
4 [JU] Cabal Therapy
2 [OD] Careful Study
2 [TSP] Dread Return
4 [DKA] Faithless Looting
4 [FUT] Bridge from Below
4 [MI] Lion’s Eye Diamond

// Sideboard
SB: 3 [SOK] Pithing Needle
SB: 2 [B] Nether Shadow
SB: 4 [WL] Firestorm
SB: 4 [WWK] Nature’s Claim
SB: 1 [NPH] Elesh Norn, Grand Cenobite
SB: 1 [VI] Undiscovered Paradise


Magicを楽しむ方法として、一部の人々は『Dredge』で俺ツエーをする。
それだけがこのデッキをプレイする理由ではないが、ローグデッキよりも多く会場にいるだろうと私が予想する最大の理由ではある。

このデッキは強力で、速度面で他のコンボデッキにも引けを取らない。
墓地対策が無ければ打ち負かすのは非常に困難で、第1ゲームを取れる確率はかなりあるだろう。
それは墓地対策にかなり弱い事の裏返しでもある。
あなたがそうしたゲームを気にせず、《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を正しく言い当て、誘発効果を忘れなければ(他にも多くあるけれど)、GPで『Dredge』を使うのは良い選択になる。

普通に考えて《死儀礼のシャーマン》は、一般的な『Dredge』を打ち負かす事が可能で、それ故に人々が墓地対策を切り詰めていた場合(あるいは、対策カードを引かなかったり、そもそも墓地対策の入った人をあなたが避ける時)、見返りはかなり大きい。
私はあなたがこのデッキに精通していないのならオススメしない。
と言うのも、ミスを重ねたとしても第1ゲームは大抵勝てるだろうが、墓地対策の入ったサイド後に正しくプレイするのは非常に難しく、そこであなたは2ゲームの内の1つを取る必要があるからだ。


「Belcher」

Belcher, Griffin Hansen

// Lands
1 [B] Taiga

// Creatures
4 [PLC] Simian Spirit Guide
4 [IA] Tinder Wall
4 [AL] Elvish Spirit Guide

// Spells
4 [MR] Seething Song
4 [CS] Rite of Flame
3 [TSP] Empty the Warrens
4 [TE] Lotus Petal
4 [MR] Chrome Mox
4 [NPH] Gitaxian Probe
4 [MI] Lion’s Eye Diamond
4 [CHK] Desperate Ritual
4 [MM] Land Grant
4 [MR] Goblin Charbelcher
4 [JU] Burning Wish
4 [M11] Pyretic Ritual

// Sideboard
SB: 1 [TSP] Empty the Warrens
SB: 1 [M11] Pyroclasm
SB: 4 [SC] Xantid Swarm
SB: 1 [NE] Reverent Silence
SB: 1 [SC] Goblin War Strike
SB: 1 [GP] Shattering Spree
SB: 4 [IA] Pyroblast
SB: 1 [PS] Hull Breach
SB: 1 [DIS] Infernal Tutor


『Belcher』は簡単で、安くて、尋常じゃなく速い(アンフェアな程に)。
個人的には、あなたがGPで毎ラウンド三分以上かからないデッキを持ち込むとは思わないし、特にそれがこのフォーマットで最も使われているカード(《Force of Will》)に弱いならなおさらだ。
しかし、このデッキを楽しむ人は大勢いる。

このデッキもまた、Magicを始めたての人、あるいは完全なLegacy初心者にとっては最高のデッキだろう。
あなたが7まで数える事が出来て、マリガンを適切に行えるのなら、90%以上正しくプレイ出来るだろうし、もし対戦相手が《Force of Will》を持っていないのなら、彼らはおそらく死へ一直線だ。
個人的に気になる事と言えば、墓地対策される事よりも安易な勝利を求める人や、『Belcher』の代わりに『Oops All Spells!』デッキを使う人がどのくらいいるのかと言う事だ。


Is That All?(それだけ?)

会場にいるデッキはこれだけだろうか?
とんでもない!
もしもStrasbourgをフルラウンド戦うとしたら、今日言及出来なかったデッキとも大勢戦うかもしれない。
Legacyには明らかに参加者の好みがあるとしても、大規模なLegacyトーナメントで成功するためのツールを持った他のアーキタイプがそれこそ大量に存在する。
こうしたデッキは大抵、少数の人間によってプレイされ、時には何年も使い続けてそのデッキの達人になっていたりする人もいる。
それら全てに備えるというのは、今日の紙幅や、あなたがそれを学び終えるまでの時間から考えても激しく骨の折れる、それこそシーシュポスの岩のようなものだろう。

その多様性にもめげず、上記に示したアーキタイプに精通し、それらのデッキの大半とのスパーリングを少なくとも数ゲームしてみることで、GP Strasbourgで成功を収めるために必要な知識が得られるだろう。
まだデッキを決めかねている人にとっては決定するための基準として、もう決めかけている人にとってはメタゲーム情報として、この記事が活かされる事を望んでいる。

それでは、今現在私が何をプレイしたいか解き明かす作業に戻るとするよ。
次に会う時まで、それが何か考えてみてくれ!


Carsten Kotter

記事
http://www.starcitygames.com/article/25940_Eternal-Europe-ndash-Strasbourg-Expectations.html


Hetricks of the Trade - Esper In All Formats *SCG Invitational T8*

2013/04/14

Michael Hetrick


僕は先週末にAtlantaで行われたSCG Invitationalに参加してTop8入賞を果たしたんだ。
Standardで『Esperコントロール』(過去に何度か書いたね)を使い、Legacyでは『Esper Stoneblade』を使った。

イベントに臨むに際し、僕は自分のデッキ選びにほとんど自信が無かった。
僕自身が何週にもわたってStandardの『Esper』を推していたにも関わらずだ。
そしてこのデッキは誰の支持も得ていなかった。
一例として、Ricky Sidherは僕が考えている程このデッキが良い物だとは思わないと断固主張していて、Matt Nassなんかは自家製『ターボフォグ』に僕を乗せようとしていた。

「僕はデッキをかなり変えるけれど、今週末には少しだけverupした『Esper』に乗ってるんじゃないかな」
と僕はTwitterで発言した。

幸い、僕はRickyの言う事は話半分に聞いている。
僕は『Esper』が本当に良いデッキだと知っているし、例えどんなに良いデッキかという認識に誤解があったとしても、相変わらずこのデッキは僕にとって最良と言える。
そうだね、僕はまだこれが最高のデッキだと考えているんだ。

一方Mattに関して言えば、僕は『Esper』を止めて彼のデッキを試してみたくなった。
勝利手段が《記憶の熟達者、ジェイス/Jace,Memory Adept》というのは『Esper』に似ているけれど、除去の代わりに《濃霧/Fog》に頼っているのが違いだ。
前回のInvitationalではMatt Nassのデッキを使って最終的に決勝戦で負けたけれど、これを試す時間も無く、必要なカードを調達する手間もあって、魅力的では無かった。
Mattが最近のWMCQでこのデッキを使っていたので、僕は彼がこの事を記事にしてくれるのを待っている。(彼がGP Portland用の『Elves』製作に忙しくなければ)
僕はやっぱり『Esper』をプレイしたかった。

// Lands
4 [RTR] Hallowed Fountain
3 [ISD] Isolated Chapel
4 [GTC] Godless Shrine
3 [ISD] Nephalia Drownyard
4 [M13] Glacial Fortress
1 [M13] Plains (2)
4 [GTC] Watery Grave
4 [M13] Drowned Catacomb

// Creatures
4 [M13] Augur of Bolas
2 [AVR] Restoration Angel
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [ISD] Think Twice
4 [RTR] Azorius Charm
3 [GTC] Devour Flesh
1 [RTR] Ultimate Price
2 [ISD] Dissipate
4 [RTR] Supreme Verdict
3 [M13] Jace, Memory Adept
4 [RTR] Sphinx’s Revelation

// Sideboard
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 3 [M13] Vampire Nighthawk
SB: 2 [M13] Negate
SB: 2 [ISD] Purify the Grave
SB: 2 [DKA] Tragic Slip
SB: 2 [M13] Duress
SB: 2 [M13] Planar Cleansing

Legacyは、そのプレイ機会の大きな差から理解が難しいフォーマットだ。
僕は昨年『Miracles』で何度か成功を収めたけれど、最後に使った時はもう『Miracles』を使わないだろうなと思った。
それが意味するのは一つ――《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の復活だ!
僕はLegacyの達人として君臨するJacob Koryに協力を仰ぎ、新しい『Esper Stoneblade』を組んでもらい、最終的にこうなった。

// Lands
4 [UNH] Island
1 [UNH] Plains
4 [ON] Flooded Strand
1 [ZEN] Marsh Flats
4 [ON] Polluted Delta
1 [B] Scrubland
3 [B] Tundra
2 [B] Underground Sea
1 [LG] Karakas
2 [4E] Mishra’s Factory

// Creatures
4 [ISD] Snapcaster Mage
4 [WWK] Stoneforge Mystic

// Spells
2 [ROE] Inquisition of Kozilek
2 [LRW] Thoughtseize
4 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
1 [BOK] Umezawa’s Jitte
1 [NPH] Batterskull
4 [IA] Brainstorm
1 [TE] Counterspell
4 [B] Swords to Plowshares
1 [RTR] Supreme Verdict
1 [AP] Vindicate
1 [DKA] Lingering Souls
4 [AL] Force of Will
1 [ZEN] Spell Pierce
2 [M11] Preordain

// Sideboard
SB: 1 [LRW] Thoughtseize
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict
SB: 3 [NPH] Surgical Extraction
SB: 1 [TE] Perish
SB: 3 [ISD] Geist of Saint Traft
SB: 2 [ZEN] Spell Pierce
SB: 1 [CFX] Celestial Purge
SB: 1 [UL] Engineered Plague
SB: 2 [RTR] Detention Sphere


以前のものよりも、《未練ある魂/Lingering Souls》を減らし、他の人よりも《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》を増やしたかった。
《未練ある魂》は往々にしてマッチアップによってその有用性が左右されがちで、あまり多くを必要としなかった結果だが、これはつまり《直観/Intuition》や《陰謀団式療法/Cabal Therapy》でアドバンテージが取れないということでもある。

代わりに僕が必要としたのは、ミラーマッチでより決定打になるものだ。
ミラーマッチの趨勢はどちらかが「爆弾」カードをプレイする事で決まる。(僕が《ジェイス》を四枚入れる事から始めた理由の一つだ)
《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》を採用したのは良いだろう。
なぜなら、これは《呪文貫き/Spell Pierce》に引っかからず、コストが軽い。
《遍歴の戦士、エルズペス/Elspeth,Knight-Errant》も選択肢の一つ(かつ《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》も避けられる)だが、僕は《トラフト》のたった3マナというのが気に入っている。

多くのバージョンは土地を22枚にしていて、僕は《不毛の大地/Wasteland》デッキに対抗するために23枚の土地でプレイしたかった。
これで能力付き土地を入れることが出来るようになり、《渦巻く知識/Brainstorm》を構えたいからその能力にかかるコストは軽い方が良い。
最初は《天界の列柱/Celestial Colonnade》よりも《忍び寄るタール抗/Creeping Tar Pit》を優先した。その時は《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》が完全に頭から抜け落ちていたんだ。
最終的には、僕がかなり強いと考えている《ミシュラの工廠》が二枚入った。

《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》を採用しなかったけれど、それは《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》も必要ないと思ったからだ。
個人的な意見では、この二つは十分な強さをもっているとは言えず、超長期戦においてのみ役に立つ。
《アカデミーの廃墟》は《不毛の大地》を当てられがちで、つまりあなたは二枚の劣ったカードをプレイしている事になる。

Travis Woo、Brandon Nelson、Jim Davis、Maximum Tietze、そしてDan Jordanたちに会うために、完成したデッキを引っさげAtlantaへ向かった。
Travisは何週か前に話していた『ターボフォグ』だった。
最終的に僕は彼の複雑なコンボ(《全知/Omniscience》、《無限への突入/Enter the Infinite》、そして《怒れる腹音鳴らし/Broborygmos》)から、より効率的な《空虚への扉/Door to Nothingness》へと切り替えるように説得した。
奇妙な事に、彼は《空虚への扉》を持っていなかった。
その時まで、僕はTravisが常に《空虚への扉》を持ち歩いているもんだと思っていたのだけれど。


ラウンド毎に書く代わりに、面白かったゲームについて紹介しよう。

Day One Legacy

RD1 W vs.Bye from SCG Points,2-0

RD2 W vs.ESper Stoneblade played by Dan Musser,2-0

彼がプレイする《ヴェンディリオン三人衆/Vendiilion Clique》二枚入りのバージョンは実に僕好み(大抵は1枚だ)だけれど、《未練ある魂》が大流行している今、それをプレイしたいとは思わない。
彼は《ヴェンディリオン三人衆》でビートダウンし、僕が《渦巻く知識》で《未練ある魂》を見つけ出した時には、僕のライフは残り2だった。(なんて幸運だ)
スピリットを前に《ヴェンディリオン三人衆》はもじもじしていて、それによってゲームの流れが変わってしまった。


RD3 W vs. Sneak and Show played by Christopher Calle,2-0

RD4 W vs.Stoneblade played by Darin Minard,2-1

ビデオ記事
(http://blip.tv/scglive/scginvi-rnd-4b-darin-minard-vs-michael-hetrick-6567704)


Day One Standard

(訳注:中略)


Day Two Legacy

RD9 W vs.Deathblade played by Scott Fagen,2-0

RD10 W vs.BUG Played by Reid Duke,2-0

僕は強いプレイヤーとやりあう事に少し不安があったし、相性も不利だと感じていたけれど、Reidの手札は本当に弱かった。
思うに、彼はちゃんとマリガンをしたんだけど、それでもダメだったんだね。
第1ゲームでは彼の《渦巻く知識》をハンデスしたことで彼の手札はボロボロになり、かなりマナフラッドしていた。
第2ゲームでは、彼が遅めのハンドをキープし、それを再び僕が咎めた。

この結果から考えるに、このマッチアップが不利だとは全然思わない。
このマッチはミラーマッチに似ているが、緑には出来ないいくつかが、白には出来る。
例えば《タルモゴイフ/Tarmogoyf》はただの《タルモゴイフ》だ。
しかし、このマッチアップでの《石鍛冶の神秘家》と《剣を鋤に/Swords to Plowshares》はかなり強く、《未練ある魂》は《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》に対して相当強力だ。


RD11 W vs.Merfolk played by Gregory Stiver,2-0

RD12 L vs.Storm played by Adam Prosak,0-2

文章記事
(抄訳:MichaelのハンデスをブレストでかわしたAdamが仕掛けるも、MichaelがFoWでそれを挫く。ここでMichaelはピッチコストとして瞬唱を追放する。
Michaelはブレストからジェイスを叩きつけ、検閲開始。
途中で一枚下に送るものの、Adamはその間に思案や定業で仕込みつつハンデスでMichaelの動きを阻害する。
ジェイスのカウンターが13になった時にAdamの手札は二枚でマナソースは4つ。カードを下に送られ、トップデッキモードになったAdam。彼はカードを引き、LEDをセットし、陰謀団の儀式。これにMichaelがピアスを当てるが、AdamはLEDを砕いてマナを支払う。手札から落ちたのは炎の中の過去で、Adamはペタルと青黒フェッチのある状態で炎の中の過去をフラッシュバックしてみせた。)


これはこういう類の試合だ。

第1ゲームで彼は第2ターンにコンボをスタートさせ、彼が《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》を割った後で《冥府の教示者/Infernal Tutor》に《Force of Will》を当てた。
僕は《ジェイス》をプレイし、検閲を開始。
そして、カウンターが13個乗った《ジェイス》と一緒に僕は死んだんだ。

どこかで彼のプランを崩さなければならなかった。
Glenn Jonesは《Force of Will》のピッチコストとして《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》の代わりに《呪文貫き》を使うべきだったと言及した。
《Force of Will》を撃つ時にそれも考えたけれど、《呪文貫き》に価値があると考えたんだ。
僕は確かに間違った。
この時は特に、《呪文貫き》はかなり弱いが、まず第一にこのデッキは『Storm』にそんなに強くない。


Day Two Standard

(訳注:中略)


Top8 Match vs.Shaheen Soorani

文章記事
ビデオ記事

第1ゲームは興味深い戦いだった。
僕たちのデッキは非常に似ていて、この戦いは必然的に長くなる。
どちらも《アカデミーの廃墟》を持たないので、初めから相手を倒す方法はテーブルの上にあった。

彼の《殴打頭蓋/Batterskull》を《名誉回復/Vindicate》と《思考囲い/Thoughtseize》で処理した後、彼はこちらの《殴打頭蓋》を無視して大量のスピリットトークンによって襲いかかってきた。
結局彼はこちらの《殴打頭蓋》に対処したけれど、それ以前に僕は彼らのトークンをどうにかすることが出来なかった。

僕のライフがかなり高く、彼の《未練ある魂》が残り一枚になった終盤、彼は《ジェイス》で勝負を決める必要があると踏んで、《直観》から《ジェイス》を三枚引っ張ってきた。
この時点で僕には《ジェイス》が三枚残っており、彼のライブラリーはかなり薄くなっていたから、心配していなかった。
最終的に奥義を使ったとしても僕が大量のカードを抱えているために先に死ぬのは自分だという事実を彼は渋々認めた。
彼は自分自身に《ジェイス》の奥義を使う事も出来たが、その作戦は僕の《ジェイス》によって終わるだろう。
第1ゲームは僕が取った。

第3ゲームで、僕が1ターン目と3ターン目に《渦巻く知識》を使った。
両方とも《呪文貫き》のためのマナがShaheenにはある状態で。
彼のデッキには二枚の《呪文貫き》が入っていると知っていたので、4ターン目の行動には選択肢があった。
彼が《呪文貫き》を持っていないと仮定して《ジェイス》を通すか、あるいは《聖トラフトの霊》でやりたい放題するかだ。

僕だったらどちらかの《渦巻く知識》に《呪文貫き》を当てているだろうから、《ジェイス》を出すことにした。
そこで《ジェイス》に《呪文貫き》された事によって、このゲームは一気に転がり落ちて行くこととなる。
この状況での僕の判断が正しかったかどうかは難しいところだ。

そこから先はこのマッチが面白いとは思わない。
彼は僕がするよりも上手く盤面を作り、僕のドローよりも彼のドローが強かった。
自分のデッキを構築している段階では、《直観》+《未練ある魂》+《陰謀団式療法》がミラーマッチでこんなに強いとは気付かなかったんだ。
もし《聖トラフトの霊》を出せれば、まだマシだったのかも知れない。

「早く」負けてしまった事に落ち込んではいるけれど、Invitational二度目のTop8入賞で確かに僕は興奮しているんだ。


良かったこと
・上手くやるために毎週末ホテルのベッドを手に入れる事
・Travis Wooの庭は彼のリュックサックの中に
・無料のポップコーン
・ジェイス

悪かったこと
・Dan Jordanが僕の電話充電器を壊した
・《天界の粛清/Celestial Purge》は僕のLegacyサイドボードだ
・賭けゲームで負け過ぎた
・二日目に遅れたばっかりに、会場まで走って行く羽目になった


読んでくれてありがとう!

Michael Hetrick


記事
http://www.channelfireball.com/articles/hetricks-of-the-trade-esper-in-all-formats-scg-invitational-t8/


Legacy Weapon - Making Sense of the Weekend, by Caleb Duward

Caleb Duward

2013/04/17


私は現在GP Strasbourgの結果を分析している。
欧州のメタゲームはいつだってアメリカのそれとは違うけれど、あれはもはや別の何かだ。
私は大抵「良いね。ダメだね。奇妙だね」という賛辞を贈るけれど、これから紹介するデッキリストには悪い所はなく、そして全てがいくぶん奇妙ではある。


PartI:The Only Thing Certain

さて、今回の素晴らしいデッキについては、StrasbourgのTop8に入った二つの『Death and Taxes』から始めよう。
Enevoldsen(の優勝)については驚かなかった。だって彼はGP GhentでもTop32に入っているし、同じデッキでthe Danish Legacy Masters(注:デンマークのレガシー大会)にも名を連ねている。
彼とはSCG オープン CincinnatiのTop4でやりあったことがあって、そこでも彼は非常に上手いプレイを見せた。

彼の大成功によって、自然と他の誰かが彼のリストをプレイしてみるだろう。特にうちのチームメイトなんかは
だって両方ともTop8なんだぜ?
その事実がプレイヤーの熟練度を超えて、我々に『Death and Taxes』がこの環境で強い選択なのだということを認識させる。

以下がそのリストになる。

Death and Taxes,by Thomas Enevoldsen(1th)

// Lands
9 [UNH] Plains
1 [AVR] Cavern of Souls
1 [CHK] Eiganjo Castle
1 [FUT] Horizon Canopy
4 [TE] Wasteland
4 [MM] Rishadan Port
3 [LG] Karakas

// Creatures
2 [TSP] Mangara of Corondor
2 [FUT] Aven Mindcensor
1 [ISD] Fiend Hunter
3 [MBS] Mirran Crusader
3 [EVE] Flickerwisp
4 [DKA] Thalia, Guardian of Thraben
4 [WWK] Stoneforge Mystic
4 [UL] Mother of Runes
4 [MBS] Phyrexian Revoker

// Spells
1 [BOK] Umezawa’s Jitte
4 [DS] AEther Vial
4 [B] Swords to Plowshares
1 [NPH] Batterskull

// Sideboard
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 2 [EX] Cataclysm
SB: 2 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 1 [NPH] Gut Shot
SB: 2 [SHM] Wilt-Leaf Cavaliers
SB: 2 [ALA] Oblivion Ring
SB: 2 [ALA] Relic of Progenitus
SB: 1 [BOK] Umezawa’s Jitte
SB: 1 [SOK] Pithing Needle


私が最後に『Death and Taxes』について書いたのは、私の「控え目に表現されているカードたち」という記事内で《ちらつき鬼火/Flickerwisp》を引き合いに出した時になる。
目を引いたのは、その時よりEnevoldsenのリストがかなり変わっている事だ。
特筆すべきは、《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》と《ちらつき鬼火》が減らされ、《セラの報復者/Serra Avenger》にいたっては《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》と《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》に枠を明け渡している。
以前の彼は《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の別のサーチ先として各種《剣》を試していたが、追加の装備品は必要ないと分かったようだ。

このデッキは目を欺く。
ぱっと見では、これはアグロデッキに見える。
しかしその実、これは対戦相手にゲームをさせないように目論む、もっとプリズン/コントロール寄りのデッキなんだ。
勝利のために、乗り手は対戦相手の行動によって自分の計画を修正していく必要があり、これは自分のデッキについて精通しているだけでなく、このフォーマット及び全体的なMagicについても精通している事が求められるという事だ。

『Death and Taxes』は大量の相互干渉という点で力不足で、ミスプレイの代償も大きい。
このデッキは各種対策カード、装備品、土地への妨害といったイージーウィンを得る手段を持っているものの、それと同様に2マナ2/1生物も入れる事になる。
最後に私がこのデッキを使った時、『Belcher』に負けまくり、反対に私が最後にこのデッキと対峙した時は『TinFins』を使ってることもあり、楽勝だった。
この事から、私はサイドボードに何枚かの《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》や《外科的摘出/Surgical Extraction》を取る事を期待したい。

『Death and Taxes』と正しく戦うために求められる事は、このデッキがどう動くかをよく知る事で、特に《霊気の薬瓶/Aether Vial》からの《ちらつき鬼火》なんかのプレイングは、みんながみんな自然と出来るわけではない。
それから、《夜の戦慄/Dread of Night》は完璧な対策カードになる。


PartII:A Twist on the Old

《終末/Terminus》の人気が少し落ち着いたけれど、依然として大きな大会に出る上で『Miracles』と当たる可能性はある。
『Miracles』によってアメリカから『Maverick』がほとんど死に絶えたのに、その『Maverick』がTop8に現れて私を困惑させている。

反面、欧州のメタゲームは異なり、欧州人のコントロールデッキもそれを反映している。

UW Miracles.by Raphael Levy(13th)

// Lands
1 [LG] Karakas
3 [R] Tundra
4 [ON] Flooded Strand
1 [ZEN] Misty Rainforest
1 [ON] Polluted Delta
1 [ON] Windswept Heath
5 [UNH] Island
2 [UNH] Plains
2 [ZEN] Scalding Tarn

// Creatures
3 [ISD] Snapcaster Mage
2 [MOR] Vendilion Clique

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [5E] Brainstorm
4 [AL] Force of Will
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
2 [AVR] Entreat the Angels
4 [AVR] Terminus
1 [CS] Counterbalance
1 [TE] Disenchant
2 [TE] Counterspell
4 [M12] Ponder
2 [ALA] Elspeth, Knight-Errant

// Sideboard
SB: 2 [TE] Humility
SB: 1 [ALA] Relic of Progenitus
SB: 2 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 2 [CS] Counterbalance
SB: 1 [M12] Oblivion Ring
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 2 [CFX] Path to Exile
SB: 2 [LRW] Jace Beleren
SB: 1 [TE] Disenchant


独特なリストだ。
土地を切り詰め、《思案/Ponder》を増やしている。
これによってデッキの密度を上げ、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》への依存を減らし、マナフラッドを軽減している。
追加のキャントリップによって、一枚挿しや二枚挿しのカードを見つけるのが他の『Miracles』デッキよりも容易になり、それがメインから入った《解呪/Disenchant》の部分的な説明になる。

《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》や《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth,Knight-Errant》といったアドバンテージ製造機が対『Jund』や対『Esper Blade』などでの消耗戦で切り札として役に立つ。
以前はその役割を《相殺/Counterbalance》が担っていたが、もし早々にハンデスされたり、《突然の衰微/Abrupt Decay》によって処理されたりすれば、いとも簡単にあなたは追い込まれてしまうだろう。
私が経験した対『Esper』戦の負けの多くは、必要の無い大量の土地や、無駄な除去を引いた事によるものだ。
追加の《瞬唱の魔道士》と《思案》がこれを補ってくれる。

このバージョンはもはや第2ターンに《相殺》+《独楽》ロックを完成させる事が難しく、コンボデッキ相手の第1ゲームはより辛いだろうが、サイドボーディング後は追加のキャントリップによって対策カードにアクセスしやすくなる。
また、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》がコンボ相手に圧力をかけられる点も好みだ。

対策カードに関して言えば、このデッキでは《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》よりも《狼狽の嵐/Flusterstorm》の方が良さそうだ。
《瞬唱の魔道士》とのシナジーがあるだけでなく、対戦相手が《相殺》のために入れてくる《突然の衰微》も避ける事が出来る。
そして、《狼狽の嵐》はより多くのデッキに対して刺さるカードでもある。

《狼狽の嵐》を使う時の素晴らしい小技は、《独楽》によってライブラリーの一番上に置きっぱなしにしておくプレイだ。
もし対戦相手があなたの手札を全て捨てさせてコンボを開始しても、あなたはまだドローからの《狼狽の嵐》によって《苦悶の触手/Agony of Tendrils》のだいたい全て打ち消せる。
非常に珍しいケースだが、もしも対戦相手が《狼狽の嵐》へのマナを支払えれば、相手は勝つことが出来る。

過去に、『Miracles』と戦う際には《独楽》を叩く事がより効果的な手段の一つだとオススメしたが、仮に人々がLevyの披露した《思案》4積み型にシフトしていくのなら、私がオススメした戦略の効果は薄れてしまう。
《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》は準備不足の『Miracles』の虚を突く事ができるだろう。例え第3ゲームに対戦相手が《終末》をデッキに戻すとしてもだ。

一般的に、あなたが『Maverick』や『Elves』といったクリーチャー過多のデッキの使用を避ける限り、『Miracles』はフェアなデッキと言える。


PartIII:Something New

個人的なMagicの醍醐味は新しいデッキで、まだ私たちはここまで新しいものに出会っていない。
『Death and Taxes』はよく知られていて、Levyのデッキは『Miracles』に一捻り加えた素晴らしい物だけれど、1から作りだしたものでは無い。
大丈夫だ、「Legacy Weapon」愛読者のみんな。
GP Strasbourgは私たちを失望させなかった!

UWR Geistill,by Andreas Peterson(14th)

// Lands
4 [ZEN] Arid Mesa
3 [B] Tundra
4 [ZEN] Scalding Tarn
1 [ON] Flooded Strand
2 [AVR] Cavern of Souls
4 [4E] Mishra’s Factory
2 [TE] Wasteland
3 [B] Volcanic Island
1 [B] Plateau

// Creatures
4 [ISD] Geist of Saint Traft
3 [ISD] Snapcaster Mage
3 [MOR] Vendilion Clique

// Spells
4 [OD] Standstill
4 [ZEN] Spell Pierce
2 [AP] Fire/Ice
4 [AL] Force of Will
4 [B] Swords to Plowshares
4 [B] Lightning Bolt
4 [IA] Brainstorm

// Sideboard
SB: 2 [RTR] Electrickery
SB: 2 [TE] Disenchant
SB: 2 [SOK] Pithing Needle
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [B] Red Elemental Blast
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 3 [ALA] Relic of Progenitus
SB: 2 [NPH] Surgical Extraction


このリストを見た時に驚きで私の頭脳は爆発した。
既存のアーキタイプを調整したものも素晴らしく革新的でありえるのだが、これはそうではなく、むしろ新しい何かを作り出すために明らかに異なる概念を合わせたものだ。

攻撃手段の基盤はModernの『UWR』デッキを思い出させる。
《瞬唱の魔道士》、《ヴェンディリオン三人衆》、《聖トラフトの霊》の組み合わせは、十分な量の妨害、有用性、カードアドバンテージ、そして弾力性を含んでいる。
それはたった三種類のクリーチャーがデッキにもたらす深みだ。
《魂の洞窟/Cavern of Souls》から《聖トラフトの霊》を出した時に、多くの対戦相手が出来ることは、ただ座り、だた眺めている事だけだろう。
例え彼の手札の中に除去やカウンターがあってもだ。

しかし、このデッキはModernのものよりも、Legacyの強みを取り入れている。
Modernの『UWR』はテンポスタイルでの勝利のために積極的に仕掛けるドローエンジンが欠落していて、その点をこのデッキは《行き詰まり/Standstill》で補っている。
このデッキは刺激的なエンチャントとともに旧きを温め、よりマナ効率の良いミシュラランドとして《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》を使う。
前にLegacyで《天界の列柱/Celestial Colonnade》を見たことで、このデッキに一枚挿ししても良いのでは無いかと考えさせられたが、対戦相手が使う《ミシュラの工廠》の様な早期のクリーチャーに対する切り札にはならない。

この色の組み合わせは、1マナで使えるインスタントの妨害を12枚仕込めるのが印象的だ。
《行き詰まり》デッキでは、対戦相手が1ターン目に出した脅威を止めるために最も軽い妨害を必要とし、それによって何も無い盤面に《行き詰まり》を出す事が出来る。
対戦相手がミシュラランドに殺される前に呪文のプレイを強制される時も、軽い妨害は対戦相手の行動を弾き、更なる《行き詰まり》に繋がり、ひいては止まらないカードアドバンテージの連鎖を作り出す。

《稲妻/Lightning Bolt》はこのデッキで上手く働く。
マッチによって積極的に動く時も、コントロール寄りに動く時も馴染むからだ。
多く引いた時には火力として効果があり、《行き詰まり》が複数割れた時には、勝利に直結する。

伝統的に『Landstill』が抱える問題だが、私は《ミシュラの工廠》が他の脅威とペアを組む方法が特に好きだ。
SCGのMilwaukee Openでは、私は長期戦用の『UB Landstill』でほどほどのTop32入賞を果たした。
『Burn』デッキを重視しなかった事や、カメラマッチで『OmniTell』相手にミスをした事などいくつもミスを犯したが、同時にこのデッキの問題にも気付いた。
私が勝つ時、《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》と《ミシュラの工廠》がだいたい同じ時に相手の息の根を止めていたが、これはどちらか一方があまり関係なかったという事だ。
私は「ミラディンの傷跡」のLimitedで「感染」と「通常ダメージ」の両方で勝利した事を思い出した。
カードそれぞれが十分に強い時は良いが、シナジーを捨てているという事でもある。

『Merfolk』の《変わり谷/Mutavault》はいくつかの理由から『Landstill』に入っている《ミシュラの工廠》よりも良いが、私が言いたい事の一つは、『Merfolk』はダメージでのみで勝つという事だ。
いつだって《変わり谷》の存在は決着までの時間を短縮する。
しかし、『Landstill』プレイヤーがミシュラランドを引いた時、それは有用かも知れないし、そうでないかも知れない。

その点、この『UWR』デッキは常にダメージで勝つため、ミシュラランドは強力な殴り手と見なせる。


PartIV:The Rest of the Metagame

ここまで私たちは面白いデッキリストについて話していたので、ここで一般的なメタゲームに関するいくつかの結論も話そう。

Ben LundquistがInvitationalのTop8入賞に続き、Miluwakee Openでも結果を残した事で、『Merfolk』はペースを保ち続けている。
Alexey RomanchukはこのデッキでGP StrasbourgのTop8入賞を果たした。
もしこの流行が続くならば、コンボデッキは僅かに数を減らし、他の《霊気の薬瓶》を用いたデッキ(『Goblins』や『Death and Taxes』のような)は数を増やすだろう。
注意すべきは《仕組まれた疫病/Engineered Plague》が健在で、除去手段や《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》がロードの束に対して有効であるという事だ。
《真髄の針/Pithing Needle》で『Merfolk』のドローをいくらか潰す事が出来る。
《霊気の薬瓶》が関係ない時に《変わり谷》指定で出した時などは特に効果がある。
加えて、《騙し討ち/Sneak Attack》と《師範の占い独楽》の人気もあって、私はサイドボードに《真髄の針》を二枚取りたい。

『Merfolk』に似て、『BUG』もまた軽いクロックを妨害の束で後押しするデッキで、もう一つのコンボキラーであり、最近の環境で良い選択だ。
もし《壌土からの生命/Life from the Loam》や《祖先の幻視/Ancestral Vision》などを用いたリストで完全な消耗戦を狙う別タイプの『BUG』デッキや、『Team America』のようなテンポデッキを求めるとしても、戦略は決まっていて、それらでよりコンボデッキに対して有利なマッチアップを楽しんで欲しい。

Jeff Hooglandは『Aggro Loam』によって他者を叩き潰している。
このデッキはChris Vanmeterが言っていた《虚空の杯/Chalice of the Void》とよく合う。
《虚空の杯》は単体で十分有用で、Legacyで控え目に扱われているカードの内の一枚だ。
似た様に、繰り返し《不毛の大地/Wasteland》を使う(《世界のるつぼ/Crucibler of Worlds》や《壌土からの生命》で)ことが、以前より有効になっていることにも私は気付いた。
『Jund』、『RUG』、『BUG』などの三色デッキは、少ない数の基本地形しか入れていないからだ。(あるいは全く入れていない)

しかし、Jeffの強さは、そのデッキにあるというよりもむしろ彼自身にある。
重要なのは、彼が真に対戦相手よりも秀でている点だ。
Miluwakeeでは、負けが確定した状態から、対戦相手のミス(面倒くさがってカードをよく読まず、何が重要なのかの判断を誤ってサイドミスしたりという全てのプレイミス)によって勝敗の逆転した試合をいくつも見た。
一方で、Jeffは複雑な状況で正しいプレイを続け、彼がこのデッキに精通している事を見せつけた。

『Show and Tell』は他のLegacyコンボデッキよりも頭一つ抜けている状態を維持していて、それは《スレイベンの守護者、サリア/Thalia,Guardian of Thraben》の人気が増す原因でもあった。
2マナランドのプレイによって課税を物ともせずに勝ってしまう場合もあるが、あなたがキャントリップによってコンボパーツを集めるまでの間に、あなたのライフとマナベースを十分に脅かせる程の圧力が《サリア》デッキには備わっている。
その上、『Death and Taxes』は対戦相手の《実物提示教育/Show and Tell》に合わせて《忘却の輪/Oblivion Ring》を場に出す事が出来る。

とりわけ、以下に示すカードは『Show and Tell』デッキへの対策になると目している。

金色:
《拘留の宝球/Detention Sphere》
《絶望の天使/Angel of Despair》

《天使》は対戦相手の《実物提示教育》で出すカードとしては最高のものだ。


青色:
《ヴェンディリオン三人衆》
《造物の学者、ヴェンセール/Venser,Shaper Savant》

《三人衆》は素晴らしく、メインに入る得る《実物提示教育》対策になる。大抵は相手の手札の中に一枚しか出したいものがないからだ。
《ヴェンセール》は仕掛けるターンのために打消し呪文を抱えている『Show and Tell』使いにとって、どうしようもない。
また、テンポデッキ相手に使えば決着が1ターン延びるため、そこでも有用だ。
これなら、《金粉のドレイク/Gilded Drake》を出したのに、対戦相手が《全知/Omniscience》を出してきたという悲しい目に合わずに済む。


白色:
《忘却の輪》
《謙虚/Humility》

対戦相手が《騙し討ち》を備えている時、《謙虚》は『Sneak and Show』デッキに対して有効で、《全知》に対してはより《忘却の輪》が強力だ。
どちらがより苦手か認識して、それによって対策してほしい。

赤色:
《赤霊破/Red Elemental Blast》
《兵員の混乱/Confusion in the Ranks》

《兵員の混乱》はMark Sunが『Goblins』のサイド案として提唱したものだ。
刺激的な意見だが、多分《絶望の天使》よりも悪い選択肢だろう。


黒色:
《Hymn to Tourach》
《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》

《誤った指図/Misdirection》に気を付けろ。
もしも『Show and Tell』を使う対戦相手を「暴勇」状態に出来れば、《リリアナ》によってゲームに勝てるだろう。

緑色:
《女王スズメバチ/Hornet Queen》はかなり『Sneak and Show』対策になるが、《全知》に対しては可哀想なことになる。
私は他の色を勧める。


今回はここまでにしよう。
これから《縞痕のヴァロルズ/Varolz,the Scar-Striped》について「Spoiler Spotlight」を書くけれど、このカードにはいくらかLegacyで使えるんじゃないかとワクワクしている。

@CalebDMTG


記事
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-weapon-making-sense-of-the-weekend/


Army of God

by Carsten Kotter

2013/05/10


私はGP Strasbourgレポート※の中で、私の最新版『Miracles』をすぐに紹介すると約束していたね。
今日は『Miracles』デッキの理論を語って行きたいと思う。
このデッキを使おうと思った根拠や、普段はお目にかからない様なカードをデッキに入れている理由についてだ。
そうしてあなたは私の考えを引き継ぎ、私の見過ごした弱点を見つけ、よりあなた好みにこのデッキを調整することだろう。
私は短い注意点も書き添えておく。
私がこれから示す構築を使っている時に、あなたが変えるべき戦略についてだ。
なぜなら、明らかに異なる視点から作り上げたこのリストは、見慣れた『Miracles』のリストと表面的には似ているからだ。

レポート


本当の事を言おう。
私の施した変更のテストはまだ終わっていないし、実際には地方の小さな大会にしか持ち込んでいない(そこでは勝ったけど)。
私が試した限りでは、このリストは望んだ通りのパフォーマンスを見せたし、この構築は狙い通りの働きをした。
但し書きは十分だね、さあ、行こうか!


Control Deck Concerns

一般論として、多様な戦略を組み込んだデッキ(直線的なデッキと比較した場合にだ)を作る時、あなたはメインデッキから多くの柔軟性を持たせる。
少ないスロットをあれこれ変えてマッチアップを調整出来るのは、コントロールデッキの核たるライブラリー操作のおかげだ。

結果として、あなたは『青白Miracles』の様なコントロールデッキを構築する時に二つの選択肢を取ることが出来る。
絶望的なマッチアップも少ないが、本当に有利なマッチアップも少ない構築か、
あるいは、いくつかのマッチアップを切って、その他への勝率を上げるか、だ。
予期される環境が明確であるほど、二つ目のやり方が理に適っている。
今日私が示す『Miracles』構築は、攻撃的なデッキへの勝率を犠牲にしてメインからコンボデッキとコントロールデッキへの相性を良くしたいと言う私の願いから生まれたものだ。

なぜそうしたいのか?
最大の理由は、コントロールのメインデッキを調整している際に私が最も重視するマッチアップが何かというところにある。
それは、コントロールのミラーマッチだ。例え予期される環境でコントロール同士の戦いが頻発しないとしてもだ。
ではなぜ私がそう思うのか?
ヒントをあげよう。もしあなたがMagic Onlineをしているのなら、この仮定は意味をなさなくなる。

分かったかい?
素晴らしい。いいね。

とは言え、あなたの一部が私の頭の中にあるわけじゃない、だからちゃんと説明をしよう。
思考過程はいたってシンプルだ。
純粋なコントロールデッキが約50分で3ゲームを終わらせるのは難しく、特に選択肢の豊富なフォーマットで、そこに大量のシャッフルも含まれるとすればなおさらだ。
コントロール同士のマッチアップはしばしば超のつく長期戦となり、事実、その場の両方共が迅速にプレイしても3ゲームを全部は消化出来ない可能性もあり得る。
時には、2ゲーム目の最中に時間を使い尽くしてしまう事も。

この点が、メインから他のコントロールデッキをメタる理由になる。ちっぽけな引き分けの代わりに、そのラウンドに勝利する見込みを最大限に増やせるんだ。
コントロール同士での第1ゲームをあなたは本当に欲しいはずだ。
他のマッチアップは少なくとももう少し展開が早くなりがちで、(特にあなたがコントロールしきれずに負けたりで)3ゲーム全てを終えやすくなる。

私が二番目の標的とするコンボとのマッチアップは上記の過程で自然と生まれた。
対コントロールカードというのは大抵アグロデッキ相手には役に立たず、その逆もまた然りだ。
一方で、対コントロールカードの中にはカウンター呪文や、ライブラリー操作、そしてあらゆる種類の妨害手段が含まれている。
偶然の一致だが、こうした種類のカードはコンボと戦う時に欲しいものでもあった。

加えて、Legacyで人々が《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を使い始めてから、コンボデッキは順調にその数を増やしている。(なんて退屈なメタの変遷だ)
よって、メインデッキを組んでいる時にコントロールデッキとコンボデッキを念頭に入れるのは良い考えだと言える。

今、あなたはクリーチャーデッキよりもその他のマッチアップを考慮してデッキを組みたいと考えている。
それでいて、あなたはまだクリーチャーデッキにも勝てる戦略を求めている。

私は以下を繰り返し観察した結果、こうした戦略が存在すると気が付いた。
相手が盤面を完全に支配しない限り、X=3以上の《天使への願い/Entreat the Angels》はフェアなデッキを打倒してしまうと。
もちろん、《終末/Terminus》が抜けているリストなので、時には彼らも何とか勝利に漕ぎ着けるが、それでも、大きな《願い》を撃って負けた事は片手で数える程しか無い。

一旦この現象を観測した私の頭の中で、ギアが回り始めた。
クリーチャーデッキに対して正当なコントロールを仕掛ける代わりに、私が昔のVintageでしたのと似たことをする。
つまり、相手を完璧に叩きのめすまでの時間稼ぎが必要で、大きな《天使への願い》は明らかに適任と言えた。


From Theory to Praxis

理論武装した私は、より能動的なパーツを入れるためにクリーチャー対策を切って調整を開始した。
以下がここまで私がやったリストだ。

U/W Miracles

// Lands
1 [LG] Karakas
4 [ON] Flooded Strand
2 [UNH] Plains
4 [UNH] Island
4 [B] Tundra
1 [B] Plateau
4 [ZEN] Scalding Tarn

// Creatures
2 [ISD] Snapcaster Mage
2 [MOR] Vendilion Clique

// Spells
3 [B] Swords to Plowshares
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [IA] Brainstorm
4 [AL] Force of Will
4 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
3 [AVR] Entreat the Angels
3 [CS] Counterbalance
1 [LG] Moat
1 [RTR] Detention Sphere
1 [M12] Ponder
3 [VI] Tithe
3 [ZEN] Spell Pierce
2 [TE] Counterspell
1 [FD] Engineered Explosives

// Sideboard
SB: 1 [TE] Humility
SB: 1 [B] Swords to Plowshares
SB: 3 [AVR] Terminus
SB: 1 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 1 [M12] Oblivion Ring
SB: 2 [MI] Enlightened Tutor
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [FD] Engineered Explosives


但し書き:これは典型的な61枚のコントロールリストだ。
スロットがタイトで、何を切れば良いのか自信が無い。
もし60枚ぴったりじゃないとプレイ出来ないと言うのなら、このデッキで最も多芸なカードではあるが、二枚目の《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を削る。

もちろん、対戦相手が一体でも多くクリーチャーを引いた試合は全て負けてしまう様なリストだと私は知っている。
頭がおかしいわけじゃない。だって、このデッキは大部分のミッドレンジデッキとテンポデッキに対して優位に立てるのだから。
あなたは従来の『Miracles』とはかなり違うゲーム展開をする必要がある。

あなたが慣れている『青白Miracles』とは対照的に、このリストは対コンボと他のコントロールに対してのみ純粋なコントロールデッキになる。
全てのアグロデッキ、ミッドレンジ、そしてアグロ-コントロール、に対してあなたはコンボ+コントロールデッキの様に第1ゲームをプレイする。
あなたのコンボは《天使への願い》と少なくとも五枚の土地によって起こる。

なぜこれが良いのか?
じゃあ、メタゲームを見て欲しい。
コンボデッキに対する時、《終末》は《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul,the Aeon’s Torn》を狙い撃ちにする状況以外ではほとんど死に札になる。
コントロール対決では、対戦相手の《願い》への解答でしかない。

《もみ消し/Stifle》入りテンポデッキには、《終末》は素晴らしいが、X=2の《願い》(大抵は一体の天使でも十分だ)は十分に場を安定させてくれる。
そして一旦場が落ち着けば、終盤戦を制し、《相殺/Counterbalance》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divinihg Top》でロックし、二枚目の《願い》を見つけるか、《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》を維持し続けてゲームを決める。

『Jund』や『BUG』といったミッドレンジを相手にする時は、《終末》が効果的で時には必要だが、本当の問題は彼らとのカードアドバンテージ差にある。
《血編み髪のエルフ》、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、《祖先の幻視/Anestral Vision》などは、もしゲームが長引けば、確実にあなたが負ける事を意味する。
しかし反対に、それらのデッキは基本的に天使の大群を止める術が皆無で、青いデッキは何かが起こるのを止める《Force of Will》を少ないながらも持っている。

『Esper Stoneblade』に対しても似たようなものだ。
確かに、《終末》はスピリットの大群や、《殴打頭蓋/Batterskull》+《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》などへの解答になるが、時には死に札だったり、平凡なカードになる。
他方、《天使への願い》に対処するために『Esper Stoneblade』は通常《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を必要とし、さもなければ4/4の大群にボコられてしまうだろう。
『Goblins』相手でも、《終末》は他の物に比べて、よりその場しのぎ感がある。
私が勝った時は大抵、早期の《願い》か、もしくは《Moat》のようなボムによるものだった。

事実上、あなたがこの構築ですることは、クリーチャー主体のデッキに対してはマナを伸ばして相手を殺すという直線的な動きであり、呪文主体のデッキに対しては柔軟なコントロールデッキであり続けると言う事だ。
例えば、このデッキでは、今まで私が使ってきたどのデッキよりも《ジェイス》のバウンス能力を使う。印象的なのは、私が最終的に相手の《石鍛冶の神秘家》を少なくとも五回はバウンスした試合があったことだ。それも《ジェイス》を二枚使って!

こうしたマッチアップの時に覚えておいて欲しいのは、渋々《願い》を撃ったとしても自分のデッキを信じて、可能な限り早くゲームを決めに行く必要があるという事だ。
カードアドバンテージを得るためでもなく、《ジェイス》のために場を安定させるでもなく(とは言え、その機会が現れた時には掴まなければいけない)あなたが成すべき事は、生きている間に土地を並べ、適切なタイミングで《天使への願い》によってゲームを掌握することだ。


Particular Card Choices

・0《終末》、3《天使への願い》
《終末》を切った理由については説明済みだ。そしてメインに追加の《願い》を入れた理由も。
私はかなり考え、調整し、《願い》の四枚を入れてみたが、三枚で既に十分で、四枚目はイマイチだったので私は三枚こそが至高だと思う。


・3《税収/Tithe》、7《平地/Plains》系
土地は大抵21~23枚で、未だに試行錯誤中だ。
私は早期のカード喪失、《Hymn to Tourach》によるものや、自分の《Force of Will》《師範の占い独楽》、それから相手の《リリアナ》などへの補填が必要だと気付いた。
もし手札を補充する方法が無ければ、手札を守るか土地を伸ばすかどちらかしか出来ず、それによって余裕をもって行動できなくなる。

早期の《税収》はこの問題を完璧に解決し、終盤戦で土地が同数になった時にもフェッチランドとの組み合わせにより解決する。(土地が同数の時、あなたのフェッチランドを割り、それにレスポンスして《税収》をキャストする)
追加の白いデュアルランドは常に《税収》による供給を約束する。


・一枚のみの《Plateau》
これは《Savannah》や《Scrubland》でも良い(それによってフェッチランドを変える)。
というのも、これはただ《仕組まれた爆薬》で3マナ圏の《リリアナ》や《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》に対抗するためだからだ。

更に赤いデュアルランドを足して《赤霊破/Red Elemental Blast》と《硫黄の精霊/Sulfur Elemental》をサイドボードから入れてみたり、時にはサイドボードに《思考囲い/Thoughtseize》と《外科的摘出/Surgical Extraction》を入れたりもした(そして、それが『Sneak and Show』と戦う最善の方法だと気付いた)。
というわけで、まだまだ試してみる余地はある。

私は本当に色を足すのが必要かどうか確信が持てないが、《仕組まれた爆薬》のための三色目はそれくらいに重要だ。


・《Moat》
非常に散らかった盤面に対するある種の解答が欲しい。
そして《Moat》は取り得る選択肢の中で最も強力な選択肢だ。
《終末》の不在によって勝率の下がるデッキ(『Elves』、『Merfolk』や『Goblins』)に対して、全体除去は速度を落とすだけだが、《Moat》ならばそれ一枚で勝てる。
《Moat》は『ピン挿しの《神の怒り/Wrath of God》』と呼ぶにふさわしい。


・一枚のみの《思案/Ponder》
土地や《師範の占い独楽》、《天使への願い》をスムーズに探すためにデッキにこのカードを少なくとも二枚は入れたいと思っているが、他のカードが有用なので、枠を作ることが出来ない。
このカードに確実性が無いから、あるいはあなたが60枚デッキ信者だからといってこのカードを削ってはいけない。きっと後悔する。


・メインの《拘留の宝球/Detention Sphere》、サイドの《忘却の輪/Oblivion Ring》
私はメインに疑似《名誉回復/Vindicate》を入れたくて、《Force of Will》の餌になったり、時には《巣穴からの総出/Empty the Warrens》や《未練ある魂/Lingering Souls》に対する全体除去としても扱える。
他方でサイドの《忘却の輪》は、多くのものに対抗できるが、特に重要な役割は対《ジェイス》と《実物提示教育/Show and Tell》で、そうしたカードをプレイする人の多くは《赤霊破》を持っているため、白単色の方がサイドから入れるカードとして優れている。


よし、これでメインボードについては分かったね。
じゃあ、サイドボードについて少し話そう。
サイドボードは基本的に大きく三つに分けられる。

一つ目は、コンボ対策のカウンター呪文の追加で、これは《狼狽の嵐/Flusterstorm》だ。
まさかと思うだろうが、第2ゲーム以降、メインの構成では十分では無い。
というのも、こちらが二枚目の防衛手段に辿りつく前に、彼らはソフトカウンターをすり抜けてコンボを決めてしまう。

二つ目は《悟りの教示者/Enlightened Tutor》ボードだ。
シルバーバレッドが用意されている。
《謙虚/Humility》は『Sneak and Show』対策で、《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》は《苦悶の触手/Tendrils of Agony》デッキと《High Tide》デッキ対策、《安らかなる眠り/Rest in Peace》は墓地利用対策。
これらは『コンボ殺し』として、フェアデッキ対策の《天使への願い》と交換する。
《悟りの教示者》はこれらへのアクセスを確実にし、追加の《Moat》や《相殺》としても見なせる。

最後に、除去手段だ。
このデッキのメインプラン(《願い》コンボ+コントロール)は素晴らしいが、従来の『Miracles』がやっていた安価な全体除去を繰り返してゲームをコントロールするという方法が無くなった事で不利になるマッチアップはある。
四枚目の《剣を鋤に/Swords to Plowshares》、三枚の《終末》、二枚目の《仕組まれた爆薬》、そして《忘却の輪》によってクリーチャー主体のデッキには第2ゲーム第3ゲームを有利に運べる。
四枚目の《終末》は今の所は16枚目のサイドボードカードとしている。

ついでに、追加の《仕組まれた爆薬》がここにある理由は、これが除去だからだが、ミラーマッチでも役に立つ。
《忘却の輪》同様に、《爆薬》は様々なパーマネントに対処する際の助けとなる。
あなたはクリーチャー主体のデッキに対してカウンター呪文に大部分を任せているので、有効な手立てがなければ、《爆薬》を柔軟に使って対処する。


Is This The Future?

確かに、最近のメタゲームにおいてこの『Miracles』の構築が最良だと保障する事は出来ないが、もし私がコントロールをプレイするならば、大会にはこのデッキを持ち込むだろう。
ここまでの調整で、デッキを構築した時に考えた理論は上手くいったし、メイン戦でのクリーチャー主体デッキへの勝率悪化も驚く程小さい。
《天使への願い》はそれだけ良いんだ。

一方で、コンボ対策とコントロール対策をこのデッキが得たことはとても印象的で、その他への勝率を犠牲にした甲斐があったというものだ。
それでもまだ、デッキの潜在能力を全て引き出すために2~3の微調整が必要だと感じている。
追加の《思案》は素晴らしいに違いないし、三枚目以降の《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》も戦略と合致するだろう。

私は二枚の《撤廃/Repeal》を入れたバージョンも試していて、非常に面白かった。
《撤廃》は《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》や細菌トークンから時間を稼ぎ、終盤には《師範の占い独楽》とともにドローエンジンにもなる(《独楽》をタップし、レスポンスで《撤廃》すると2ドローになる)ので、《撤廃》をデッキに戻したい。
一番動かせそうなのは《瞬唱の魔道士》だが、《瞬唱》もまた良い仕事をしているので悩ましい。

要するに、このデッキの正確な構成については、まだ考察する余地がある。
一方で私が確信した事は、《天使への願い》に重きを置いた構築は正しそうだという事だ。

自分自身で最後の数スロットを理解してもらうために、最後のピースはそのままにしておこう。
素晴らしいアイデアやこのデッキがどんな風にあなたの役に立ったかコメントで教えて欲しい。
また次の機会まで、相手のエンドに『コマ』を回して『コマらせてくれ』


Carsten Kotter


記事
http://www.starcitygames.com/article/26145_Army-Of-God.html


June 2014 Legacy Metagame Analysis

2014/06/02

by Bob Huang

(前略)

やあ、みなさん。
神々の軍勢リリース後の、TopTierデッキは以下のようになっている

1.) Team America (BUG Delver) (11.9%)
2.) Miracles (9.9%)
3.) DeathBlade (6.5%)
4.) UWR Delver (6.2%)
5.) RUG Delver (5.9%)
6.) Elves (5.1%)
7.) Death and Taxes (5.1%)
8.) Sneak and Show (4.8%)
9.) Shardless BUG (4.0%)
10.) Reanimator (3.7%)
11.) ANT (3.4%)
12.) Imperial Painter (3.1%)
13.) Jund (3.1%)

これら13のデッキのそれぞれは、少なくともメタゲームにおける上位3%以上に君臨している。
参考までに、統率者2013からテーロスまでの上位デッキは、
RUG Delver (9.4%)
UWR Delver (8.9%)
Team America (8.1%)
Elves (7.2%)
DeathBlade (6.8%)
Sneak and Show (6.8%)
UW/x StoneBlade (6.8%)
ANT (6.0%)
Death and Taxes (5.1%)
Miracles (4.7%)
Shardless BUG (3.8%)
こんな風になっていた。

新規参入してきたのは、【Reanimator】、【Imperial Painter】、そして【Jund】だ。
【青白+α石鍛冶】が上位から漏れたのは、石鍛冶使いが《死儀礼のシャーマン》登場時のように【Deathblade】に回帰したからだ。
【Imperial Painter】が最初に結果を残したのは、昨年八月に石鍛冶使いが【Deathblade】に切り替えた頃で、その時と同じように【Painter】が上位に戻ってきた。デジャブじゃね?


上位デッキは以上の通りだが、それらが今後のメタゲームにおいてその数字を増加させるかどうか私なりに予測を交えながら見ていこう。

Team America(from 8.1% up to 11.9%)
予測:悲観的

私はここしばらく【Team America】がTier1である事に異論はなかったし、名誉ある復活を遂げた事も喜ばしかった。
なんと言っても、この環境で最も青い《死儀礼のシャーマン》デッキで、環境最高のクリーチャーから始まるゲームは不合理なものだよ。
1マナ呪文、《目くらまし》、《不毛の大地》、それらと半分マナクリで半分プレインズウォーカーの彼が組み合わさると、このフォーマット最強のアグローミッドレンジデッキの完成だ。
それに加えて用途が多岐に渡る《突然の衰微》といった解決策や、中盤戦のための《タルモゴイフ》と《ヴェールのリリアナ》やドローソース、まさしく【Team America】は叩き潰すべきデッキの一つだ。
他のTopTierに対して、【Deathblade】、【トリコDelver】、【RUG Delver】、【Reanimator】、【ANT】、【Jund】(もし《墓忍び》を入れているなら)といった相手に相性が良い。
【Sneak and Show】、【Shardless BUG】、【Imperial Painter】といったデッキにも五分が付き、
【Miracles】、【Elves】、【Death and Taxes】には不利だ。
これらの相性は構築によって改善可能になっている。
個人的に、【Elves】と【Death and Taxes】対策の《ゴルガリの魔除け》が好みで、これを三枚取るのは譲れない。
《ゴルガリの魔除け》を採用することで、《闇の腹心》と《真の名の宿敵》が枷となるので、私は《墓忍び》と《ヴェンディリオン三人衆》の採用をオススメする。
《三人衆》も同様にタフネス1ではあるが、「瞬速」を持っているため、自分の《ゴルガリの魔除け》に巻き込まないようにタイミングを図るのは容易だろう。
以下が私の最近の構築だ。

// Lands
3 [B] Underground Sea
4 [TE] Wasteland
2 [B] Bayou
1 [B] Tropical Island
4 [ON] Polluted Delta
1 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ZEN] Verdant Catacombs

// Creatures
4 [ISD] Delver of Secrets/Insectile Aberration
4 [RTR] Deathrite Shaman
4 [FUT] Tarmogoyf
1 [MOR] Vendilion Clique
1 [FUT] Tombstalker

// Spells
4 [RTR] Abrupt Decay
4 [AL] Force of Will
4 [FE] Hymn to Tourach (2)
4 [NE] Daze
4 [M12] Ponder
4 [5E] Brainstorm
1 [LG] Sylvan Library
2 [ISD] Liliana of the Veil

// Sideboard
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 3 [ZEN] Disfigure
SB: 3 [RTR] Golgari Charm
SB: 1 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 1 [ZEN] Spell Pierce
SB: 1 [WL] Null Rod
SB: 1 [JU] Envelop
SB: 1 [LG] Sylvan Library
SB: 1 [WWK] Creeping Tar Pit
SB: 1 [ISD] Liliana of the Veil


少しばかり欲張りになって四枚目の《Underground Sea》を削った。
多くのマッチアップで、取り敢えず二枚目の《Bayou》をサイドアウトしていて、土地を削る事に決めた。
もしもっと多くの《もみ消し》デッキの存在を想定するならば、サイドボードの《ヴェンディリオン三人衆》をどかして四枚目の《Underground Sea》を戻すだろう。
《墓忍び》は相変わらず白の絡まないフェアデッキに対してはスタープレイヤーで、《三人衆》は【Miracles】とコンボデッキに対して非常に強力だ。

実際のところ、このデッキを使うことはあまり乗り気じゃない。
知られていない頃は非常に良いデッキだったが、今ではほとんどの人が《目くらまし》の存在を知っているし、ミラーマッチは運ゲーになりがちだ。
それでもこのデッキは多くのフェアデッキから楽に勝利を得て、誰とでも渡り合える力を持っているので、そうそうネガキャンも出来ないのだが…
ただ、今年初めに記録したような数字を出す事は無いと考えている。

Miracles(from 4.7% up to 9.9%)
予測:中立

私の意見として【Miracles】はTopTierのデッキに対してベストなデッキだ。
一つ重要な注意点があって、それはこのデッキが9回戦や10回戦といった規模の大会で使う際には非常に骨が折れるデッキという事だ。
他のデッキに対峙した際の膨大な決定を最適化するために、大きなイベントの前には十分な習熟をオススメする。
私はPV(Paul Vitor Damo da Rosa)に最大限の敬意を表している。
彼はほとんど経験の無いままこのデッキでGP ParisのTop8まで行ってしまった。
他のプレイヤーはBazaar of MoxenやGPのTop8経験者で、十分な経験を積んだ者たちだったのに。
Joe Lossettもこのデッキタイプで勝利したプレイヤーだが、彼もここ数年はこのデッキを使いこんでいる。
最近の私は、【Team America】で良い成績を残せていないが、数日前のCurio CavernのLegacyに【Miracles】で出場し、5-0を記録し、SCG Smoersetでもこのデッキを選んでいた。
残念ながらSomersetでは5-2-1でドロップしたけれど、そのうちの一敗は【12Post】(最悪の相手だ)だし、もう一試合は土地を三枚置いただけだ。
以下が私のリストになる。

// Lands
1 [LG] Karakas
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island
1 [UNH] Mountain
2 [ZEN] Arid Mesa
2 [UNH] Plains
4 [UNH] Island

// Creatures
2 [MOR] Vendilion Clique
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [ZEN] Spell Pierce
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
3 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
1 [TE] Counterspell
1 [IA] Pyroblast
2 [LRW] Ponder
2 [AVR] Entreat the Angels

// Sideboard
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 2 [DGM] Wear/Tear
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [FD] Engineered Explosives
SB: 1 [RTR] Pithing Needle
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict
SB: 1 [B] Red Elemental Blast
SB: 2 [WWK] Stoneforge Mystic
SB: 1 [9E] Blood Moon
SB: 1 [NPH] Batterskull


私はJoeの《造物の学者、ヴェンセール》入りのリストよりもヨーロッパ仕様のリストにすることにした。
《ヴェンセール》は何でも出来るすごいヤツだが、【Delver】デッキに対抗するために四枚ずつの《剣を鍬に》と《終末》を入れたことでマナカーブが低くなった。
結果として、【Team America】、【Deathblade】、【トリコDelver】、【Elves】、【Reanimator】、【ANT】、【Imperial Painter】に対して有利に。
【RUG Delver】、【Sneak and Show】、【Shardless BUG】、【Death and Taxes】に対して五分で、【Jund】にだけ不利が付く。
もちろんこれは【Miracles】を使うプレイヤーが非常に上手くプレイした場合だ。
私は自分自身をとても有能なプレイヤーだと考えているけれど、確かに集中力を切らせて間違いを犯した事もあった。
もしもTopTierのデッキが多く居る事が予想出来て、あなたが疲れ知らずならば是非とも【Miracles】を使ってほしい。


DeathBlade(from 6.8% down to 6.5%)
予測:中立

私は早い内から【DeathBlade】こそが《真の名の宿敵》を最も上手く使えるデッキだと予想していて、その通り私の予想が正しかった事を示してくれた。
このデッキはLegacyにおいて最も壊れた“フェア”なクリーチャーを三種類、《死儀礼のシャーマン》、《石鍛冶の神秘家》、《真の名の宿敵》全て含んでいる。

このデッキは《真の名の宿敵》に嫌悪感を抱かない熟練のLegacyプレイヤーにとって完璧な選択肢だろう。
全てのデッキに対してやりあえるし、全てのカードが相手のカードよりも強いのだから。
《真の名の宿敵》が登場して以来ほとんど同じリストで結果を残し続けているBertonciniの【DeathBlade】を使って、あなたが間違いを犯す姿が私には想像できない。

// Lands
4 [B] Underground Sea
1 [WWK] Creeping Tar Pit
4 [ON] Flooded Strand
1 [LG] Karakas
2 [ZEN] Marsh Flats
4 [ON] Polluted Delta
1 [B] Scrubland
3 [B] Tundra
2 [TE] Wasteland
1 [B] Tropical Island

// Creatures
1 [MOR] Vendilion Clique
2 [ISD] Snapcaster Mage
4 [WWK] Stoneforge Mystic
4 [C13] True-Name Nemesis
4 [RTR] Deathrite Shaman

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
3 [LRW] Thoughtseize
1 [BOK] Umezawa’s Jitte
2 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
1 [LRW] Ponder
1 [NPH] Batterskull
4 [5E] Brainstorm
3 [AL] Force of Will
1 [AP] Vindicate
2 [ISD] Liliana of the Veil

// Sideboard
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [LRW] Thoughtseize
SB: 2 [RTR] Supreme Verdict
SB: 1 [AL] Force of Will
SB: 1 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [CFX] Path to Exile
SB: 2 [ARB] Zealous Persecution
SB: 3 [NPH] Surgical Extraction
SB: 2 [ZEN] Spell Pierce
SB: 1 [ROE] Inquisition of Kozilek


【DeathBlade】は【RUG Delver】、【Death and Taxes】、に対して有利がつくと考えている。
その他のマッチアップに関してはかなり僅差で、プレイスキルによるところが大きい。
【DeathBlade】はあらゆるものをねじ伏せる武器を持っており、盤面を切り拓いていく自分のプレイヤースキルに自信があるのなら、オススメしたいデッキだ。


UWR Delver(from 8.9% down to 6.2%)
予測:悲観的

元【トリコ Delver】使いとして、最近の戦績が奮わない事にさして驚きもしない。
Owen Turtenwaldでさえ【トリコ Delver】の研究を止めたと言っていた。
このデッキが他のDelverデッキ同様に非常に一貫していると言えども、【Team America】、【RUG Delver】、【DeathBlade】と比べた場合に、やや力不足と言える。
《ヴェールのリリアナ》はこのデッキに強烈に刺さるし、現在ほぼ全ての【BUG】デッキに多用途な《ゴルガリの魔除け》、《安らかなる眠り》、《真の名の宿敵》が採用されており、それらは少なからず脅威となる。
それでもなお、【トリコ Delver】はプレイが簡単で、新規のプレイヤーにとって良い選択肢となる。
除去呪文はこのフォーマットで最も効果的な物だし、《石鍛冶の神秘家》と《真の名の宿敵》のコンボは他のフェアデッキに対して常にチャンスを作れる。
【トリコ Delver】は【Eleves】、【Death and Taxes】、【Sneak and Show】、【ANT】、【Reanimator】に対して有利が付く。


RUG Delver(from 9.4% down to 5.9%)
予測:楽観的

王様がとうとう陥落した。
二月、三月、四月、五月…と長い間、かつて【RUG Delver】がやっていた“第1ターンに《秘密を掘り下げる者》を出して《目くらまし》と《不毛の大地》”というプレイを【Team America】は本家よりもずっと上手くやり続けた。
このデッキが「ニクスへの旅」を経て何かを得るとは思わないが、ヨーロッパのメタゲームに比べて、アメリカのメタゲームでは【RUG Delver】をよく見かけるという事実がある。
【RUG Delver】は非常に強力なデッキで、Legacyを長い間席巻していたのにはそれだけの理由がある。
Daryl Ayersは最近新しいデッキを組み上げ、Magic Online上をかき乱している。
厄介な《石鍛冶の神秘家》、《タルモゴイフ》、《安らかなる眠り》への対抗策として《呪文嵌め》を追加したことで、《真の名の宿敵》に対する《Force of Will》、《目くらまし》、《紅蓮破》を温存する事が出来るようになった。
【RUG Delver】はいつだって王座に戻れるだろう。Darylのリストが以下だ。

// Lands
4 [TE] Wasteland
3 [B] Volcanic Island
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tropical Island
4 [ZEN] Misty Rainforest

// Creatures
4 [ISD] Delver of Secrets/Insectile Aberration
4 [FUT] Tarmogoyf
4 [OD] Nimble Mongoose

// Spells
2 [ZEN] Spell Pierce
4 [NE] Daze
4 [5E] Brainstorm
4 [M12] Ponder
4 [SC] Stifle
2 [DIS] Spell Snare
4 [AL] Force of Will
4 [B] Lightning Bolt
2 [ROE] Forked Bolt

// Sideboard
SB: 1 [DIS] Spell Snare
SB: 1 [TSP] Ancient Grudge
SB: 2 [NE] Submerge
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 1 [TSP] Krosan Grip
SB: 2 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [NPH] Dismember
SB: 2 [JU] Envelop
SB: 2 [TO] Grim Lavamancer
SB: 2 [B] Red Elemental Blast


このデッキで楽な勝利を得る手段も僅かにあって、ハメてしまえばほとんど何もさせずに勝つことが出来る。
Darylのリストには二枚の《渋面の溶岩使い》も入っており、これは対峙したDelverデッキや【Elves】、【Death and Taxes】に劇的に効く。
総じて、私は【RUG Delver】が勢いを取り戻し、トップ3に入ってくるだろうと考えている。


Elves(from 7.2% down to 5.1%)
予測:中立

アメリカのメタゲームにおいて、【Elves】は素晴らしい選択肢だと思う。
アメリカでは【Miracles】はだいぶ少なく、この緑の小人たちは、大量の除去(【トリコ Delver】の様な)を積んでいないフェアデッキに対して相性が良い。
コンボデッキは息をしていない。というのも、【Team America】、【RUG】、【Miracles】が全てコンボに対して相性が良く、そのため【Elves】にとって最悪の相性である対コンボというマッチアップはそこまで多くない。
しかしながら、このデッキは学ぶための時間が必要なデッキでもある。
これには、先人の【Elves】使いから、《垣間見る自然》の最大の連鎖手順だったり、マナクリーチャーからいかに多くの追加マナを生み出せるかなどの教えを乞うのが上達の近道と言える。
常に最大の打点が出る様に確認しながらプレイしていき、まさに致命傷となる《自然の秩序》や《孔底のビヒモス》をトップデッキした時には、最高にハイになれる。
【Elves】のサイドボードはバラエティに富み、《ガドック・ティーグ》から《ルーリクサー》や《白鳥の歌》まである。
どれを使うかはあなたの予想するメタゲーム次第だ。
私は《ガドック》がこちらのキーとなる呪文二つを止めてしまうのでそこまで好きではないが、あなたが【ANT】と【Miracles】を倒したいのなら彼こそ適任だろう。
このデッキは【Miracles】を除いたフェアデッキの多いアメリカ在住の人にオススメしたい。
もしヨーロッパ圏ならば、そこまでオススメ出来ない。
けれどこれはMagic2015がリリースされれば改善される。
新しい《解呪》内蔵エルフが入る事で、メインから《相殺》ロックに対抗する事が出来るからだ。


Death and Taxes(from 5.1% to 5.1%)
予測:楽観的

【Death and Taxes】は【Elves】と《真の名の宿敵》を軸にしたデッキに弱いが、それ以外のデッキに対しては十分にやれる。
このフォーマットは極端に《真の名の宿敵》に重きを置いた環境で、《真の名の宿敵》の減少と【Death and Taxes】の増加が一致しているとしても不思議じゃない。
【Team America】と【Miracles】に対する相性はかなりの接戦で、スキルによるところが大きいが、良い乗り手であれば【Death and Taxes】が優勢だと考えている。
最近、Magic Online上では新しいタイプの【Death and Taxes】が作られた。
それには四枚の《迷宮の霊魂》が入っている。このカードのファンである私としては興奮を隠せない。
これ以外にも興味深いことにメインから四枚の《レオニンの裁き人》と《幽霊街》が入っている。
このリストの場合、マナ否定戦術が信じられない程に強力で、【Delver】デッキには到底負け得ないと考えている。
そのリストが以下だ。

// Lands
4 [MM] Rishadan Port
4 [DIS] Ghost Quarter
1 [FUT] Horizon Canopy
1 [TSP] Flagstones of Trokair
4 [TE] Wasteland
3 [LG] Karakas
9 [UNH] Plains

// Creatures
2 [WWK] Stoneforge Mystic
3 [UL] Mother of Runes
2 [TSP] Mangara of Corondor
2 [FUT] Aven Mindcensor
4 [SOM] Leonin Arbiter
4 [MBS] Phyrexian Revoker
4 [DKA] Thalia, Guardian of Thraben
4 [BNG] Spirit of the Labyrinth

// Spells
3 [B] Swords to Plowshares
1 [DS] Sword of Fire and Ice
4 [DS] AEther Vial
1 [BOK] Umezawa’s Jitte

// Sideboard
SB: 1 [ALA] Oblivion Ring
SB: 2 [WWK] Stoneforge Mystic
SB: 2 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 1 [SHM] Wilt-Leaf Liege
SB: 1 [NPH] Batterskull
SB: 1 [RAV] Veteran Armorer
SB: 1 [UL] Mother of Runes
SB: 1 [B] Swords to Plowshares
SB: 2 [MBS] Mirran Crusader
SB: 1 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 2 [RTR] Rest in Peace


Sneak and Show(from 6.8% down to 4.8%)
予測:楽観的

こんな風に言っていいのか疑問だけれど、しばらくは【Sneak and Show】を使わない方が良いだろう。それでもメタゲームにおける支配率は少しだけ上昇すると予想しているけれど。
このデッキは非常に強烈で、大量のドローソースによってあらゆるデッキに対抗出来るが、根本的な矛盾もある(最も一貫した《実物提示教育》戦略でありながら)。
このデッキには明確な対策カードが存在する。
しかし、現在の【Sneak and Show】は減少傾向にあるため、人々がそこまで大々的にサイドボードに対策カードを割く事も無いだろう。
すなわち、私はこのデッキが上手くやっていけると予想する。
このデッキはLegacyにおいて最も使うのが簡単なデッキの一つで(込み入った部分を除けば)、フォーマット初心者に勧めたい。
より経験を積んだプレイヤーにとっては、引きの良し悪しよりもプレイスキルが勝負を決定するようなデッキを選択した方が良い場合もある。
【DeathBlade】、【Elves】、【Shardless BUG】、【ANT】、【Imperial Painter】、【Jund】に対して相性が良い。
それ以外に対してはキツいが、無理ゲーな相手は居ない。
覚えておいて欲しいのは、もしも【Death and Taxes】戦が思わしくない場合は、《血染めの月》や《紅蓮地獄》をサイドボードに入れることで改善される。

もし私が【Sneak and Show】を使うとしたら、“ずるい”構築を提案したい。
つまり、メインから《赤霊破》と《血染めの月》を入れるのだ。
【Delver】デッキとの第1ゲームは基本的に最悪なものだし、有利なマッチアップで死に札が2~3枚あったところでそこまで気にはならないだろう。
こんな感じで。

// Lands
3 [UNH] Island
1 [UNH] Mountain
3 [B] Volcanic Island
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [ON] Flooded Strand
3 [TE] Ancient Tomb
2 [EX] City of Traitors

// Creatures
4 [AVR] Griselbrand
4 [ROE] Emrakul, the Aeons Torn

// Spells
1 [ZEN] Spell Pierce
2 [M11] Preordain
4 [TE] Lotus Petal
1 [MM] Misdirection
2 [9E] Blood Moon
1 [NE] Daze
4 [US] Sneak Attack
4 [US] Show and Tell
4 [AL] Force of Will
4 [5E] Brainstorm
4 [M12] Ponder
2 [IA] Pyroblast

// Sideboard
SB: 1 [9E] Blood Moon
SB: 4 [M11] Leyline of Sanctity
SB: 3 [IA] Pyroclasm
SB: 2 [CHK] Through the Breach
SB: 2 [DS] Echoing Truth
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 2 [CMD] Flusterstorm


私はここから追加のドローソースを入れてより密度を高めたい。
【ANT】では16枚入っているのだから、【Sneak and Show】も引きムラを無くすためにもっとドローソースを入れて良いだろう。
追加のドローソースを入れる事で唯一弱体化する部分として、カウンターの量が少なくなるために《グリセルブランド》が弱くなるという事だ。
しかし、7枚引けば、だいたい勝ってる。


Shardless BUG(from 3.8% up to 4.0%)
予測:楽観的

メインから二枚の《毒の濁流》が入ったJean-Mary Accartの様なリストが本当に大好きだ。
彼の思考プロセスはこうだ。

1【Shardless BUG】はコンボに弱い。
   ↓
2現在コンボデッキはTopTierから押し出されている
   ↓
3今こそ【Shardless BUG】の春だ

そのため、彼はコンボ相手の第1ゲームを捨てて、対策をサイドボードに回し、その代わりメインでは全てのフェアデッキを叩き潰す事にしたのだ。
そのリストがこれだ。

// Lands
4 [ZEN] Verdant Catacombs
4 [TE] Wasteland
1 [ON] Polluted Delta
4 [ZEN] Misty Rainforest
1 [B] Bayou
1 [UNH] Swamp
2 [B] Tropical Island
4 [B] Underground Sea
1 [ZEN] Marsh Flats
1 [UNH] Forest

// Creatures
4 [FUT] Tarmogoyf
4 [RTR] Deathrite Shaman
4 [PC2] Shardless Agent
1 [FUT] Tombstalker

// Spells
4 [AL] Force of Will
1 [LG] Sylvan Library
4 [5E] Brainstorm
4 [RTR] Abrupt Decay
2 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [TSP] Ancestral Vision
3 [ISD] Liliana of the Veil
2 [C13] Toxic Deluge

// Sideboard
SB: 2 [LRW] Thoughtseize
SB: 1 [ARB] Maelstrom Pulse
SB: 1 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [M11] Leyline of the Void
SB: 1 [B] Savannah
SB: 1 [WL] Null Rod
SB: 4 [ARB] Meddling Mage
SB: 2 [US] Duress
SB: 1 [CHK] Night of Souls’ Betrayal
SB: 1 [DGM] Notion Thief


《翻弄する魔道士》のために白を足したのは革新的で、こういうのは好みだ。
ヘイトベアーは環境のコンボデッキに対して新しい角度からの攻撃となり、相手はそれに対応しなければいけない。
【Shardless BUG】は【Miracles】に対して有利で、もしメインに《毒の濁流》を取っていれば、【Delver】デッキ全般に対しても良い戦いが出来る。
彼がそうするように、コンボデッキ対策として《不毛の大地》を四枚投入している形は私も好きだが、出来れば《忍び寄るタール抗》を一枚ないし二枚入れたいと考えている。


Reanimator(from 2.1% up to 3.7%)
予測:悲観的

【Reanimator】はその他のコンボデッキや、こちらへの干渉手段を持たないデッキ(例えば【Elves】とか)に対して非常に強い。
しかし、そのどちらも環境で際立っているという事は無い。
人々はLegacyにおける「墓地」というものを異様な程に怖がっている。なので、すぐに【Reanimator】対策カードがサイドボードから無くなるとは考えていない。
それに加えて、これは【Miracles】に対して不利で、このデッキが大成功を収めるまでにはもうしばらくかかるだろう。
けれど、Cucunatoはこのリストで勝ち続ける方法を見つけた。

// Lands
2 [UNH] Island
2 [UNH] Swamp
4 [ON] Polluted Delta
2 [ZEN] Verdant Catacombs
4 [B] Underground Sea
2 [ZEN] Misty Rainforest

// Creatures
4 [AVR] Griselbrand
1 [NPH] Elesh Norn, Grand Cenobite
1 [ZEN] Iona, Shield of Emeria
1 [DIS] Tidespout Tyrant
1 [M11] Grave Titan

// Spells
4 [AL] Force of Will
4 [OD] Careful Study
2 [US] Show and Tell
4 [LRW] Thoughtseize
3 [M12] Ponder
4 [5E] Brainstorm
4 [OD] Entomb
4 [TE] Reanimate
3 [US] Exhume
3 [TE] Lotus Petal
1 [B] Animate Dead

// Sideboard
SB: 1 [THS] Ashen Rider
SB: 2 [US] Show and Tell
SB: 2 [EX] City of Traitors
SB: 2 [NE] Massacre
SB: 3 [SOK] Pithing Needle
SB: 2 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
SB: 2 [US] Duress
SB: 1 [ZEN] Spell Pierce


【Reanimator】に関して一つ重要な特記事項があり、それは先手と後手によって様々なサイドボードプランがあるということだ。
【Delver】デッキが先手後手で《目くらまし》と《Force of Will》をしばしば取り換えるが、【Reanimator】は完全に異なるサイドボードプランを取る。
先手の場合、《目くらまし》、《死儀礼のシャーマン》、その他の墓地対策カードも全て1ターンずつ遅くなるので、墓地活用戦術がより有用となる。
なので、サイドボードプランを練る時はそれを念頭に置いて欲しい。


ANT(from 6.0% down to 3.4%)
予測:悲観的

【ANT】が、ヘイトベアー+カウンター(青白デッキには《翻弄する魔道士》も)や、ハンデス+カウンター(【Team America】など)への明確な解答を探すまでに、ますます強力で汎用性のあるヘイトベアーが並び、ノーチャンスだと思う。
《虐殺》は良い線いっているが、《むかつき》でめくれた時がヒドイ。
私の【ANT】はマナベースに目をつぶれば、《燃え立つ願い》を入れた物がお気に入りだ。
メインにはもっと能動的なカードを入れ、メインデッキに入れる必要の無い《虐殺》に《燃え立つ願い》でアクセス出来るというのは、心もとないマナベースにするだけの価値があると考えている。
以下が私のリストだ。

// Lands
2 [B] Underground Sea
1 [B] Volcanic Island
4 [ON] Polluted Delta
4 [ZEN] Scalding Tarn
1 [UNH] Island
1 [UNH] Swamp
1 [B] Tropical Island
1 [B] Badlands

// Spells
2 [US] Duress
4 [NPH] Gitaxian Probe
4 [M10] Ponder
4 [IA] Brainstorm
1 [ISD] Past in Flames
1 [SC] Tendrils of Agony
3 [JU] Burning Wish
4 [JU] Cabal Therapy
4 [TO] Cabal Ritual
4 [TE] Dark Ritual
4 [TE] Lotus Petal
4 [MI] Lion’s Eye Diamond
4 [DIS] Infernal Tutor
1 [ALA] Ad Nauseam
1 [LRW] Thoughtseize

// Sideboard
SB: 1 [ISD] Past in Flames
SB: 1 [SC] Tendrils of Agony
SB: 1 [LRW] Thoughtseize
SB: 1 [TSP] Empty the Warrens
SB: 1 [ST] Grim Tutor
SB: 2 [ON] Chain of Vapor
SB: 1 [US] Carpet of Flowers
SB: 1 [TSP] Grapeshot
SB: 1 [NE] Massacre
SB: 2 [SC] Xantid Swarm
SB: 1 [NE] Reverent Silence
SB: 2 [RTR] Abrupt Decay


【Storm】デッキはLegacyで最もクールな戦略の一つで、不愉快な程に増えたヘイトベアーの攻勢を少しでも和らげるカードを二枚くらいR&Dに印刷して欲しいと願っているんだ。


Imperial Painter(from 0.9% up to 3.1%)
予測:楽観的

私は《帝国の徴募兵》の相対的な供給量の不足が、このデッキの活躍を抑えていると考えている。
Jack Kitchenの新しい構築は、《悟りの教示者》のために白を足したもので、これは非常に強く、教示者パッケージと《師範の占い独楽》が、かつてチグハグだったこのデッキに一貫性を与えた。
以下がそのリストになる。

// Lands
4 [UNH] Mountain
3 [EX] City of Traitors
4 [TE] Ancient Tomb
3 [ON] Bloodstained Mire
2 [B] Plateau
2 [ON] Wooded Foothills
1 [MR] Great Furnace

// Creatures
4 [P3] Imperial Recruiter
4 [SHM] Painter’s Servant
2 [MBS] Phyrexian Revoker
3 [UL] Goblin Welder
1 [FUT] Magus of the Moon
3 [PLC] Simian Spirit Guide
1 [TSP] Jaya Ballard, Task Mage

// Spells
4 [9E] Blood Moon
4 [TE] Grindstone
4 [IA] Pyroblast
2 [B] Red Elemental Blast
3 [CHK] Sensei’s Divining Top
2 [SH] Ensnaring Bridge
2 [MI] Enlightened Tutor
2 [TE] Lotus Petal

// Sideboard
SB: 1 [B] Red Elemental Blast
SB: 1 [SH] Ensnaring Bridge
SB: 1 [SOM] Ratchet Bomb
SB: 1 [M12] Manic Vandal
SB: 4 [OD] Firebolt
SB: 1 [SOM] Koth of the Hammer
SB: 1 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 2 [DK] Tormod’s Crypt
SB: 1 [LRW] Thorn of Amethyst
SB: 1 [DS] Trinisphere


基本的に、サイドの《炎の稲妻》は《死儀礼のシャーマン》と《秘密を掘り下げる者》に対してかなり強い。
【Painter】にとってコンボデッキも鬼門だったが、教示者の対象として《三なる宝球》と《罠の橋》を取ったことで、主要なコンボデッキに対して非常に強くなった。
このデッキを使う上で、あなたは時々苦痛を感じる時があるだろう。
あなたが相手をロックした後に1/3や1/1のクリーチャーで相手の横っ面を殴り付ける事に快感を覚えるのでない限りはね。

三枚の《ゴブリンの溶接工》も非常に強い。
アクティブな《溶接工》が居れば、相手のカウンターとアーティファクト破壊呪文は全て価値を失う。
《突然の衰微》が《絵描きの召使い》の代わりに《溶接工》を殺すのであれば、【Painter】使いとしてこれほど完璧な事は無い。


Jund(from 2.1% up to 3.1%)
予測:悲観的

【Jund】は論理的に言えば環境のフェアデッキのほとんどに有利が付くが、そうなる事は滅多に無い。
このデッキは他のTopデッキに比べてカードの選択肢が少なく(【Death and Taxes】でさえ《石鍛冶の神秘家》と、必要なカードを見つけるまでの時間を稼ぐ手段があるのに)、そのため往々にして“有利”とされるマッチアップにも負けてしまう。
【Jund】は使うべきではない。

私は“Spirit Jund”の構築に数週間を費やした。
これはLegacy環境最高のカード(《渦巻く知識》と《思案》)を使っているプレイヤーを罰するために白を足して《迷宮の霊魂》を入れた構築だ。
このデッキは上手く出来たが、必要でない除去呪文や生物を引いてしまった時に、本当にどうしようもなくチグハグになるデッキだった。
最終的にはこんな感じになった。

// Lands
4 [FUT] Grove of the Burnwillows
2 [ON] Bloodstained Mire
4 [ZEN] Verdant Catacombs
2 [B] Badlands
3 [TE] Wasteland
2 [B] Bayou
2 [B] Scrubland
4 [ON] Polluted Delta

// Creatures
4 [RTR] Deathrite Shaman
4 [FUT] Tarmogoyf
4 [RAV] Dark Confidant
2 [ARB] Bloodbraid Elf
4 [BNG] Spirit of the Labyrinth

// Spells
3 [FE] Hymn to Tourach (2)
2 [RTR] Abrupt Decay
3 [ZEN] Punishing Fire
3 [LRW] Thoughtseize
4 [ISD] Liliana of the Veil
4 [B] Swords to Plowshares

// Sideboard
SB: 3 [IA] Pyroblast
SB: 2 [US] Duress
SB: 3 [NPH] Surgical Extraction
SB: 3 [TSP] Krosan Grip
SB: 2 [ARB] Zealous Persecution
SB: 1 [TE] Diabolic Edict
SB: 1 [DKA] Grafdigger’s Cage


驚くべきことに、このマナベースはそこまで酷くない。
が、《罰する火》パッケージを抜いて通常の《稲妻》にした方が良くなるかも知れない。
良い構築指針があれば教えて欲しい。


○Looking Ahead

私のLegacy熱は再燃してきていて、これはすぐに消えそうなものじゃない。
私はニッチなLegacyデッキをたくさん所有している友人に恵まれた事もあって、公認大会で上記のTopデッキ全てを試す旅に最近出ていたんだ。
13個全てのデッキを試してみる事で分かった最重要な事柄は、Legacyというフォーマットが最もプレイスキルに依存する構築フォーマットだという事だ。
どのデッキもリストを見ただけでは明確には分からない緻密さに溢れていて、サイドボーディングを正しくする事が成功への主な道筋だ。
マッチアップ毎にMVPとなるカードが異なり、Reid Dukeの言う【Legacyで勝つための鍵は、デッキを隅々まで理解し学ぶ事だ】というのに全面的に同意する。

近々、【Miracles】は他のTopデッキのほとんどに対して最高のデッキとなるだろうから、私は【Miracles】は成功を収め続けると予想している。
しかしながら、このデッキは大規模トーナメントで扱うには非常に難しく、新規参入者が【Miracles】を選んで成功するとは思っていない(彼らがPVでなければ)。
【Miracles】と戦うためには、多くの強力カード(例えば、《無のロッド》、《ヴェンディリオン三人衆》、《もみ消し》、《霊気の薬瓶》、《忍び寄るタール抗》など)があり、【Death and Taxes】、【RUG Delver】、【Shardless BUG】といった少数のデッキは堅実な戦いが出来る。
あるいは、もし確実な勝利を得たいのであれば、【12Post】は完全に完璧に【Miracles】を抹殺出来る。
これらから、もしあなたがデッキを変えたいと思っているならば、【Shardless BUG】はプレイが簡単なこともあり、現在のコンボの少ないメタゲームでは非常に堅実な選択肢と成り得る。
【Imperial Painter】もまた素晴らしい選択肢で、かつて“はいはい、《血染めの月》デッキね”と言われていたデッキに白を加えた事で、弾力性とプレイ可用性が与えられたと考えている。
【Death and Taxes】もまた良い選択肢で、コンボデッキや【Miracles】、【BUG】デッキ全般に対する武器を持っている。
《幽霊街》搭載型は基本土地の入っているデッキに弱いものの、基本土地をほとんど入れていないデッキに対しては補って余りある程強く、ここらへんはあなたの地域のメタゲーム次第によるだろう。

あなたの考えがあればコメントで教えてくれ!

Bob

記事
http://www.channelfireball.com/home/june-2014-legacy-metagame-analysis/


PV’s Playhouse - Miracles
2014/03/05

by Paulo Vitor Damo da Rosa


Hello!

もしかしたらみんなも既に知ってくれているかも知れないけれど、三週間前のGPパリに僕は『トリコMiracles』を持ち込んだんだ。
12-2-1という戦績で、九位入賞止まりかなーと思っていたのだけど、いくつか奇妙な因果によって決勝トーナメントに残り、Top8に入る事が出来た。

大会の中盤で、多くの人が『Miracles』が非常に上手くいっている場面を見かけたんじゃないかな。
10ラウンドでは、無敗者の内の三人が『トリコMiracles』だった。その三人とも最終的にTop8に残り、僕たち三人合わせてスイスラウンドでは4回しか負けていない。(そしてその内の3回は僕たちがお互いに付け合った黒星だ)
このデッキタイプは優勝こそしなかったものの、確かな実力を見せつけ、僕は現時点でLegacy環境最高のデッキだと考えている。


初めに、僕の好みとしては“アンフェア”なデッキを使いたいというのがある。
何か強烈な事をしたいし、《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》に負けたくなかったというのもある。
しかしこれには問題もある。僕の懸念はいわゆるデルバーデッキで、『BUG』の両方(テンポBUGと続唱BUG)、『RUG』、そして『トリコデルバー』で、これらはLegacy環境で長期にわたって人気のあるアーキタイプだ。
早期クロックに加えて安価な(時にはタダの!)妨害手段を擁するこれらのデッキに対して、アンフェアデッキで戦うのはそう容易い事では無い。
僕はこれらのデルバーデッキを憎んでいる(僕はデルバーデッキがかなり弱いと思ってる)ので、僕がいつも使う《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》+《相殺/Counterbalance》コンボに立ち戻るのが良い考えだと思った。
何年にも渡って幾度かLegacy大会に持ち込み、いつだって一定の成果は収めてくれる。
僕はRapael Levyが『Miracles』について扱った記事を読み、似たバージョンの調整をすることに決めた。

――――
ここからは「調整できなかったー」とか、「MOであんま勝てなかったー」とか、「デッキ調整やサイドプラン教えてくれた人サンキュー」とか、「前日トライアルで勝った人からサイド石鍛冶プラン教えてもらってラッキー」とかそんな感じなので中略
――――


大会に関して多くを語るつもりはない。なぜなら興味深いマッチに関してはビデオ記事でやるつもりだから。その代わり、ここではデッキ自体に焦点を当てようと思う。
以下が僕のリストだ。

// Lands
4 [B] Island
2 [B] Plains
1 [LG] Karakas
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
1 [SHM] Mystic Gate
4 [ZEN] Scalding Tarn
2 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
2 [MOR] Vendilion Clique
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
1 [ZEN] Spell Pierce
2 [AVR] Entreat the Angels
4 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
2 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
1 [DIS] Spell Snare
2 [M12] Ponder

// Sideboard
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [MI] Enlightened Tutor
SB: 3 [IA] Pyroblast
SB: 1 [DGM] Wear/Tear
SB: 1 [NPH] Batterskull
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [UNH] Mountain
SB: 2 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 2 [WWK] Stoneforge Mystic
SB: 1 [IN] Tsabo’s Web


参考までに、Top8に残った二つのリスト。

Phillipp Schonegger

// Lands
4 [B] Island
2 [B] Plains
1 [LG] Karakas
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
1 [MOR] Vendilion Clique
3 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [ZEN] Spell Pierce
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
3 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
2 [M12] Ponder

// Sideboard
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [MI] Disenchant
SB: 2 [FD] Engineered Explosives
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict


Maxime Gilles

// Lands
4 [B] Island (3)
2 [B] Plains (2)
1 [LG] Karakas
3 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
3 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
2 [MOR] Vendilion Clique
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
3 [B] Swords to Plowshares
3 [AVR] Terminus
3 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
3 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
2 [M12] Ponder
1 [IA] Pyroblast
1 [RTR] Supreme Verdict
1 [B] Red Elemental Blast

// Sideboard
SB: 1 [AVR] Terminus
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [THS] Swan Song
SB: 1 [ZEN] Spell Pierce
SB: 1 [ALA] Relic of Progenitus
SB: 1 [DGM] Wear/Tear
SB: 1 [UNH] Mountain
SB: 1 [FD] Engineered Explosives
SB: 1 [IA] Pyroclasm
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 1 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [B] Red Elemental Blast

利点

・環境のほとんどのデッキよりもゲームを終わらせる力が強い

『青白Miracles』は分類上は、コントロールデッキだ。
ほとんどの場合、積極的にゲームを終わらせることはない。
ゲームが長引けば最終的には勝利するからだ。
《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mindsculptor》に代表される強力なカードをいくつも用意しながら必要ない時には、《師範の占い独楽》によってそれらを引かずに済む。
ゲームが経過する毎にそれらはアドバンテージとなっていく。


・ハンデス戦略に非常に強い

《師範の占い独楽》を持つことに加え、《ジェイス》の強力さによって往々にしてデッキのトップで勝負することが出来る。
もし相手がこちらの手札を四枚失わせたとしても、場に《ジェイス》がいたのなら、それは相手が何もしていないのと同じだ。
ハンデスをベースにしたデッキに対しては非常に相性が良いと考えている。これが『Miracles』を好きな理由の一つでもある。


・何度もマリガンしなくても良い

『Miracles』には多くの1マナ呪文が入っており、見知らぬ相手と対峙した時にキープ基準を緩くしてくれる。
もしもマリガンに迫られても、《師範の占い独楽》や多大なアドバンテージを与えてくれるカードが入っているので比較的に楽だろう。
ハンデス戦術に対して有効な手立てが揃っているのがここでも活きる。


・基本土地を多く入れている

Legacyの多くのデッキはフェッチしてくる基本土地でさえ満足に入れられていない。
しかし、『Miracles』には四枚の《島/Island》と二枚の《平地/Plains》が入っており、それは《血染めの月/Blood Moon》や《不毛の大地/Wasteland》影響下でも全ての呪文を十分に使えるだけの土地数だ。
単純に基本土地を十分な数抱えているというのは、多くのLegacyデッキの最も強い面を弱めているという事になる。


・《真の名の宿敵》に負けない

気にしなくていいと言っているわけではない。しかし、いくつかのカウンターと四枚の《終末/Terminus》があり、それらで打ち取ることが出来る。


・『Miracles』に対するサイドカードが無い

対戦相手は何かしらをサイドインするだろうけど、それらがクリティカルな事はほとんど無い。
最も使われているカウンター呪文の《紅蓮破/Pyroblast》と《赤霊破/Red Elemental Blast》でさえあなたにとっては大したことはない。
《紅蓮破》は早期のゲームにほとんど影響しない(デルバーデッキに対してこちらが使う除去を《紅蓮破》ではカウンター出来ないからだ)。
そして、《狼狽の嵐/Flusterstorm》は本当に何もカウンター出来ない。
これらのカードはコンボデッキと対峙した時に必要なものだ(なぜなら、コンボ相手では青いインスタントこそ求める物だから)。
しかし、そうしたデッキへの手立ては既に持っている。
ここで肝心なのは、もし対戦相手が「Miracles対策」のカードを求めても、おそらく見つからないだろうという事だ。


・楽しい!

『Miracles』は重要な決断が必要で、プレイしていて本当に楽しい。
更に、ナチュラル《相殺》を決めた時や、ナチュラル「奇跡」をした時には毎回、対戦相手が「運ゲーじゃん!!」と言うのを聞く事が出来る。

欠点


・『Miracles』は非常に複雑なデッキ

往々にして複雑なLegacyデッキの中でも、とりわけ複雑だ。
なぜなら、何ターンにも渡って《師範の占い独楽》や《渦巻く知識/Brainstorm》、《思案/Ponder》、「奇跡」カード、土地などのプラン立てをしなければならず、毎ゲーム多くのミスを犯すだろう。
僕はミスった事を認めるし、きっとこれからもミスるはずだ。過去に《師範の占い独楽》+《相殺》デッキを使った時もそうだった。
しかし、このデッキで勝つために完璧にプレイする必要がない、という事を付け加えておく。
もし失敗しても、ゲームは続いて行くからだ。
《最後の審判/Doomsday》コンボの途中で失敗するのとはワケが違うのだから。
時々ミスが許されない事があるとは言え、もしも『Miracles』を練習する時間が取れるなら、僕はこのデッキが選択する価値のある素晴らしいデッキだと考えている。
何故なら、将来的に別のデッキを使う時にも、このMagic概念は適用できるからだ。


・『Miracles』は遅い

もしあなたのプレイングが遅い場合、毎ターン《師範の占い独楽》を使い、必要とあらばデッキをシャッフルしなければならないデッキは、時間を気にして使わなければいけない。
これらを考える時間も、同様に時間を使う。
「奇跡」をめくる場合も考慮して、ドローステップにも気を配る必要がある
僕は判断する際には時間を取るものの、それ以外のアンタップ、ドロー、プレイ、エンド、は非常に素早く行うので、どんなデッキを使っていても時間に悩まされる事はほとんど無い。
しかし、それでもGPで意図しない引き分けを得てしまった。
引き分けなかったとしても、毎ラウンドをフルに戦えば、体力的にキツくなるだろう。
助言するとすれば、もしあなたがスロープレイヤーならば、スピードアップした方が良い。(緩慢にプレイするな。何かをしたいならば出来るだけ素早く)
そして、対戦相手が考え込んでいる時間を利用してこちらもプランを立てるように。


・『Miracles』はとても圧力が小さい

十分な枚数の《対抗呪文/Counterspell》を持たないために、コンボデッキに対しては圧力が小さい。
もしも相手に十分な時間を与えてしまえば、彼らは少ないカウンターを乗り越えてくる。
《相殺》は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》同様に圧力となるが、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》と同等というわけではない。
つまりは、あなたが最初の攻勢を凌いだとしても、結局次の仕掛けでやられてしまう事もある、ということだ。


小ネタ

・必要に迫られた時以外は絶対にフェッチランドを使ってはいけない。
フェッチを切るのと、デッキを薄くするのは、ほとんど無関係と言って良い。
とは言え、あなたが場に三枚のフェッチランドを並べ、《師範の占い独楽》を回し、《渦巻く知識》を使い、《思案》を使うのは一向に構わない。

・デッキトップに積み込むつもり、もしくはシャッフルを強制されたくないならば、常に基本土地から出す。
例として、実際のマッチでは僕がフェッチを切り、《渦巻く知識》してから《相殺》を置いた時の事を話そう。
《相殺》を置いた後でデッキのトップを特定のマナコストにしておく必要があったために、僕はフェッチランドを切るところからスタートした。
しかし、大方の場合には、「通常の」土地を置いて、最後にフェッチをプレイする。

・出来るだけ早く白マナ一つを置く。もしくは探してこれるようにする。
これは手札に白いカードが無かったとしてもだ。
土地を置く前に《終末》を引き、それをプレイするチャンスが訪れるかも知れないから。

・「奇跡」カードがライブラリーの上ではなく手札に来た時。
「奇跡」の誘発をスタックに乗せ、フェッチランドでマナを呼び込んでも良い。
もしくは、《ヴェンディリオン三人衆》でそれらの「奇跡」カードを戻しても良い。

・ライブラリートップとその並び順は常に覚えている様にする必要がある。
時々不意を突かれ、呪文をキャストするために《師範の占い独楽》でカードを引く必要に迫られる時もあるが、それがなんであるか知っている必要がある。
「念のため」でマナを無駄にしてはいけない。
ライブラリートップに適切なカードを残す事は、勝敗を分けると言って良い。
もしもマナに余裕があるのなら、どうぞお好きに。

・もしも対戦相手が、こちらのフェッチランドに対応して《師範の占い独楽》を壊そうとしているな、と感づいた時には、“1:上から三枚見る”をスタックに積んでから、フェッチランドを生贄に捧げるべきだ。
こうすれば、例え《師範の占い独楽》を失っても、デッキをシャッフルした後で、新しい三枚を見ることが出来る。
仮にこれを“通常通り”やった(フェッチを生贄に捧げ、シャッフルし、それから《師範の占い独楽》を起動)とすれば、《師範の占い独楽》も無く、シャッフル済みで、ライブラリートップが何かも分からない。

・《殴打頭蓋/Batterskull》と《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が場にあり、それを再度展開したい場合、まず《石鍛冶》の能力をスタックに乗せ、それから《殴打頭蓋》を手札に戻す。
もしこれを“通常通り”やったとすると、《殴打頭蓋》を手札に戻すのに対応して《石鍛冶》を処理された場合、再展開することが出来ない。
しかし、上記の様にスタックに積めば、対戦相手が再展開を止める事は出来ない。


ここからは、個々のカード選択についてと、三つのリストの違いについて話そう。

土地

他の二人が追加の《Tundra》を取っているのに対して僕が《秘教の門/Mystic Gate》を採用している点を除けば、ほぼ三人は同じ土地構成だ。
《秘教の門》は素晴らしい一枚で、特に大量の基本土地がある場合は尚更だ。
けれど、大会中に三枚目の《Tundra》を入れなかった事を何度も後悔した。
特に最も悔しかったのは、《Tundra》を二枚とも《不毛の大地》され、一枚の《平地/Plains》をディスカードされ、フェッチで白いマナを持って来れなかったばかりに《天使への願い/Entreat the Angles》をキャスト出来なかった時の事だ。
僕は《Tundra》を三枚にするつもりだ。


《精神の刻む者、ジェイス》

僕は四枚入れていて、他の二人は三枚だ。
僕は四枚積みが正しいと信じている。《ジェイス》は対黒デッキやミラーマッチで《師範の独楽》に準じる最も重要なカードで、ミラーマッチに置いては《師範の占い独楽》よりも実際には重要なカードだ。
いくつかのマッチアップでは不必要となるが、四枚取るだけの余地はあるし、なにより《Force of Will》の餌になる。
いくつかのマッチアップではサイドに二枚まで落とすのを厭わない。特にサイドから他の勝利手段を入れる場合や、対戦相手が大量の「Xマナ払え」系のカウンターを擁している場合だ。
とは言え、僕は四枚から始めるのが好きだ。


《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》/《ヴェンディリオン三人衆》

Maximeと僕は二枚ずつ採用して、Philippは三枚と一枚に分けている。
僕は《ヴェンディリオン三人衆》が本当に好きだ。
《瞬唱の魔道士》も良いカードだけど、新しい攻めの角度にはならない。そこが《三人衆》との違いだ。
相手の手札を知る事は重要な情報で、《Karakas》と組み合わせれば凄い事になる。
デッキが《相殺》のためのマナコスト2を必要とした場合など、三枚目の《瞬唱の魔道士》を入れることに否定的ではないけれど、それでも僕は二枚の《ヴェンディリオン三人衆》を入れたい。
僕はサイドにもう一枚《ヴェンディリオン三人衆》を取っていて、これは環境の多くを占めるコンボデッキやコントロールデッキに対して非常に良く効くと考えている。


《天使への願い》

Maximeは三枚、Philippと僕は二枚。
僕は三枚は入れ過ぎだと考えている。
これが必要なのは終盤戦だけで、初手にあるのはよろしくない。
Philippはサイドにもう一枚取っていたけれど、《ヴェンディリオン三人衆》ならその役目をより良くこなせる。


《相殺》

僕は《相殺》がかなり好きで、三枚積まれているのを見かける。
これは時として平凡だが、いくつかのコンボデッキとミラーマッチにおいては、僕が《ジェイス》に対して言ったのと同様に、非常に良く働く。
上手く働かない場合にも、どうにかする手段が豊富に入っている。
僕の考えでは、もし四枚目の《ジェイス》を取るとして、4/3に分けるのはそう悪い分け方ではない。
けれど、現状は4/2から変える理由がない。


《終末》/《剣を鋤に/Swords to Plowshares》

僕はどちらも四枚ずつだ。
Legacyの多くのデッキは相手を倒すためにクリーチャーが入っていて、それらを処理するのに《終末》に比肩するカードは無く、《剣を鋤に》も素晴らしい使い勝手だ。
Maximeは《終末》三枚に《至高の評決/Supreme Verdict》一枚に分けているけれど、僕好みじゃない。
《終末》はそれ自体のマナコストが軽く、ほとんどのカウンター呪文(《目くらまし/Daze》や《呪文貫き/Spell Pierce》)を避けられるのが理由だ。


《呪文貫き》/《呪文嵌め/Spell Snare》

僕はこの分け方が気に入っているが、これは予期するメタに寄る。
もっと多くの「トリコデルバー」がいると予想するなら、《石鍛冶の神秘家》を打ち消すための《呪文嵌め》が欲しくなる。
「トリコデルバー」とは一度しか戦わなかったけれど、《呪文嵌め》は他のデッキにも効果があるため、感傷的にならずに済んだ。
一時期は《魔力の乱れ/Force Spike》を使う事も考えたが、友達に止められてしまった。

《紅蓮破》/《赤霊破》

これらのカードはほとんどのデッキが青いカードを使っている現在、非常に強力だが、メインから入れようとは思わない。
何故なら、メインに《山/Mountain》を入れたくないからで、あなたが《紅蓮破》/《赤霊破》を欲しいと思う相手の半数は《不毛の大地》を入れているからだ。
《秘密を掘り下げる者》を処理するために《紅蓮破》が欲しいけれど、プレイ出来ない、あるいは《瞬唱の魔道士》でフラッシュバック出来ないカードを入れたくない。
思うに、《山》と《紅蓮破》はパッケージ化されていて、メインではなくサイドに入っていても十分価値がある。


《狼狽の嵐》

このカードは呪文主体のコンボ(『Storm』、『Reanimator』)に対して効くが、“フェアな”デッキに対してはサイドインしない。
フェア相手には《呪文貫き》の劣化版で、もしも彼らがあなたのカウンターを更にカウンターしようとしたり、「Storm」カードを使っているとしても意見は変わらない。
ミラーマッチでさえ良いカードだとは思わない。
これは《相殺》にも《ジェイス》にも当たらないのだから。
そういうわけで、僕はサイドにこのカードを取っていない。


《石鍛冶の神秘家》/《殴打頭蓋》

このパッケージはヤバい。
対戦相手は大抵、除去をサイドに落とすため、このカードでゲームに勝てるようになる。
ラウンド12でPhilippと戦った時、四枚までマリガンさせて勝ったゲームがあった。こちらの《石鍛冶》に対処する手段が無かったからだ。
もしも相手が除去を戻したとしても気にすることはない。たったの二枚なのだから。
そしてあなたは《殴打頭蓋》を素出しすれば良い。
これはミラーマッチと、黒絡みでない“フェアな”デッキの大半に対してサイドインする。
黒いデッキに対してはサイドインしたくない。
それらのデッキは《突然の衰微/Abrupt Decay》を積んでおり、《思考囲い》で《殴打頭蓋》を落とされると二度と取り戻せない。


《悟りの教示者/Enlightened Tutor》

「教示者」カードを一枚挿しするのが好みで、必要なヘイトカードを水増しする事が出来る(僕のデッキでは《安らかなる眠り/Rest in Peace》と《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Cannonist》)が、もちろん《師範の占い独楽》や《相殺》を引っ張ってくる事も有る。
例えば、二枚の《安らかなる眠り》と二枚の《法学者》を入れるよりも、それらを一枚ずつと「教示者」一枚にして、スロットを節約した方が好みだ。
僕の場合では、3/2に分けるよりも、2/2/1にした方が好みという事だ。
例えば《血染めの月》のような、更に別のサーチ先があるのならよりこの戦術は意味を持つ。


《サーボの網/Tsabo’s Web》

《サーボの網》はいつも入れているくらいお気に入りだ。
キャントリップが付いているし、《リシャーダの港/Rishardan Port》、《Karakas》、《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》、《変わり谷/Mutavault》、それから狭い範囲ではあるが、《演劇の舞台/Thespian Stage》、《地平線の梢/Horizon Canopy》や《不毛の大地》などの全てを止められる。
これはサーチしてくるようなカードではない(その目的であれば、《血染めの月》の方が良いと考えている)。
しかし、これは「Death and Taxes」や「Merfolk」といくつかの種類の「土地単」と当たった時に引いて嬉しいカードだ。
大会中に一度だけサイドインしただけだったので、おそらくサイド枠を圧迫しているだけなのだろう。
(もし《暗黒の深部/Dark Depths》デッキの人気が増すのなら、《血染めの月》の方が良い)


《エーテル宣誓会の法学者》

対「Storm」と「Elves」用だが、「Show and Tell」用でもある。
「Show and Tell」は自前の打消しを大量に積んでいるが、《法学者》はそれらの打消しを、あなたの打消しに使えなくさせる。
言わば、手札に《対抗呪文》と《紅蓮破》があり、《法学者》が着地した場合、彼らはゲームに勝つために三回仕掛けなければいけない。そしてその仕掛けを彼らの打消しは助けてくれないのだ。
《翻弄する魔道士/Meddling Mage》もまた「Show and Tell」に対して効果的で、おそらくは「Elves」に対しても効果があるが、《法学者》はサーチ可能だという点で軍配が上がる。
振り返ってみれば、僕はサーチ先として《法学者》を一枚だけにして、余った枠に《狼狽の嵐》を入れるべきだった。


《摩耗+損耗/Wear+Tear》

もし赤色にアクセス出来るなら、最高の《解呪/Disenchat》となる。
これは《相殺》でめくれた際に1マナと2マナとして見なせるし、1マナでエンチャントも壊せる、その上シャッフルの前に《相殺》と《師範の占い独楽》の両方共をどうにかする事が出来る。
なぜPhilippがサイドに《摩耗+損耗》より優先して《解呪》を取っているのか理解できない。


いくつかの一般的なサイドボードの掟

・他のカードより重要性で劣るのなら、《Force of Will》をサイドアウトする。
これはコンボデッキとミラーマッチで重要だが、それだけだ。

・《不毛の大地》/《目くらまし》/《呪文貫き》の入ったデッキ相手に《紅蓮破》を入れる場合は、《山》を入れて土地を23枚に伸ばす。
もしそういったデッキで無い場合は、22枚のままで良いと考えている。

・相手のデッキにハンデスが入っているのなら、《石鍛冶の神秘家》は入れてはいけない。
黒絡みではない青いデッキか、クリーチャー主体のデッキに対してはサイドインする。

・本当に《安らかなる眠り》や《エーテル宣誓会の法学者》を引きたい時以外は、《悟りの教示者》をサイドインしてはいけない。
例えば、いくつかの「BUG」デッキに対して、《安らかなる眠り》を入れるかもしれないが、《悟りの教示者》まで入れるのはやりすぎだ。

・柔軟に。
サイドボーディングに関する厳しいルールは無い。
あなたが見たもの、プレイスタイルなどを基本として適応させる必要がある。

今度はマッチアップについてだ。
Legacyに存在する全てのデッキについて話すつもりはない。
そんなのは不可能だし、ここでのサイドプランをあなたは他のマッチアップにおいても応用して欲しい。


BUG Delver

「BUG Delver」は相性が良いと思っている。
大会で三回倒したからだ。
こちらのカードは単純に強力で、それらを止めるための十分な術を相手は持たない。
こちらの除去は全て1マナで、打ち消すのが非常に難しく、それらはしばしばライブラリートップから降ってくるため、ハンデスする事が出来ない。
このマッチアップで最大の懸念は、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》の存在だ。(どのデッキでも入れているというわけではないが)
《リリアナ》を止める有効な手立てがいくつも入っているわけではなく、ハンデスには対抗できるものの、奥義は効果テキメンだ。
もし相手が《リリアナ》を持っているのなら、ハンドは無いも同然と言える。
言い換えれば、こちらのトップデッキを止める術が無いと言うことでもある。
《ヴェンディリオン三人衆》、《ジェイス》、《天使への願い》などはこの状況で求める物だ。
《天使への願い》は《リリアナ》に対して特に効果的で、大会での話をすると、一回奥義を使われた後で、3ターンが経過し、再び忠誠値が5になった返しに《師範の占い独楽》から《天使への願い》でそのゲームに勝った。

《リリアナ》を使う側にとって一つテクニックがある。
奥義を使う際に生贄に捧げてはいけない。ちゃんと忠誠値が7になるまで待つんだ。
《リリアナ》をどうにか出来るなら、土地の二つや三つはくれてやる。そうした二倍の《石の雨/Stone Rain》で済むのなら僕は喜んで受けよう。
もしも忠誠値が7になるまで待たれると、「Miracles」側の勝利は厳しくなる。


サイドボードプラン(みんなはここを訊ねるだろうけど、ざっくりとだ。繰り返しになるけど、柔軟にね)

Out
-4《Force of Will》(彼らにはハンデスがあるので)
-2《瞬唱の魔道士》(《安らかなる眠り》を入れる場合)
-1 何か

in
+3《紅蓮破》
+1《山》
+2《安らかなる眠り》(《タルモゴイフ/Tarmogoyf》、《墓忍び/Tombstalker》、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》用)
+1《ヴェンディリオン三人衆》

他のサイドプランとしては、《相殺》を全抜きして《安らかなる眠り》を入れないパターンがある。この二枚はどちらも《突然の衰微》にやられてしまうからだ。


UWR/RUG Delver

もう一つの相性の良い相手だ。
相手はそこまで大きなプレッシャーをかけられず、終盤戦になればこちらのカードは強く、相手のカードは弱くなる。
序盤の《目くらまし》はそこまで気にしていない。
プレイしたいカードは多く、結局《目くらまし》をされるなら、序盤に釣った方が良いだろう。
1ターン目であれば、相手の時間を少しだけ遅らせる事も出来る。
とはいえ、《剣を鍬に》を《目くらまし》や《呪文貫き》の犠牲にする事はしない。
もし《剣を鍬に》を打ち消されてしまえば、それが負けに直結してしまうからだ。
けれど、これらのデッキにはそこまで多くの脅威が入っているわけではないので、もしも《剣を鍬に》が解決すれば、時間を稼ぐことが出来る。

Out
-4《Force of Will》
-2《精神を刻む者、ジェイス》(「勝利手段」としての《石鍛冶の神秘家》を入れるのに加え、相手は《ジェイス》対策を積んでくる)
-1 何か

In
+3《紅蓮破》
+1《山》
+2《石鍛冶の神秘家》
+1《殴打頭蓋》


Show and Tell

相性は良くは無い。
コンボを止める手段が十分ではなく、《相殺》ロックもそこまで効果が無い。
なぜなら、彼らは3マナと4マナで仕掛けてくるのに、こちらのデッキには3マナと4マナが少ない。(仮に3と4を積めれば、君の勝ちだ)
このマッチでは《ヴェンディリオン三人衆》が非常に重要になる。
タップアウト出来るかどうか探りを入れることが出来る。
同様に《Karakas》も《実物提示教育》から出てきた《引き裂かれし永劫、エムラクール》を取り除けるために素晴らしいカードだ。《騙し討ち》に対しては無力だけれど。

Out
-4《終末》
-4《剣を鍬に》(《グリセルブランド》を除去しようとするのは良くない。そうではなく、プレイそのものを止めるべきだ。デカブツを除去しようとする方針は「Reanimator」との対戦ではアリかもしれない。《エメリアの盾、イオナ》や《灰塵の乗り手》などを釣り上げた時にだ。しかしそれでも上手い策とは思えない)

In
+2《エーテル宣誓会の法学者》
+3《紅蓮は》
+1《ヴェンディリオン三人衆》
+1《摩耗/損耗》
+1《山》

もしスペースがあれば《真髄の針》も良い。僕のサイドには《悟りの教示者》も入っているしね。


The Mirror

ミラーマッチは超クールで、大抵は《ジェイス》と《相殺》が解決するかどうかにかかってる。
《師範の占い独楽》は良いカードだが、上の二枚に比べると劣り、《独楽》に《Force of Will》を使おうとは思わない。
もし相手が二枚目の《独楽》を持っていれば、その時点で損になるし、ゲームは大抵長引くのでいつかは《独楽》を見つけるだろう。
マナ域が被っていて(そりゃそうだ、同じデッキなんだから)《渦巻く知識》も《思案》もある。であれば、僕は可能な限り《相殺》をカウンターする。《Force of Will》を使う事も厭わない。
もし解決させてしまえば、ゲームの終わりまでこちらの行動を妨害され続けるだろう。
もしあなたが《ジェイス》を着地させれば、それが勝利手段になる。
その時は、ターン終了時の《天使への願い》は妨害できるように。(《終末》や《対抗呪文》などで)そうすれば、負ける事はほとんどない。

Out
-4《剣を鍬に》
-4《終末》

In
+3《紅蓮破》
+1《ヴェンディリオン三人衆》
+1《摩耗/損耗》
+2《石鍛冶の神秘家》
+1《殴打頭蓋》

もし《終末》を全てサイドに下げた場合、《天使への願い》ゲーになる。
《天使への願い》に対処する場面以外では《終末》は本当に必要ないし、相手が《天使への願い》をし、こちらに《終末》があったとしても同時に《師範の占い独楽》も必要なので、僕はこれに対して何が出来るか分からない。
もし相手が小さな《天使への願い》を唱えた場合、こっちもやりかえすか、《石鍛冶の神秘家》を出す。
例えば、僕はX=2の《天使への願い》を使われつつ勝った試合があった。しかし、X=4だったら無理だっただろう。
このマッチで《山》はサイドインしなくて良い。相手には《Volcanic Island》を割る《不毛の大地》が無いのだから。


ま、こんなところかな。
解説して欲しい別のデッキがあれば気軽にフォーラムで聞いてくれ。
今回の記事を楽しんでくれれば嬉しいな。それじゃ、また来週!


PV


記事
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-miracles/


The Miracles Primer:Part 1(奇跡デッキ入門その1)

Philipp Schonegger

2014/08/07


序章


私たちの生き方には二通りしかない。
奇跡など全く起こらないかのように生きるか、
全てが奇跡であるかのように生きるかである。
Albert Einstein


みんなに会えて嬉しいよ!
現在のメタゲームにおける【奇跡】デッキの立ち位置と、正しくこのデッキを作る方法である本稿に入る前に、いくつか言わせて欲しい。
僕は欧州はオーストリア出身のEternal環境が大好きなPhilipp Schneggerだ。
欧州の大会には何度も遠征したし、時にはアメリカにも行っている。
僕の年齢は二十歳で、ちょうどこのゲームと同じ位だ。
僕は古参というわけではないけれど、Legacyは僕の中心と言って良い。
国中で開催される公認大会や、非公認のオーストリアLegacy Championshipを通して僕は最善を尽くしている。
それと同時に、GP StrasbourgでのTop64やGP ParisでのTop8(Bye無しで)を成し遂げたこの愛すべきデッキの名は、【奇跡】だ。

GP Ghent以来、ずっと【奇跡】デッキに心血を注いだにも関わらず、思うように結果が出なかった。けれど、それでも調整を諦めたわけじゃなかった。
その理由を探し、全てのデッキを相手に調整しても、そこに僕の求める答えは無かった。
【奇跡】デッキこそ最高のデッキだと長いこと僕は思っていたけれど、人々がこの事実に気付くまでにはしばらくかかった。
三人の【奇跡】デッキ使用者がGP初日を無敗で終え、その三人がそのままTop8に残った事で、【奇跡】デッキはGP Parisの話題をかっさらい、瞬く間に世界中がそのデッキの力強さを認識した。

このデッキの根幹を知るために、GP Parisでの僕の冒険を短く見て行く事にしよう。
その時、僕がパーティに持ち込んだのはこんなリストだ。

// Lands
4 [B] Island (3)
2 [B] Plains (2)
1 [LG] Karakas
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
1 [MOR] Vendilion Clique
3 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
3 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
2 [M12] Ponder
2 [ZEN] Spell Pierce

// Sideboard
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [FD] Engineered Explosives
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [TE] Disenchant
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict


これでParisを戦った。
この記事は僕のTop8についてのものではない。だから、ここは手短にするつもりだ。
僕はBye無しで、一回戦からテーブルに着いていた。
High Tide、Merfolk、Jund、Combo Elves、RUG Delver、Death and Taxes、Esper Stoneblade、UWR Delver、そしてRenanimatorを全て倒して初日を終えた。完璧な9-0だ。
二日目も上々な滑り出しで、JundとBUG Delverを倒し、この週末最初の負けはフランスのMaxime Gillesの【奇跡】デッキ相手だった。
これで11-1となり、次にマッチしたのはPaulo Vitor Damo da Rosa。またしても【奇跡】デッキのミラーマッチで僕が負けた。
二連敗の後、Sneak AttackとBUG Delverを下してTop8に入り、Imperial Painterを倒したものの、準決勝で再びMaxime Gillesに負けたんだ!


○【奇跡】デッキの構築

僕のプレイしたこのリストは完璧ではないけれど、このデッキタイプを解説するのに最も適した構築だと思う。
シークレットテクも無ければ、異端なカード選択も無い。
つまり、正統性が強さだったんだ。
別の勝利手段である《安らかなる眠り》+《Helm of Obedience》コンボも無く、何種類かの伝説のクリーチャーも採用せず、《Karakas》も一枚で、《悟りの教示者》によるシルバーバレット戦術にも興味を持たなかった。
僕が採用したカードたちは、最適な時に並外れた力を発揮しつつ、それ以外の時にも可用性のあるものだ。

さあ、何がこの構築を優れたものにしているのか見ていこう。
bottom-upの手法で見て行く時に、僕たちはマナベースから始めなければいけない。
以下の21枚は固定で、デッキの残りをどんな風に構築したいかによって数枚増える。
じゃあ、ここから始めよう。

4《島》

2《平地》

4《溢れ返る岸部》

4《沸騰する小湖》

2《乾燥台地》

3《Tundra》

2《Volcanic Island》

【奇跡】デッキの土地に求められる事は二つあって、1)マナを生み出し、2)ライブラリーをシャッフルする、ことなので、ここに《Karakas》と《アカデミーの廃墟》は入らない。
このアーキタイプの土地に関しては疑いようがなく、これ以上増えることもない。
僕がなぜ《Volcanis Island》を基本構造に組み入れたか疑問かもしれないけれど、これは僕が赤を足す事が必須だと考えているからだ。
赤に優る色は無く、三色目を足さないという事は選択肢にもならない。
なぜなら、赤を足さなければ、いくつかのマッチアップの様々な場面で重要な干渉手段を失うからだ。

次はデッキにとって必須な部分に進もう。
「奇跡」というのは非常に取り回しがし辛いメカニズムだ。
《終末》や《天使への願い》を手札に抱えたくはないし、必要無い時にライブラリーの上からめくれて欲しくも無い。
ではどうするか。

キャントリップだ。それも大量の。
そして、もちろん《師範の占い独楽》も。

僕はこれらのカードが10枚を下回ることは、もはや罪であるとすら思う。
四枚揃いの《師範の占い独楽》と《渦巻く知識》は固定で、問題は次の二枚が何であるべきかだ。
僕は《思案》をめちゃくちゃ支持するけれど、他にも選択肢はある。《予報》や《先触れ》、《定業》などだ。
とはいえ、それらには長所と短所があり、僕は《思案》こそが最高の一枚だと思う。
これら10枚のカードは【奇跡】デッキに必ず入れなければいけない。

4《師範の占い独楽》

4《渦巻く知識》

2《思案》

このデッキはゲームを終わらせるのが氷河の如く遅いので、僕たちを生き長らえさせてくれる重要な白いカードについても話そう。
これらの11枚のカードが成功している他の【奇跡】デッキにも通じていると思う。

4《剣を鍬に》

4《終末》

2《天使への願い》

1《議会の採決》

四枚ずつの《剣を鍬に》と《終末》は非常に優秀なので必須カードだ。
《終末》よりも優れた盤面除去は無く、《剣を鍬に》よりも上手く単一のクリーチャーを除去するカードは無い。
これらが四枚を下回るには確たる論拠が必要だと考えているけれど、おそらく四枚を下回る事自体が間違いだろう。
一方で、《議会の採決》は新しい一枚で、僕がこのカードについて考え終わった時には既にデッキに枠が出来ていた。
これは「生き長らえさせてくれる」という項目には必ずしも一致しないが、全てに対処可能だ。
僕は《名誉回復》が使える【Esper Stoneblade】を常々妬んでいたけれど、《議会の採決》が発表され、明らかに《名誉回復》よりも優れいていると分かった時から何もかも忘れてしまった。
《ウギンの目》は例外としても、《議会の採決》はかなり大部分のものを処理出来る。
《真の名の宿敵》、《ヴェールのリリアナ》、《森の知恵》。
決して軽くないマナコストには白マナが二つも入っているが、これを一枚メインデッキに入れるだけで既に戦場に出てしまったものに対して柔軟に対処できる機会を得た。
(初心者のために言っておくと、このカードがParisのリストに入っていないのは、このカードがその時点ではまだ刷られていなかったからだ)

この項の締めくくりとして、残りの青いカードについて見て行こう。
カード枚数も含めて、これらのカードは僕が最低限必要だと考え、必ずしも最適ではないと考えているものだ。

4《Force of Will》

3《精神を刻む者、ジェイス》

3《相殺》

2《対抗呪文》

2《瞬唱の魔道士》

四枚の《Force of Will》は説明不用で、三枚の《ジェイス》も同様だろう。
【奇跡】デッキの主なゲームプランが相手を完璧にロックしてしまうというもので無い点において、【奇跡】デッキは《相殺》デッキではない。
《相殺》は何枚かの呪文を打ち消してアドバンテージを作り出すもので、たまに【Storm】や【RUG Delver】のような1マナや2マナの呪文しか入っていないデッキに対してロックが発生する(この場合の《相殺》は非常に頼りになる)。
僕は三枚が最低枚数だと考えているけれど、四枚目を入れても良いだろう。

《対抗呪文》は最近のメタゲームでは過小評価されている一枚だ。
【奇跡】デッキのような長期戦に持ち込むデッキにおいては有用で、ほとんどのカードに対処できる。
しかし、《対抗呪文》を入れることは《瞬唱の魔道士》と密接に結びついている。
そして、多くの人々がこうしたコントロールデッキで《瞬唱の魔道士》を一枚も入れない、という事実を僕は知っている。

それは間違いだ。

《瞬唱の魔道士》はデッキに馬鹿げた効果をもたらす。
このカードの価値は、マッチ毎、ゲーム毎に変わっていく。
《瞬唱の魔道士》は望めば追加の除去を与える。
追加の打ち消しやキャントリップも。
それ以外にも、彼を単なるブロッカーとしてだったり、第3ターンに登場する2/1のアタッカーだったりとして使う事も可能で、それは【奇跡】デッキにとって非常に素早い動きになる。

これらの56枚は、個人的に【奇跡】デッキの最高の根幹たる部分だと考えているものだ。
どんな状況であれ、これらのカードがあなたを導いてくれる。
この核たる構築から逸脱することは可能だけれど、細心の注意を払って行う必要がある。
こうした変化は、これから僕が話す可能性の一つに基くものだが、もしもあなたがあなた自身の【奇跡】デッキを構築したいのなら、この詳細なデッキリストは出発点として最適だろう。


○分岐点

まず最初の分岐点は、GP Parisで僕が使用したリストからも自明だろう。
僕たちは残りの枠に《Karakas》と《ヴェンディリオン三人衆》、二枚の《呪文貫き》を入れる必要がある。
しかし、GPでプレイしたこのデッキから変化する要因がある。
《議会の採決》の登場だ。

《ヴェンディリオン三人衆》と《Karakas》は非常に強力なカードだが、長い目で見れば、いくらか力不足だと分かった。
StrasbourgとParisという二つのLegacyグランプリの間、僕はメインボードにこの二枚を入れていた。
どちらの大会でも両日、Parisでは決勝トーナメント中にも、僕は自分の《ヴェンディリオン三人衆》を戻して相手がドローするカードをある程度コントロールする、いわゆる「ヴェンディ-カラカス」ロックを決めることが出来た。
しかし悲しいかな、僕は既に《精神を刻む者、ジェイス》、《相殺》+《師範の占い独楽》を持っており、追加の妨害手段は無用の長物だった。
《ガドック・ティーグ》や《スレイベンの守護者、サリア》、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を戻したり、ということも無かった。
結果、この組み合わせは僕にとって全く必要なかった。
僕は《ヴェンディリオン三人衆》の強さは認めているからこそ、22番目の土地を《Karakas》にしていた。
多くの人も同様にしている事は知っているけれど、僕にはそれがそこまで信頼出来るものではないと感じている。
「相手が第1ターンに《実物提示教育》から《エムラクール》。あなたはそっと《Karakas》を出す」こんな場面が容易に思いつくだろう。
しかし、僕の経験からすると、《Karakas》だけでは勝てない。

僕の意見は経験に基づく可能性の一つだけれど、もし僕の言葉を考慮しないなら、残りの四枚は以下のようになる。

1《Karakas》

1《ヴェンディリオン三人衆》

2《呪文貫き》


あるいは、興味深い二つ目のやり方がある。
《赤霊破》(とその従兄弟の《紅蓮破》)はデッキに不可欠なパーツでありつつ、サイドボードにしか取られていない。
青という色はLegacyで最も支配的な色で、この赤色の脅威をメインボードに昇格させるのは有効な手段だ。
これは、ミラーマッチを想定する場合には重要な道標になる。
僕のGP Parisでの出来事を思い出してほしい。
僕が全てのアーキタイプを倒して、【奇跡】デッキに三回負けたのは純粋な例外なのだろうか?
そう、僕を倒した彼らは準備していたんだ。
ミラーマッチで1ゲーム早く《赤霊破》を使えるというのは、それだけで大きく有利になる。
たった赤1マナで、全てに対処できるのだから。

もしこれらをプレイしたいなら、それぞれ一枚ずつメインボードに入れる事を提案する。
ある人は、《赤霊破》が《秘密を掘り下げる者》を処理出来るからという理由で《剣を鍬に》の枚数を三枚に減らせると主張するかも知れないが、その手のデッキには青くない生物がたくさん居るので、僕としてはその案は勧められない。
22番目の土地に関しては、確実に三枚目の《Volcanic Island》にする。
僕は三枚目の《瞬唱の魔道士》を入れる事も提案する。
貴重な《赤霊破》をもう一度使えるようになることで、多大なアドバンテージを得られる。
二つ目の可能性を要約するとこうなる。

1《Volcanic Island》

1《赤霊破》

1《紅蓮破》

1《瞬唱の魔道士》

分岐点は更に多くあるが、僕が示したのは最も可用性のある選択肢たちだ。
そして三つめ、最後の分岐点は僕がこれから先しばらく最適な形になるのではないかと考えているものだ。
このリストはGPの影響を受けて使っているものだ。
僕のしたことは簡単で、デッキにもっと受けの広いカードを入れた。

2《思案》

1《瞬唱の魔道士》

1《相殺》

これによって現在のデッキになる。
この構築はParisでやりたかった事の、ほとんど次の段階と言える。
四積みの《思案》は凄まじく、僕の考えでは余りにも控え目に表現されている。
このおかげで土地が21枚でもプレイ出来る。
しかし、これが最小の数字でありながら、そこに含まれる土地は全てマナを生み出すか、ライブラリーをシャッフルするか、の二つのみで構成されているため、これが最適枚数であるとも言える。
ここに小ネタはない。ただただ必要なマナがそこにあるだけだ。
《思案》は序盤に《師範の占い独楽》が無かったり、壊されたりといったケースの保険にもなり、「奇跡」を遅らせたり、いらないカードはシャッフルしてしまえたりする。
これによってドローの質が向上し、【ANT】や【Omni-Tell】のようなコンボデッキ以外では噛み合わなかった12枚のキャントリップのおかげで、初手キープ率も上昇する。
この馬鹿げた枚数のカードはあなたがいつでも何かを出来る事を保障する。
僕の最新のリストでは、《呪文貫き》等の干渉カードを入れていないため、ゲーム中における「ドローゴー」の側面を弱めてしまっているが、そこは四枚目の《相殺》を入れる事で補っている。
これは、大量のキャントリップを入れた他のデッキと同様で、特定のカードを何枚もプレイ出来ないという欠点を持つが、キャントリップによってより信頼性の高いカードを探してこられるのは、それに優る利点だ。

既に機能していた《瞬唱の魔道士》と《相殺》を追加することで、このコンセプトはかなり上手く仕上がり、ひいてはパターンにハメる機会も多くなる。
あなたは必要な時に一枚挿しの《議会の採決》を見つける事が難しいと感じるかも知れない。
しかし、実際にはこの大量のキャントリップによって、簡単に見つける事が出来る。

考慮すべき分岐がいくつもあるが、僕が上記に示した分岐が今後最も上手くやれると信じている。
そうは言っても、これはあなたの考える可能性を邪魔するものじゃないんだけどね!


○「奇跡」を起こす

ようやく、多くの人が期待している部分までやってきた。
そう、新しいデッキリストだ。
考えを組み込み、サイドボーディングのやり方を含んだ新しいデッキリスト(もちろんガッチガチなものではない)。
僕の説明した核と、上記最後の可能性をなぞり、少しだけサイドボードも改善して、以下のリストこそ、現在の【奇跡】デッキの目指す方向だと考えている。

// Lands
4 [B] Island (3)
2 [B] Plains (2)
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
3 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
4 [M12] Ponder
1 [CNS] Council’s Judgment

// Sideboard
SB: 2 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [FD] Engineered Explosives
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 1 [TE] Disenchant
SB: 1 [JOU] Keranos, God of Storms
SB: 1 [CNS] Council’s Judgment


【奇跡】デッキの戦略的側面の全てを説明するには紙幅が足りないので、今回も手短に、Legacyで最もプレイされ、最も強いデッキたちと向かい合った時に知っておくべき事について話そう。

どこから始めるべきかな?

おそらく、最も圧倒的で、最も成功を収めているアーキタイプというと、競技向けの三つの異なるデッキという事になる。
はっきり言うと、《秘密を掘り下げる者》絡みの3タイプだ。
【RUG】、【BUG】、そして【UWR】の三つ。
サイドボードプランを検討する時に、これら三つをまとめて語る事は出来ないが、この種のデッキと対戦する時の基本戦略に関して話す際には、多少OKだと思っている。
Magicというゲームをする上で、まず最初に決めるべき事は、マッチアップした時、及びゲーム中に自分がどんな役割なのかを決める事だ。
幸いな事に、今回はその必要は無い。私たちはコントロールデッキで、対戦相手は《秘密を掘り下げる者》デッキなのだから。

このデッキタイプは三種類とも、どうにかして早期のクロックと軽い妨害手段を叩きつけようとしてくる。
【RUG Delver】は最も早くゲームを終わらせる事に長け、【BUG Delver】は《ヴェールのリリアナ》といった終盤戦でも有用なカードが入っている。
一方で【UWR】は序盤の勢いを犠牲にして、《真の名の宿敵》、《石鍛冶の神秘家》+《殴打頭蓋》などで終盤戦に強くしている。
【奇跡】デッキは終盤戦に強いデッキなので、《秘密を掘り下げる者》デッキからすれば、終盤戦までもつれ込むのは明らかに分の悪い賭けになる。

こちらの主目的は、第一に、《目くらまし》や《不毛の大地》、更にデッキ固有の妨害手段(《もみ消し》や《Hymn to Tourach》等々)の後ろ盾を得た《秘密を掘り下げる者》の猛攻に陥落しないことだ。
これを生き残るために、【奇跡】デッキ使用者として鍵となる側面の一つを実戦する必要がある。
忍耐だ。
《秘密を掘り下げる者》が着地したからと言って、すぐに《剣を鍬に》を使ってはいけない。
どうせ《目くらまし》を合わされ、《不毛の大地》の追撃によってケツの毛までむしり取られる。
【奇跡】デッキを適切にプレイする強さというのは、仕掛けるための瞬間を見極められるかどうかだ。
言わせてもらえば、こうした1ターン目というのは稀だ。
こちらは、除去呪文を安全に解決させることでゲームを安定させようとする。
そしてその間に、次への対抗策も準備していく。
まず最初の優先事項はマナベースを機能させることで、基本の土地が望ましいが、当然のことながらデッキをきちんと機能させるために《Tundra》や《Volcanic Island》を探してくることもある。
相手のカウンター群に必要以上にやられない様に気を付けながらも、マナベースの発展を邪魔されすぎないようにする必要もある。
時には、わざとソフトカウンターを使わせて、トップから【奇跡】の力で勝ってしまうのが正しい場合もある。
しかし、基本的には耐え忍んで、上手くいくことが分かっている時に動くべきだ。

上記の様に、もしも手札が許すなら相手のカウンターに恐れず呪文を使っていく。
相手のカウンターを誘いだすための呪文の量や、《突然の衰微》の有無によって《相殺》の重要性は変わってくる。
これらは基本的に多くの要因に依存していて、相手とのハンド差や、場にある土地の量、追加で置ける土地や手札の状態などだ。

【RUG Delver】は【奇跡】デッキと戦う点において、三種類の中で間違いなく最高の物だ。
フェッチランドや「奇跡」の誘発の他に、効果的な場面で《もみ消し》が刺さる。
《もみ消し》と「被覆」持ちの《敏捷なマングース》の存在は、他の【Delver】デッキとの差だ。
【RUG Delver】は妨害と軽いクリーチャーの密度が高く、速度もあるため、僕はサイドボーディング後に勝ち手段を最小にすることにしている。
《天使への願い》と《ジェイス》の両方とも、高いマナコストに対して効果が薄いので、第1ゲーム後にスペースを空ける理由になる。
それ以外には、《Force of Will》に目を向けたい。
土地が無くとも相手に干渉出来る手段ではあるが、これは《秘密を掘り下げる者》を基軸にしたテンポデッキに対しては非常に悪手となる。
相手の手札一枚に対してこちらの手札を二枚使いたくないからだ。
更に、《ジェイス》を除いて《Force of Will》のピッチコストに充てたい青いカードが無いことも挙げられる。

上記の様に、ただ真似すれば良いような厳密なサイドボードプランは与えられないけれど、完璧なサイドボーディングをするための手助けとして一般的なプランを教えよう。

直近のリストでは《山》が入っていないため、【RUG Delver】に対して《赤霊破》を入れようと思わない。結果、考慮に値するのは以下だ。

2《安らかなる眠り》

2《仕組まれた爆薬》

1《議会の採決》

2《狼狽の嵐》

2《ヴェンディリオン三人衆》

これらのそれぞれが、除去や、妨害や、その両方になっている。
《狼狽の嵐》はこのマッチアップでは素晴らしく、《もみ消し》から貴重なフェッチランドを守れるという点が偉い。
これらの9枚は本当に入れる価値があるが、何を抜けばいいのか。
以下がサイドアウト候補になる。

4《Force of Will》

3《精神を刻む者、ジェイス》

2《天使への願い》

2《対抗呪文》

さて、《Force of Will》は欲しいものではなく、高マナ域の勝利手段も同様だ。
一方で《対抗呪文》は有用なカードだが、見たところ【RUG Delver】に対してはそこまで良くない。
僕はこれら全部がサイドアウトで構わないが、この内の二枚ないし三枚は残すことになる。その場合、僕はサイドインしていないが、《赤霊破》を取りたくなる事もある。

僕は勝ち手段を全て抜けと言っているわけではない。
上述したように、自分にとって最適なサイドプランを見つけて欲しいのだけれど、少しだけその手助けをしよう。
《渦巻く知識》能力が最も強いと言われる《ジェイス》が、《稲妻》デッキに非常に弱いというのは定説だ。
しかしその反面、《ジェイス》はカードアドバンテージを与えてくれる唯一のカードでもある。(《相殺》を除いて)
そしてこのマッチアップでは勝利手段としても機能する。
《天使への願い》は《ジェイス》以上に機能させ辛く、相手のカウンターにもひっかかりやすい。
しかし、これはゲームに勝つだけでは無く、除去としても機能するブロッカー兼勝利手段でもある。要約するとこうだ。

-《精神を刻む者、ジェイス》
 《天使》に比べてマナコストは安いものの、除去に弱く、《天使》よりも勝つまで時間がかかる。
 カードアドバンテージを稼げる点は長所。

-《天使への願い》
 ハイリスク/ハイリターンカードで、手札に「奇跡」カードが溜まる危険があるものの、「じゃあ、たった今出てきた天使三体であなたの《敏捷なマングース》をブロック」という屈辱を与える事も出来る。

どの勝ち手段をサイドアウトするかはあなたの決定次第で、それはあなたのプレイスタイルやゲームでの活躍にもよるだろう。こんな感じでインアウトする。

-4《Force of Will》

-2《対抗呪文》

-3勝利手段

+2《安らかなる眠り》

+2《狼狽の嵐》

+2《仕組まれた爆薬》

+2《ヴェンディリオン三人衆》

+1《議会の採決》


【BUG Delver】と対峙した場合、彼らの妨害手段の性質によって相性が変わってくる。
もしも彼らの妨害が土地や呪文を狙うよりも、パーマネントや手札を狙ってくるものだった場合、このマッチアップはいくらか楽になる。
というのも、こちらの爆弾カードは解決しやすく、《師範の占い独楽》がハンデス戦略に対してのカウンターとなるからだ。
また、彼らのクリーチャーは【RUG Delver】の物と比べると楽に対処できる。

ここまで読んで、「【RUG Delver】の方が【BUG Delver】より強いんじゃない?」と思ったかも知れない。
残念ながら、それは間違いで、【Team America】は《突然の衰微》を手に入れた事で、こちらの妨害手段であり勝利手段でもある《相殺》への対抗策を手に入れた。
加えて、彼らはこちらが対処し辛い《森の知恵》や《ヴェールのリリアナ》といったパーマネントを擁している。
【奇跡】が取るゲームプランは初めから一貫していなければいけないのだけれど(最初の妨害の嵐をかいくぐる)、ゲームの安定を得る代わりに、楽に勝てそうな瞬間が訪れたのなら、迅速に勝ちに行くプランに変更すべきだ。
爆弾カードを着地させられるならば、速やかに着地させるべきで、何が定着しても相手にとっては効き目がある。
彼らには解決してしまった《天使への願い》への対抗策が無く、《ジェイス》でさえも【BUG Delver】がテンポ志向のデッキと考えられる以上は効果がある。
彼らのクリーチャーの全ては《ジェイス》によってバウンスされ、《ジェイス》が自分自身を守れる事も非常に良い。
《稲妻》も《赤霊破》も無いため、長く定着すれば《ジェイス》だけでゲームに勝ててしまう。

このマッチアップでサイドインしたいカードは対【RUG Delver】戦とよく似ている。
例え、【RUG Delver】の時とはプレイしたいカードが違うとしてもだ。
一見して、あなたは15枚全てをサイドインしたいと思うかもしれない。
しかし【RUG Delver】の時にも言ったように、《不毛の大地》を避けるための《山》を入れていないリストで《赤霊破》は良い選択肢ではない。
《死儀礼のシャーマン》と《タルモゴイフ》を擁する【BUG Delver】に対して《安らかなる眠り》は効果があるものの、後述する理由から、《安らかなる眠り》はサイドインしない。

初めに、このマッチアップに勝つために多くの爆弾カードを残す必要がある。
次に、《相殺》は最高のツールではない。
【BUG Delver】がマナ域を上げる事で、《相殺》の信頼性は下がり、《突然の衰微》の存在や、サイド後に《ゴルガリの魔除け》が入ってくることもその要因だ。
これにより、《相殺》を残すのは非常に悪い考えで、同様に《安らかなる眠り》も価値が無い。自分と相手の両方に効果のある《トーモッドの墓所》でしかなく、それは求める効果では無い。
三枚目の《対抗呪文》もまた必要ない。二枚で十分だからだ。
サイドインするのは以下のカードたち。。

2《仕組まれた爆薬》

2《狼狽の嵐》

2《ヴェンディリオン三人衆》

1《解呪》

1《議会の採決》

1《嵐の神、ケラノス》

こちらの初動を彼らのハンデスから守るために《狼狽の嵐》を入れている。
【RUG Delver】に対して程は良くはないが、それでも効き目はある。
何をサイドアウトするかは、先に言った通りだ。

4《Force of Will》

4《相殺》

1あなたが抜きたいカード

九番目のカードに何を抜くかは本当に難しい問題だ。
この問題を解消するために、《狼狽の嵐》を一枚だけサイドインするというのも考えられるが、一枚だけ入れることが良いとは思えない。
もし九番目を抜かないまま進めるなら、二枚の《狼狽の嵐》の代わりに三枚目の《対抗呪文》をサイドインするかも知れない。

あるいは《ジェイス》を一枚削る事が出来る。
このマッチアップで非常に有効な一枚だけれど、4マナというコストだからだ。
また、ゲーム終盤に勝利手段となる五枚の内の一枚を見つけることは容易く、明らかに《嵐の神、ケラノス》は選び抜かれた勝利手段だと言える。

最後の選択肢は、《解呪》を入れない事で、これは非常に悪い案だが、《議会の採決》が加わった事で、これが最良の方法かも知れない。
あるいは、《ヴェンディリオン三人衆》を全く入れず、《対抗呪文》をサイドインすることで、何を抜けば良いか頭を悩ませなくて済む方法もある。
以前僕自身が提唱していたように、これは相手の《ゴルガリの魔除け》に対する過剰反応かも知れない。

依然としてこのマッチアップは【RUG Delver】よりは明らかに楽だ。
こちらのサイドカードへの対策を、【BUG Delver】側が全て入れたとしても、それらをまとめきれない場合があり、それは入っているカードの質の問題だ。

最後の【Delver】デッキは最も楽な相手だ。
【UWR Delver】は【奇跡】デッキ側の脅威に対処する術がほとんど無く、なので僕は手短に話す事にする。
中~終盤での【奇跡】デッキの動きに付いてこようとする反面、序盤の脅威が欠落している。
両者のデッキカラーが青白赤で同じだとしても、【UWR Delver】が終盤戦の【奇跡】デッキと戦える可能性が0%なのは明らかだ。
彼らの脅威は全て《終末》や、《仕組まれた爆薬》、《議会の採決》といった追加の除去で対処されてしまい、彼らには秘策が存在しない。
何をサイドインするか見てみよう。

2《仕組まれた爆薬》

1《対抗呪文》

1《解呪》

2《ヴェンディリオン三人衆》

1《議会の採決》

1《紅蓮破》

《真の名の宿敵》に当てるために数枚の《赤霊破》をサイドインする唯一の【Delver】デッキだけれど、博打を打たずに万全を期すためにサイドインしなくても構わない。
それ以外の全てのカードは、上述の特徴を共有している。
こちらは最大限に爆弾カードを欲していて、それは【UWR Delver】のマナ否定戦術が最も弱いからだ。
《稲妻》で殺されず、後引きの《赤霊破》で壊されないという理由から、三枚目の《ジェイス》を《ケラノス》に変えるのもありだ。
この辺はあなたのプレイスタイル次第なので、サイドボードから最適な八枚を見つけることは難しい。
サイドアウトはこんな感じになる。

4《Force of Will》

4《相殺》

しかし、僕は別のやり方も考えていて、それは【UWR Delver】に対して効果のあるロック・パターンで行く方法だ。
その場合はこんな風になる。

2《仕組まれた爆薬》

1《解呪》

2《ヴェンディリオン三人衆》

1《議会の採決》

そしてこれらをサイドアウトする。

4《Force of Will》

1《対抗呪文》

1《ジェイス》

どちらのやり方にもそれぞれ効果がある。
このマッチアップをあなたがどうしたいか次第だ。
特にこの【UWR Delver】に対しては、多数の異なる戦い方があり、こちらが用意するものへの対処が不十分なために、どっちみち勝利してしまう。
こういった要素から、あなた独自のサイドプランであっても、このマッチアップでは高い勝率を得られるだろう。


そろそろお別れの時間だ。でも心配しないで!
置き去りにはしないよ、Legacyについて僕のすべき事を成すつもりだ。
来週、対コンボデッキと、ミラーマッチについて話すために少なくとも一つ以上の記事を書き上げて戻ってくるよ!


記事
http://www.starcitygames.com/article/29085_The-Miracles-Primer--Part-1.html


The Miracles Primer:Part 2(奇跡デッキ入門その2)

Philipp Schonegger

2014/08/14


先週は、色々と異なる種類の【奇跡】デッキを紹介するとともにLegacyの各種【Delver】デッキへの対策も紹介したね。
今週はLegacyのコンボデッキ対策と、ミラーマッチに関して話そうと思う。
まずはデッキリストからだ。

// Lands
4 [B] Island (3)
2 [B] Plains (2)
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
3 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
4 [M12] Ponder
1 [CNS] Council’s Judgment

// Sideboard
SB: 2 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [FD] Engineered Explosives
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 1 [TE] Disenchant
SB: 1 [JOU] Keranos, God of Storms
SB: 1 [CNS] Council’s Judgment


Legacyには、人気のあるコンボデッキが二つ存在する。
一つは《実物提示教育/Show and Tell》を軸にしたもので、
もう一つは「ストーム」を軸にしたものだ。
この二つはあらゆる面でかなり異なっている。
前者は訓練された猿(侮辱の意味はないよ!)でも簡単に扱えるが、後者は熟練のプレイヤーでさえ失敗することがある。

じゃあ、まずは簡単な方から見て行こうか。
あなたの対戦相手が《実物提示教育》を軸にしたデッキだった場合、その試合は戦略性というものを喪失してしまう。
あなたがすべき事はとても簡単だ。相手のズルいカードを打ち消して、効率良く動くだけ。
そう、ここに関しては先週の【Delver】についての長文で論じている。
しかし、もう少し付け加えよう。

あなたのゲームプランは相手の行動に付き合うものになる。
ゲームを破壊してしまう呪文の解決を妨げ、もしもそれが解決してしまった場合には、《終末》の準備をする必要がある。
このマッチアップでは、全くと言って良い程に役立たずなカードがデッキの中に多数あるため、とにかくキャントリップしてデッキを掘る事が大切だ。
《相殺》ロックを決める事はかなり難しいが、時間があれば無理というわけではない。
サイド方針もとても簡単だ。
入っている妨害要素は全部サイドインし、除去を全部サイドアウトする。
以下のようになる。

in

2《赤霊破》

1《紅蓮破》

2《狼狽の嵐》

2《ヴェンディリオン三人衆》

1《議会の採決》

1《対抗呪文》

サイドインする九枚中、八枚の枠を空けるのはとても楽だが、最後の一枚で何を抜くかはあなた次第だ。
《真髄の針》や《防御の光網》対策としての二枚目の《議会の採決》をサイドインしない案もあるが、これは《騙し討ち》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》を排除する場合もある。
僕は勝ち手段を一枚削ることを提案する。
《天使への願い》を削るのがオススメだが、《精神を刻む者、ジェイス》でも変わらない。

Out

4《剣を鍬に》

4《終末》

1《天使への願い》

悲しい事に、このマッチアップは他のマッチアップ程には両者のプレイスキルが必要ない。
様々な要因は些細な事で、ほとんどは初手の7枚に何があるかという事で決まる。
サイド前は正直厳しく、相手のマスカンを前にして叩きのめされる事の方が多いだろう。
サイド後は、確実に有利になる。
続く2ゲームを勝たせるための大量の妨害手段が入るからだ。
とは言え、残りの2ゲームが有利になったとしても、その両方に勝たなければいけない。
しかも、相手の手札が強かったりすると、勝つ事は容易ではなくなる。
コントロールデッキが対処出来ない程多くのカードを擁するデッキは《実物提示教育》デッキをおいて他になく、余計に魅力的に見せている。


今度はより興味深いコンボデッキ【Storm】についてだ。
【Storm】には二つの種類があり、それは【TES】(The Epic Storm)と【ANT】(Ad Nauseam Tendrils)だ。
【The Epic Storm】の方が基本的に速く、【ANT】は比較的に遅い方だ。
しかし注意すべきは、ここで言う「遅い」はあてにならない言葉で、実際に遅いというわけではない。
これらのデッキは早ければ第1ターンにこちらを殺しに来るが、【ANT】は中盤~終盤においても強い。
対して【TES】は出来るだけ早く殺しにかかるのが常だ。
彼らのデッキには第1ターンから動く理由になる《巣穴からの総出》がメインに積まれているが、これは《終末》を四積みしたデッキ相手に選びたいルートでは無い。

この二つには明確な違いがあるものの、第1ゲームでのこちらのゲームプランはとても単純だ。
《相殺》を見つけ次第、叩きつける。これ。
僕の【奇跡】デッキは普通の【奇跡】デッキと違って、《渦巻く知識》、《師範の占い独楽》、《思案》、そして《相殺》が四枚ずつ積まれているため、対コンボへの備えがある。
この愛すべきエンチャントが無ければ、いかに《師範の占い独楽》でライブラリーの上に《Force of Will》を待機させていようとも、勝利するのは難しい。
更に、一般的にこの方法は【ANT】に対しては有効だが、【The Epic Storm】は《沈黙》を取っている事もあって上手くいかない。

この【Storm】デッキ二種は何らかの妨害と面倒なクリーチャーをサイドボードに用意している。
【TES】の《ザンディッドの大群》や、【ANT】の《若き紅蓮術士》が予想するだろうが、【Storm】プレイヤーが《闇の腹心》を入れて来ても驚いてはいけない。
これらはサイド後に除去をデッキに残しておく理由になるが、どちらの除去を残すかは難問だ。
《剣を鋤に》は《ザンディッドの大群》や《闇の腹心》に対しては非常に有効だが、《若き紅蓮術士》や《燃え立つ願い》経由の《巣穴からの総出》に対してはヒドい。
《若き紅蓮術士》を恐れないなら、《剣を鋤に》を残しておいた方が有効な場面があるし、僕の考えでは、そこまで《若き紅蓮術士》を恐れなくて良い。
なので、ANT相手には《剣を鋤に》を残し、TES相手には《終末》を残す。
上記の理由から、二通りのサイドボーディングがあるが、除去手段を変えているのが分かるだろう。

Out vs 【ANT】

4《終末》

2《天使への願い》

1《剣を鋤に》

1《議会の採決》

1《ジェイス》


In vs 【ANT】

1《対抗呪文》

2《狼狽の嵐》

2《安らかなる眠り》

2《仕組まれた爆薬》

2《ヴェンディリオン三人衆》


Out vs 【TES】

4《剣を鋤に》

1《終末》

1《天使への願い》

1《ジェイス》


In vs 【TES】

1《対抗呪文》

2《狼狽の嵐》

2《仕組まれた爆薬》

2《ヴェンディリオン三人衆》


【Storm】とのマッチアップというのは、互いに何をすればいいのかを理解した上で、どうにかチャンスをものにしようと画策し、サイドボーディングに悩み、ブラフを多用する。
両者にとって大いに楽しいマッチアップとなる。
特に【TES】の様な【Storm】デッキがどれほど速いかということに注意しなければいけないけれど、長期戦に持ち込む【ANT】の力を過小評価してもいけない。
というのも、【ANT】には《陰謀団の儀式》の様な強力な「儀式」カードと《炎の中の過去》のコンボによって終盤戦のこちらに付いてくる事が出来るからだ。(そのために僕は《安らかなる眠り》をサイドインしている)

このマッチアップに影響するもう一つの重要な要因は、マナコストの重さだ。
このマッチアップの起点となるターンは最序盤に訪れ、出来るだけ早く干渉する事が非常に重要となる。
この原則は最序盤のみならず、中盤戦にも言える。
つまり、出来るだけ干渉するための呪文のマナコストを下げる事が重要だ。
しかし、これは既にデッキ構築の項でだいたいやっているね。

例えば、《ヴェンディリオン三人衆》の効果は《Force of Will》の餌に出来る《硫黄の精霊》というだけでなく、【UWR Delver】に常に欠けている類の妨害手段でもある。つまり手札破壊だ。
多くの人が《ヴェンディリオン三人衆》の事を「瞬速の付いた《強迫》だ」と呼ぶけれど、同時に良くも悪くもある。
これはとても明白で、《ヴェンディリオン三人衆》は相手のカードを循環させるだけで、時にはライブラリーの底に送ったカードと同じくらい良いカードを引かせるかも知れないし、そうじゃない時ももちろんある。
この効果を単純な運によって容易に否定されないようにするため、様々なキャントリップ手段によってこの効果を上手く利用する。
相手のドローステップにタップアウトで《ヴェンディリオン三人衆》を出し、たった一枚の《冥府の教示者》をはぎ取ったが、結局もう一枚を引かれて、手札のカウンターを眺めながら死んでしまう事を経験することで、《ヴェンディリオン三人衆》の価値のブレ幅に気付ける。
とは言っても、このマッチアップでの《ヴェンディリオン三人衆》は驚異的で、忍耐強くプレイしている状況で勝利までの道筋を逆算するために非常に重要だ。
これはつまり、第3ターンの相手のドロー後にこれを叩きつける、という事では無い。

焦ってはいけないんだ。

忍耐、というのは多くのマッチアップでとても価値のある資質で、このマッチアップでは特に重要なものとなる。
誤った場面でタップアウトすれば、それは悲惨で残酷な敗北へと繋がってしまう。
対【Storm】のようなマッチアップでは、少ないターン中に膨大かつ大事な決定をしがちだ。
これは一般的な【奇跡】デッキのプレイスタイルからすると多いが、何ターンにもまたがって判断をし続けるのに比べれば、それほど骨の折れる作業でもないだろう。

もしも僕が提示したデッキを使わないのなら、このマッチアップでは22番目の土地を削る(あなたが22枚の土地を入れていると想定して)。
もっと土地の多いデッキを使っていた時は、僕は二枚目の《平地》を削っていたし、この事を情報共有したいと思っていた。
例え、最近の僕のリストとこの話が全く関係していないとしてもね。
そして僕がそうしているとして、このマッチアップにおけるマナの重要性について少しも話さない理由があるだろうか?
毎ターンマナを使い切りたいのに、防御のためにタップアウトしてはいけないという事が、このマッチアップの歪みになる。
もしModernの【UWRコントロール】の様な構築ならば、これは問題ではなかったのだけれど。
(一般論に反して)【奇跡】デッキは「ドローゴー」デッキではない。少なくとも純粋な意味では。

《思案》、《師範の占い独楽》、そして《相殺》といったカードはこのマッチアップで非常に重要だが、どれもがソーサリータイミングなので、プレイが難しくもある。
これらのカードをプレイする際には、いつもより考えるべきだ。


最後に触れたいマッチアップはとてもとても重要なマッチアップだ。
もしもミラーマッチへの備えがないのなら、環境全体へ有利だとは言えない。
先週話したいくつかの可能性はミラーマッチで有利になるものだが、最近僕が使っているリストは他のバージョンの【奇跡】デッキに対してベストな選択肢というわけではない。
なぜなら、より均一に《相殺》を見つけ出すために、スタック上での干渉手段を犠牲にしているからだ(《呪文貫き》と《ヴェンディリオン三人衆》が無い)。
しかし、ミラーマッチでのサイド前はデッキの大半を占める白いカードを避けるゲームになるので、僕の【奇跡】デッキはその点でとても優れていると信じている。
相手がデッキの半分を掘り進めている限り、競合することは出来ないが、対戦相手がゲームに勝利するよりも先に四枚の《思案》と四枚の《相殺》によってロックが完成してしまうことが往々にしてある。

こうしたミラーマッチは、七枚の初手がほぼ全てのものに干渉する様な僕の好み(の構築)によって大なり小なり変わってくる。
もしも除去の多い手札をキープして、対戦相手が《師範の占い独楽》を置いたなら、あなたは一巻の終わりだ。

ミラーマッチ対策は基本的なものが二通りある。
まず一つ目のやり方は、カードアドバンテージを稼ぐ事が期待できる《相殺》を巡っての攻防。
そしてこれは、無駄なカードの多いこのマッチアップで心底必要な一枚だ。
同時にこれは問題も抱えており、それは《天使への願い》を《相殺》では打ち消せないという事だ。
もう一つのやり方は、ある時点で《相殺》を置きながら、《精神を刻む者、ジェイス》を解決することだ。
しかし、相手のプレインズウォーカーを打ち消しながら、こちらのプレインズウォーカーを見つけて適切なタイミングでプレイするというのは、難しい。

サイドボーディングに話を移そう。
とても簡単だ。無価値な白い呪文を抜き、青と赤のカードを入れる。
とは言え、異なるアプローチがあり、見た目ほどには簡単ではない。

Out

4《剣を鋤に》

4《終末》

2《天使への願い》

1《議会の採決》


In

2《赤霊破》

1《紅蓮破》

1《対抗呪文》

2《仕組まれた爆薬》

2《ヴェンディリオン三人衆》

1《嵐の神、ケラノス》

2《狼狽の嵐》

このプランはスタック上で全てと戦おうというもので、《相殺》と《天使への願い》の天使トークンへの対抗策は《仕組まれた爆薬》二枚しかない。
文字通り、白いカードはデッキに無く、役立つカードしか引けない状態にしている。

二つ目は少し異なり、努力も虚しく場に出てしまったパーマネントの対処に焦点を当てている。

Out

4《剣を鋤に》

4《終末》

2《天使への願い》


In

2《赤霊破》

1《紅蓮破》

1《対抗呪文》

2《ヴェンディリオン三人衆》

2《仕組まれた爆薬》

1《嵐の神、ケラノス》

1《議会の採決》

このパターンだと解決済みの置物への対抗策が少なくとも四枚あり、二枚は《仕組まれた爆薬》で、もう二枚は《議会の採決》か、《議会の採決》と《解呪》が一枚ずつになる。

このプランは二つとも白いカードが必要ないというものだ。
目立つのはサイド後に《天使への願い》が無いということで、これにはあなたも賛同しかねるかもしれない。
低い土地枚数であることの利点を活かすミラーマッチにおいて《天使への願い》を仕掛けることは難しく、信頼にたるカードでもないので抜くことを僕は強く主張したい。
このマッチでは、より迅速に効果の出るカードを引く事が鍵になる。
それは、相手の手札に溜まりがちなハードカウンターや、追加マナ系のカウンターによって打ち消されがちな「はい、勝ちました」カードでは無いということだ。

とは言え、《天使への願い》をサイド後に残す利点も知っている。
もうゲームに勝てない様な状況からの一発逆転が可能なのは大きな利点だが、その分の代償は大きい。
僕はベテランプレイヤー相手に《仕組まれた爆薬》をX=0で先置きされて負けた試合がかなりあって、デッキにダメなカードを残さないようになった。
しかしもっと重要なことは、酷い失敗を繰り返した結果、《天使への願い》を抜くようになったことだ。
もちろん、ラッキーな対戦相手が土壇場で一枚挿しの《天使への願い》を見つけ出すこともあるだろうけど、それで負けても僕は気にしない。
それもゲームの一部だし、余り気にし過ぎてはいけない。

サイド後にも上記で示した通りサイド前と同じ原則が当てはまるが、サイド後は特にそうだ。
あなたがプレイを急ぐ理由は少しもない。
耐え忍び、対戦相手が最初の取っ掛かりを作ってくれることを待ち望む。
更に言えば、こちらには切り札の《嵐の神、ケラノス》がいる。これは一旦解決して場に出てしまえば、《天使への願い》以外では打ち負かされなくなる(しかし相手のデッキには《天使》が入っていない)。
ミラーマッチでの別の大きな要因は、「瞬速」持ちクリーチャーで、《ジェイス》に圧力をかける意味で非常に大切だ。
《思案》の代わりに《瞬唱の魔道士》で《赤霊破》を投げつけたいだろう?

《師範の占い独楽》を打ち消す事は重要であり、不必要でもある。
序盤に《師範の占い独楽》への対抗策があるならそうすべきだが、《Force of Will》を使ってまで打ち消す必要はない。
例えこのカードが【奇跡】デッキにとって重要であろうとも、手札に何も抱えず相手の第4ターンに出て来る《精神を刻む者、ジェイス》によって死ぬ危険性を考慮した方が良い。

そして、負けるのを長引かせる必要は無い。
これはミラーマッチでは非常に重要なことで、なぜならこのマッチアップがかなり時間を食うからだ。
このゲームに勝てるかも知れない一枚のカードを探すために追加の10分を浪費してはいけない。
すぐに投了し、次のゲームに切り替えれば、マッチを終わらせるのに十分な時間を得られる。

ミラーマッチはとても楽しい。
例えサイド前のゲームに無駄なカードが多くとも、サイド後は完璧な形になる。
これは【Storm】戦とよく似ている。
耐え忍び、正しいタイミングでキャントリップし、同時に正しくライブラリートップを積み込み、それらを全てある程度の速度を維持したまま行う。そういうゲームになる。
一度やってみれば、病み付きになるよ!

もしくは大っ嫌いになるかもね。

記事
http://www.starcitygames.com/article/29138_Miracles-Primer--Part-2.html


The Miracles Primer:Part 3(奇跡デッキ入門その3)

Philipp Schonegger

2014/08/21


過去二つのコラムを見てもらえれば、どうやって【Miracles】デッキでLegacyの速いデッキ(【Delver】デッキとコンボデッキ)や遅いデッキ(ミラーマッチ)と戦うかが分かってもらえたと思う。
けれど、まだ一つ話してないことがある。その中間に属するデッキとの戦い方だ。
なので、多くの人々が【Shardless BUG】や【Stoneblade】系列との戦い方を訊ねてきた。
今日はそのへんについて話すことにしよう。

しかし本題に移る前に、いくつかの単語を定義付ける方が良いかもしれないね。
《死儀礼のシャーマン》を中心に据えたデッキについて話す時、しばしば「Midrange」という言葉を耳にするだろう。
これにはどんなデッキが含まれているのだろう。
この単語はちゃんと定着しているのだろうか。
この単語を使う人の数だけ、この単語の定義があるのだと僕は真っ先に気付いた。
しかし、ここでは僕の定義を話そう。

まずは言語の観点から見ていこう。
「Midrange」は中盤戦に重きを置いたデッキだと言い換えられる。
ここまでは多くの人から賛同を得られると思うけれど、どこからが中盤戦なのだろうか。どこに序盤戦の終わりがあるのか。そしてどこからが終盤戦になるのか。
実際これは難しい質問だが、僕はこう答えたい。
序盤戦がいつ終わるかという定義は、中盤戦と呼ばれるものに移行する時点だ、と。

では、序盤戦とは何か。
もしそう問われたら、それは、ゲームの開始時から、そのフォーマットとデッキの起点となるターンまでの事だ。
どのフォーマットにも起点となるターンがあり、どのデッキにも固有の起点がある。
起点となるターンとは、「何かが起こる」ターンということだ。
それは、コンボデッキならば動き出すターンということでもある。
相手が【Delver】デッキならば、攻撃しながらこちらの展開を阻害することの出来るターンだ。
コントロールデッキならば、最初の動きを終え、盤面掌握に動き出したターンだ。
デッキごとに起点となるターンが違うとは言え、現在のLegacyで起点となるターンを設定するのは容易だと思う。

Legacy未経験者はこのフォーマットが、ほとんど1ターンで殺されてしまうような、Vintageの親戚のようなものだと考えている(これはVintageでさえ滅多に起こらず、Legacyは言うまでもない)。
こうした瞬殺が容易に可能なデッキがあるとしても、Legacyでは非常に珍しい。
【The Epic Storm】や【Ad Nauseam Tendrils】と言った【Storm】デッキは1ターン目での瞬殺が可能だが、大抵2ターン目に仕掛ける方が好まれる。
場合によっては、万事上手くいくことを確認するために《苦悶の触手》を使うのを3ターン目に遅らせることもある。
《実物提示教育》デッキもまた1ターン目にコンボを成立させる事が可能だが、万全を期して2~3ターン目まで待ち、カウンターのバックアップでコンボを決める。
【Elves】は1ターン目にコンボを決める事は出来ないが、多少の妨害があっても戦闘をこなしながら3ターン目にコンボも決められるデッキの代表格と言える。

典型的な【Delver】デッキは初手で引けていれば1ターン目に攻め手を送り込む。
もし持っていなければ、2ターン目に攻め手を出す事に期待して1ターン目はドローソースを使う。
そして相手を殴りつけながら2~3ターン目に動き出す。
同様にコントロールデッキは既に《師範の占い独楽》と《相殺》を設置しているかも知れないし、初動を《剣を鋤に》で捌いたり、《思考囲い》によって最高のカードをはぎ取ったりしているかも知れない。

最近のLegacyでの起点となるターンは見たところ2ターン目と3ターン目の間にある。
それより早いとか遅いという意見もあるとは思うが、例として今回はその二つのターンを「起点」として話していく。
それでは、序盤戦が2ターン目と3ターン目の間に終わるのならば、「Midrange」は何を表すのだろうか。
僕はこれらのデッキが、『他のデッキほど速さが機能していないデッキ』と短くまとめたい。
「Midrange」デッキは中盤戦に入るところでの干渉が容易であるとは言え、それは網羅的なものではなく、後半戦でより輝くものだ。
そしてそれは速いコンボデッキとの相性が悪いことの理由でもある。
マナの使用に目を向けると、「Midrange」デッキは、起点となるターンよりも前にマナ基盤を作るデッキに強い。
なぜなら、「Midrange」デッキのカードはマナが重く、そして強いからだ。


【Deathblade】から始めよう。
これはLegacyのアグロ-コントロールデッキの一つで、【Esper Stoneblade】の系譜だ。
【Deathblade】は大部分のアグロ-コントロール要素を放棄して、《死儀礼のシャーマン》を手にした事で「Midrange」の領分に入ってきた。
個人的な見解では、《死儀礼のシャーマン》を入れないままの方が良いと思う。
しかし、これは未だに人気の衰えないデッキで、オープンシリーズが長い事【Deathblade】に支配されているアメリカでは特にそうだろう。
長所は適応性とカスタマイズの容易さで、それによって【U/W Stoneblade】や青を足した【Junk】のような形を取ることも出来る。
【Deathblade】は場面に応じて自分の立ち位置を変えられる。起点となるターンの前に干渉することも出来るし、必要なければしない。
加えて、デッキの種類が【Esper Stoneblade】なのか【Deathblade】なのか、【Dark Deathblade】なのか分からないという事が、サイドボーディングを非常に難しいものにする。
単純な理由で僕が二つを判断するのは、【Esper Stoneblade】に入っている生物は《石鍛冶の神秘家》、《瞬唱の魔道士》、《真の名の宿敵》、そして《ヴェンディリオン三人衆》のみだ。
【Deathblade】の場合は、《死儀礼のシャーマン》、《闇の腹心》とも戦う必要がある。

【Esper Stonebalde】の構成は、これまで話してきたどのデッキよりも妨害要素が多い。
厳密にはこのデッキは「Midrange」では無いのだけれど、この記事から省く事は出来ないだろう。
【Esper Stoneblade】には軽い打ち消しが大量に、ハンデスが四枚入っており、それによって起点となるターンより前の干渉を可能にしている。
彼らが【Miracles】と戦う時のプランは、妨害込みでの純粋なビートダウンだ。
何故なら、彼らには終盤戦に役立つ干渉手段がほぼ無く、長引くほど不利になるため、彼らの《精神を刻む者、ジェイス》はこちらのものよりもずっと攻撃的に動いてくる。
彼らの攻めの角度が多彩なため(ハンデス、カウンター、生物、PW)、時には全ての脅威に対処することが出来ない。
つまりは、このマッチアップは「脅威の査定」のための練習問題になる。
【Miracles】プレイヤーにとって、限られた時間の中で全てに対処することは困難だ。
なので、優先順位を付けておく必要がある。

《思考囲い》と《瞬唱の魔道士》の組み合わせは【Esper Deathblade】にとって序盤戦の強力な干渉手段となるが、それに付き合う価値は全くない。
こちらは《師範の占い独楽》によってその攻勢を避けられるからだ。
《瞬唱の魔道士》は追加のクリーチャーを出しながら資源を再利用できる点が鍵だ。
しかし、《瞬唱の魔道士》が脅威だとしても、それを単体で除去する価値は無い。
出来るだけ他のクリーチャーと巻き込む形で《終末》し、彼が稼いだアドバンテージのいくらかを無かった事にしたい。

《石鍛冶の神秘家》からの《殴打頭蓋》にも、全く慌てる必要は無い。
あなたのライフをリソースと見なして、数ターン後に対処したら良い。
もし《剣を鋤に》を持っているとしても、最初に出てきた《石鍛冶の神秘家》に使ってはいけない。
彼らには装備品を取ってこさせて、盤面の有利を取らせてあげよう。
数ターン後に全体除去を放ち、その後でこちらのエンドに飛んでくる《ヴェンディリオン三人衆》の様なクリーチャーへの保険として《剣を鋤に》は取っておこう。
もしもそうしたクリーチャーに《火と氷の剣》が付いてしまって殴ってきたらどうする?
だから、決して慌ててはいけないんだ!

《精神を刻む者、ジェイス》を巡る攻防には最大限の注意を払う必要がある。
決してこれを場に出させてはいけない。
一旦場に出てしまえば、彼らには大量の妨害要素があり、《ジェイス》によって手札を整えていくので、こちらが勝つのは非常に困難になる。

サイドボーディングは、抜きたい物より入れたい物が多いために、少しだけ手こずる。
このマッチアップで簡単に抜けるのは、四枚の《Force of Will》と四枚の《剣を鋤に》だ。
《Force of Will》が抜けるのは明白(《思考囲い》デッキに対して2-1交換をするのは理想的ではない)なものの、《剣を鋤に》は彼らのクリーチャーが「カードを探してくる」奴だったり、「フラッシュバックを付ける」奴だったりするために、必ずしも良いカードでは無い。
僕がサイドインしたいのは以下の11枚だ。


vs 【Stone Blade】
In

2《赤霊破》

1《紅蓮破》

2《仕組まれた爆薬》

1《解呪》

1《議会の採決》

2《ヴェンディリオン三人衆》

1《嵐の神、ケラノス》

1《対抗呪文》


このマッチアップに際してこれら全てが欲しい。
もしも多量の除去から《天使への願い》に続ける伝統的な【Miracles】のやり方が好みならば、サイドインは以下のようにすべきだ。


In

2《赤霊破》

1《紅蓮破》

1《仕組まれた爆薬》

1《解呪》

1《議会の採決》

1《嵐の神、ケラノス》

1《対抗呪文》


《ヴェンディリオン三人衆》は《未練ある魂》の前では全く役立たずだし、終盤戦の脅威(《火と氷の剣》付きクリーチャーや、《真の名の宿敵》)に対処する事が出来ない。
あなたは《天使への願い》一枚と《対抗呪文》の代わりに《ヴェンディリオン三人衆》を入れて、通常よりも早くからゲームを掌握したいと主張するかも知れない。
しかし、僕は上記の八枚で良いと思う。
《ヴェンディリオン三人衆》の強みは、対《精神を刻む者、ジェイス》性能だけれど、その役目は既に《赤霊破》がいくらか担っているからだ。

次は【Stoneblade】の親戚、【Deathblade】の番だ。
このデッキには多様な派生があるが、ここでは《石鍛冶の神秘家》、《真の名の宿敵》、《死儀礼のシャーマン》、何枚かのペアのプレインズウォーカー、そして《瞬唱の魔道士》や《ヴェンディリオン三人衆》、《闇の腹心》、等々の追加のクリーチャーが入った構成について話す。
このデッキに対しては、一般的な【Stoneblade】デッキより相手をし易い。
というのも、クリーチャーの数が多く、《精神を刻む者、ジェイス》の数が少ないからだ。
このマッチアップは、あたかもマナカーブの頂点が《ジェイス》のクリーチャーデッキの様に戦う事が出来る。
これは《未練ある魂》や《瞬唱の魔道士》といったアドバンテージ源となるカードを使う【Esper Stoneblade】とは対照的だ。
《闇の腹心》を生かしておくことは許されないため、《剣を鋤に》は温存する。
《Force of Will》は相変わらず価値が無いが、このマッチアップでは《相殺》も価値が薄い。
《相殺》は後半戦において【Stoneblade】デッキを抑える素晴らしい働きをするが、【Deathblade】に対してはマナ域が広範に渡るため、いくらか機能しなくなる。
これは多くの三マナ域(《真の名の宿敵》、《ヴェールのリリアナ》)に加え、《突然の衰微》が入っているのも理由の一つとして挙げられる。
僕は素直に四枚の《Force of Will》と四枚の《相殺》を以下の八枚と変えることを提案する。


vs 【Deathblade】
In

2《仕組まれた爆薬》

2《赤霊破》

1《紅蓮破》

1《議会の採決》

1《嵐の神、ケラノス》

1《解呪》


繰り返しになるが、もしもあなたのゲームプランにおいて《ヴェンディリオン三人衆》が必要だと感じるなら、除去を一枚ないし二枚削ることも出来る。
二枚目の《天使への願い》を削ることも可能だが、必要な時に何の解決にもならないカードを入れようとは思わない。
もちろん、《ヴェンディリオン三人衆》がプレインズウォーカーに効果的に圧力をかけ、ゲームを終わらせるというのも事実だ。
けれど、テーブルに送り込まれてきたクリーチャーを対処していく、というプランに《ヴェンディリオン三人衆》は本当に馴染まない。
また、彼らが無駄なカードを引かない限りは、こちらにタップアウトを強制してくるだろう。
つまり、多くの場合において、《ヴェンディリオン三人衆》は覗き見能力付きのチャンプブロッカーでしかない。
僕は他のサイドカードに追加で《ヴェンディリオン三人衆》を入れるのが大好きだけれど、それはこの構成でという事では無く、また既存のサイドカードの代わりに入れる、というものでも無い。
しかし、もしも先手ならば、《ヴェンディリオン三人衆》は四枚目の《剣を鋤に》の代わりだったり、サイドボードから入る追加の除去の代わりとして入るかも知れない。
《天使への願い》も同様に、先手の場合は対戦相手の《石鍛冶の神秘家》に対する良い選択肢になる。

どの【Blade】デッキかとっさに判別するのは非常に難しい。
彼らは《未練ある魂》や《概念泥棒》、《イニストラードの君主、ソリン》といったゲームの流れを全く変えてしまうようなカードを持っているかも知れないし、持っていないかも知れない。
このマッチアップは非常にやり易い相手ではあるが、非常に戦況の趨勢が変わり易くもあり、もしも対戦相手が【Miracles】を対策した【Stoneblade】デッキを組んできたのなら、勝つのはとても難しいものになる。


さあ、次は最近のメタゲームで最も勝っている「Midrange」デッキの話に移ろう。
そう、【Shardless BUG】だ。
時々【BUG Control】と誤認される【Shardless BUG】こそが「Midrange」デッキだ。
序盤の干渉手段はリストによってまちまちだが、青が入っているために《Force of Will》が四枚揃いで入っているのが常だ。
彼らが使う可能性のあるハンデス手段は《思考囲い》、《コジレックの審問》、《Hymn to Tourach》で、それらによって起点となるターンの前に何らかの行動指針を得る。
《Force of Will》とハンデスの組み合わせが圧倒的でありながら、いくつかのリストではそれらのカードが四枚ずつすら入っていない。それは、一枚の妨害ではLegacyのコンボデッキが止まらないと知っているからだ。
【Shardless BUG】は、起点となるターンの前に何が何でも干渉しなければいけない様なマッチアップ(対コンボ)は避けたい。
自分の土俵で戦うのが難しいからで、それこそが「the Midrange」たる所以だ。

《断片無き工作員》と《祖先の幻視》コンボによって1対1交換で手札が尽きる事がなく、対戦相手より多くのカードを引く事で優位に立つ。
彼らのメインクリーチャーは《タルモゴイフ》で、後半戦は《ヴェールのリリアナ》と《精神を刻む者、ジェイス》という二枚看板が引き継ぐ。
僕たちと関連のある要素は、この内のどれだろうか。

とにもかくにも、《祖先の幻視》とプレインズウォーカーだ。
もしも《Ancestral Recall》がタダで使えるとしたらどうだろうか。
おそらくは使うだろう。
同じ事は《祖先の幻視》にも言える。
それが《断片無き工作員》でめくれた物か、「待機」された物かは関係ない。
こちらにはその数ターンの間にどうこうするだけのクロックが用意出来ないのだから。
経験則から言うと、《祖先の幻視》は打ち消すべきだが、《Force of Will》を使ってはいけない。
《対抗呪文》か、サイド後なら《赤霊破》を使うべきで、決して《Force of Will》してはいけない。
良い三枚を引く「可能性」に対してこちらの二枚を浪費するよりも、相手の引いた三枚がゴミであるという「可能性」の方があり得ると僕は思っている。

繰り返しになるが、プレインズウォーカーはもう一つの対処すべき頭痛のタネだ。
様々な状況下で《ヴェールのリリアナ》を対処可能な一方で、【Blade】デッキとのマッチアップ同様に、《精神を刻む者、ジェイス》は非常に重要になってくる。
一旦着地してしまった彼は、大量のカードをもたらし、無用なカードをライブラリーに押し戻してしまう。
《ヴェールのリリアナ》は「瞬速」持ちのクリーチャーで処理できるが、このマッチアップ(と他のマッチアップでも)では、こちらの切り札の準備が整うまで無視し続けることも出来る。
準備が整ったら、さあ、天使にお願いしよう。

【Shardless BUG】側が1~2枚の《毒の濁流》を入れていた場合を除いて、解決してしまった《天使への願い》に対処する方法はほぼ皆無だ。
ほとんどの場合、スタック上での干渉方法は《Force of Will》しか無く、それによってリスクの計算が容易になる。
《天使への願い》はこのマッチアップで一種のゴールとなる。

一般的な【Shardless BUG】対策について話す前に、《ヴェールのリリアナ》をやっつける方法に戻りたいと思う。

僕は人々が可能性に気付かないままでいるのを何度も見てきた。
これを読む多くの人にとっては明白な事かも知れないけれど、もう一度説明させてほしい。
もしも対戦相手が《ヴェールのリリアナ》の忠誠値を上げるならば、《天使への願い》をライブラリーの一番上に留めておいて欲しい。
対戦相手が《ヴェールのリリアナ》の奥義をあなたに対して使い次第、あなたは全ての土地を寝かせてマナを出し、奥義を解決させる。
相手の選択は関係ない。《師範の占い独楽》がある方を選択して、相手がフェイズを変えようとしたら《独楽》を回して大量の天使たちを場に舞い降りさせる。
これでだいたい勝ちだ。

じゃあ、良い【Shardless BUG】プレイヤーはどうやってこの戦略に立ち向かうだろうか。

そう、悲しい事に一つのやり方がある。
もしも「《ヴェールのリリアナ》の奥義後に《天使への願い》をしよう」という考えが見透かされていた場合、彼らは以下の様に行動する。
《ヴェールのリリアナ》の奥義までに、あなたが何ターンもパスしていた場合、彼らは単純に《師範の占い独楽》に対して《突然の衰微》を使ってくる。これによって対戦相手のターンに何も出来なくなる。
この対策への対策として、可能ならば二枚目の《師範の占い独楽》を置くか、《天使への願い》を引くための《渦まく知識》を用意するのが良いだろう。

一般的に言って、《祖先の幻視》とプレインズウォーカーに立ち向かうために、クリーチャーの処理は我慢して、出来るだけ完璧な形で《終末》を利用したい。
サイドボーディングするなら、以下の十枚を入れる。


vs 【Shardless BUG】
In

2《仕組まれた爆薬》

2《赤霊破》

1《紅蓮破》

1《対抗呪文》

1《議会の採決》

1《嵐の神、ケラノス》

2《ヴェンディリオン三人衆》


《森の知恵》や《無のロッド》といった相手の切り札に対して十一枚目に《解呪》を入れても良いけれど、《議会の採決》を増やしているので、僕は《解呪》を入れるつもりがない。
また、《安らかなる眠り》をサイドインする選択肢もあって、《安らかなる眠り》は一枚で《タルモゴイフ》四枚全てに《剣を鋤に》を使っている様な効果があるのみならず、《死儀礼のシャーマン》にも効果がある。
しかし、こちらの切り札を打ち負かすエンチャント対策カードが流行っている現状では、僕は好ましくないと思っている。
更に、サイド後は《相殺》を全抜きしているので、そこに《安らかなる眠り》を入れるのは悪い考えだろう。


Out

4《Force of Will》

4《相殺》

2《剣を鋤に》


《Force of Will》と《相殺》に関してはもはや説明するまでもない。
一方で、《剣を鋤に》は悪いカードではないが、再三言っているように、相手のクリーチャーはほぼカードアドバンテージを作りだす(《断片無き工作員》、《悪意の大梟》など)ので、それらを《剣を鋤に》で除去するのは分の悪い交換になる。
しかし、対処の難しい《忍び寄るタール抗》や、残りライフ4で自分のターンに《終末》できない時に場に出ている《死儀礼のシャーマン》など、そうした厄介な脅威に対しては《剣を鋤に》が必要になる。

あなたが知らなかった場合のための補足だけれど、もし《相殺》で土地をめくれば《祖先の幻視》を打ち消す事が出来る。
もしもあなたのゲームプランに《剣を鋤に》が必要だと考えるならば、一枚は入れても良い。
その場合は二枚目の《仕組まれた爆薬》を削る。これは、《無のロッド》によって信頼性が少し落ちているからだ。
《森の知恵》のような非クリーチャー・パーマネントへの対策として《仕組まれた爆薬》を入れているのに、それが《無のロッド》で機能しなくなるのは奇妙な話だ。

《嵐の神、ケラノス》は非常に効果がある。
彼らのプレインズウォーカーと、彼らのほとんどのクリーチャー(《忍び寄るタール抗》と《タルモゴイフ》を除いて)に対処する事が出来る。
《ケラノス》は《天使への願い》の様に素早くゲームに勝つ事は出来ないが、異なる領域を使う事でスムーズに勝利する。

まとめると、このマッチアップは【Miracles】にとってLegacyで一番キツいものだが、もししっかり準備していればちょっとはマシな戦いになる。


「Midrange」デッキは起点となるターン(コンボデッキが仕掛けたり、テンポデッキが優位を取ったり、コントロールが干渉し始めたり)より前の干渉手段を最小にすることを好んでいる。
彼らはゲームの各段階で異なるエンジンを用いていて、それに打ち勝つのは困難だ。
あるいは、彼らの戦略の弱さを突く《血染めの月》の様なカードで鎮圧するしかない。
この戦略に対して【Miracles】の対抗策は、終盤戦の《天使への願い》によって圧倒することで、生き長らえるために可能な限り全てのカードを有効活用し、耐え忍ぶ必要がある。

「Midrange」の土俵で戦うことは出来ないので、卑怯な手段を使うか弱い点を突くしかない。
これらの「フェア」と呼ばれるデッキは、常にLegacyが何たるかを形作る一部になっている。
なぜなら、彼らのサイドボードがデッキの脆い部分(言い換えれば、起点となるターンの前に干渉を求めるデッキ対策)を補うからだ。
ドローソースを増やした【Miracles】の場合、通常よりも《天使への願い》を見つける事が容易になり、例えゲーム全体を通して負けているように見えても、大部分のゲームでは勝利を収める事が出来るだろう。

相手の土俵で戦ってはいけない。それだけはしてはいけない。

記事
http://www.starcitygames.com/article/29180_Miracles-Primer--Part-3.html


November 2014 Legacy Metagame Analysis

By Bob Huang  2014/10/3


やあ、みんな。

みんなこの記事を待っていてくれたかな?そうだと嬉しいけど。
私は全ての記事で何か新しい事をお伝えできるように頑張っているけれど、「タルキール覇王譚」が発売されるまで環境は停滞していた。
Legacyに目を向ける前に、「タルキール覇王譚」後のModernとVintageについてもいくつか簡単に述べたいと思う。

《宝船の巡航/Treasure Cruise》はModernで禁止されるべきだ。
この手の話題についてはもう既に十分議論されただろうから、私が改めて蒸し返すつもりはないけれど、このカードがパワーレベルの境界を狂った位置まで押し上げている事は確かだ。
私は《宝船の巡航》入り【Burn】がModern最高峰のデッキだと思っていて、そういう環境はちょっと楽しめそうにない。
《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》もまた、まな板の上の鯛状態だろう。
「ジェスカイコンボ」は倒せないわけではないが、勝つために悪夢のように長い時間がかかる。
これは《第二の日の出/Second Sunrise》と同様の理由で禁止されるべきだろう。
《時を越えた探索/Dig Through Time》もまた狂った性能だが、【Burn】に入れるにはちょっと厳しい。
このカードは遅めのコンボ/コントロールデッキのパワーレベルを押し上げるのに一役買うが、【Scapeshift】や【UWR Control】などのデッキによく合うのならば、とても嬉しい。
《時を越えた探索》が使えるならば、【Melira Pod】や【Affinity】といったデッキが一線級になる日も遠くないかもしれない。

次にはVintageだ。
今年のPhiladelphiaのVintage Champsで、6-0スタートダッシュを決めつつ11位に終わった。
Top8に入れなかったのは少し残念だったけれど、不慣れなフォーマットで上手くやれた事は非常に幸運だ。
私がプレイしたのはRich Shayの【URg Delver】に《宝船の巡航》を四枚加えたもので、ハッキリした事は、Vintageでもまた《宝船の巡航》が超ぶっ壊れだってこと。
《Ancestral Recall》が五枚入れられるの?
やったぜ!
それでも、《宝船の巡航》が衝撃を与えた三つのフォーマットの中で、Vintageにおける《宝船の巡航》は最も危険度が低いと考えている。
《宝船の巡航》は【Delver】デッキときれいに噛み合うことで、青いコントロールデッキとの相性差を大分改善した。
しかし、この環境には《ドルイドの誓い/Oath of Druids》があり、《Mishra’s Woekshop》や《Bazaar of Baghdad》もそこら中に居る。
加えて、Vintageでは《時を越えた探索》が他のフォーマットに比べて遥かに容易に唱えられるので、このフォーマットを楽しむ人々にとっては《宝船の巡航》よりも強いカード足り得るだろう。
そんなわけで、私はこの新しい《Ancestral Recall》がこのフォーマットに上手く適応するだろうと思っている。


さあ、今度こそLegacyの番だ。

前回の分析から、環境の変化は大きい。
前回の分析はこちらから。(http://www.channelfireball.com/home/june-2014-legacy-metagame-analysis/)


○Methodology

以下が「タルキール覇王譚」後に好成績を収めたデッキたちだ。

1.Miracles(18.4%)
2.UR Delver(12.3%)
3.Elves(7.9%)
4.DeathBlade(7.9%)
5.ANT(6.1%)
6.UWR Delver(4.4%)
7.RUG Delver(4.4%)
8.Reanimator(4.4%)
9.Omni-Tell(3.5%)
10.BUG Delver(3.5%)
11.Death and Taxes(3.5%)

上記の11デッキ中8デッキは、少なくとも環境の4%を支配している。
全てを含めれば、66%にもなる。
このリストには、いくつかの特筆すべき欠落(したデッキ)が存在している。
【Shardless BUG】だ。
これは、キャントリップ連打から《宝船の巡航》に繋げる方が、「続唱」で《祖先の幻視/Ancestral Vision》がめくれる事を願うよりもよっぽど簡単にカードアドバンテージを得られるからだと思っている。
論理的にはまだまだ【Shardless BUG】はやれるだろうけれど、その場合には少なくとも二枚ほどは《宝船の巡航》が欲しいだろう。
もう一つ、【RUG Delver】について。
プレイヤーの半分は《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》を入れて、もう半分は《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》と《宝船の巡航》を入れているだろう。
《宝船の巡航》を使おう。

最後に付け加える事として、これらの統計の多くは欧州からのものだ。
【ANT】や【Miracles】はお国柄非常に人気が高い。
欧州のメタゲームはアメリカのそれとは大きく異なる。
そのため、GP New Jerseyに海外勢がやってくるのがとても楽しみだ。


それでは上位のデッキから私の意見を交えて見ていこう。

Miracles(18.4%)

私が六月にLegacyについて書いた時、【Miracles】は二番手の(9.9%)で、私は中立な予測をしていた。
どうやらそれ以来、アメリカのプレイヤーがこのデッキについて理解したらしく、非常に良い成績を残し始めた。
このデッキはtop tierのデッキに対抗するのに最適なデッキだと常々考えていて、正直に言えばこんなに数字が良くなるとは考えもしなかった。
《宝船の巡航》は素晴らしい一枚で、【Delver】デッキに《終末/Terminus》の様な全体除去に抵抗するチャンスを与えたが、《相殺/Counterbalance》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》は【Delver】デッキの大半を否定してしまう。
加えて、《もみ消し/Stifle》と《突然の衰微/Abrupt Decay》は減少傾向だ。
新しいメタゲームの中で、「相殺・独楽」はますます重要性を高め、個人的にはこれらを四枚ずつ入れずには家から出たくない。
とは言え、【Miracles】にも多くの異なるリストがあり、《宝船の巡航》の採用率が高まるにつれて、最近では《安らかなる眠り/Rest in Peace》+《Helm of Obedience》を内包したバージョンが選ばれる事も増えてきた。

私は【Miracles】を三つの構築に分類分けする。

・欧州で主流の《思案/Ponder》を四枚入れたタイプ。Phillip Schoenegerが代表的だ。
このタイプはイタリアで行われた参加者476名の大規模トーナメントの上位16に二名を送り込んだ。
その結果はこちらで見られる。(http://www.mtgq.it/liste-top16-main-event-legacy/)


・もう一つは、《造物の学者、ヴェンセール/Venser,Shaper Savant》を入れたJoe Lossettのタイプだ。
このタイプは【Sneak and Show】に強い。
【Sneak and Show】は欧州よりもむしろアメリカで人気が高いアーキタイプでもある。


// Lands
2 [LG] Karakas
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
1 [B] Volcanic Island
1 [UNH] Mountain
2 [UNH] Plains
1 [ZEN] Arid Mesa
5 [UNH] Island

// Creatures
1 [ISD] Snapcaster Mage
3 [MOR] Vendilion Clique
1 [FUT] Venser, Shaper Savant

// Spells
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [MM] Brainstorm
3 [4E] Swords to Plowshares
2 [TE] Counterspell
2 [AVR] Entreat the Angels
4 [AVR] Terminus
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
3 [CS] Counterbalance
2 [B] Red Elemental Blast
1 [CNS] Council’s Judgment

// Sideboard
SB: 1 [4E] Swords to Plowshares
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 2 [IA] Pyroblast
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [IA] Pyroclasm
SB: 1 [MM] Misdirection
SB: 2 [WWK] Stoneforge Mystic
SB: 1 [NPH] Batterskull
SB: 1 [CNS] Council’s Judgment


・三つ目は、SCG Minneapolisで準優勝だった「RIP+Helm」タイプだ。


// Lands
1 [LG] Karakas
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [B] Tundra
6 [UNH] Island
2 [UNH] Plains
3 [ON] Polluted Delta
1 [ZEN] Misty Rainforest

// Spells
3 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
1 [TE] Counterspell
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [RTR] Rest in Peace
2 [AL] Helm of Obedience
2 [CNS] Council’s Judgment
2 [US] Energy Field

// Sideboard
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [CNS] Council’s Judgment
SB: 1 [US] Energy Field
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 2 [PS] Meddling Mage
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [MM] Misdirection
SB: 3 [ISD] Geist of Saint Traft


どのリストにも長所短所があり、予期するメタゲーム次第で何を選ぶか変わる。
《思案》四枚のリストは一貫して《師範の占い独楽》を見つけやすい。
Joeのリストは《ヴェンセール》と《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》の数によって【Sneak and Show】に対して有利だ。
そして、《安らかなる眠り》+《エネルギーフィールド/Energy Field》は《突然の衰微》が減少傾向にある現在のアグロデッキに対して素晴らしいコンボと言える。
総じて、【Miracles】は今後も強い選択肢であると予想している。
《師範の占い独楽》が戦場に無い場合に動きがチグハグな事を除けば、弱点は少ない。
このデッキへの最適な攻撃手段は《紅蓮破/Pyroblast》などで《相殺》を打ち消すか、《真髄の針/Pithing Needle》や《無のロッド/Null Rod》などで《師範の占い独楽》を止めるかだ。
このデッキにも相性の悪い相手は存在する。【12Post】の様な「相殺+独楽」を無視するデッキだ。


UR Delver(12.3%)

このアーキタイプは最近爆発的に増えた。
SCG WorcesterとEternal Weekendの両方で最も使用者の多いアーキタイプとなった。
人々は常にTaylor Swiftspear(注:《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》の通称)の様な新しいカードを使って楽しんでいる。
加えて、このデッキは比較的安価だというのも人気に拍車をかけている。
このデッキは直接ダメージとクリーチャーを供給する事に長け、滅多にガス欠を起こさない。

しかしながら、このデッキはいくつかの弱点を抱えている。
戦場にクリーチャーが居ない時、このデッキは貧血のように弱々しい。
更に、《僧院の速槍》の存在は構築上の制約をもたらす。
《不毛の大地/Wasteland》はあまり用いられず、ソフトカウンターも同様だ。
【Sneak and Show】との相性はそこまで悪くない。
というのも、《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul,the Aeon’s Torn》の攻撃一発分(の「滅殺」)ならトークンで耐えて、返しに致命傷を与えられる。
他にも、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》で《グリセルブランド/Griselbrand》をブロックし、その《秘密を掘り下げる者》に《稲妻/Lightning Bolt》を撃つ事でライフ回復を無効にしながら相手を殴り殺す事が出来る。
しかし、【Reanimator】や【ANT】と言った他のコンボデッキとの相性は非常に悪い。
と言うのも、典型的にこれらのコンボデッキは速く、比較的貧弱な【UR Delver】の妨害に対処可能だからだ。
付け加えて、対【Miracles】もなんとも言えない相性だ。
「相殺+独楽」に対処する事はほぼ不可能なので、《無のロッド》などでコンボを止めるか、《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》で上から殴り勝つ必要がある。
しかし、賢明な【Miracles】プレイヤーはそういったカードを予期して《摩耗+損耗/Wear+Tear》を入れてくるだろう。

最後に、ミラーマッチは引き次第だ。
Kevin Jonesは《紅蓮操作/Pyrokinesis》を入れていて、これはとても強そうだ。
《水流破/Hydroblast》もまた良いだろう。
《宝船の巡航》と《秘密を掘り下げる者》のためだけに《紅蓮破》を入れるのはどうかと思う。特に後者は容易に対処可能なカードだ。
《紅蓮破》は火力呪文や《若き紅蓮術士》に対応できないのが大きな問題となる。
これまでで最も効果的だと思ったのは《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》で、ミラーマッチがどの程度発生するか次第では、サイドボードに二枚ほど入れようと思っている。
このデッキは本質的には速攻型の【Zoo】デッキにぶっ壊れた青いカードを足したものだ。
クリーチャーはダメージを与える以外の役割をほとんど持っていないが、軽いカウンターと除去によって平均4~5ターンで殴り切るその勢いは、考慮に値する。
もしもこのアーキタイプがGP New Jerseyでの最多勢力になったとしても、驚いてはいけない。


Elves(7.9%)

【Elves】はこれまで最も一貫したコンボデッキだった。
それは「Midrange」デッキにかなり有利な事と、【Delver】デッキに対しても悪くないからだ。
《宝船の巡航》の到来は「Midrange」デッキの多くをメタゲームから弾き出した一方で、【Delver】デッキに対して《エルフの神秘家/Elvish Visionary》と《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》で差を付けるのがより難しくなった。
更に頭痛の種は、より速いコンボデッキの【ANT】と【Reanimator】が増加傾向にあり、それらとの相性が悪いという事だ。
それらのデッキは単純に速く、妨害が多く、そのために【Elves】プレイヤーは守勢に回っている。
速いコンボデッキの増加は【Delver】デッキから《呪文貫き/Spell Pierce》・《もみ消し》・《不毛の大地》が削られている事によるもので、もしも速いコンボデッキの隆盛によってそれらのカードが戻ってくるとしたら、それはそれで面白い。

【Elves】はちゃんとプレイするために十分練習する必要がある。
盤面での膨大な相互作用に加え、全てがほぼ同じコストであり、戦闘計算やクリーチャーの連鎖など自分との戦いを行う必要がある。
更に、「統率者2014」から新顔の《封じ込める僧侶/Containment Priest》が登場した事によって《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》と《自然の秩序/Natural Order》の両方がインスタントスピードで封じ込められてしまう。
《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》も泣いてるぜ。
GPでこの新顔がどのくらい採用されるのか楽しみだ。


DeathBlade(7.9%)

《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》と《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》の両者は「タルキール覇王譚」後により良くなった。
《死儀礼のシャーマン》は対戦相手の《宝船の巡航》を遅らせる一方で、こちらの《宝船の巡航》を助け、それによって5マナ以上に到達することは繰り返す《殴打頭蓋/Batterskull》へと繋がる。
【DeathBlade】は最も有用なクリーチャーと除去手段を擁しており、考慮に値するだけの力を持っている。

弱点はマナベースと、《突然の衰微》や《議会の採決/Council’s Judgment》といった少し冴えないカードを使わないことには《相殺》を破壊出来ないという事だ。
多くの青白デッキ同様、コンボデッキ対策として《翻弄する魔道士/Meddling Mage》をサイドボードに入れていて、これは良い。
しかし、【UR Delver】との相性が良いと考えていると、ひどい目に会うだろう。
サイドボード前は、【UR Delver】がこちらの脅威を上回る程に大量の除去を持っている。
サイドボード後は、【UR Delver】プレイヤーが《血染めの月/Blood Moon》や《発展の代価/Price of Progress》にアクセスする。
どちらも【DeathBlade】にとっては大打撃だ。

それでも、《剣を鋤に/Swords to Plowshares》や《思考囲い/Thoughtseize》を通して【UR Delver】側のクリーチャーを排除し続けられれば、装備品が容易にゲームを決定づけるだろう。
《概念泥棒/Notion Thief》の一枚挿しは刺激的で好みだ。
これはコンボデッキ対策にもなる。
「統率者2014」から採用し得るカードとしては、《創意工夫の傑作/ Masterwork of Ingenuity》がサイドボード要員として考えられる。
これはミラーマッチで素晴らしいカードで、完全なる《殴打頭蓋》をたった1マナで手に入れてしまう様を早く見たいと思っている。


ANT(6.1%)

【ANT】は欧州で人気の高い選択肢で、ここアメリカではかなり評価が低い。
このデッキは《Force of Will》を乗り越えて平均3キル出来るほどのデッキだ。
これは何故かと言うと、長い間表に出てこなかったせいで、人々が【ANT】対策をサイドボードから切り始めたからだ。
《翻弄する魔道士》のようなヘイトベアーは《紅蓮地獄/Pyroclasm》の存在によって【Sneak and Show】に対してはそこまで効果的ではなく、【Elves】や【Reanimator】に対しても宣言すべき名前が分かり難く機能し辛いという問題がある。
「統率者2014」の《封じ込める僧侶》が刷られた事で、人々は《翻弄する魔道士》さえ削る可能性があり、それは【ANT】にとって朗報だろう。

【ANT】もまた《炎の中の過去/Past in Flames》というエンジンのために墓地を活用する。
しかし、チューターカードを自然に連鎖させたり《むかつき/Ad Nauseam》によって墓地対策を回避するのは難しい事では無い。
【ANT】はGPに向けて注目しているデッキの一つだ。
もしも【ANT】マニアたちが不慣れなアメリカ人をスイスラウンドで轢き殺して行ったとしても、私は驚かないと思う。

【ANT】の5色版である【TES】も目が離せない。
【TES」は少しだけ【ANT】より速いものの、《定業/Preordain》が無いためにやや安定性に欠け、《巣穴からの総出/Empty the Warrens》ルートをよく使う。


Jeskai Delver(4.4%)

【Jeskai Delver】は再び素晴らしい選択肢となった。
このデッキにはテンポを得るために軽い呪文と軽い除去が入っており、《宝船の巡航》はこのデッキにとって入れ得カードとなる。
《石鍛冶の神秘家》は多くの余分な土地がある時に使い出があるクリーチャーなのも追い風だ。
そして、5マナに達することが以前にも増してずっと簡単になっている。
《封じ込める僧侶》も興味深い1枚で、サイドボードに居場所を見つけるだろう。
《僧侶》は対【Elves】と対「Dredge」に有効で、対【Reanimator】と対【Sneak and Show】では決定打と成り得る。
加えて、《僧侶》は【Death and Taxes】の様なデッキに対しても一定の効果がある。
これは、彼らの《霊気の薬瓶/Aether Vial》を止められるからだ。
しかし、《ちらつき鬼火/Flickerwisp》には気を付けなければいけない。
《僧侶》が居る時は確定除去になってしまう。

【Jeskai Delver】はコンボ駆逐に必要なものを全て持っており、軽い除去呪文は他の【Delver】デッキをも駆逐する。
しかし【Miracles】の存在は問題なので、私は十分な量の《紅蓮破》と《摩耗+損耗》を取る様にしている。これは一旦解決してしまうと覆すのが困難な《相殺》のためだ。
仮に《相殺》によっていくらか呪文を打ち消されても、《宝船の巡航》がその痛みを和らげてくれる可能性がある。


RUG Delver(4.4%)

約半数の【RUG】が《敏捷なマングース》を採用し、もう半数が《宝船の巡航》を採用している。
古い《敏捷なマングース》採用型の【RUG】は安らかに眠れ、と考えている。
対戦相手が土地数枚から適当に《Ancestral Recall》を撃ってくる場面で、マナ否定戦術を仕掛けるのは非常に困難だ。
その代わり、《宝船の巡航》と《若き紅蓮術士》を入れた新しい構築の【RUG Delver】はこのアーキタイプの新定番になるだろう。
しかしその実、私には【RUG Delver】をプレイする本当の動機が何か分からない。
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》は両プレイヤーが墓地を食い荒らすために、以前ほどフェアデッキに対する強さは無くなった。
これ自体ではそこまで大問題ではないけれど、《宝船の巡航》のための「探査」によって《タルモゴイフ》が《稲妻》圏内に入ってしまう事がある。
加えて、《若き紅蓮術士》は一般的に《タルモゴイフ》の天敵で、ゲームを長引かせる。
緑をタッチする主な理由は、おそらく《クローサの掌握/Krosan Grip》と《森の知恵/Sylvan Library》という【Miracles】対策だが、それらは【BUG】デッキも同様に採用できるし、ついでに《死儀礼のシャーマン》まで使える。
全体的に見て、私は《稲妻》が《突然の衰微》に優るという確信がもてないので、しばらくはこのアーキタイプを見送るだろう。
とは言え、この古いカードたちは私がGPに持ち込もうとしている【UR Delver】に対して強い構成になっている。
あなたが何の刺激も欲しくないと言うのならば、だけど。


Reanimator(4.4%)

【Reanimator】は最近ちょっとした復活を遂げた。
昔から、【Reanimator】は妨害の少ないデッキを食い物にすることに長けていた。そう例えば【Elves】みたいな。
【Delver】デッキとの相性は《もみ消し》や《呪文貫き》といったカードの存在によって決して良いとは言えなかったが、多くの【Delver】デッキが打ち消し呪文の量を減らした事で、少なくともサイドボーディング前においては、多少楽になった。
思うに、【Reanimator】は環境的に良い位置にいる。人々が《宝船の巡航》対策として《虚空の力線/Leyline of the Void》の様なカードをもっと取り始めるまでは。
Eternal WeekendでZach Dobbinが見せた【Helmrator】の様なデッキが人気を博するかどうかはちょっと自信が無い。

【Reanimator】に関して一つ特筆すべき重要な事は、このデッキが先手と後手によって多様なサイドボーディングを持つと言う点だ。
先手では、墓地活用戦術はより有用だ。
と言うのも、《目くらまし/Daze》や《死儀礼のシャーマン》、その他の墓地対策カードの始動が遅いからだ。
後手では、【Reanimator】側が対策カードをより多く引き込むか、あるいは《実物提示教育/Show and Tell》などで墓地対策を回避する。
その都度、調整していく必要があるんだ!
【Reanimator】は確かに楽しいアーキタイプだ。
《エメリアの盾、イオナ/Iona,Shield of Emeria》や《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn,Grand Cenobite》などのクリーチャーで「俺の勝ち」と宣言するのは存外気持ちが良いものだ。
一人は絶対に居るだろう。

○Looking Ahead

過去最大級のLegacyGPになりそうで、私は熱が入っている。
13-2という成績で終えればPro Tourの権利が貰える。
私が思うに、このフォーマットをやってみたくてたまらないという素人たちで会場は溢れ返るだろう。つまり、旧来のLegacyプレイヤーにはこの上ないチャンスという事だ。
《宝船の巡航》が「タルキール覇王譚」のぶっ壊れカードである事は明白だけれど、むしろ《宝船の巡航》よりもカードパワーの高い《時を越えた探索》を採用したコントロールデッキやコンボデッキが大成功を収めたとしても、さして驚かない。

「統率者2014」もGPでは使用可能なので、《封じ込める僧侶》はいくらか使われるだろう。
このカードがアメリカで人気のある【Sneak and Show】、【Reanimator】、【Elves】、【Dredge】全てをまとめて鎮火してしまう、というのはちょっと正気の沙汰じゃない。
しかしコンボデッキがいつもそうであるように、私はGPでもコンボデッキが上手くいく気がしている。
それは限られたサイドスペースの中では、全てのデッキを網羅出来ないからだ。
二週間後には結果が分かるね!

いつも通り、あなたの考えをコメントで教えて欲しい。

Bob


記事
http://www.channelfireball.com/articles/november-2014-legacy-metagame-analysis/


Miracles in the World of Treasure Cruise

by Reid Duke 2014/11/5


Legacyは変化がゆっくりな傾向にある。
プレイヤーは同じデッキを何か月も何年も使い、カードプールや環境の変化を受けてデッキに微調整を加える。
時々、新しい流行は少しだけ盛り上がるものの、プレイヤーが適応することで次第に落ち着いていく。


これは、それらには当てはまらない。

《宝船の巡航/Treasure Cruise》は法外な程に素晴らしい。
これがトーナメントリーガルな限り、Legacyが過去六か月のままでいる事は有り得ない。
適応を拒む人々は、非コンボデッキで、非【Delver】デッキで”公正に”戦おうとするが、《宝船の巡航》が飛び交うフォーマットでは、それは困難を極める。
あなたがやった事を、対戦相手が《Ancestrall Recall》一発で全て無かった事にしてしまう現状で、《Hymn to Tourach》や《突然の衰微/Abrupt Decay》を使うのは全くナンセンスだ。

もしもあなたが抗いたいのなら、《宝船の巡航》に適応する必要がある。
しかし、必ずしもそれは迎合し、【UR Delver】を使うという事ではない。
私の見解ではもっと良い別の選択肢がある。

私は【Delver】専門家ではないが、自信を持って《時を越えた探索/Dig Through Time》の方が《宝船の巡航》よりも優れていると言う事が出来る。
驚いた事に、【Delver】プレイヤーの何人かは《時を越えた探索》を試していた。
「探査」ドローをキャストする頃には、もはや土地は必要では無く、そのために三枚のカードを引くよりも、七枚から二枚を選んだ方が強力だからだ。
もちろんこれには青マナが二つかかるけれど、もしも「探査」カードのために無色マナがかからない状況ならば、いずれにせよ四枚以上積んだ《宝船の巡航》と《時を越えた探索》を使うべきだ。

しかし、そうした事柄は、「《時を越えた探索》デッキ」が【Delver】デッキよりも優れている時点で問題外だ。
つまり、【Miracles】こそが至高となる。


○Different Builds

最近好成績を収めた、性質の異なる【Miracles】の構築がいくつかある。
それぞれについて私の意見を交えながら紹介するけれど、どれがベストなものか決めるつもりもないし、それに意味があるとも思えない。
赤青白のコントロールデッキを構築するに際し、Legacy環境は好きなカードの組み合わせを膨大なカードプールから選び取れる。
あなたにとって何が最も適しているかという事は、個人的な好みや、プレイスタイル、経験による。


”The Stoneforge Mystic Build”popularized by Brian Braun-Duin

Brian Braun-Duinは《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》+《殴打頭蓋/Batterskull》パッケージを組み込んだものを使っている。
いわゆる『ぶっ壊れ』カードというのは、対戦相手に何もさせない程に馬鹿げた強さを持つ場合がある。
《石鍛冶の神秘家》がまさにそのカードかは私には分からないが、かなり近いカードではある。
BBDのリストは、"good" Stuff”型の【Miracles】だと見なせる。

率先してゲームを終わらせる手段を持つ事には、多大な価値がある。
もしも対戦相手の引きが芳しくなければ、迅速に勝利出来るため、相手を悩ませる事が出来るし、サイドボーディングも困難なものにする。
また、時間消費のリスクも減少させられる。これは【Miracles】にとっては大きい。
この構築で最も魅力的なのは、《石鍛冶の神秘家》パッケージが無理なくメインデッキにライフ獲得手段をもたらすことで、遅いコントロールデッキにとってライフ獲得は常に価値がある。


”The Vendilion Clique Build”popularized by Joe Lossett

【Miracles】熟練者のJoe Lossettは《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》の愛好家で知られており、彼は大胆で型にはまらない選択をする傾向にある。

《ヴェンディリオン三人衆》はちょうど《石鍛冶の神秘家》型とクリーチャーレス型の間に位置する。
《ヴェンディリオン三人衆》は少しだけ攻撃的なカードでありつつ、コンボデッキとコントロールデッキとの第1ゲームでの相性を劇的に改善してくれる。

”型にはまらない選択”について見てみると、Mr,Lossettは多くの人々(私自身も含む)の凝り固まった考えを打破しようとしている。
例えば、二枚の《剣を鋤に/Swords to Plowshares》といった選択や、《Karakas》を二枚取ったり(一枚ないし0枚の代わりに)、メインデッキに《赤霊破/Red Elemental Blast》を取ったりということだ。
彼の選択の一部にはまだ同意しかねるが、それ以外の部分では単純に感激した。
《赤霊破》のメインデッキ昇格は完璧に正しく、《宝船の巡航》が跋扈する世界で私が【Miracles】を愛する理由の一つだ。


”The Ponder Build”repopularize by Sam Roukas

《思案》を複数デッキに入れるのが酷い決定だというのは難くない。
あなたはマナ(少ないコスト)をかけて、何らかのカードを引く(小さな報酬)。
しかし、個人的な意見では、そういった事は【Miracles】でやる必要性を感じない。

【Miracles】は序盤の手数が十分では無いと言われる事もあるが、それはこのデッキの性質そのものだし、構造上の欠陥でも無い。
【Miracles】であなたがすべき事は、淀みなく土地を置き続け、死なずに終盤戦まで耐え、そして勝つ事だ!
付け加えるなら、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》は非常にマナ食い虫で、あなたのカードの質が最大限にならないという点で、多数の《思案》と《独楽》を手札に抱えるというのは、いささか浪費的だ。

《思案》の有用な側面は、素早く墓地を満たせる事だ。
もし多くの《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を使いたいなら、《思案》を入れる正当な理由になる。
これは同時に《時を越えた探索》の燃料にもなる。


”The Rest in Peace Build”repopularized by Darrel Feltner

《宝船の巡航》世界において、メインデッキに《安らかなる眠り/Rest in Peace》を入れるのは突如として妙案となり始めた。
これは妙案かも知れないが、私個人の嗜好とは異なる。

私のMagic経歴において、私は過剰に考える事があった。
私は常に流行の先に行きたいという思いがあり、《宝船の巡航》に対する《安らかなる眠り》はまさに私の考えていたものだった。
しかし今、私は良いカードを見分けるのが難しい事だと気付いた。
「探査」を打ちのめすよりも、「探査」するべきなんだ!
今回は考えすぎないようにする。私も《時を越えた探索》を使う側に回るんだ。

もしも《安らかなる眠り》+《Helm of Obedience》コンボに興味を持ったなら、Darrel Feltnerのデッキリストは良いスタート地点だ。
私は彼が《悟りの教示者/Enlightened Tutor》(このカードは本当に良くない)を削った点を評価する。
《Helm of Obedience》と《エネルギー・フェールド/Energy Field》の多さに私は《安らかなる眠り》を四枚メインデッキに入れたくなる。
それ以外に、このリストの唯一弱い点は、彼が《赤霊破/Red Elemental Blast》を取っていない点だ。


”The Creatureless Build”popularized by Yours Truly

以下のデッキは私がLegacy Championshipsを7-2-1で終えたものだ。

// Lands
1 [LG] Karakas
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
1 [B] Volcanic Island
5 [UNH] Island
2 [UNH] Plains
1 [UNH] Mountain

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
3 [AVR] Terminus
4 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
3 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
2 [CNS] Council’s Judgment
2 [AVR] Entreat the Angels
1 [RTR] Supreme Verdict
2 [B] Red Elemental Blast
2 [KTK] Dig Through Time

// Sideboard
SB: 1 [CS] Counterbalance
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict
SB: 2 [IA] Pyroblast
SB: 2 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [M15] Tormod’s Crypt
SB: 1 [M11] Baneslayer Angel
SB: 2 [ZEN] Spell Pierce
SB: 1 [B] Blue Elemental Blast
SB: 1 [WL] Peacekeeper
SB: 1 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [DKA] Grafdigger’s Cage


私は少しばかり純コントロール主義者な気があり、勝ち手段を最小にし、防御手段とドロー手段を最大にすることにした。
このデッキの好きな点は、対戦相手がこちらに対応を求めてくるまで何もせず、ただ座って土地を置き続けていれば良い事だ。
ゲームが長引き、土地が淡々と並んだら攻勢に転じる。勝利の確信を持って。

私が強調したい強みは、第1ゲームで対戦相手のクリーチャー除去が腐る点で、
サイド後もクリーチャーにはそこまで頼らないため、もしも対戦相手が《剣を鋤に》や《四肢切断/Dismember》をデッキに残していればラッキーだ。

しかし、もし彼らが全ての除去を抜いていたのなら、その時は予想だにしない《悪斬の天使/Baneslayer Angel》や《平和の番人/Peacekeeper》が速やかにゲームを決める。


○The Deck List

繰り返しになるが、私は上記のどれが良くてどれが悪いなどと考えているわけではない。
しかし、デッキリストとマッチアップを説明するにあたり、私が一番知っているデッキ(クリーチャーレス版の【Miracles】)を選んだんだ。
上記の構築のどれかを次の大会に持ち込もうと思っているのなら、それは良い選択だけれど、以下の二枚のカードについては考慮しなければならない。


《赤霊破》

《赤霊破》を持たずに家を出てはいけない。
【Miracles】をプレイしない場合でも、《赤霊破》を持たずに家を出ちゃダメだ!
現在、全ての競技レベルのLegacyデッキはそのデッキに合う「探査」ドローを入れる所から始めるべきで、同様に適度な枚数の《赤霊破》も入れるべきだと考えている。

メインデッキに少量入れるのは素晴らしい考えだ。
一つ、この環境最高のデッキの全てが青い。
二つ、青くないデッキというのは、【Miracles】にとって非常に相性が良い。(何故なら、大抵クリーチャーデッキだからだ)
三つ、デッキに十分なライブラリー操作手段があるため、死に札を処理するのが楽だ。
四つ、対戦相手の場に着地した《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》を除去する追加の方法があるだけで【Miracles】にとっては利益になる。

《赤霊破》を二枚メインデッキに、二枚サイドボードに仕込むのは、非常に上手いやり方だ。
しかし昨今の流行が継続するなら、今から二ヶ月間で更に多くの《赤霊破》が使われたとしても不思議じゃない。

どこからどう見ても《赤霊破》と《紅蓮破/Pyroblast》は同一のカードだ。
75枚中、あなたは《翻弄する魔道士/Meddling Mage》や《外科的摘出/Surgical Extraction》を避けるために散らす必要がある。
振り返ってみると、私は多分メインデッキには《赤霊破》の代わりに《紅蓮破》を入れるべきだった。
と言うのも、もし青くないデッキと当たった場合に、あなたは効果の無い《紅蓮破》を使うという選択肢を持つ。(《時を越えた探索》のために墓地を肥やす必要がある場合には意味を持つ)

もう一つ、私はサイドボードに《青霊破/Blue Elemental Blast》を一枚挿しするのが好きだ。【UR Delver】から【Sneak and Show】まで、多様な相手に効果がある。
これは【Miracles】対策の筆頭でもある《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》への大切な保険にもなる。
《青霊破》は少しだけ《水流破/Hydroblast》よりも良い。
【Sneak and Show】が《誤った指図/Misdirection》を持つためだ。(二枚目の赤い呪文がスタックされない限り、対象を変えられない)


《時を越えた探索》

《時を越えた探索》は私たちにとっての《宝船の巡航》で、私はより良い物だと思っている。
これはより深く掘れて、カウンターを構えながらインスタントタイミングでプレイ出来る。

これは、【Delver】が”高速《宝船の巡航》”デッキであるかの様に、【Miracles】が”高速《時を越えた探索》”デッキではないという事を理解するために重要な事だ。
《時を越えた探索》は中盤~終盤にカードを引かせるものだ。
私がこのカードを大事にプレイしたい理由は、これが4マナを払ってキャストしたとしても尚素晴らしいカードだからだ。
だって、私は今まで追加のドロー手段として《予報/Predict》や《知識の渇望/Thirst for Knowledge》、《嘘か真か/Fact of Fiction》などを使ってきた。
《時を越えた探索》は4マナでさえ、それらのカードを凌駕する。

何枚入れるのが最適かまだ分からない。
まず一枚から始め、もっと使わないのは馬鹿げていると感じた。
次に二枚で試したら、もっと使わないのは馬鹿げていると感じた。
あなたは序盤に手札でダブつくのを嫌がるだろうけれど、最初の一枚をプレイすれば、間もなく二枚目もプレイ出来るようになる。
《時を越えた探索》を持ち過ぎという限界点はあるのだろうけれど、それがどこなのか私には分からない。
次にテストする時は、三枚目を入れてどう感じるか分析するつもりだ。
どちらにせよ、二枚に留めておくのは安全策で、三枚にしてもおそらくそこまで危険は大きくならない。

私は、【Miracles】がチグハグな初手になってきたことを認める。
初手が数枚の《終末/Terminus》、《天使への願い/Entreat the Angels》、《時を越えた探索》、そして《ジェイス》だった時、あなたは確実に遅くぎこちないスタートとなる危険性を孕んでいる。(つまり《渦まく知識/Brainstorm》を引かない限り)
加えて、《時を越えた探索》が完璧にデッキに馴染み、的確な解答を直接手札に入れ易くなった事で、《終末》から《至高の評決/Supreme Verdict》へ何枚か変更する理由になる。
《時を越えた探索》が刷られて以来考えていた模索の果てに、大昔に他の【Miracles】プレイヤーたちがやった様に、私も四枚目の《ジェイス》を削るかも知れない。
多くの場合で、《時を越えた探索》と目的が似ていて、《探索》はより良いからだ。


○The Delver Matchup

両方のデッキ使用者多数と経験や直感によるものや、議論を交わした結果、【Miracles】と【UR Delver】の相性は50/50という結論に達した。
これは草分け的な発見だね……

つまり、このマッチアップが互いのデッキリストやプレイスタイル、このマッチアップに対する経験値などに高度に依存するということだ。
この試合はほとんどの場合で長期化し、複雑化する。
同じゲーム展開は二度は無く、基本的にはより熟練したプレイヤーが勝つ見込みがある。

【Miracles】側の利点は《~霊破》の多さによるもので、もし高いライフを維持できれば、【Delver】側の火力にそこまで意味は無い。
一旦ゲームが長引くと、一つの呪文をカウンターさせるために複数の《目くらまし/Daze》や《呪文貫き/Spell Pierce》を消費させる事ができるため、カードアドバンテージに繋がる。

【Delver】側の利点は、マナ効率の良さで、土地はそこまで必要ない。

サイドボーディングはリスト次第なところが大きいが、私のデッキで一般的な【UR Delver】に対するなら、

+2《紅蓮破》
+1《青霊破》
+2《ヴェンディリオン三人衆》
+1《至高の評決》
+1《悪斬の天使》
+1《相殺》

-4《Force of Will》
-3《精神を刻む者、ジェイス》
-1《対抗呪文/Counterspell》

《血染めの月/Blood Moon》は三色型の【Delver】に良く効く。
《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》はこのマッチアップに寄与しないように見えるが、実際はどんな【Delver】デッキに対しても効果のある良いカードだ。
時には、一枚挿しの《疲弊の休息/Rest for the Weary》などのライフ獲得カードに枠を割くのも良い。


例によって、【Miracles】はあなたを楽には勝たせてくれない挑戦的なデッキだ。
しかし、練習としっかりしたプレイには素敵な褒美で応えてくれる。
もしあなたが「タルキール覇王譚」の「探査」ドローカードを利用したいと思った時、絶対に【UR Delver】を使わなきゃいけないわけではない。
【Miracles】だって素晴らしい選択肢の一つだ。
私はGP New Jerseyもこのデッキで出るつもりでいる。

記事
http://www.channelfireball.com/articles/miracles-in-the-world-of-treasure-cruise/


Legacy Life After Treasure Cruise

2015/01/27

by Philipp Schonegger

1月19日は僕の誕生日だったんだ。
誕生日プレゼントはこのB&Rからのアナウンスだね。

《宝船の巡航/Trerasure Cruise》:禁止

《宝船の巡航》はやって来て、そして去って行った。
今現在見ているLegacy環境と、僕たちがGP New Jerseyで見た環境とは大きく異なり、それこそが《宝船の巡航》環境だ。
みんなはこの記事がどんなものかと考えるだろう。
他の多くと違い、僕は《宝船の巡航》が禁止された事の是非について話すことも、他の何かが解禁された事についても話すつもりはない。
僕が今回焦点を当てたいのは、来週末Indianapolisで行われるOpen Seriesで示されるLegacyのメタゲームについてだ。
そして、なぜ【Miracles】を使うべきかそこで何をあなたがプレイすべきかだ。

《宝船の巡航》が環境から去る事で、様々な【Delver】デッキがLegacy界の玉座を諦めることになる。
このカードがLegacyに参入して以来、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を軸としたデッキは環境の柱だった。それは、《宝船の巡航》が四枚の《Ancestral Recall》を【Delver】デッキに与えたからだ。オリジナルより遅いとは言え、馬鹿げている。
非常に多くのリソースを費やした後で、それを《宝船の巡航》がとても効率的に補充するため、【Delver】デッキをトップメタに押し上げていた。
そしてそれによって二つの弱点を取り払っていた。一つはコンボデッキ、もう一つはある点で【Miracles】デッキだ。

そこら中にいた【UR Delver】がLegacyを去り、より多くの【Delver】デッキが戻ってくる時だ。
その事は、《宝船の巡航》後の環境を考える上で最初の重要な点となる。


○Wasteland is Back

【UR Delver】はほとんど《不毛の大地/Wasteland》を積まなかったが、現在では全ての【Delver】デッキで必須の枠だろう。
時に《もみ消し/Stifle》と、時に《Hymn to Tourach》と、あるいはサイドボードの《Sinkhole》とさえ一緒になってマナを否定する。
これはつまり、あなたのマナが再び強襲されるという事だ。
《宝船の巡航》環境では、僕たちはこの事を心配する必要はほとんど無かった。
けれど、事態は変わった。

《もみ消し》と《不毛の大地》を意識してプレイするというのは、どのようにデッキを構築し、未知の対戦相手と対峙した際の1ターン目にどのようにプレイするか、という事に影響する。
また、これはコンボデッキの在り方も変える。
誰も土地を攻めてこないのなら、【Snaek and Show】や《炎の中の過去/Past in Flame》を軸とした【Storm】デッキのような遅い部類のコンボデッキを上手く使えるかもしれない。
《もみ消し》と《不毛の大地》が戻ってきたのなら、コンボデッキはより速くするか、これらのカードを無視可能な方向へ行くのが良いだろう。
少なくとも、より速い《むかつき/Ad Nauseam》を軸とした【Storm】や、【Sneak and Show】ならほぼ青単の【Omni-Tell】に切り替えたりだ。
このデッキは現状、他のコンボデッキに多くの優位を持つ。
まず、《宝船の巡航》は消えたが、《時を越えた探索/Dig Through Time》は残っていて、もしもこれによって恩恵を受けるコンボデッキがいるとすれば、それは【Omni-Tell】に他ならない。
加えて、以前ほど環境の青が濃くない事もあって、メインデッキの《赤霊破/Red Elemental Blast》が減少傾向にある事も、《実物提示教育/Show and Tell》戦略にとっては追い風になる。
そして、このデッキは《島/Island》とフェッチランドしかプレイしないため、《不毛の大地》の効果を、ほぼ無効化する。

しかし一般的に言って、【Omni-Tell】が【UR Delver】などの青いアグロデッキ相手に好き放題したおかげで、環境はコンボデッキにとって良くないものになっている。
【Omni-Tell】は打ち消しに長け、脅威を多くはもたない。
一方で《呪文貫き/Spell Pierce》、《目くらまし/Daze》、《もみ消し》、そして《不毛の大地/Wasteland》などが戻ってくると環境を大きく変えるだろうと予想している。

そんなこんなで【Delver】デッキの状況は更に悪化する部分があるものの、苦手だったデッキに対しての現況は再び上向いている。
ああ、Legacy、僕は本当にこのメタの変遷が大好きだよ!


○The Cruise has Ended,but We Can Still Dig Through Time

《Ancestral Recall》は環境から退場したものの、依然としてもう一つの「探査」ドローは残っている。
しかし幸運にも、こっちの方はバランスが取れていて、上手く機能させるには構築段階で気を使う必要がある。

「青青」というのがなかなかネックだ。
そして効果自体もコンボデッキやコントロールデッキにはよく合うが、【Delver】デッキには本当に合わない。
どのデッキが《時を越えた探索》を上手く使えるだろうか。
そうだね、上述した【Omni-Tell】がまず第一だろう。
ドローソースとしても使えて、《全知/Omniscience》が着地した後では勝利手段にもなる。

次に、コントロールデッキだろう。それもかなりの種類のだ。
いの一番に言えるのは【Jeskai Stoneblade】。
これはデッキの再構築をすべきだろう。《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》と《時を越えた探索》の組み合わせは、《宝船の巡航》と《若き紅蓮術士》の組み合わせとは違うからだ。
しかし、もしも【Jeskai】が《若き紅蓮術士》を派閥から蹴り出すなら、単純に《時を越えた探索》を非常に上手く(悪)利用できる。
そうなれば、次期環境で議論の余地が無い程にこのデッキは競技シーンで用いられるだろう。

また、【Shardless Sultai】も《Tundra》デッキたちを捕食するために舞い戻ってくるだろう。
このデッキも《時を越えた探索》を上手く利用できる。
《時を越えた探索》は、《断片なき工作員/Shardless Agent》を始めとした青緑黒のパワーハウスの新しい一員となる。
このデッキはコンボデッキに対しての勝率が弱点とされているが、馬鹿げた事をするのは止めて、四枚の《Force of Will》と二枚のハンデスを加える事で安心感を得るとしよう。
しかし、来たるメタゲームではそれは余り問題にならない。
なぜなら、【Storm】や【Elves】よりも、【Jeskai】や【Delver】とやり合う方がより重要になるだろうからだ。


○There is More Than Just Blue

信じられないかも知れないが、Legacyというのは本当に青い。真っ青だ。
しかし、【Delver】デッキにおいて非常に分の悪いマッチを何とかしてきたのは《宝船の巡航》であり、よく知られたこのデッキを使い続けたのも、単純に《宝船の巡航》を使うためだった。
現在ではこれも歴史の一部となり、そして【Jund】や【Death and Taxes】といったデッキが鮮明に、作業的に【Delver】たちを貪るために帰ってくる。過去にそうしたように。

【Jund】は常に緑黒系デッキのミラーマッチで有利を取る。
ということは、【Shardless Sultai】の再復興によって、【Jund】もまた隆盛するだろうと予想できる。
更に、【Jund】は【Miracles】に対しても非常に相性が良い。
もしも正確に組み上げられたなら、【Stoneblade】との相性も悪くない。
コンボの数が大幅に減少している事も、【Jund】を使う魅力的な要因の一つだ。

【Death and Taxes】は《宝船の巡航》環境でダメだったという事ではないが、《宝船の巡航》と、《若き紅蓮術士》とそのお供のエレメンタル対策として、分割ダメージが頻繁に飛び交っている環境は、【Death and Taxes】の望む環境では無かった。
X/1のクリーチャーを標的とした手段は、【Death and Taxes】に対しても非常に有効だという事だ。

《二股の稲妻/Forked Bolt》や《紅蓮地獄/Pyroclasm》といった《若き紅蓮術士》を目掛けた対策カードが減少すると考えられるので、再び【Elves】が台頭してくるだろう。
【Shardless Sultai】や【Jeskai Stoneblade】といった遅いデッキでは【Elves】に歯が立たないが、同様に【Miracles】も迫ってきている。


○Summarizing the Effects

【Miracles】に関係のない話の締めくくりとして、全般的な影響が何であるか、新しい環境はどのように見えるか、どのカードが再び使えるようになったか等について話すのは良い考えかも知れない。

まず、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》パッケージは、【Shardless Sultai】、【Sultai Delver】、【Jund】などのデッキで再び輝くだろう。
これらのカードは誰もが《若き紅蓮術士》をデッキに入れていたLegacy環境では本当に役立たずだったが、彼らは戻って来て、少しだけLegacyを減速させる。
デッキの選択/構築段階において、コントロールすることをより考慮する必要があるが、依然としてクリーチャー主体のデッキも存在していて、これはつまり、【Delver】デッキよりも終盤戦の力があるだけではもはや不十分ということだ。
プレインズウォーカーもまた重要性が増すだろう。
PWたちは《若き紅蓮術士》(とそのお供)の前に形無しだったが、ほとんどのPWは《タルモゴイフ》の対処に長けている。

《突然の衰微/Abrupt Decay》も表舞台に戻ってくる。
以前なら、《相殺/Counterbalance》と《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》の組み合わせは勝利に直結していた。
打ち消されずに《相殺》を除去できるカードが再び脚光を浴びれば、事態は変わる。
かねてから言われていた「遅すぎる」という弱点も、環境の低速化とともに気にならなくなる。

【Delver】デッキを取り巻く環境はまた少しだけ悪くなった。
少なくとも今後は”フェア”にプレイしなければならず、【Delver】を叩き潰したいと思っていた【Jeskai】や【Sultai】にとってはそれこそが大きい。
事態がいつも通りになれば、世界の秩序は回復し、【Delver】も元居た場所 - 環境の一柱に。もはや支配的ではなくなっているけれど - に帰っていく。
僕がGP New Jerseyで【Delver】デッキについてどう思ったか、短い言葉で言うので、あなたなりに解釈して欲しい。

心の声「ねえ、どうやってラウンドを勝ち進んできたんだい?」

僕「楽勝さ(肩をすくめ、【Delver】デッキを蹴散らしてきた風に)」

奇妙な事に、実際に今でもこう思っている。
正直に言って、【Delver】デッキが良いとは思っていない。
けれど、僕の発言が論争の的であると理解しているので、この話題は僕の記事の中に留めておいた方が良いかも知れない。

ここまでで新しい環境の基本を確立したので、ようやくみなさんが最も興味があって、僕がわざと上記の紹介部分では避けていた話題に移ろう。


○Why Miracles

来週末のIndianapolisではどのデッキを使うべきだろうか。
そうだね、ずっとずっと、それこそGP Parisの頃からずっと答えは同じ。【Miracles】だ。
なぜ【Miracles】が現在良い立場にいるのか、現在はどのように構築したらいいのか、そしてそれを用いて簡単に勝つためには、それらについて説明をしよう。

《宝船の巡航》が去った今、まずすべきことは、各デッキが過去にどの位上手くいっていたかを調べる事だ。
【Miracles】について話せば、それはまさしく環境の上位に位置する一つで、おそらくは最高のデッキだった。
GP Parisで4位入賞した時のリストを見てみよう。

// Lands
4 [B] Island (3)
2 [B] Plains (2)
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island
1 [LG] Karakas

// Creatures
3 [ISD] Snapcaster Mage
1 [MOR] Vendilion Clique

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
3 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
2 [M12] Ponder
2 [ZEN] Spell Pierce

// Sideboard
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [FD] Engineered Explosives
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [TE] Disenchant
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict


そして、比較対象として僕がGP New Jerseyで4位入賞した時のリストも見てみよう。

// Lands
4 [B] Island (3)
2 [B] Plains (2)
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
3 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
3 [B] Volcanic Island

// Creatures
3 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
1 [TE] Counterspell
4 [M12] Ponder
1 [B] Red Elemental Blast
1 [IA] Pyroblast

// Sideboard
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 1 [CNS] Council’s Judgment
SB: 2 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [B] Red Elemental Blast
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [FD] Engineered Explosives
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 1 [DGM] Wear/Tear
SB: 2 [C14] Containment Priest
SB: 2 [B] Blue Elemental Blast
SB: 1 [IA] Pyroclasm


ここで話すことはかなりある。
まず初めに、GP Parisでの構築は、現在のものより良くなかったと自分で理解しているのが重要だ。
僕は二枚目の《思案》を本当に入れたくなかった。けれど、結局それは正しい方向への第一歩だったんだ。
また《Karakas》+《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》コンボを再び使うことも無いだろう。
しかし、ミスはミスで、そこから学んだんだ。そして本当の違いが分かったよ。


○A Blast From the Past

特筆すべきことは、GP Parisではメインデッキに《赤霊破》を一枚も取っていない事だ。
あるいは、もっと分かり易く言うなら、GP New Jerseyではメインから《赤霊破》を取っていた。
これはつまり、そこら中に《宝船の巡航》と青いデッキがいたという事だ。

しかし誰かが言うかも知れない。
『ねぇPhilipp、青というのは最もプレイされている色で、君の《赤霊破》は対象に困らないじゃないか』。
うん、これはある程度真実かも知れない。
けれど、以前のように大量の青いデッキが勝ちあがってこないかも知れず、より重要なのは、キーカードが必ずしも青いわけじゃないという事だ。
それでもあなたの《紅蓮破/Pyroblast》で《渦まく知識/Brainstorm》を打ち消せるだろう。
ドローソースは脅威そのものや、脅威を守る打ち消し呪文を探してくるので、これは対戦相手が繰り出す脅威全てに対処可能なら良い手だろう。
そして、僕は《宝船の巡航》をドローソースとしてではなく、脅威そのものとして数えている。三枚というのは、それだけ多かったんだ。

それでも、《相殺》や《実物提示教育》などの様に、多くのキーカードは青い。
しかし、《タルモゴイフ》や《ヴェールのリリアナ》が隆盛してくると青くないデッキが増え、頼りなくなってくる。
勘違いしないで欲しいのは、《赤霊破》は今なお凶悪だけれど、メインの60枚に入れるに足るだけの融通性を持ち合わせてはいない、という事だ。

加えて、《不毛の大地》と《もみ消し》の再興に伴なって《赤霊破》は以前より更に不利になり、とても弱い土地である《山/Mountain》は選択肢に入らない。
ハンデス人気が高まる事を考慮に入れると、メイン《赤霊破》が過去の事であると見なすことに異論は無いよね?

《赤霊破》は依然として特定のマッチアップに対するサイドカードとしては著しく強力で、75枚から削ろうとは考えていない。
しかしながら、メインデッキに入れる正当性は失われた。


○Angles

次の相違点は、みなさんにとってはそこまで明らかなものでは無かったかも知れない。けれど、非常に重要な点だ。
サイドボードの勝利手段について話そうと思う。
僕は三枚目の《天使への願い》を取っていて、これは【Shardless Sultai】に対して決して小さくない重要な要素だが、この枠は《天使への願い》のためだけというわけではない。
基本的にこのスロットには以下のカードが含まれる。

《天使への願い》

《嵐の神、ケラノス/Keranos,God of Storms》

《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》

《殴打頭蓋/Batterskull》

《悪斬の天使/Baneslayer Angel》

《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth,Knight-Errant》

どのカードもそれぞれ違いがあるものの、役割は似ている。
どれも対処が難しく、遅かれ早かれゲームを決めてしまう。
彼らの役割を理解してもらうために、本当に手短に見ていこう。

《天使への願い》は僕の基本的な構築哲学(一貫性という事)とちょうど合致する。
このカードは、先に述べたシナリオのために機能する最高の一枚として既にデッキに入っている。
最も速い勝利手段であるが、最も予期されている勝利手段でもある。

《嵐の神、ケラノス》と《遍歴の騎士、エルズペス》はどちらもいずれ勝てるカードだが、効果が出るまでゆっくりで、基本的にゲームを長引かせる。
《エルズペス》は《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》に対して非常に相性が良く、《ケラノス》は【Sultai】が横行する環境では素晴らしい働きをする。

《殴打頭蓋》と《悪斬の天使》はその中間だろう。
どちらも対戦相手を早く倒す事にかけては《天使への願い》に及ばず、全てのゲームを完璧にコントロールする事も出来ないけれど、ある重要な点-「絆魂」によって非常に上手く機能する。
「絆魂」は長らく【Miracles】から失われていて、かつ多くの人々が求めていたものだ。
《宝船の巡航》時代には、最もポピュラーなデッキとやり合うためにスロットの大部分を割いていたため、追加の勝利手段を入れられなかった。
《天使への願い》がやったのと同じ位、《相殺》を出す事が勝利に直結していたので、勝利手段自体はそこまで問題にならなかった。
しかし、《突然の衰微》を使うデッキが帰ってくると、別の勝利手段が必要になる。
僕は現時点で《ケラノス》、《悪斬の天使》、《エルズペス》については考えていない。
というのも、これらのカードに対して環境が多様化し過ぎると思っているので、そうなると、《天使への願い》に立ち戻るか、《石鍛冶の神秘家》+《殴打頭蓋》になる。


○Final Words on the Comparison

《宝船の巡航》前後の【Miracles】を比較する上で考慮に入れるもう一つのリストは、僕たちが「Ovino(羊)のリスト」と呼んでいるものだ。
それで、このリストはどんなものか。少しだけ話させて欲しい。

昨夏、僕はイタリアで行われた大規模Legacy大会に向けて【Miracles】を組んでいたのだけど、大学のせいで大会には参加出来なかった。
なので、僕はそのリストを二人の友人に託した。Tomas VlcekとAngelo Cadeiだ。
Angeloが少しサイドボードをいじり、Tomasと僕はその変更にすぐに賛同した。
三人ともデッキに好感触だったんだ。
別の友人は、きっとTomasとAngeloが決勝卓で会うだろうから、大会では勝ちきれないよと嘆いていた。なので僕はその友人の幸運を祈っていた。
僕が勉強に勤しんでいる間、彼らは会場を泳ぎ切り、本当に決勝卓に辿り着いた。
そして、AngeloがTomasを倒した。
以下がそのリストで、新しいリストを構築する際に重要な要素が含まれている。

// Lands
4 [B] Island (3)
2 [B] Plains (2)
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
3 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
4 [M12] Ponder
1 [CNS] Council’s Judgment

// Sideboard
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 3 [MOR] Vendilion Clique
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [FD] Engineered Explosives
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [MI] Disenchant


基本的には、Tomasと僕がGP New Jerseyで使った、完璧なお手本となる【Miracles】リストの先祖だ。
そしてある種のメタを考慮に入れた捻った構築ではなく、オープンな環境に対する構築だ。

このリストには四枚の《思案》が入っていて、これはサイドボードからの勝利手段や、《議会の採決/Council’s Judgment》を手に入れるために有用だ。
特に《議会の採決》は、【Shardless Sultai】を予期する時に非常に重要で、他のデッキが繰り出すいかなる脅威にも完璧に対処しつつ、《ヴェールのリリアナ》を除去するのに理想的な手段となる。
しかしこれは、《宝船の巡航》時代のトークンが蔓延する環境では遅すぎた。


○Let’s Build

新しい環境について十分に検討したし、古いリストも十分に見比べた。
さあ、新しい相棒を作ろうじゃないか。
敗北から身を守るためにどんな【Miracles】を使えばいいだろうか。

私たちが学んだ事をまとめよう。
メインデッキに《赤霊破》は要らないが、サイドには絶対必要だ。
追加の勝利手段はサイドボードに取る必要があり、【Shardless Sultai】や【Jeskai Stoneblade】のようなより遅く、よりコントロール重視なメタゲームに対処する必要がある。

そして、メインデッキから《赤霊破》を取る必要がなくなったため、メインには二枚の空きスロットがある。
多くの人々がそのカードについて僕に尋ねてきたけれど、まだ言及していないカードが一枚あるね。

《時を越えた探索》入り【Miracles】だ。

まず、《時を越えた探索》はゲーム終盤でしか使えないために、初手に更に無駄カードを抱え込むリスクがあり、【Miracles】でこのカードを軸にしたいような物では無い。
とは言え、このカードには莫大な掘削力があり、それはコントロールデッキでは重要な事だ。しかし、【Miracles】で二枚目を引くのは、そこまで素晴らしくない。
とは言え、これはインスタントなので、ドローソース偏重構成の【Miracles】に、13枚目のドローソースかつ強力な一手として迎えられる。
けれど、これを勝利手段として見なすのは間違っている。これはドローソースとして見るべきだ。

《時を越えた探索》には上述した内容と密接に関連付いた要素があるが、最初は明白では無いかもしれない。
インスタントかつ2マナというのは、いくつかの理由から利点だ。
第一に、《目くらまし/Daze》や《呪文貫き》に対して非常に強い。
インスタントというのは、ミラーマッチやコンボを相手にした時に有用で、自分のターンに土地を寝かせなくて良いし、《時を越えた探索》を使うタイミングを自由に伺える。
また、ミラーマッチにおいて打ち消すべきカードでもある。
その他、《相殺》や《ジェイス》といった切り札を繰り出す前のターンに解決させると非常に良い。

低速デッキの増加に伴って、【Miracles】に《時を越えた探索》を入れる事が正しいように思われるが、どこにそれを入れたいかという問題が残っている。
これに関しては後で、どのようにメインデッキの更新をするかという段で説明する。

二番目のカードは、僕たちが(再び)欲しい《議会の採決》だ。
現在の【Delver】デッキは三色化のため低速になり、ほとんど無駄にならない。
特に、【Sultai】や《ヴェールのリリアナ》の様なプレインズウォーカーに対処する時に著しく重要なカードだ。
加えて、これは《時を越えた探索》とシナジーしている。
というのも、強力でありながらライブラリートップからめくる必要が無いからだ。


○Tweaking the Numbers

現時点で、これらのカードをメインデッキに組み込むとすると、いくつかの選択肢が生じ、それぞれが特定の環境において別個の利点を持つ。

1)遅い環境(【Shardless Sultai】【Stoneblade】【Death and Taxes】【Jund/Abzan】)

あなたの出場する大会で「Sultai」が流行っていると予測するなら、GP New Jerseyのリストの《赤霊破》と《紅蓮破》を、

1*《議会の採決》
1*《時を越えた探索》

に変える。
三枚の《ジェイス》に加えて高い影響力を持つ《議会の採決》と《時を越えた探索》、更に三枚のボムを加えた構成は、遅くて余り青くない環境での成功に必要だろう。

2)速い環境(【Delver】【Jeskai】【Infect】【Combo】)

二枚の《赤霊破》と、一枚の《ジェイス》を、

1*《議会の採決》
1*《時を越えた探索》
1*《対抗呪文/Counterspell》

に変える。
これはほとんど違いが無いように見えるかも知れないけれど、少し違う。
別の視点から見る必要があるかも知れない。
《赤霊破》を《議会の採決》と《対抗呪文》に変え、《時を越えた探索》のために《ジェイス》を一枚削った。
これは【Delver】や【Infect】、コンボデッキに対して絶大な優位となる。
コンボデッキが増加するなら、二枚目の《対抗呪文》を取る。
これは、《Force of Will》を構えながら《相殺》や《対抗呪文》といった2ターン目の動きを確保するものだ。
この形は、非常に特殊な環境における選択肢だ。
けれど、広大で未知な環境に持ち込むリストとして最初に試してみたい変更だ。

実際のところ、一枚のカードの違いでしかないが、これはあなたの属する環境次第で変化する。
次は、どんなメインデッキにでも入れておきたいサイドカードについて見て行こう。
理解し易いように一個ずつに分けて書いていく。

1)Stack Interaction

3*《狼狽の嵐/Flusterstorm》
2*《赤霊破》
1*《紅蓮破》
1*《対抗呪文》

1~2枚はその都度変わるけれど、これはGP Parisからずっと一緒の信頼の置けるパッケージだ。
《狼狽の嵐》は更に良くなった。どんな種類のコンボデッキに対しても著しく強く、更に《もみ消し》を主体とした【Delver】デッキに対してもよく効く。
そしてサイドボードの《対抗呪文》は未だに過小評価されているが、強力だ。

2)Complementary gameplan

3*《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

僕はこのカードが除去の的になり、マッチアップ次第で良くも悪くもなる事から、メインデッキに入れるのは好きでは無い。
しかし、サイドボードで活躍の場(対コンボとミラーマッチ)を待っているこのカードは素晴らしい。
ゲームを終わらせ得る一枚でもある。

3)High-impact cards

1*《至高の評決/Supreme Verdict》
1*《天使への願い》
1*《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
1*《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1*《解呪/Disenchant》

これらのカードは極めて特定の条件下で解決するか、《天使への願い》のようにゲームを決め得るものだ。
四枚の《思案》と一枚の《時を越えた探索》に加え、四枚の《渦まく知識》と四枚の《師範の占い独楽》による高い掘削力で、条件付きのカードはこれ以上必要無い。
そして《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》がそれらに「フラッシュバック」を付ける。

じゃあ、僕がSCG Indianapolisに持ち込みたいリストを公開しよう。

// Lands
4 [B] Island (3)
2 [B] Plains (2)
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island

// Creatures
3 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [AVR] Entreat the Angels
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
1 [TE] Counterspell
4 [M12] Ponder
1 [KTK] Dig Through Time
1 [CNS] Council’s Judgment

// Sideboard
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [TE] Counterspell
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [FD] Engineered Explosives
SB: 3 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [MI] Disenchant
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict
SB: 1 [ALA] Relic of Progenitus


来週末は【Delver】デッキよりも【Shardless Sultai】や【Stoneblade】の様な遅めのデッキがより人気を博すだろうと予想しているので、三枚目の《ジェイス》を選んだ。
どのイベントにも対処の難しい【12-post】や【Goblins】、人の鼻をあかしてやろうっていうローグデッキがいて、そういうのを上手く捌けるのなら、このリストは非常に良い【Miracles】のリストだ。
サイドボードに関する指南だけど、昨年書いた僕の記事(下記参照)を見て欲しい。
何枚かのカードは入れ替わっていて、環境も変わったけれど、このデッキのサイドボードをどのように使うかを自分で理解するに足るだけの情報がそこにはある。


○A Word on Design Philosophy

このデッキがどうやって作られたかについて二つ三つ言わせて欲しい。
既に僕の昔の記事をいくつか読んでくれたかも知れないけど、これを繰り返す事で、なぜこのリストがこうした構築になったのかの理解に繋がると考えている。
これは他の【Miracles】プレイヤーとは大きく違う点だ。

この莫大な量のドローソースは、たった一つの事しかあなたにさせてくれない。
それは、ゲームプランを遂行するということだ。

あなたのゲームプランは初手の七枚に依存しているわけではなく、デッキに入れたカードを見つられるという保障を持って、デッキに依存している。
長所は《悪斬の天使》をプレイ出来ない事と、対戦相手の油断に付け込む事だ。
もしも正確にプレイ出来るのなら、どんなゲームにも勝つ事が出来るだけの十分な道具の用意が常にある。
大きくゲームを傾けるボムカードは、本来負けるはずだった試合に勝たせてくれるかも知れないけれど、スキル云々とは関係なしに負けてしまうマッチもある。
ただデッキが応えてくれなかっただけだ。

しかし、13枚のドローソースと、その他の直接的なカードの入ったデッキで、そんな事は滅多に起こらない。
《血染めの月/Blood Moon》も、《悪斬の天使》も、《造物の学者、ヴェンセール/Venser,Shaper Savant》も、《Karakas》も入っていない。
このデッキがやる事全ては、どこまでいっても同じだ。
結果はどうだい? 勝利、それ以外にあるのかい?

それから、僕は《仕組まれた爆薬》や、《議会の採決》、《解呪》といった分けるべきカードを出来るだけ分けたいけれど、ある特定のカードが明らかに他よりも優れている場合にはまとめたい。例としては、《狼狽の嵐》や《ヴェンディリオン三人衆》だ。
この点で、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》や《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》を含めてコンボ対策を多様化させる事も出来るが、Legacy環境が多様である限り、勝ち負けの分からないゲームの戦場にカードを繰り出そうとは思わない。
彼らは僕にとって非常にリスキーに思える。
なので、僕は有用な打ち消し呪文と、回避持ちの脅威を使って安全に行くことにする。

サイドボードの《対抗呪文》と《天使への願い》は僕の構築哲学を忠実になぞった良い例だ。
この二枚は既に用いられている物を増やし、そしてそれは十分に良く機能している。
だから、気まぐれなカードをプレイする必要は無い。


○Concluding Thoughts

【Miracles】は相変わらず強力なデッキだ。
しかし難易度は少し変わった。
少し前までの環境では、ぎりぎりのところで【Delver】デッキに勝てていたけれど、現在はまたかなり楽な相性に戻っている。
だが一方で、【Shardless Sultai】も存在している。これは本当に楽な相性とはとても言えないけれど、そこまでヒドイわけでもない。
あなたは《天使への願い》を念頭にゲームプランを作る必要があるが、大抵はなんとかなるはずだ。
僕はまだいまひとつアメリカ国内で【Miracles】が過小評価されていると考えていて、より成功している様子が見てみたい。
それに少しでも貢献出来れば、と思っているんだ。

差し当たり、環境最高のデッキとしての【Miracles】を損なう事態は起きないと思う。
このデッキでの冒険に幸運を、そしてあなたに奇跡が起こる事を。


記事
http://www.starcitygames.com/article/30182_Legacy-Life-After-Treasure-Cruise.html


Back in Control

2015/3/9

by Carsten Kotter

<前略>

「《時を越えた探索/Dig Through Time》を主軸にした【Miracles】を試しに組んでみて、地元の大会に出たら二週間で17-0したんだ」


《生物》1

1《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》

《プレインズウォーカー》2

2《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》

《土地》22

5《島/Island》
2《平地/Plains》
1《乾燥台地/Arid Mesa》
4《溢れかえる岸部/Flooded Strand》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3《Tundra》
2《Volcanic Island》
1《Karakas》


《スペル》35

4《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
4《相殺/Counterbalance》
4《渦まく知識/Brainstorm》
2《対抗呪文/Counterspell》
3《時を越えた探索/Dig Through Time》
4《Force of Will》
4《剣を鋤に/Swords to Plowshares》
1《議会の採決/Council’s Judgment》
2《天使への願い/Entreat the Angels》
3《思案/Ponder》
4《終末/Terminus》

サイドボード

2《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1《真髄の針/Pithing Needle》
1《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》
1《安らかなる眠り/Rest in Peace》
1《悟りの教示者/Enlighted Tutor》
2《狼狽の嵐/Flusterstorm》
2《流刑への道/Path to Exile》
2《紅蓮破/Pyroblast》
3《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》


二種類のやりたいことを一つに詰め込んだような【Miracles】を構築し、どのようにプレイするかは先週話したね。
そして分かった事は、《時を越えた探索》が以前このデッキが不得意としていた『カードアドバンテージ獲得戦争』の分野を補強し、第3のゲームプランを可能にした。

Philipp Schonegger謹製の一般的な【Miracles】は効果的な解決手段と大量のライブラリー操作を組み合わせることで、最適なタイミングで最適な解答を見つける事に長けており、ゲームの掌握が得意だ(そしてそれらの解答は《瞬唱の魔道士》によって使い回される)。
このデッキに長い間不足していたのは、私の大好きな古き良きコントロールデッキや【Worldgorger Combo】デッキと同様に、アドバンテージ差で勝つ事が出来ないという点だ。
こつこつとゲームを続け、終盤になってようやく《相殺》+《師範の占い独楽》コンボ、《精神を刻む者、ジェイス》の奥義、《天使への願い》を叩きつけて勝つしかなかった。
私はこれらの重要なカードを少なくし、それを《時を越えた探索》でフォローする様に戦ったところ、順調に勝ち星を重ねる事が出来た。
【Miracles】が《時を越えた探索》を手に入れた事で、事態は大きく変化した。
《相殺》も《終末》も、どちらも効かない相手に対しても、《時を越えた探索》に頼ることで勝つチャンスが生まれるようになった。
望まれれば、【Miracles】は【Golddigger】(全体除去と《相殺》の代わりにドローソースを入れた重コントロールデッキ)としても振る舞える。これは素晴らしい変化だね。

そしてこれが《時を越えた探索》による変化だとするならば、《探索》入り【Miracles】が考慮に値するのは明白だろう。
そして、それだけではない。
《時を越えた探索》は常識を越えた探索(おっと)で、状況やマッチアップに応じて正しいゲームプランを取る事が可能になる。
もし「奇跡」カードが手札に来た場合でも、《時を越えた探索》を解決することで、それらの「奇跡」カードを再び「奇跡」可能にする《渦まく知識》や《ジェイス》を見つける事は造作も無い。
もし《相殺》を持っていて《独楽》が必要な場合、あるいはその逆の場合でも、《時を越えた探索》はそのお手伝いをしてくれるだろう。

《時を越えた探索》の増加は、このデッキの悩みのタネである「クロック」の問題においても、大きな改良となっている。
というのも、《時を越えた探索》は「奇跡」カードと合わせて使いたい《渦まく知識》を見つける事に長けている。
従って、掌握したゲームを速やかに終わらせるための、

『あなたのターンエンドに、あなたが死ぬだけの天使を』

と宣言するのがより簡単になる。
私はこのデッキリストを使っていて、《ジェイス》を勝利手段としてではなく、頻繁に《渦まく知識》製造機として使っている事に気が付いた。
理由はとてもシンプルで、このリストでは解決手段で手札を一杯にしながら、より早く(かつ安全に)《天使への願い》の準備が整うからだ。

うん、ここまでいかに《時を越えた探索》が素晴らしいかをぶちまけてきた。
だからここからは、それ以外の部分を簡単に見ていこう。

<盤面をコントロールするカード>

4《剣を鋤に》

4《終末》

1《議会の採決》

《剣を鋤に》は私が【Enter the Dragon】デッキで求めていた正にそれだ。軽くて、ほとんど全てのクリーチャーに対処可能で、疑問を挟む余地が無い。

《終末》は必要なマッチアップでは素晴らしい。なので、私はこれを四枚以下にする事は考えていない(メタゲームによって《終末》が不必要にならない限りは)。
なぜなら、入れれば入れただけアドバンテージを稼げる(しかも低マナで)チャンスが増えるからだ。

《議会の採決》は、このデッキが待ち望んでいた「触れない」カードへの柔軟な対抗策となる。
3マナというのはいささか重たいが、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》などに対抗するために一枚は欲しい。
《時を越えた探索》と他のライブラリー操作によって一枚挿しのカードを見つけるのが容易な場合は特にね。


<スタック上をコントロールするカード>

2《対抗呪文》

4《相殺》

4《Force of Will》

《相殺》はもう一つのゲームプランであり、多くのデッキをロックアップしてしまえる。
なので、これを四枚以下にする理由がない。

《Force of Will》はこのフォーマットの序盤を制するのに最も強力な武器だ。
加えて現在では、それによって負ったディスアドバンテージを《時を越えた探索》が補填してくれる。
使わないに越したことは無いけれど。

《対抗呪文》はスタック上で機能する《議会の採決》と言える。
テンポ重視のレガシー環境では少しばかり重いカードではあるけれど、中盤~終盤においては非常に強力で、予期せぬ事態に柔軟に対応し、あなたの防御網をより強固なものとする。

私のリストで不在が目立つカードと言えば、《呪文貫き/Spell Pierce》だろう。
《呪文貫き》は時たま素晴らしく、それ以外の時は完全な死に札となる。
このような構築のデッキにおいては、終盤のパワーが著しく貧弱で、また、クリーチャーで速攻をかけてくる多くのデッキに対しても無力だ。
《呪文貫き》をメインデッキから削るという事は、対コンボデッキの第1ゲームをみすみす落とす事を容認するという事でもある(しっかりとカードを引き込んで、《時を越えた探索》まで辿り着けたなら、コンボを倒す事もあるだろう)。
ほとんどの場合、早々に《相殺》+《独楽》ロックを完成させる事は出来ない。
なので、私は《呪文貫き》を止めて、コンボとの第1ゲームが厳しくなる(サイドボード後は楽になる)のを受け入れて、その代わり他のデッキへの勝率を確実に上乗せしたいと考えた。
私はベルリンでプレイしているが、この場所は私が知る限りで最もコンボデッキの数が多い地域だ。
何もコンボへの対抗策が無いという事では無い。これはコンボ-コントロールっぽいデッキだということだ。


<ドローをコントロールするカード>

4《渦まく知識》

4《師範の占い独楽》

3《思案》

3《時を越えた探索》

1《瞬唱の魔道士》

このデッキにおける《渦まく知識》と《独楽》に関して論じるつもりは無いので《思案》から見て行こう。

私はPhilippが彼のリストで四枚入れているのをとても好ましいと思っている。
しかし、私の場合は22枚目の土地が、例え基本じゃない《平地》だとしても削りたくはない。
デッキ中の他の武器にアクセスしたくて、その場合に《思案》が良いカード(特に《時を越えた探索》の入ったデッキでは)だとしても、四枚目の《思案》を削る必要がある。

ここまででいかに《時を越えた探索》が良いものか話してきたが、《相殺》、《独楽》、タイミングが重要なカード(奇跡etc)を多く抱えたデッキがどれ程の「探査」呪文を扱えるだろうか。
【Miracles】は最速で墓地を満たせるデッキではなく、効率的に運用出来る枚数には制限があるだろう。
3という枚数は完璧なものだと感じる。

最後は一枚挿しの《瞬唱の魔道士》だ。
【Miracles】で《瞬唱の魔道士》を使うこと、特に複数枚使う事に関して、私は相当毛嫌いしている。
2/1という本体は少なくとも3マナを常に必要とするだけの価値があるとは思えず、一度使った重要なスペルを使い回すためだけに入れている、というのが私の見解だ。
とは言え、《新たな芽吹き/Regrowth》効果は、タイトに仕込んだ強力な解決手段を、ドローソースを駆使して見つけ出す様なデッキでは非常に強力だ。
マッチアップ次第では、二枚目の《議会の採決》や《対抗呪文》が必要となり、その場合どちらかの二枚目をデッキに入れるよりは《瞬唱の魔道士》を入れた方がより柔軟になる。
信頼に足る手段ではないが、終盤を掌握する強力な攻め方として、墓地とマナが潤沢な状態で《ジェイス》によって《瞬唱の魔道士》を手札に戻し解答を使い回す事も可能だ。
これは非常に手間がかかる方法だが、終盤においては納得のいくソフトロックとなる。


<勝利手段>

2《精神を刻む者、ジェイス》

2《天使への願い》

この枠には四枚のみを割いた(プランBとして《瞬唱の魔道士》ビートがあるが、基本的には幻想だろう)。
これはおそらく【Miracles】としてゲームを終わらせる最少枚数になる。
この枚数の論理的正当性に少しの異論もない。
必要無い時には引かず、必要な時には《時を越えた探索》によって速やかに手札に加えられる。
これは非常に上手くいっているように見える。
あなたはエンドカードの枚数がそこまで必要無いと分かるだろう。
必要な状況というのは、対戦相手にとって対処が非常に困難な場合(ほとんどのデッキでは、四体以上の天使を処理するのは容易ではない)か、既に掌握したゲームで天使を並べる場合かだ。


○Simple Sideboarding

私が使っているサイドボードはかなり素直なものだ。
スタック上での妨害手段と、《ヴェンディリオン三人衆》は環境に存在する種々のコンボデッキやミラーマッチでの武器となる。
そして、追加の除去は盤面を掌握するゲームの助けとなり、《仕組まれた爆薬》もまた《相殺》や《ヴェールのリリアナ》といったクリーチャーではないパーマネントへの対抗策となる。
《真髄の針》は《実物提示教育/Show and Tell》(《グリセルブランド/Griselbrand》と《騙し討ち/Sneak Attack》のどちらか辛い方を止める事が出来る)や、《霊気の薬瓶/Aether Vial》に対処する際には特に素晴らしい。

最後に、三枚パッケージの《エーテル宣誓会の法学者》、《安らかなる眠り》、《悟りの教示者》(どちらかの水増しになる)によって、他のコンボデッキに対して“なんちゃってコンボ”デッキとして振る舞える。
これらが場に留まっている限りは、【Storm】や墓地利用デッキに対して「一枚コンボ」の安価なパーマネントとして機能するし、これらは他のマッチアップにおいても強力だ。
《エーテル宣誓会の法学者》は《騙し討ち》デッキに対しても素晴らしく、例えば、彼らはコンボパーツを守るための打ち消しを唱えられなくなる。

効果的ではあるものの、私は二枚の《エーテル宣誓会の法学者》と二枚の《封じ込める僧侶/Containment Priest》のために《真髄の針》とこれら三枚のカードを削ろうと考えている。サイド後は特定の戦略に対して「一枚コンボ」よりも効果的だからだ。

記事
http://www.starcitygames.com/article/30432_Back-In-Control.html


May 2015 Legacy Metagame Analysis

by Bob Huang

2015/5/20


Legacyは前回の記事を執筆した頃から大きな変化を遂げた。
とあるぶっ壊れソーサリーがフォーマットを去り、私たちの大部分は六か月前に逆戻りだ。
しかし今度は《時を越えた探索/Dig Through Time》旋風が巻き起こり、これが《宝船の巡航/Treasure Cruise》と同等の衝撃かどうかは、時間が教えてくれるだろう。


○Methodology

この分析において、“top finishing deck”というのを、参加者129名以上(言い換えると8回戦以上)のトーナメントにおいて上位5%に入ったデッキだと定義する。
この方法論で導かれるのは、勝っているデッキのメタゲームであって、フィールド全体のメタゲームではない。
また、私はこのフォーマットにおけるDeath and TaxesやDeathBladeなどのデッキは“コントロール”に分類する。例えこれらのデッキが多数のクリーチャーを含んでいてもだ。

基本的に、私はデッキを見た時に、そのデッキがゲームをコントロールしたいのか、それとも攻撃的にゲームを作りたいのか見定めてカテゴリー分けする。
世の中には“ミッドレンジ”という攻撃的にも防御的にも立ち回れるデッキが多くあるが、私は単純に“アグロ”“コントロール”“コンボ”として分類分けする。
図のパーセンテージは、“top finishing decks”の総数における各アーキタイプごとの上位入賞率だ。

(画像参照)

以下が「運命再編」以後において活躍したデッキになる。

1.Miracles(12.7%)
2.BUG Delver(7.8%)
3.Death and Taxes(7.8%)
4.ANT(6.3%)
5.UR Delver and UBR Delver(6.3%)
6.OmniTell(5.9%)
7.RG Lands(4.4%)
8.UW,UWR,and UBW StoneBlade(4.4%)
9.RUG Delver(3.9%)
10.DeathBlade(3.9%)

これら10種のデッキは少なくとも勝っているメタゲームにおいて3.9%を占めている。
全て合計すると、64%になる。
これにはMTGLegacy subRedditからの情報も少しだけ含まれている。
各アーキタイプと、それらの成績をまとめてくれたRedditユーザーのdrafrk3inさんに多大な感謝を。

さあ、上位のデッキに私の考えを添えて見ていこう。


○Miracles(12.7%)

昨年六月にLegacyについて書いた時、Miraclesは最高位(18.4%)のデッキだった。
その頃から6%程度下がったとは言え、《宝船の巡航》時代に比べればMiraclesの環境は良くなっている。
他の上位デッキ9種に対して、相性最悪な相手というのが居ない。

《相殺/Counterbalance》は他の上位デッキの大部分において素晴らしい活躍をする。(例外はDeath and Taxes、OmniTell、BUG Delverだ)
《終末/Terminus》のような軽い全体除去のおかげで、多くのクリーチャーデッキとの相性はMiracles有利となる。
このデッキはとうとうアメリカでも流行り始め、多くのプレイヤーがJoe Lossettによる“Legend”Miraclesや、Schoeneggerによる“《思案/Ponder》”Miraclesを採用している。

Legend Miracles

// Lands
2 [LG] Karakas
1 [UNH] Mountain
1 [R] Volcanic Island
2 [R] Tundra
4 [KTK] Flooded Strand
1 [ZEN] Arid Mesa
4 [ZEN] Scalding Tarn
5 [UNH] Island
2 [UNH] Plains

// Creatures
1 [FUT] Venser, Shaper Savant
3 [MOR] Vendilion Clique
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
1 [TE] Counterspell
4 [IA] Brainstorm
4 [AL] Force of Will
2 [IA] Pyroblast
3 [R] Swords to Plowshares
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
1 [DIS] Spell Snare
1 [KTK] Dig Through Time
1 [AVR] Entreat the Angels
4 [AVR] Terminus
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [CS] Counterbalance

// Sideboard
SB: 1 [DGM] Wear/Tear
SB: 2 [FRF] Monastery Mentor
SB: 1 [C14] Containment Priest
SB: 2 [RTR] Rest in Peace
SB: 1 [RTR] Izzet Staticaster
SB: 1 [AVR] Cavern of Souls
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [FUT] Venser, Shaper Savant
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 1 [FD] Engineered Explosives
SB: 2 [R] Red Elemental Blast


Ponder Miracles

// Lands
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
2 [B] Volcanic Island
4 [UNH] Island
2 [UNH] Plains

// Creatures
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
4 [AVR] Terminus
2 [AVR] Entreat the Angels
2 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
4 [M12] Ponder
2 [KTK] Dig Through Time
1 [CNS] Council’s Judgment

// Sideboard
SB: 1 [CNS] Council’s Judgment
SB: 1 [B] Red Elemental Blast
SB: 2 [IA] Pyroblast
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [FD] Engineered Explosives
SB: 3 [MOR] Vendilion Clique
SB: 2 [DGM] Wear/Tear
SB: 2 [C14] Containment Priest


以前の私は、安定感を買って《思案》型のリスト愛好家だった。
《思案》型リストでは、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を対戦相手にカウンターされたり《思考囲い/Thoughtseize》で落とされたりしても、機能不全に陥るという事は無かった。

しかし現在では、私は“Legend”Miraclesをより好きになっている。
これは、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》がミラーマッチにおいて素晴らしく、最近勢いを増しているOmniTellにも有効だからだ。
また、サイドボードに忍ばせた《僧院の導師/Monastery Mentor》も大好きだ。
これによって対Miraclesで死に札になりがちな除去手段を全てサイドアウトしてしまう事がリスキーになり、かつ《僧院の導師》自体が攻防どちらにおいても優秀である。

Miraclesは、このフォーマットにおいて他のデッキよりも一段階上にいるが、他のデッキよりも乗り手を選ぶデッキだ。
時間制限は常に強敵で、多くの対戦相手は《真髄の針/Pithing Needle》や《もみ消し/Stifle》といったカードを採用している。
個人的予想では、Miraclesは今後数か月間も上位デッキに留まり続けるだろう。

Redditのデータによれば、最高の相手はElvesやANTで、最悪な相手はRUG DelverとShardless BUGになる。
概ね同意だが、この二つのキツいマッチアップにしても、そこまで不利というわけでは無いと思う。
もう一つ興味深いデータは、ミラーマッチの成績が16勝16敗10分で、この内訳はミラーマッチの引き分けが24%、その他のデッキに対しての引き分けが9%となっている。
あなたが時間内に終わらせられるようにしっかり練習を積めば、この数字は決して高いものではない。


○BUG Delver(7.8%)

《宝船の巡航》が禁止されたおかげで、BUG Delverは戻ってくる事が出来た。
BUG Delverは軽い除去と《紅蓮破/Pyroblast》が欠落している事によって対UR Delver戦に問題を抱えているが、昔なじみのこのデッキが注目されるのは嬉しい事だ。
最近では、《呪文貫き/Spell Pierce》や《もみ消し》を採用してより青の濃くなったBUG Delverを見る機会が増えたが、世の中にはより黒を濃くして《Hymn to Tourach》や《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》を組み込んだデッキの使用者も居る。

追加のスペルの分け方は多様で、それはあなたがどのデッキを標的にするかによる。
青の濃いリストはマナとテンポを重視し、黒の濃いリストはよりJundっぽいと言える。
青いリストは対Miraclesに優れ、黒いリストは他の青いデッキやコンボデッキに対して優れている。

どちらのリストを選ぶとしても、現時点では一も二もなく《闇の腹心/Dark Confidant》を採用したい。
《闇の腹心》はMiraclesとコンボに対して素晴らしい武器となる。
以下はJohn Wileyが用いた最新のBUG Delverになる。


BUG Delver

// Lands
2 [ZEN] Misty Rainforest
2 [ZEN] Verdant Catacombs
4 [ON] Polluted Delta
4 [TE] Wasteland
4 [R] Underground Sea
3 [R] Tropical Island

// Creatures
4 [RTR] Deathrite Shaman
1 [C13] True-Name Nemesis
4 [ISD] Delver of Secrets/Insectile Aberration
4 [FUT] Tarmogoyf
3 [RAV] Dark Confidant

// Spells
4 [IA] Brainstorm
1 [TE] Reanimate
3 [AL] Force of Will
2 [NE] Daze
3 [THS] Thoughtseize
4 [RTR] Abrupt Decay
2 [ZEN] Disfigure
3 [ZEN] Spell Pierce
4 [LRW] Ponder

// Sideboard
SB: 1 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [AL] Force of Will
SB: 1 [KTK] Murderous Cut
SB: 1 [RTR] Golgari Charm
SB: 2 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [ZEN] Marsh Casualties
SB: 1 [ARB] Maelstrom Pulse
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 1 [BOK] Umezawa’s Jitte
SB: 2 [OD] Divert
SB: 1 [US] Arcane Laboratory
SB: 1 [ZEN] Disfigure

注:61枚デッキ


Redditのデータによれば、BUGにおける最高の相手はコンボデッキで、最悪の相手はLandsになる。
私はElvesもかなりキツいマッチアップの一つだと思う。
Elvesは全体勝率が58%と高く、これは100戦以上使われているデッキでは第二位だ。
BUG DelverはMiraclesよりは乗り手を選ばず、あらゆる物への対処手段を持つため、常に安全な選択肢と言える。


○Death and Taxes(7.8%)


《スレイベンの守護者、サリア/Thalia,Guardian of Thraben》はこのフォーマットの他の上位デッキに対して非常に上手く立ち回り、確かな結果を残し続け、最終的には多くのLegacy愛好家たちからの尊敬を勝ち取った。
Death and Taxesは依然としてDelverデッキに強く、対処の難しい《霊気の薬瓶/Aether Vial》を用いる事でMiraclesを苛立たせる。
《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》もまた強力なヘイトベアーで、メインに投入されているリストすら見られ始めた。
これはOmniTellに対して1ターンを確実に稼ぎ、一般的なANTに対してはこれを出すだけで第1ゲームを取れるほどだ。

Death and Taxes

// Lands
4 [TE] Wasteland
4 [MM] Rishadan Port
2 [LG] Karakas
1 [FUT] Horizon Canopy
1 [AVR] Cavern of Souls
9 [CS] Snow-Covered Plains
2 [TSP] Flagstones of Trokair

// Creatures
4 [M15] Phyrexian Revoker
1 [BNG] Brimaz, King of Oreskos
4 [WWK] Stoneforge Mystic
4 [DKA] Thalia, Guardian of Thraben
4 [EVE] Flickerwisp
4 [UL] Mother of Runes
3 [TSP] Serra Avenger
1 [ALA] Ethersworn Canonist
1 [MBS] Mirran Crusader

// Spells
1 [DS] Sword of Fire and Ice
1 [BOK] Umezawa’s Jitte
4 [B] Swords to Plowshares
4 [DS] AEther Vial
1 [NPH] Batterskull

// Sideboard
SB: 2 [CNS] Council’s Judgment
SB: 1 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 1 [RTR] Rest in Peace
SB: 2 [MI] Enlightened Tutor
SB: 1 [WL] Aura of Silence
SB: 2 [EX] Cataclysm
SB: 1 [US] Absolute Law
SB: 1 [SOK] Manriki-Gusari
SB: 1 [LRW] Oblivion Ring
SB: 1 [C14] Containment Priest
SB: 1 [FRF] Mastery of the Unseen


Redditによれば、Death and Taxesが苦手なのはElvesとANTで、Reanimatorには有利とのこと。
Death and Taxesは非常にスキル依存度の高いデッキで、これから先選択する価値のあるデッキだと言える。
しかしながら、ドロー操作の欠如ともっさりとした装備品によって、このデッキは環境で最も引きムラのあるデッキの一つになってしまっている。
理論上は多くの相手に有利の付くデッキだとしても、自分の引きムラ次第では《渦まく知識/Brainstorm》や《思案》といったぶっ壊れカードを使う対戦相手にイージーウィンを与えてしまう事もあり得る。


○Storm(6.8%)

環境にBUG Delver二種とMiraclesが居ても今なおANT恐るべし、といったところか。
本質的な強力さと安定感によって良い結果を残し続けている。
多くのデッキは対ANTの第1ゲームで十分な対応が出来ず、サイド後はANTプレイヤーが様々な手段を用いて対策をかいくぐろうとする。
このデッキを叩くにはパーマネントが一番で、《突然の衰微/Abrupt Decay》や《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》で対処する事を強制する。
最近のリストでは《炎の中の過去/Past in Flames》を増やす傾向にあり、Pascal Wagnerが革新的な試みを見せたのが、《苦悶の触手/Tendrils of Agony》三枚入りのリストだ。

ANT

// Lands
4 [ZEN] Misty Rainforest
2 [B] Underground Sea
1 [B] Volcanic Island
1 [UNH] Island
1 [UNH] Swamp
4 [ON] Polluted Delta
1 [B] Tropical Island
1 [B] Bayou

// Spells
4 [MI] Lion’s Eye Diamond
4 [5E] Brainstorm
1 [US] Duress
4 [M12] Ponder
2 [M11] Preordain
4 [NPH] Gitaxian Probe
4 [TE] Lotus Petal
3 [TO] Cabal Ritual
4 [DIS] Infernal Tutor
3 [SC] Tendrils of Agony
4 [TE] Dark Ritual
2 [ISD] Past in Flames
4 [JU] Cabal Therapy
1 [US] Rain of Filth
1 [THS] Thoughtseize

// Sideboard
SB: 1 [ON] Chain of Vapor
SB: 3 [RTR] Abrupt Decay
SB: 3 [TE] Dread of Night
SB: 2 [SC] Xantid Swarm
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [ALA] Ad Nauseam
SB: 2 [TSP] Krosan Grip
SB: 1 [JU] Burning Wish


Redditによれば、有利なのはDeath and TaxesとStoneBlade、不利なのはBUG DelverとMiracles。
Death and Taxesは強力なヘイトベアーを擁するものの、Storm側はそれらのいずれかを《陰謀団式療法/Cabal Therapy》で除外したり、あるいはそれらを尻目に《巣穴からの総出/Empty the Warrens》で勝利する。
StoneBladeは言わずもがな、妨害が不足していて、かつ速いクロックも持たないデッキだからだ。


○UR/x Delver(6.3%)

現在、Delverデッキで二番人気のタイプで、「テイラースウィフトスピアー(訳注:《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》の事)」が未だに使われているのを見るのはとても嬉しい限りだ。
《宝船の巡航》の代わりに、現在では《時を越えた探索》が使われ、「探査」持ちのクロックとして《黄金のバナナ男、タシグル/Tasigur,the Golden Banana Man》や《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》が使われている。
このデッキは爆発力があり、後半のガス欠を《時を越えた探索》で補っている。

URB Delver

// Lands
4 [B] Volcanic Island
4 [ON] Polluted Delta
4 [ZEN] Misty Rainforest
2 [B] Underground Sea
1 [UNH] Island
1 [ON] Flooded Strand

// Creatures
4 [ISD] Delver of Secrets/Insectile Aberration
4 [KTK] Monastery Swiftspear
4 [M14] Young Pyromancer
2 [FRF] Tasigur, the Golden Fang

// Spells
4 [M12] Ponder
4 [NE] Daze
4 [5E] Brainstorm
4 [AL] Force of Will
4 [B] Lightning Bolt
4 [NPH] Gitaxian Probe
2 [KTK] Dig Through Time
2 [ROE] Forked Bolt
1 [EX] Price of Progress
1 [LG] Chain Lightning

// Sideboard
SB: 1 [EX] Price of Progress
SB: 4 [JU] Cabal Therapy
SB: 2 [IA] Pyroblast
SB: 1 [NE] Submerge
SB: 2 [SHM] Smash to Smithereens
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [IA] Hydroblast
SB: 2 [DKA] Grafdigger’s Cage


このデッキは余り取り沙汰されていないが、Grixis Controlとともにonline上のLegacy環境を形作っている。
有利とされる相手はBUG Delverで、これは相手よりも優秀なクロックを持つからだが、反対にMiraclesなどは厳しい。《相殺》+《独楽》ロックや《終末》に対して成す術がないのが理由になる。
ハンデスのおかげで、対コンボ相性はそれなり。
今まで通り、《若き紅蓮術師/Young Pyromancer》を優先して《不毛の大地/Wasteland》を諦めるのは、支払う価値のある選択肢になっている。


○OmniTell(5.9%)

この新参者のコンボデッキが示す5.9%という数字は、実際の活躍よりも控え目に映る。
このデッキはGP京都で活気づいた。
ほとんどのリストが《無限への突入/Enter the Infinite》というクズカードを削り、代わりに《実物提示教育/Show and Tell》から《全知/Omniscience》を出し、《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul,the Aeons Torn》で一掃して勝つ、というプランに焦点を当てた。

この変更はデッキにより安定感を与え、無駄なドローを減らした。
しかし、最重要カードは《時を越えた探索》だ。
このカードを用いればコンボを完成させる事は容易く、ゲームが長引けば追加のカウンターやカードアドバンテージをもたらす。
OmniTellはElvesやLandsに相性が良く、これによって環境から青くないデッキを排斥してしまっている。

// Lands
6 [UNH] Island
2 [EX] City of Traitors
4 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ZEN] Scalding Tarn
2 [ON] Polluted Delta

// Creatures
1 [ROE] Emrakul, the Aeons Torn

// Spells
1 [TE] Intuition
4 [US] Show and Tell
4 [IA] Brainstorm
4 [M10] Ponder
4 [M13] Omniscience
4 [AL] Force of Will
4 [M11] Preordain
4 [NPH] Gitaxian Probe
4 [JU] Cunning Wish
4 [KTK] Dig Through Time
2 [CMD] Flusterstorm
2 [ZEN] Spell Pierce

// Sideboard
SB: 1 [TE] Intuition
SB: 1 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [MI] Sapphire Charm
SB: 1 [PS] Eladamri’s Call
SB: 1 [MOR] Release the Ants
SB: 1 [PS] Rushing River
SB: 1 [MM] Misdirection
SB: 1 [SH] Evacuation
SB: 1 [CHK] Gifts Ungiven
SB: 2 [UL] Defense Grid
SB: 1 [NPH] Surgical Extraction
SB: 1 [TSP] Trickbind
SB: 2 [CHK] Boseiju, Who Shelters All


Redditでは「時代遅れの」《無限への突入》入りリストがかなり含まれていたので、OmniTellの統計部分についてはほとんど読まなかった。


○RG Lands(4.4%)

GP京都以前は、Landsは確かに新進気鋭のデッキだった。
青いフェアデッキに対して素晴らしい相性だが、一方でMiraclesとコンボデッキに対しては苦しい。
しかし、Delverデッキや、Death and Taxes・Elvesといったフェアなデッキへの優位性から、考慮に値するデッキでもある。
対コンボ相性は決して良いものではないが、Lands側にも2ターン目にマリットレイジ降臨というチャンスがある。
Landsにとっての大きな問題は、マナベースへの攻撃が難しく、《Karakas》も意味を成さないOmniTellデッキの隆盛だ。
《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》は効果があるが、基本土地を並べる事でOmniTellはそれらを回避するだろう。

RG Lands

// Lands
1 [UNH] Forest
3 [CS] Dark Depths
1 [WWK] Bojuka Bog
4 [GTC] Thespian’s Stage
1 [IA] Glacial Chasm
4 [FUT] Grove of the Burnwillows
3 [DK] Maze of Ith
1 [ZEN] Misty Rainforest
4 [MM] Rishadan Port
2 [R] Taiga
2 [ON] Tranquil Thicket
1 [ZEN] Verdant Catacombs
4 [TE] Wasteland
1 [ON] Windswept Heath
1 [ON] Wooded Foothills
1 [LG] The Tabernacle at Pendrell Vale

// Spells
2 [EX] Manabond
4 [UL] Crop Rotation
4 [ZEN] Punishing Fire
4 [US] Gamble
4 [RAV] Life from the Loam
4 [US] Exploration
4 [SH] Mox Diamond

// Sideboard
SB: 1 [MR] Chalice of the Void
SB: 4 [EX] Sphere of Resistance
SB: 2 [LRW] Thorn of Amethyst
SB: 2 [EX] Seismic Assault
SB: 4 [TSP] Krosan Grip
SB: 1 [LG] Karakas
SB: 1 [CS] Dark Depths


私は人々が《渦まく知識》無しで勝利するデッキを見つける度に賞賛しているが、その試みは日に日に難しさを増している。
今週以降は更にそうだろう。


○UW/x StoneBlade(4.4%)

StoneBladeデッキは常に人気のあるデッキで、《時を越えた探索》の加入はこれらのデッキをより良くした。
UW StoneBladeでは《基本に帰れ/Back to Basics》が採用可能で、UWR StoneBladeはあなたに《紅蓮破》と《稲妻/Lightning Bolt》を与える。
そしてEsper StoneBladeは《未練ある魂/Lingering Souls》とハンデスが使える。
ご覧の通り青に支配された環境で、個人的にはJeskai一択だろう。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を採用したDeathBladeも堅実な選択肢だが、Miraclesの隆盛下において、より多くのクリーチャーを使うのは好ましい事では無い。
なので、私は《相殺》+《独楽》に対して強いサイドプランが取れるUWR StoneBladeの構築に期待したい。


○Looking Ahead

これから先、そこまで大きな環境の変化は起こらないと思うけれど、現在Imperial PainterとShardless BUGが過小評価されている事は言っておきたい。
フェアな青いデッキが流行る程、この二つは上位に来るだろう。特に、OmniTellとANTに対する対抗策を見つけられた場合には。
MiraclesとBUG Delverは基本に忠実な戦略が故に、しばらくはメタ筆頭だろう。
OmniTellは対策するのが非常に難しいコンボデッキとして、もう一つのメタ筆頭候補になる。

まとめると、Legacyというフォーマットは、環境を批判するよりも、環境を理解する事によって得られる報酬が多いフォーマットだという事だ。


記事
http://www.channelfireball.com/articles/may-2015-legacy-metagame-analysis/


Legacy Miracles Deck Guide

by Reid Duke

2015/5/26


私はここ数年Legacyに取り組んでいて、いくつものデッキを試したけれど、熱中できるようなデッキを見つけられずにいた。
そんな折、ちょうど今から13ヶ月前、私はLegacyで同一のデッキをやりこむ価値について執筆した(http://www.channelfireball.com/articles/the-best-way-to-win-in-Legacy/)。
私はキツく目をつむり、水底まで深く潜り込んだ。
そして、健やかなる時も病める時も、Miraclesと添い遂げる事を誓ったんだ。

その時から、私のLegacyキャリアは一変した!
尊敬していたLegacyプレイヤーたちを上回る結果を私は出したんだ。
私はこれが偶然だとは考えていない。

MiraclesはLegacyにおいて最高のデッキだ。
常にそう思っていたし、《宝船の巡航/Treasure Cruise》の禁止によって唯一の対抗馬さえも弱体化された。
私はLegacyに存在する全てのデッキにMiraclesが有利だと主張しているわけではない。
しかし、経験豊かなLegacyプレイヤーが他のデッキを使うよりも、Miraclesを使った時の方がより勝てるだろうと確信している。


○Game Plan

MiraclesこそがLegacyでプレイされている純粋なコントロールデッキと言えるかもしれない。
Esper StoneforgeやShardless BUGといったデッキもコントロール要素を持つが、それでいてかなりの数のクリーチャーを含み、時間内にゲームを終わらせようとする。
Miraclesを使う際のゴール地点は、無制限にゲームを長引かせる事だ。

もちろんあなたはゲームにいずれ勝つだろうから、ここで「無制限に」という語を使うのは奇妙に思われるかもしれない。
しかし、私はMiraclesを使う時、そうする事が出来る間はずっと何もしないように努めている。
対戦相手に強制されない限りは、《渦まく知識/Brainstorm》を唱えない。
その呪文が私を殺すものでなければ、私は《Force of Will》を使わない。
もしそこに座って土地を置く事が出来るのなら、あなたは対戦相手が繰り出してくるほぼ全てに対処可能だ。

そして、この戦術が使えないいくつかの対戦相手のために、あなたは《相殺/Counterbalance》+《師範の占い独楽/Sensei’s Divinig Top》コンボによってゲームにロックをかける。
私は常に積極的なゲーム展開を支持する一人だった(特にLegacyでは)。
そして、《相殺》+《独楽》はあなたに積極性を与える。
あなたは対戦相手をすぐに仕留める事は出来ないが、どうせだったら対戦相手にはゲームの外側に居てもらおう。


Miracles

// Lands
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [ON] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Tundra
1 [B] Volcanic Island
6 [UNH] Island
3 [UNH] Plains

// Spells
4 [B] Swords to Plowshares
3 [AVR] Terminus
3 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
4 [AL] Force of Will
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [5E] Brainstorm
2 [TE] Counterspell
2 [CNS] Council’s Judgment
2 [AVR] Entreat the Angels
1 [RTR] Supreme Verdict
3 [KTK] Dig Through Time
1 [IA] Pyroblast

// Sideboard
SB: 1 [RTR] Supreme Verdict
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 2 [MOR] Vendilion Clique
SB: 2 [ZEN] Spell Pierce
SB: 2 [B] Blue Elemental Blast
SB: 1 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 2 [B] Red Elemental Blast
SB: 2 [9E] Blood Moon
SB: 1 [SOK] Pithing Needle
SB: 1 [UNH] Mountain


ここで注意書きをしなければならない。
私のリストは、最もプレイされているMiraclesのリストでは無い。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》と《殴打頭蓋/Batterskull》を組み込んだ構築もあれば、
《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》や《造物の学者、ヴェンセール/Venser,Shaper Savant》と二枚の《Karakas》を積んだ構築もある。
他には大量の《思案/Ponder》と《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を入れた構築。
《安らかなる眠り/Rest in Peace》と《Helm of Obedience》コンボを組み込んだ構築さえもある。

どの構築も強く、私の構築が他を差し置いているとは言えない。
しかし、私は可能な限りコントロールするのが好きで、第1ゲームで対戦相手のクリーチャー除去が腐る展開が好きだ。


○Deck Difficulty:Hard

Miraclesは私がプレイした内で最もやりがいのあるデッキの一つだ。
デッキの中には、フォーマットやメタゲーム、個々のマッチ相性などの幅広い知識が無ければプレイが難しいものがある。
また、それ自体が高度に絡み合い複雑なデッキでもある。
Miraclesはその両者が、ちょうど交差するデッキだ。
対戦相手が何をしてこようとも、それをいかに討ち取るかを知っている必要があるし、ライブラリー操作を行う時や、いつタップアウトするか・いつカウンター合戦を仕掛けるか、といった勘も必要になる。
加えて、引き分けを避けるために非常に素早くプレイをする必要がある。
故に、習熟するのがとても難しいデッキだ。

生涯で一度だけMiraclesを使って完璧な試合をしたことがある。1ミスも犯さなかったんだ。

初手をキープして、それから私が土地を置くより先に対戦相手にコンボを決められた事もある……

少なくとも私の見解では、Miraclesは毎ターン幾通りもの判断を迫られるので、常に正しい判断を下すことは不可能だ。
《師範の占い独楽》を使った時に、どんな順番でカードを戻さなければいけない?
いつフェッチランドを砕くべき?
探すべきはデュアルランドか、それとも基本土地か?
《目くらまし/Daze》に気を付けるべきか?
Miraclesを使って70%も正しく判断できれば上出来だろう!
全てに神経質になる事はない、時間内にマッチを終えられなくなってしまう。


○Weaknesses

見てきたように、Miraclesの最も弱い部分は、ゲームに勝利するまでにかかる時間の長さだ。
これは二つの潜在的な問題を示す。

・第1の問題は、引き分けてしまう危険性だ。
もしスタンダードでゆっくりとしたコントロールデッキを使った事があるのなら、私の話す事が少しは理解できるだろう。
しかし、Legacyではライブラリー操作とシャッフルが単一のゲーム中に頻繁に行われるため、この問題は更に厄介なものとなる。
50分以内に3ゲームを終えるために、あなたとあなたの対戦相手が素早く判断を下さなければいけないだけでなく、デッキをランダムにシャッフルしたり、上から3枚を並べ直したりする際に余計な時間を食わないようにする器用さも必要になる。

議論のために、Legacyのtop-tierデッキ(Delver、Elves、Show and Tell等)の勝率が55%だとしよう。
私はMiraclesがLegacyで最高のデッキだと考え、もしも対戦相手が普通にプレイしたらあなたは60%の勝率を得るだろう。
しかし、Miraclesを使っていると8~9回に1回は勝ち確が引き分けになる。
そしてその弱点は他の有用な部分を上回るかも知れない。

時間に関しては、プレイヤーとして、あなた自身の傾向について誠実であって欲しい。
Miraclesを選んだ以上、時間内にマッチを終えるのは最優先事項となる。


・二つの目は、“いつものMagic”をしない変わったデッキと対峙した時に持ち上がる問題だ。
より詳しく言うなら、呪文を唱えることなくあなたを倒せるデッキは、こちらの防御の大部分をすり抜けてしまう。
例えば、Infectデッキは《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》と《ペンデルヘイヴン/Pendlehaven》によって、Cloudpostデッキは《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul,the Aeons Torn》が唱えられるまで座って土地を置いていればいいし、アーティファクトを使ったデッキは《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》でこちらの打ち消しが尽きるまで何度もデカブツを繰り出し続ければ良い。


○What is a Favorable Metagame for Miracles

Miraclesを選択する最高のタイミングというのは、至極単純であるけれど、周りがMiraclesを標的にしていない時だ。
多くの戦略と同様に、もしも人々にMiraclesをメタる気があるのなら、そうするための手段はいくらでもある。
緑のデッキには《森の知恵/Sylvan Library》と《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》がある。
赤いデッキは《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》と《赤霊破/Red Elemental Blast》が。
白いデッキは《リシャーダの港/Rishardan Port》と《ハルマゲドン/Armageddon》が使える。

更に、他にMiracles使用者がいる環境にMiraclesを持ち込むのも理想的では無い。
個人的にはミラーマッチがとても楽しいけれど、上で強調した問題点を鑑みると、そこには引き分ける危険性が存在する。
もし二人の猛者がMiraclesでミラーマッチを行えば、プレイヤーAの勝利が40%で、プレイヤーBの勝利が40%、そして引き分ける可能性が20%になるだろう。
もしこうなった場合、このペアリングは両者にとって非常にマズいものとなる。

しかしながら、こうした事情を差っ引く程にMiraclesは強力で円熟したデッキで、常に良い選択肢になる。
もしもこのデッキに精通すれば、不利なメタゲームであっても五分な戦いが出来る。


○Core Cards

《渦まく知識》と《師範の占い独楽》
デッキの根幹となるキーカード。
これらによってライブラリーの上を操り、大きな奇跡を起こす準備をする。
また、土地を探し当てたり、ライブラリーを掘り進めるのに一役買う。
この八枚の内の一枚が初手にあれば、勝率はかなり上がる。

《相殺》
このカード大好き。
これは積極的なゲーム展開をさせてくれるし、繰り返される《罰する火/Punishing Fire》などから身を守り、中~後半にはロックをかける助けになる。
ガチガチにロックする事に焦点を当てる代わりに、私はしばしば《相殺》をバリューカードとして扱う。
2ターン目に《相殺》を繰り出し、対戦相手に《Force of Will》を迫れると最高だね。《Hymn to Tourach》を解決したようなもんだ!
また「一応めくってみる」ってのでもいくらかバリューが得られる。フェッチランドがあれば、求めるものをめくる追加のチャンスも得られる。

《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》
《ジェイス》は重要な強打者だ。
彼はカードアドバンテージを稼ぎ出すとともに、勝利手段でもある。
《ジェイス》がいる状態でアンタップを迎えたら、そのゲームは勝ったも同然と言える。
最悪の事態だが、4マナの《渦まく知識》になったとしても、それは奇跡を起こして勝つために必要な準備だ!

《天使への願い/Entreat the Angles》
初手にあるとゲンナリする反面、ゲームが6ターン目以降になると対戦相手をゲンナリさせるカード。
あなたが何を使おうが、対戦相手が何をしようが、これは他の勝利手段を凌ぐほどの強力さを持ち、故にこれこそがMiraclesをMiraclesたらしめている。
このカードがデッキに入っているというただそれだけで、特定の戦略であなたを切り崩す事がほぼ不可能になる。

《時を越えた探索/Dig Through Time》
Miraclesというデッキは《時を越えた探索》が刷られるずっと前から成功を収めていたのだから、このカードを「核となるカード」と位置付けるのは不思議に思うかもしれない。
しかし、このカードが刷られた事によって私の中でMiraclesは「top tier」から「このフォーマットで明らかに最高のデッキ」へと進化した。
Miraclesでの《時を越えた探索》がこんなに素晴らしいのに、Delverなどのデッキではほとんど見ない理由は、Miraclesならこのカードを4マナで唱えてもまだ素晴らしい働きをするからだ。
カウンターで守りながらインスタントタイミングでこのインチキカードを使い、正確に2枚の解答を探してくれば、大抵そのゲームを決めてしまうのに十分だろう。
デッキに2枚入っていれば足りるが、個人的には3枚にしたい。

《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
最も防御的なデッキに、最も適した除去呪文。
よく馴染む。

《終末/Terminus》と《至高の評決/Supreme Verdict》
これらのおかげでクリーチャーデッキとの相性が良くなっており、《若き紅蓮術師/Young Pyromancer》や《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》などの厄介なカードへの保険も兼ねている。
二つの内、《終末》はより効率的な一枚で、対戦相手に愚直にクリーチャーを並べる戦略を取り辛くするが、《至高の評決》と分ける事で柔軟性を獲得した。
《至高の評決》は《時を越えた探索》で手札に加えるカードとして最高の一枚で、これが《終末》だった場合は《渦まく知識》の手助けが必要となる。

《Force of Will》
私は《Force of Will》を使っていて全然ワクワクしない場合もあるが、全部が全部そうではない。
Miraclesは後半戦の馬力とカードアドバンテージによって、そこまで生き延びれば《Force of Will》のピッチコストを賄う事が出来る。
生き残るために、《Force of Will》は最良のカードで、他の何かに交換しようとは思わない。
Delverなどのデッキと対戦する場合、相手の脅威に使ってしまうよりも、《終末》や《天使への願い》を使う時まで《Force of Will》を温存しておく方が良い。

《対抗呪文/Counterspell》
Legacy基準で考えると、《対抗呪文》は少しばかり遅い。しかし、Miraclesはゲームを長引かせる事を目的としている。
あなたはほぼどんな時でもマナを立て続けているので、少量の《対抗呪文》を本当に上手く活用できる。


○Optional Cards

《紅蓮破/Pyroblast》・《赤霊破/Red Elemental Blast》
これはサイドボードに確実に入れるカードだが、最近のメタゲームではメインデッキに入れる事も考慮される。
Legacyデッキの大部分は青く、そうでないデッキはMiraclesに対して相性が良くない傾向にある(Elves、Maverick、Metalworkerなど)。
同時にこれは対戦相手の《ジェイス》への追加の解答でもある。

《議会の採決/Council’s Judgment》
《対抗呪文》と同様、《議会の採決》は少しばかり重いが、Miraclesにおいて柔軟性が買えるなら安いものだろう。
これが無ければ、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》や《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》といった非クリーチャーの脅威に悩まされる。

《呪文貫き/Spell Pierce》
あなたは「彼らが払わない限り打ち消す」といった類のカードを入れたくないだろう。
終盤戦になった時、デッキの密度が薄くなるからだ。
しかしながら、私は1枚ないし2枚の《呪文貫き》を使うのが本当に好きだ。
序盤にもう一枚の防御膜を用意することで、対戦相手のゲーム展開を難しいものにする。
加えて対コンボでも素晴らしく、《Hymn to Tourach》や《ヴェールのリリアナ》を擁したデッキに対する時も《呪文貫き》は頼りになる。

《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
上で述べたように、第1ゲームでは対戦相手の除去呪文を不要牌にしている。
けれど、《ヴェンディリオン三人衆》は素晴らしく、ほぼ全てのマッチでサイドインする。
対戦相手のコンボを阻害し、プレインズウォーカーに圧力をかけ、《ジェイス》や《天使への願い》を解決する際に助けとなる。
もしもあなたが《Karakas》を入れるなら、なおさら素晴らしいものになるね。

《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《瞬唱の魔道士》をデッキに入れて失望することは決してないだろう。ただただ素晴らしく、柔軟性に富んでいるからだ。
けれど、その本体はMiraclesにおいてはそれほど重要なものでは無く、つまりあなたが《瞬唱の魔道士》を唱える時は、あなたの求める効果に追加で2マナを払っているようなものだ。
終盤戦では素晴らしい働きをするが、最初の数ターンは重荷である。
あなたがMiraclesをプレイしてる時に本当に助けが必要なのは、序盤と終盤のどちらであろうか?

《思案/Ponder》・《定業/Preordain》
デッキに大量の《思案》と《定業》が入っている場合に、私は《瞬唱の魔道士》を使う。
そして、これは多くの成功したMiracelsプレイヤーたちが選択したパッケージでもある。
《瞬唱の魔道士》同様、《思案》を引いた時に失望する事は決してないだろう。
しかし、デッキ構築の観点に立つと、「有用なカード」の濃度を減少させたくないので、素直に土地を増やす事にした。
自分のターンにマナを費やすのが嫌いな上に、特に手札に土地が少ないという理由で使いたくも無いタイミングで土地を探しにいかなければいけないのが本当に嫌なんだ。

私のMagicキャリアにおいて、自信をもって環境最高のデッキだと言うことは滅多に無い。
それも然ることながら、Miraclesの最も魅力的なところは、練習と経験が結果に表れる点だ。
このデッキで山ほど大会に出た後でさえ、プレイする度に学び、改善点が見つかっている。
あなたに専心する気持ちがあるのなら、私はMiraclesがその想いに応えてくれると約束しよう。


記事
http://www.channelfireball.com/articles/legacy-miracles-deck-guide/


プラハ Eternal 2015(SCGよりレガシー部分のみ)

by Carsten kotter

2015/6/22


当初は先週プラハで行われたイベントで二日目に残れた場合に、大会レポートを書くつもりだったんだ。
でも結果は、金曜日のトライアルで失敗し、さらにLegacy・Vintageともに何とも良くないパフォーマンスだった(4-3-1と2-3)。
誰もこんな戦績の詳細なんて見たくないよね。

だから、今回のEternal Europeでは、私の事は短くまとめ(私が使ったデッキリストも含んでいる)、それから実際に良い活躍をしたプレイヤーと私が個人的に思った事を話していこう。


○My Legacy

プラハで初の大規模イベントがあったのは十数年前だ。
もし私の記事を二月まで遡れば、私が信頼するStormデッキが何に変わったかご存知だろう。
そう、青白の脅威、Miraclesだ。
キープに悩まなくて済むように、4枚の《思案/Ponder》を入れたより標準的なリストを素直に使った。以下がそのリストになる。

// Lands
3 [B] Tundra
1 [CS] Snow-Covered Island
1 [ZEN] Arid Mesa
4 [KTK] Flooded Strand
4 [ZEN] Scalding Tarn
2 [B] Volcanic Island
4 [IA] Island (3)
2 [10E] Plains (3)

// Creatures
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
4 [AVR] Terminus
4 [AL] Force of Will
4 [IA] Swords to Plowshares
1 [CNS] Council’s Judgment
2 [AVR] Entreat the Angels
4 [LRW] Ponder
2 [KTK] Dig Through Time
2 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
2 [IA] Counterspell
4 [CHK] Sensei’s Divining Top
4 [CS] Counterbalance
4 [IA] Brainstorm

// Sideboard
SB: 1 [CNS] Council’s Judgment
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [FD] Engineered Explosives
SB: 1 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 3 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [CFX] Path to Exile
SB: 3 [IA] Pyroblast
SB: 3 [MOR] Vendilion Clique


私は意識して墓地対策を切り詰めた。
Reanimatorのようなデッキには《狼狽の嵐/Flusterstorm》で上手く対処出来るし、そもそもDredgeはいないと思ったんだ。
そして、その通り私はやられなかった。
その代わり、敗戦はやりたい事をやれずに負けたのが2試合と、もう一つのラウンド中に気付いた事がある。
あなたの地元でDelverが絶滅危惧となっている時、それは大規模大会への準備に対して、どのくらい響くだろうかと。

上記で述べた事はつまり、私がMiraclesに出戻った時に私は心の底からDelverを駆逐したいと思っていて、サイドボードの《流刑への道/Path to Exile》はそれを反映している。
これに対して、ヨーロッパのBURG Delver使いが(最低限《時を超えた探索/Dig Through Time》を使いつつ)Miraclesに対してテンポゲームを仕掛けないという方法で問題を解決した事だ。
彼らは気兼ねなく《不毛の大地/Wasteland》と《稲妻/Lightning Bolt》をサイドアウトし、大量の軽量カウンターをサイドインする。
私がDelverとマッチした時にそうするように、ピン除去を増やしたMiraclesに対して、
『純粋に《時を超えた探索》を連打して君を圧倒するし、《相殺/Counterbalance》は《突然の衰微/Abrupt Decay》で処理するよ』
という戦法を徹底されると、Miracles側が勝つのは不可能に近い。
まさにラウンド3でこれが起き、私は酷く負けた理由がハッキリと分かった。

他の2敗は最後のラウンドでReanimatorに負けた。
ゲーム1ではしっかりした初手から糞みたいなドローで負け(最終的には2枚の《終末/Terminus》を抱えているのみだった)。
そしてゲーム2では、対戦相手の引きが強かった。
それは、GP 京都で見られた日本製Mentor Miraclesとのキツいマッチにおいても、《グリセルブランド/Griselbrand》起動前に《Force of Will》を持っている様な強さだった。
日本製Mentor Miraclesは実際とても良いデッキに思える。
それについては後述したい。

5ラウンド目、Infectとの3ゲーム目は私の考えでは10分もあれば容易に勝てる相手だったが、へとへとになるまでやりあった末に引き分けになった。
おそらくは《天使への願い/Entreat the Angels》を両方サイドアウトすべきではなかったのだが、時間は15分あったし、Infect側の攻勢から出来るだけ長く身を守れた方が良いと感じた。
しかし、《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》の奥義を対戦相手に使うのに15分は余りに短かった。
《ジェイス》を出そうとするとライブラリートップの《終末》(この時点で唯一《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》を対処出来るカード)をシャッフルしてしまう事になるので、6ターン以上それが出来なかったんだ。

勝ちの内、3勝はJeskai Delver(彼はサイド後にもMidrange-tempoのゲームをしていた)、Solidarity(私がこのデッキとの戦い方を熟知していた事と、私の《相殺》に対応して二枚の《思考停止/Brain Freeze》以外のスペルを唱えなかった事は、対戦相手にとってとても悲しい事だろう)、そしてOmni-Tell(ゲーム3では《全治/Omniscience》が場に出たものの、手札には何も残っておらず、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》と《思案》で見つけた《Force of Will》で蓋をした)。

結果として、私がBURG Delverに負けたのは不幸だったが、他のゲームについては私が何か違う事が出来たとは思えない。
Magicをやる日じゃなかったんだ。


○Successful Legacy

以下がTop8入賞のデッキリストになる。

Abzan Loam
1st place

// Lands
2 [ON] Barren Moor
1 [M15] Forest (4)
3 [FUT] Grove of the Burnwillows
2 [B] Bayou
1 [PLC] Urborg, Tomb of Yawgmoth
1 [DK] Maze of Ith
1 [B] Scrubland
1 [B] Taiga
1 [ON] Tranquil Thicket
3 [ZEN] Verdant Catacombs
4 [TE] Wasteland
3 [KTK] Windswept Heath
1 [LG] Karakas

// Creatures
4 [RAV] Dark Confidant
1 [RTR] Deathrite Shaman
4 [CFX] Knight of the Reliquary
1 [M14] Scavenging Ooze
1 [LRW] Gaddock Teeg
1 [FUT] Dryad Arbor

// Spells
4 [SH] Mox Diamond
2 [LG] Sylvan Library
3 [RTR] Abrupt Decay
3 [ZEN] Punishing Fire
2 [MBS] Green Sun’s Zenith
2 [RAV] Life from the Loam
4 [MR] Chalice of the Void
3 [ISD] Liliana of the Veil

// Sideboard
SB: 2 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 1 [M15] Reclamation Sage
SB: 2 [TE] Choke
SB: 3 [GP] Leyline of the Void
SB: 2 [RTR] Golgari Charm
SB: 1 [ARB] Maelstrom Pulse
SB: 2 [FUT] Slaughter Pact
SB: 2 [THS] Thoughtseize

(訳注:メインが59枚。イベントページのリストでも59枚)


4Color Delver
2nd place

// Lands
3 [ZEN] Scalding Tarn
2 [KTK] Flooded Strand
3 [ZEN] Misty Rainforest
2 [KTK] Polluted Delta
2 [B] Tropical Island
2 [B] Underground Sea
2 [B] Volcanic Island
3 [TE] Wasteland

// Creatures
4 [RTR] Deathrite Shaman
4 [ISD] Delver of Secrets
1 [ISD] Snapcaster Mage
3 [FUT] Tarmogoyf

// Spells
3 [KTK] Dig Through Time
4 [AL] Force of Will
4 [B] Lightning Bolt
3 [ZEN] Spell Pierce
4 [LRW] Ponder
4 [NE] Daze
4 [IA] Brainstorm
1 [LG] Sylvan Library
2 [RTR] Abrupt Decay

// Sideboard
SB: 1 [ISD] Ancient Grudge
SB: 2 [SOM] Nihil Spellbomb
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [RTR] Golgari Charm
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 1 [B] Red Elemental Blast
SB: 2 [NE] Submerge
SB: 1 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [ROE] Forked Bolt
SB: 1 [TE] Wasteland
SB: 1 [LG] Sylvan Library


Storm
3rd place

// Lands
1 [B] Island (3)
1 [B] Swamp (1)
2 [B] Underground Sea
1 [B] Volcanic Island
1 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ON] Polluted Delta
2 [ZEN] Scalding Tarn
2 [KTK] Bloodstained Mire
1 [B] Badlands

// Spells
4 [LRW] Ponder
2 [SC] Tendrils of Agony
4 [MI] Lion’s Eye Diamond
3 [TE] Lotus Petal
2 [ISD] Past in Flames
4 [TE] Dark Ritual
4 [TO] Cabal Ritual
4 [DIS] Infernal Tutor
4 [JU] Cabal Therapy
1 [US] Duress
4 [IA] Brainstorm
4 [NPH] Gitaxian Probe
1 [ALA] Ad Nauseam
1 [TSP] Empty the Warrens
1 [ST] Grim Tutor
2 [CHK] Sensei’s Divining Top

// Sideboard
SB: 2 [RTR] Abrupt Decay
SB: 1 [TSP] Krosan Grip
SB: 1 [ROE] Emrakul, the Aeons Torn
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 4 [WL] Doomsday
SB: 1 [NE] Massacre
SB: 1 [B] Bayou
SB: 1 [LRW] Shelldock Isle
SB: 2 [PLC] Extirpate

(訳注:サイドが14枚。掲載サイトも同じく)


Jeskai Mentor Miracles
4th place

// Lands
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [IA] Island (3)
1 [M11] Plains (4)
2 [ZEN] Arid Mesa
4 [KTK] Flooded Strand
3 [B] Tundra
3 [B] Volcanic Island

// Creatures
4 [FRF] Monastery Mentor
2 [ISD] Snapcaster Mage

// Spells
2 [IA] Pyroblast
3 [IA] Swords to Plowshares
4 [LRW] Ponder
4 [AVR] Terminus
3 [CS] Counterbalance
3 [AL] Force of Will
1 [WWK] Jace, the Mind Sculptor
2 [KTK] Dig Through Time
4 [IA] Brainstorm
1 [IA] Counterspell
3 [NE] Daze
4 [CHK] Sensei’s Divining Top

// Sideboard
SB: 1 [IA] Pyroblast
SB: 1 [IA] Swords to Plowshares
SB: 1 [CS] Counterbalance
SB: 1 [AL] Force of Will
SB: 1 [RTR] Rest in Peace
SB: 2 [ALA] Ethersworn Canonist
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [DGM] Wear/Tear
SB: 2 [MOR] Vendilion Clique
SB: 1 [AVR] Entreat the Angels
SB: 1 [IA] Pyroclasm


4Color Delver
5th place

// Lands
1 [B] Tropical Island
4 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ZEN] Scalding Tarn
3 [B] Underground Sea
2 [B] Volcanic Island
4 [TE] Wasteland
1 [B] Taiga

// Creatures
4 [ISD] Delver of Secrets
4 [RTR] Deathrite Shaman
2 [ISD] Snapcaster Mage
3 [C13] True-Name Nemesis

// Spells
4 [AL] Force of Will
4 [B] Lightning Bolt
4 [LRW] Ponder
3 [KTK] Dig Through Time
4 [NE] Daze
2 [RTR] Abrupt Decay
4 [IA] Brainstorm
3 [THS] Thoughtseize

(訳注:サイドの記載なし)


Esper Deathblade
6th place

// Lands
3 [B] Underground Sea
2 [KTK] Flooded Strand
1 [IA] Island (3)
1 [WWK] Creeping Tar Pit
1 [LG] Karakas
1 [ZEN] Marsh Flats
2 [ZEN] Misty Rainforest
4 [KTK] Polluted Delta
1 [B] Scrubland
1 [B] Tropical Island
3 [B] Tundra
2 [TE] Wasteland
1 [TSP] Academy Ruins

// Creatures
4 [RTR] Deathrite Shaman
1 [ISD] Snapcaster Mage
4 [WWK] Stoneforge Mystic
3 [C13] True-Name Nemesis
1 [MOR] Vendilion Clique

// Spells
1 [RTR] Detention Sphere
4 [IA] Brainstorm
4 [AL] Force of Will
3 [ZEN] Spell Pierce
4 [IA] Swords to Plowshares
1 [BOK] Umezawa’s Jitte
3 [ROE] Inquisition of Kozilek
1 [LRW] Ponder
1 [NPH] Batterskull
2 [WWK] Jace, the Mind Sculptor

// Sideboard
SB: 1 [WL] Null Rod
SB: 3 [ALA] Relic of Progenitus
SB: 3 [FD] Engineered Explosives
SB: 4 [M11] Leyline of Sanctity
SB: 1 [NPH] Dismember
SB: 1 [CMD] Flusterstorm
SB: 1 [CFX] Path to Exile
SB: 1 [ISD] Liliana of the Veil


Grixis Delver
7th place

// Lands
1 [B] Tropical Island
4 [KTK] Flooded Strand
4 [KTK] Polluted Delta
2 [B] Underground Sea
3 [B] Volcanic Island
4 [TE] Wasteland

// Creatures
4 [RTR] Deathrite Shaman
4 [ISD] Delver of Secrets
2 [C13] True-Name Nemesis
3 [M14] Young Pyromancer
1 [FRF] Tasigur, the Golden Fang

// Spells
4 [NPH] Gitaxian Probe
4 [LRW] Ponder
4 [NE] Daze
1 [ROE] Forked Bolt
4 [B] Lightning Bolt
4 [IA] Brainstorm
3 [KTK] Dig Through Time
4 [AL] Force of Will

// Sideboard
SB: 1 [IA] Fire Covenant
SB: 2 [DKA] Grafdigger’s Cage
SB: 1 [ISD] Ancient Grudge
SB: 1 [RTR] Electrickery
SB: 2 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [IA] Pyroblast
SB: 1 [B] Red Elemental Blast
SB: 1 [ZEN] Spell Pierce
SB: 2 [NE] Submerge
SB: 2 [NPH] Surgical Extraction


Storm
8th place

// Lands
1 [B] Island (3)
1 [B] Swamp (1)
1 [B] Bayou
1 [B] Tropical Island
2 [B] Underground Sea
1 [B] Volcanic Island
4 [ZEN] Misty Rainforest
4 [ON] Polluted Delta

// Spells
4 [LRW] Ponder
2 [M11] Preordain
3 [SC] Tendrils of Agony
1 [THS] Thoughtseize
4 [MI] Lion’s Eye Diamond
4 [TE] Lotus Petal
2 [ISD] Past in Flames
4 [TE] Dark Ritual
3 [TO] Cabal Ritual
4 [DIS] Infernal Tutor
1 [US] Rain of Filth
4 [JU] Cabal Therapy
1 [US] Duress
4 [IA] Brainstorm
4 [NPH] Gitaxian Probe

// Sideboard
SB: 1 [SC] Xantid Swarm
SB: 3 [RTR] Abrupt Decay
SB: 1 [ON] Chain of Vapor
SB: 1 [CMD] Flusterstorm
SB: 2 [TSP] Krosan Grip
SB: 3 [TE] Dread of Night
SB: 1 [ALA] Ad Nauseam
SB: 3 [ZEN] Iona, Shield of Emeria


このTop8はヨーロッパっぽくなくて非常に面白いと思わないかい?(そうだね、Stormが二つ入賞している以外は)
Delverが多数入賞し、Miraclesはたった一つで日本製Mentor版、そして《宝船の巡航/Treasure Cruise》時代以前のようなEsper Deathbladeも。
これは私が全く慣れ親しんでいないメタゲームだ。

しかしそんなことは取るに足らない。
なぜなら、優勝者はTop8で唯一青いカードを使っていないプレイヤーなのだから!
私の記憶が正しければ、Niklas KronbergerはBOMでも同様のAggro Loamデッキで優勝しており、彼は《壌土からの生命/Life from the Loam》の強さを証明した。
皮肉にも、今年のYou Choose The Brew(SCG内での不定期コーナー)での私の経験の後で、このカードの強さを証明されるとは。

何が起きてるんだ?
なぜ勝者のメタゲームが予想したものとこんなにも違うんだ?
私が思うに主要な点は、人々が《時を超えた探索》の破り方をとうとう解き明かしたのだろう。
特筆すべきは、全てのDelverデッキが《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を採用したBURGカラーで、全て《時を超えた探索》を3枚ずつ採用している。
これは偶然の一致ではないと思っている。

《宝船の巡航》はDelverデッキが攻撃性を最大限に高めるために最高の燃料だった(それがUR Delverだ)が、《時を超えた探索》は、ドローソース過多でマナカーブの低いテンポデッキにおいて、極めて低いマナで使える不愉快なカードアドバンテージ獲得手段であり続けている。
しかし、極めて冗長で速やかにリソースを移してしまう代わりに、《時を超えた探索》は必要とあらばより深く掘り進むことで、柔軟な解答とよりいくばくかの時間をあなたに与える。
BURG Delverが既に最もコントロール志向なDelverという事実から、《時を超えた探索》がこの構築で素晴らしい働きをすることに驚きは無い。

BURGは既に対コンボ相性が素晴らしく(1マナの脅威が8枚あり、サイド前も後も妨害手段が豊富)、Miraclesの《相殺》に対処するための《突然の衰微》を探すのも容易だ。
そして《時を超えた探索》でカードアドバンテージが簡単に得られるとなれば、青いテンポデッキはその他の青いデッキと一線を画す事になる。

私は今回の結果からこのデッキがぶっ壊れだと主張するわけではない。
しかし、もしも誰かが私にDelverを使わせようとするなら、現時点で私が使おうとするのはこの構築だろう。
注意して欲しいのは、みんなで「Delverバンドワゴン」に乗り込め、という意味ではない。
ただ、Delverに対処する古い戦略(彼らのクリーチャーを処理し、最終的に勝つ戦略)を思い起こせ、という意味だ。
《時を超えた探索》の存在を考慮して今一度考えなおす必要がある。

そうする一つの方法としてこんなのはどうだろう?
強力な対策カードである《虚空の盃/Chalice of the Void》と《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》(とこれを探す《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》)、厄介な小物たちをつまみ出す《罰する火/Punishing Fire》+《燃え柳の木立/Grove of the Burnwillows》コンボ、プレインズウォーカー、そして他のMidrangeデッキを圧倒するカードアドバンテージを獲得する重量級のMidrangeデッキって具合だ。

そして、ここに示すのはメタゲームを煮詰めていくとどうなるかという私の理論だ。
《時を超えた探索》はOmni-Tell、Miracles、BURG Delverを後押しして、現在はBURG Delverが「探査」スペルのおかげでOmni-Tellを妨害し、Miraclesを弾き出す術を持っている。
となれば、今度はフェアな戦略に対して単純に強力(かつ1マナのドローソースへの対策)である、Aggro LoamやLandsといったデッキの出番という事になる。

残るはStormの成功で…上手く行ったリストを見てみると、長期戦を目指している兆候が見える。
どちらのリストも京都でKai Thieleが樹立した《炎の中の過去/Past in Flames》二枚型で、更にどちらも複数のStormスペルを入れている(3枚の《苦悶の触手/Tendrils of Agony》と、2枚の《触手》と1枚の《巣穴からの総出/Empty the Warrens》)。
なぜ長期戦を目指すのだろうか?
簡単に言うと、《時を超えた探索》の様な強力なカウンターの壁を乗り越えるためにより良い方法の一つとして、ナチュラルなストームで殺すというのが挙げられるからだ。

ハンデスやマナ加速を巡った戦いを仕掛け、両者の努力によってストームカウントが10になれば、一枚の《苦悶の触手》が非常にカウンターし辛いものとなり、簡単に勝てる。
同様に、手札に二枚の《苦悶の触手》がある時に、少ないストームカウントでも8マナに到達すれば、それで簡単に勝てる事を意味している。
私の「ナチュラル《触手》算」を見直さなければいけないみたいだね!


記事
http://www.starcitygames.com/article/31063_Prague-Eternal-2015.html


Legacy Azorius Options

Brian DeMars

2019/04/05

アゾリウス評議会は行動を嫌う。
行動が罪と無秩序を生むと信じるからだ。

--MTG WIKI アゾリウス評議会序文


レガシーはとても面白い。
一週間前まで、レガシーをやり込む機会に恵まれなかった。
特に、《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》と《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》の両方が禁止された事件以降はね。
しかし、地元の大会でもう一度大好きなレガシーをやってみようと思ったんだ。

この環境でも私自身のやり方を通させてもらう。
LGS(Local Game Store;地元のお店)でのレガシーナイトは「カジュアル」で、つまりそれはプロキシー(代用カード)が認められるという事だ。
これは、新しい事に挑戦したい私のような人間にはピッタリだろう。
そして同時に、古いカードを持っていないプレイヤーにも素晴らしい体験をしてもらえる。

私にとってレガシーでの相棒はほとんど青白の何かになる。
もちろん、ぶっ壊れデッキがあるのならそれを使うけど、以下のどちらかを考えると青白デッキに戻ってきてしまう。

1.非常に良いデッキ選択したい
2.他になにをプレイすればいいか分からない

結局、青白は素晴らしい選択だと思うし、レガシーはとても広い環境なので、新しいメタゲームを学ぶスタート地点としては申し分ないだろう。

そこで、今回の記事では三つの基礎について書いていこうと思う。

1.青白が強い選択肢である、最近のメタゲーム事情
2.石鍛冶
3.奇跡

そう、今日は青白をベースとした二種類のデッキについて、レガシー環境でこの二つのデッキが重要な位置にいるというデータを交えて説明していこう。


○The Legacy Metagame

前回私が書いた記事の中で触れた情報が示すのは、レガシーは競技Magicの中でも最も興味深いメタゲームを有しているという事だ。
特に、MTGGoldfishとMTGTopから集めた、選択率・上位入賞率が興味深い。


デッキ名         選択率  Top8率

グリクシスコントロール    6%   4%
デスアンドタックス      5%   7%
イゼットデルバー       5%   5%
スニークアンドショー     4%   4%
グリクシスデルバー      4%   3%
ドラゴンストンピィ      3.5%  3%
奇跡             3.5%  9%
石鍛冶            3%   7%
土地単            3%   4%
ストーム           4%   4%

多くのメタゲーム情報を集計した結果、私は驚きを隠せなかった。
私の求めていた「ベストデッキ」が環境に存在しないという結果だったからだ。
モダンでは、イゼットフェニックスが環境の約11%で、Top8の13%を占めている。
スタンダードにおいては、エスパーコントロールが環境の18%、Top8の11%を。
私の大好物パウパーでさえ、ボロス統治者が環境の10%を超えて、馬鹿馬鹿しくもTop8の22%を占めているって言うのに…。

レガシー環境はベストデッキの独走状態になく、これはある種独特な環境だ。
その代わり、強力なデッキが多数ひしめき合っている。
あるいは、「青いデッキ」を総称してほぼベストデッキとする事もあるだろう。

対戦相手のおよそ半数が青いカードを使っていると思うが、それでもそこには数多くの青いアーキタイプの、さらに数多くのバリエーションがある。
青いデッキは三つに分類分けできる。

・アグロコントロール
青白石鍛冶、エスパー鍛冶、スゥルタイミッドレンジ、イゼットデルバー、イゼットフェニックス

・コントロール
青白またはジェスカイ奇跡、4色コントロール

・コンボ
ストーム、スニークアンドショー、リアニメイト、そして感染

また、同一の分類内でも、デッキの内容はかなり異なる。
私が青白石鍛冶を使ってイゼットフェニックスに当たっても、全くミラーマッチという感じがしない。
こういうわけで、青いデッキは数多くあるものの、それぞれが異なっているというのは肝に銘じておかねばならない。

上記のグラフから読み取れる最後の情報は、青白石鍛冶と奇跡の二つが、平均よりも明らかにTop8入賞率が高いという事だ。
上位10種のデッキの内、この二つ以外にTop8入賞率が選択率を超えているのは、土地単(選択率3%、Top8率4%)とデスアンドタックス(選択率5%、Top8率7%)のみだ。

もしも、統計に基づいてレガシーでの使用デッキを決めたいのなら、青白石鍛冶と奇跡は素晴らしい選択になる(この記事がまさにそうだ)。
またデスアンドタックスと土地単も魅力的に見える(おそらく来週試すだろうね!)。


○Azorius Stoneblade

まず話したいのは、青白石鍛冶だ。
久々に《Tundra》を引っ張り出して、昨晩のLegacy Nightへ。
結果はとても良かったよ。
何度か際どい接戦があったけれど、昨晩は無敗だったんだ!

私は手始めにCincinnati Classicで優勝したZach Allenのリストを参考にしつつ、好みに合わせて少しだけ手直しした。
この手直しが良くもあり、悪くもあったかな。
もう少し試してみないとはっきりとした事は言えないけれど、このリストには満足している。

U/W Stoneblade
Brian DeMars

Lands
6 x Island
2 x Plains
4 x Flooded Strand
2 x Tundra
1 x Polluted Delta
1 x Scalding Tarn
1 x Misty Rainforest
2 x Arid Mesa
1 x Windswept Heath

Creatures
4 x Stoneforge Mystic
2 x Snapcaster Mage
1 x Vendilion Clique
3 x True-Name Nemesis

Spells
4 x Brainstorm
4 x Ponder
4 x Force of Will
2 x Counterspell
2 x Spell Pierce
1 x Spell Snare
2 x Back to Basics
4 x Swords to Plowshares
1 x Batterskull
3 x Jace, the Mind Sculptor
2 x Council’s Judgment
1 x Umezawa’s Jitte

Sideboard
2 x Containment Priest
2 x Disenchant
1 x Gideon, Ally of Zendikar
3 x Surgical Extraction
3 x Flusterstorm
1 x Vendilion Clique
2 x Supreme Verdict
1 x Hydroblast
1 x Rest in Peace


Zachは素晴らしいリストをまとめ上げたと思う。
私がデッキを作る時は、いつも勝っているリスト群から情報をまとめてそれらを参考に取り掛かる。
しかし、今回はZachのリストがより端的に洗練されたリストなのだと考えてそれをスタート地点とした。

サイドボードの枠を空けるために、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》と1枚入れ替えた。
それから、《宮殿の看守/Palace Jailer》を削って、《水流破/Hydrobast》と《安らかなる眠り/Rest in Peace》を入れた。

私は青白デッキに《水流破》を一枚挿しするのが大好きだ。
イゼットやバーン、ドラゴンストンピィなどを相手に回した時に明確に強い。
《紅蓮破/Pyroblast》を止めるってだけでサイドボードに入れる価値がある。

私の地元にはドレッジが山ほどいて、それで《安らかなる眠り》を入れた。
サイドボードに《安らかなる眠り》を2枚入れずにレガシーで白色を使った記憶がないので、一枚では補助輪でしかないかも知れないが、昨晩は役に立った。
二枚の《瞬唱》以外には墓地をほぼ使わないので、これは効果的なサイドカードだ。

このデッキ最大のウリは洗練された強力さで、生物は全てA+ランク。
盤面に降り立てば、インパクトはデカい。
更には、組み合わせるともっと強い。
例えば《ヴェンディリオン三人衆》と《真の名の宿敵》が《梅沢の十手/Umezawa’s Jitte》や《殴打頭蓋/Batterskull》を担いで殴りに行くのは最高だね。

このデッキタイプを本当に嫌らしいものにしているもう一つの要因は、
《基本に帰れ/Back to Basics》の存在にある。

20枚中2枚しか特殊土地が入っていない青白石鍛冶の使う《基本に帰れ》は、環境に存在する大部分のデッキにとって壊滅的なカードだろう。
《不毛の大地/Wasteland》や《リシャーダの港/Rishadan Port》のように対戦相手のマナ基盤をめちゃくちゃにするのではなく、一発で対戦相手の土地を機能停止させるからだ。

メインデッキは柔軟にできている。
生物については前述の通り最高級品揃い。
特殊土地のマナベースを機能不全に陥らせたいなら《基本に帰れ》がある。
それ以外はキャントリップと、除去、カウンター、そしてアドバンテージ獲得手段にも勝利手段にもなる《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptors》3枚で構成されている。

サイドボードの主目標は、やりたい事をやるデッキとコンボデッキの両者に対してより良いデッキに変わる事だ。
また、2枚の《至高の評決/Supreme Verdict》はクリーチャー偏重デッキへの対抗策になる。


○Miracles

今週は石鍛冶を使ってとても楽しんだけれど、リストを手直しし続けている奇跡はもっと刺激的だ!
もしもレガシーの青白に興味があるのなら、石鍛冶のようなアグロコントロールから始めて、その後でもっと重コントロールに移行していくのが良いだろう。

それが何故かという、答えは簡単だ。
石鍛冶にはクリーチャーやスペルへの解答が山ほどあって、殴り手も素晴らしい。
実際、《石鍛冶の神秘家/Stonrforge Mystics》と《真の名の宿敵》を除去と打ち消しで守りながら殴っていれば、簡単に勝ててしまう。

一方で重コントロールデッキは、正しい解答を正しい配合で混ぜ合わせて構築している。
そのため、環境についてより深く知る必要がある。
これはロケット科学ではないけれど、間違った脅威があるのではなく、間違った解答があるだけだ。
つまり、正しい解答のみで構築されたデッキは、使っていて決して大間違いだと感じる事はない。

奇跡には二つの競合する型がある。
青白型とジェスカイ型だ。
どちらも青白コントロールを原型としていて、
青白の方が《基本に帰れ》を上手く使えるが、ミラーマッチのサイド後に《紅蓮破》を使えない。
今回は難しいマッチアップの多くで大活躍の《基本に帰れ》を上手く使える青白型のみに絞って紹介しよう。

《基本に帰れ》は環境に存在する多くのデッキに対する決定打であり、
対戦相手がタップアウトした瞬間にゲームを決めてしまう必殺カードだ。


U/W Miracles
Brian DeMars

Lands
7 x Island
3 x Plains
4 x Flooded Strand
1 x Tundra
2 x Arid Mesa
3 x Scalding Tarn

Creatures
2 x Snapcaster Mage
2 x Monastery Mentor

Spells
4 x Swords to Plowshares
4 x Brainstorm
4 x Ponder
2 x Portent
3 x Predict
2 x Counterbalance
1 x Spell Pierce
1 x Counterspell
2 x Back to Basics
3 x Jace, the Mind Sculptor
1 x Supreme Verdict
4 x Force of Will
3 x Terminus
2 x Council’s Judgment

Sideboard
1 x Rest in Peace
2 x Surgical Extraction
2 x Containment Priest
2 x Vendilion Clique
1 x Spell Queller
1 x Gideon, Ally of Zendikar
1 x Ethersworn Canonist
1 x Stony Silence
2 x Flusterstorm
1 x DisenchantDisenchant
1 x Hydroblast


このデッキを使う度に、どういった構築にしようかという考えが変わる。
それは様々なマッチアップについて学び、メタゲームが変わりゆく事を考えると、合理的だろう。

メインデッキでは、大多数の対戦相手に対して消耗戦の末に素早く試合を畳むことが出来る。
また、クリーチャー主体のアグロデッキへの対策に大部分を割いている。

この構築はつまり、クリーチャーに対しては強いもののコンボには弱く、その事が《基本に帰れ》型に焦点を当てる理由になる。
《基本に帰れ》は、「ゲームを長引かせる」のが困難なデッキに対して、こちら側の勝ち筋となる。

《僧院の導師/Monastery Mentor》はゲーム後半での実質的な勝ち手段だ。
多くのリストで3枚取っているのを見かけるが、ゲームを掌握するまではこのカードを全く引きたくない。
他に何もやる事がない3ターン目に彼を戦場に送り出して、《稲妻/Lightning Bolt》に焼かれる様を見るのはとても悲しいよ。


このデッキのドローエンジンは2パターンある。
どちらのパターンでも共通しているのは、2~3枚の《精神を刻む者、ジェイス》を使う点だ。
しかし、《蓄積した知識/Accumulated Knowkedge》を使ったパターンも、《予報/Predict》を使ったパターンも両方とも好成績を収めている。

両方とも触った事があるが、正直に言ってどちらを選んでもこの3~4枚はキナ臭いと思ってしまう。
確かにこれらのカードはゲームをコントロールし始め、勝利に向かっている時は素晴らしいものの、そうでない時は少々扱いづらい。
2~3ターン目に2マナを使ってサイクリングするのは効果的なレガシープレイとは言い難い!

両方のパターンの長所と短所を見ていこう。
《蓄積した知識》は後半になるにつれて強力になり、しばしば2マナで複数枚のカードを手に入れられる。
最大の問題点は、《外科的摘出/Surgical Extraction》の存在だ。
このデッキの長所の一つが墓地に依存しない事であり、素晴らしいサイドカードである《安らかなる眠り》も《蓄積した知識》とは併用したくない。
また、《外科的摘出》によって手札から2枚目の《蓄積した知識》が奪い取られてしまうのも問題だ。
全ての青いデッキがサイドボードに《外科的摘出》を入れており、1戦目で《蓄積した知識》を見かけたら、ほぼサイドインしてくるだろう。

ドローエンジンはこのデッキの中で最も派手な部分でも最も刺激的な部分でもないが、カードアドバンテージはどうやって勝つのかという重要な部分ではある。
最近は《予報》を使っているが、他の選択肢も考慮に入れている。
4枚使う必要はないと分かっていて、2枚まで削り落とした。


こちらが「何もしてこない」というのを踏まえて対戦相手が長丁場で強いカードをサイドインしてきた時に、受け身のカードを少しだけ減らしたいと思うだろう。
私は《ヴェンディリオン三人衆》と《呪文捕らえ/Spell Queller》が好きで、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon,Ally of Zendikar》も同じくらい好きだ。

青白コントロールに対する《紅蓮破》は非常に効果があるため、青くないというのは価値がある。
石鍛冶型では《石鍛冶の神秘家》がその役目で、《紅蓮破》が当たらないという点で《僧院の導師》もまた同様だ。
《ギデオン》は青いデッキのミラーマッチにおいて、解決さえされてしまえば、能動的な脅威となる。
そして、除去する手段が《議会の採決/Council’s Judgment》を使うか攻撃するかに限られている。
同時に《ギデオン》は対戦相手のプレインズウォーカーに対する解決策にもなる。
もし相手に《剣を鋤に/Swords to Plowshares》用のマナが立っている時は、《ギデオン》をクリーチャー化させないように!


○Why I Believe U/W Has a Chance to Emerge as the New "Best Deck" in Legacy

青白一派の勝率上昇の陰には、いくつかの裏付けが存在する。

《渦まく知識/Brainstorm》+《思案/Ponder》+《意志の力/Force of Will》

多くのデッキがこのセットを出発点にしているのは何故か?
それは、これらのカードが法外に強いからだ!

上記のビッグ3を除けば、《剣を鋤に》はレガシーで最も強力かも知れない。

先に述べた通り、環境の大半は《渦まく知識》や《思案》(と《意志の力》)の組み合わせのために青を足したデッキだが、《剣を鋤に》を使えるデッキは20%に留まっている(石鍛冶、奇跡、デスアンドタックス)。

とは言え、《剣を鋤に》は(個人的に)ビッグ3に並ぶほど馬鹿げた強さだ。
(まだ青白では試していないが、)《不毛の大地》のようなカードもこのカテゴリーに入るだろう。

ほとんどのデッキで、似たような軽量除去(《稲妻》、《致命的な一押し/Fatal Push》)が採用されているが、《剣を鋤に》と比べると全て劣る。
《剣を鋤に》はマリットレイジも、エルドラージも、リアニメイトされたデカブツの大半も、たった1マナで処理できる!
言うまでもなく、《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》や《イチョリッド/Ichorid》も追放領域送りにし、墓地から這い出てくるのを止めてしまう。


《基本に帰れ》

青白デッキでの大きなトレンドの一つは、《基本に帰れ》の悪用を推し進める事だ。
《基本に帰れは》効き目のあるカードではなく一枚で勝つカードで、それを無理なく入れた二種類の構築を紹介した。
また、多色をイジメる役割だけでなく、このカードを念頭に入れて構築することで、《不毛の大地》などの特殊土地対策への耐性が付くという利点もある。

青白に入った軽く強烈なこのカードは、他の3~4色デッキと《古の墳墓/Ancient Tomb》をマナ基盤としたデッキを同時に咎める。


○Depth in the Main and Board

青白の「コントロール」カードは底が深く豊富だ。
これらのコントロールデッキとアグロコントロールデッキで実際に使った75枚のカードよりも、もっと効果的で、あるいはもっと局所的なカードが存在する。
軽さ、効果、有用性など、石鍛冶や奇跡に入るカードの枚挙には暇が無いだろう。

デッキ構築における本当の難題は、難題を解決するためのカードを手に入れる事ではない。
あなたは素晴らしい選択肢をたくさん持っているんだ!
それらのカードを構築に落とし込み、それぞれに対して最も効果的なサイドボードを絞り込む事こそがデッキ製作の課題と言える。

青白デッキの核となる部分(キャントリップ、《意志の力》、《基本に帰れ》、《精神を刻む者、ジェイス》、そしてマナ基盤)
これらがtier1のコントロール・アグロコントロールを形作っているのは想像に難くない。

記事
https://www.channelfireball.com/articles/legacy-azorius-options/?_ga=2.14860726.1487302321.1554695985-781245113.1493183254


GP Niagara Falls Preview:The Best Decks in Legacy

by Bob Huang

2019 4月14日


今現在のレガシーは、おそらく私が見てきた中で最もバランスがとれており、幅広いフォーマットとなっている。
以前は、青赤デルバーや奇跡、グリクシスデルバーといった「こいつをメタれ」という絶対的なデッキが存在したが、今はそうではない。
そこで今回は、ラヴニカの献身発売以降に好成績を収めたデッキと、それら相互の相性について見ていこうと思う。
私が言いたいのは、使い慣れたデッキを用いつつ、以下に示すデッキの少なくとも半分に対しては対策が取れるようにリストとサイドボードを調整して欲しいという事だ。
環境分布は8回戦以上の現実の大会と、MagicOnlineのスイスラウンドイベントを参考にした。
それでは、以下のデッキタイプについて議論してみよう。

1.グリクシスデルバー と 青赤不毛の大地デルバー 10.6%
2.奇跡 8.7%
3.青白石鍛冶 と 青白デルバー 7.8%
4.グリクシスコントロール と チェコパイル 6.8%
5.赤単プリズン 6.1%
6.ANT 5.9%
7.デス&タックス 5.6%
8.スロウデプス 5.6%
9.スニークアンドショー 5.6%


○グリクシスデルバー と 青赤不毛の大地デルバー(10.6%)

グリクシスデルバー
Leastbean,7-1 at Legacy Premier

Lands
3 x Bloodstained Mire
2 x Flooded Strand
1 x Misty Rainforest
1 x Polluted Delta
3 x Underground Sea
4 x Volcanic Island
4 x Wasteland

Creatures
3 x Dark Confidant
4 x Delver of Secrets // Insectile Aberration
1 x Gurmag Angler
3 x True-Name Nemesis
3 x Young Pyromancer

Spells
1 x Forked Bolt
4 x Ponder
4 x Brainstorm
4 x Daze
1 x Flusterstorm
4 x Force of Will
4 x Lightning Bolt
2 x Spell Pierce
1 x Spell Snare
3 x Stifle

Sideboard
1 x Flusterstorm
2 x Abrade
2 x Diabolic Edict
2 x Electrickery
1 x Grafdigger’s Cage
2 x Pyroblast
1 x Rakdos Charm
2 x Surgical Extraction
2 x Thoughtseize


イゼットデルバー
zackattack23,7-1 at Legacy Premier

Lands
1 x Bloodstained Mire
2 x Flooded Strand
3 x Island
1 x Misty Rainforest
1 x Mountain
4 x Scalding Tarn
2 x Volcanic Island
4 x Wasteland

Creatures
4 x Delver of Secrets // Insectile Aberration
1 x Pteramander
3 x True-Name Nemesis
4 x Young Pyromancer

Spells
3 x Chain Lightning
1 x Forked Bolt
4 x Ponder
2 x Preordain
4 x Brainstorm
4 x Daze
4 x Force of Will
4 x Lightning Bolt
3 x Spell Pierce
1 x Vapor Snag

Sideboard
2 x Abrade
2 x Blood Moon
1 x Electrickery
1 x Entrancing Melody
2 x Flusterstorm
1 x Izzet Staticaster
1 x Price of Progress
3 x Pyroblast
2 x Surgical Extraction


まず手始めに青赤系統のデルバーを見てみよう。
私が上記の二種類をひとまとめにした理由は、それが非常に似通っているからだ。
グリクシスは《グルマグのアンコウ/Grumag Angler》、《闇の腹心/Dark Confidant》、《思考囲い/Thoughtseize》、《悪魔の布告/Diabolic Edict》、そして《苦花/Bitterblossom》のために黒を足している。
青赤型は3~4枚の基本土地を使っているが、グリクシスは基本的に使っていても一枚のみであり、また、青赤は《稲妻の連鎖/Chain Lightning》、《血染めの月/Blood Moon》、《舞台照らし/Light up the Stage》、そして《プテラマンダー/Pteramander》を取り入れている。
まとめると、青赤型は《血染めの月》《基本に帰れ/Back to Basics》《不毛の大地/Wasteland》を使うデッキに耐性が出来るものの、コンボデッキにはより脆弱になっている。

相性に関して言うと、グリクシスデルバーは、

不利:奇跡、デスアンドタックス、青白石鍛冶

五分:ANT、スロウデプス、赤単プリズン、グリクシスコントロール

有利:スニーク

しかし、デルバーデッキは非常に適応力の高いデッキなので、悪い相性を簡単に改善出来てしまう。


○奇跡(8.7%)

奇跡
VedX,5-2 at Legacy Challenge

Lands
1 x Arid Mesa
4 x Flooded Strand
5 x Island
2 x Plains
4 x Scalding Tarn
2 x Tundra
1 x Volcanic Island

Creatures
2 x Monastery Mentor
3 x Snapcaster Mage

Spells
2 x Jace, the Mind Sculptor
2 x Council’s Judgment
4 x Ponder
4 x Portent
3 x Terminus
4 x Brainstorm
1 x Counterspell
1 x Flusterstorm
4 x Force of Will
3 x Predict
1 x Spell Pierce
4 x Swords to Plowshares
1 x Back to Basics
2 x Counterbalance

Sideboard
1 x Back to Basics
2 x Flusterstorm
1 x Celestial Purge
2 x Disenchant
2 x Izzet Staticaster
1 x Mountain
1 x Palace Jailer
3 x Pyroblast
2 x Surgical Extraction


お次は奇跡。
絶対王者ではなくなって久しいものの、《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》禁止以降も結果を残しているアーキタイプの一つだ。
最近では、奇跡プレイヤーたちが《宮殿の看守/Palace Jailer》を試し始めた。
これはとても革新的な試みだと思っている。
パウパー環境を席巻する「統治者」システムはぶっ飛ぶ程に強力で(なのに過小評価されており)、レガシーでも上手く機能すると思っている。
奇跡は他のレガシーデッキよりも除去の数が豊富なので、統治者を巡る争いを非常に上手く行える。
加えて、《宮殿の看守》は《呪文貫き/Spell Pierce》も《紅蓮破/Pyroblast》もされないばかりか、《議会の採決/Council’s Judgment》や《名誉回復/Vindicate》といったカードでは統治者トークンに対して全くの無力だ。

奇跡の相性は、

不利:スロウデプス、スニーク

五分:赤単プリズン

有利:青赤系デルバー、青白石鍛冶、グリクシスコントロール、ANT、デスアンドタックス

しかしデルバー同様に、これらの相性は全て極めて僅差であり、同時に全ての方向を奇跡で対策するのは厳しいものがある。
現在の広汎なメタゲームは、このデッキにとってはマイナスであり、多くの奇跡プレイヤーが次に紹介する青白石鍛冶に乗り換えている理由の一つでもある。


○青白石鍛冶 と 青白デルバー(7.8%)

アゾリウス石鍛冶
mechint,7-0 at Legacy Challenge

Lands
1 x Arid Mesa
4 x Flooded Strand
6 x Island
1 x Marsh Flats
2 x Plains
2 x Polluted Delta
1 x Scalding Tarn
2 x Tundra
1 x Windswept Heath

Creatures
3 x Snapcaster Mage
4 x Stoneforge Mystic
3 x True-Name Nemesis

Spells
3 x Jace, the Mind Sculptor
2 x Council’s Judgment
4 x Ponder
4 x Brainstorm
2 x Counterspell
4 x Force of Will
2 x Spell Pierce
1 x Spell Snare
4 x Swords to Plowshares
1 x Batterskull
1 x Umezawa’s Jitte
2 x Back to Basics

Sideboard
2 x Containment Priest
2 x Disenchant
3 x Flusterstorm
1 x Gideon, Ally of Zendikar
1 x Palace Jailer
2 x Supreme Verdict
2 x Surgical Extraction
2 x Vendilion Clique


デルバー石鍛冶
mw_94gA,6-2 at Legacy Premier

Lands
2 x Arid Mesa
4 x Flooded Strand
1 x Misty Rainforest
1 x Scalding Tarn
3 x Snow-Covered Island
1 x Snow-Covered Plains
3 x Tundra
4 x Wasteland

Creatures
4 x Delver of Secrets // Insectile Aberration
2 x Nivmagus Elemental
4 x Stoneforge Mystic
4 x True-Name Nemesis

Spells
1 x Council’s Judgment
4 x Ponder
4 x Brainstorm
4 x Daze
4 x Flusterstorm
4 x Force of Will
4 x Swords to Plowshares
1 x Batterskull
1 x Sword of Fire and Ice

Sideboard
2 x Cataclysm
2 x Disenchant
1 x Engineered Explosives
2 x Grafdigger’s Cage
1 x Karakas
2 x Meddling Mage
1 x Path to Exile
1 x Pithing Needle
1 x Rest in Peace
1 x Snapcaster Mage
1 x Umezawa’s Jitte


これら二つのデッキはいくぶん異なるものの、マッチ相性はとても似ている。
実際、石鍛冶プレイヤーの中には《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》をサイドボードに取り始める者もいるし、青白デルバーデッキも頻繁に《秘密を掘り下げる者》をサイドアウトして青白石鍛冶に擬態している。

青白石鍛冶も奇跡デッキと同様に強烈なカードを数多く有している。
大量の基本土地、《基本に帰れ》、《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptors》、そして《剣を鋤に/Swords to Plowshares》などだ。
その上、フェアデッキ同士の対決では《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》の並べ合いとなるため、《ネメシス》に担がせる装備品の入ったデッキは良い選択になっている。

青白石鍛冶の相性は、

不利:奇跡、グリクシスコントロール、ANT、スロウデプス、スニーク

有利:青赤系デルバー、赤単プリズン、デスアンドタックス

これだけ見ると、奇跡デッキで相性の良かった相手のいくつかが不利になっただけの様にも見えるが、それでも青白石鍛冶は強いデッキだ。
それは、青白石鍛冶がより能動的なデッキであるとともに、奇跡のそれよりも有利な相手に対してより有利である事が理由になっている。


○グリクシスコントロール と チェコパイル/罰する泥棒
(6.8%)

グリクシスコントロール
Scabs,6-1 at Legacy Challenge

Lands
2 x Badlands
3 x Bloodstained Mire
2 x Island
4 x Polluted Delta
3 x Scalding Tarn
2 x Swamp
3 x Underground Sea
2 x Volcanic Island

Creatures
4 x Baleful Strix
2 x Gurmag Angler
3 x Snapcaster Mage

Spells
3 x Hymn to Tourach
3 x Jace, the Mind Sculptor
2 x Inquisition of Kozilek
4 x Preordain
1 x Thoughtseize
4 x Brainstorm
2 x Diabolic Edict
2 x Fatal Push
4 x Force of Will
3 x Kolaghan’s Command
2 x Lightning Bolt

Sideboard
2 x Bitterblossom
2 x Blood Moon
2 x Liliana, the Last Hope
1 x Marsh Casualties
1 x Pyroblast
1 x Red Elemental Blast
2 x Spell Pierce
3 x Surgical Extraction
1 x Toxic Deluge


グリクシスコントロール
Stryfo,7-1 at Legacy Premier

Lands
1 x Badlands
1 x Bayou
1 x Bloodstained Mire
3 x Grove of the Burnwillows
2 x Island
4 x Polluted Delta
3 x Scalding Tarn
1 x Swamp
1 x Tropical Island
2 x Underground Sea
2 x Volcanic Island

Creatures
4 x Baleful Strix
1 x Leovold, Emissary of Trest
3 x Snapcaster Mage

Spells
3 x Dack Fayden
2 x Jace, the Mind Sculptor
1 x Liliana of the Veil
1 x Inquisition of Kozilek
4 x Ponder
2 x Thoughtseize
1 x Toxic Deluge
1 x Abrupt Decay
1 x Assassin’s Trophy
4 x Brainstorm
1 x Diabolic Edict
1 x Fatal Push
4 x Force of Will
1 x Kolaghan’s Command
3 x Punishing Fire
1 x Nihil Spellbomb

Sideboard
1 x Assassin’s Trophy
1 x Nihil Spellbomb
1 x Hydroblast
1 x Liliana, the Last Hope
1 x Notion Thief
1 x Pernicious Deed
1 x Pulse of Murasa
2 x Pyroblast
2 x Rise // Fall
1 x Spell Pierce
2 x Surgical Extraction
1 x To the Slaughter


グリクシスコントロールとそれに類する青黒系コントロールデッキは、未だに存在し確かな結果を残している。
経験豊かなレガシープレイヤーはグリクシスコントロールや青白石鍛冶といった環境的に追い風かつ判断力の問われる青いミッドレンジデッキを好む傾向にある。
私は基本的に、こういったマナ軸上で本質的に何も強力な事をしていないデッキを好んではいないけれど、タダ強カードの束と《ジェイス》を叩きつける戦略が成功を収めているのには反論の余地がない。

Stryfo(あるいはChase Hansen)は独特な青黒系コントロールで多くの結果を残しており、《ダク・フェイデン/Dack Fayden》がレガシーで最も過小評価されているカードの一枚だと信じている。
《ダク》は《罰する火/Punishing Fire》と相性バツグンで、これによって彼のデッキのカードアドバンテージがどんどん膨らんでいく。
彼のリストは通常のグリクシスコントロールよりも、対奇跡などの遅い青系デッキに対する勝率が良くなった反面、4色構築が故に《不毛の大地》などの土地破壊に対してガードが下がっている。

グリクシスコントロールの相性は、
不利:奇跡、ANT、スロウデプス

五分:青赤系デルバー

有利:青白石鍛冶、赤単プリズン、スニーク、デスアンドタックス


○赤単プリズン(6.1%)

Mono-Red Prison
joetru,5-2 at Legacy Challenge

Lands
4 x Ancient Tomb
4 x City of Traitors
11 x Mountain

Creatures
4 x Goblin Rabblemaster
1 x Legion Warboss
3 x Magus of the Moon
2 x Pia and Kiran Nalaar
4 x Simian Spirit Guide

Spells
2 x Chandra, Torch of Defiance
3 x Karn, Scion of Urza
4 x Fiery Confluence
4 x Chalice of the Void
4 x Chrome Mox
2 x Ensnaring Bridge
4 x Trinisphere
4 x Blood Moon

Sideboard
2 x Ensnaring Bridge
1 x Karn, Scion of Urza
3 x Abrade
2 x Defense Grid
4 x Leyline of the Void
1 x Sorcerous Spyglass
2 x Sulfur Elemental


赤単プリズンはかつてMagic Onlineを支配していたデッキの一つだ。
しかし、やがて人々は気付き始め、基本土地を増やし、《石鍛冶の神秘家/Stonrforge Mystics》を使い始めた。
Joetruのリストは三枚の《削剥/Abrade》を仕込み、《軍勢の戦親分/Legion Warboss》を減らして《罠の橋/Ensnaring Bridge》を増やしたよりコントロール志向のリストに戻っている。
これはメタゲームの賜物だろう。
赤単プリズンはほとんどのコンボデッキと《虚空の杯/Chalice of the Void》デッキに対して強く、トップデッキの強さから言っても手堅い選択肢だと考えている。

赤単プリズンの相性は、

不利:青白石鍛冶、グリクシスコントロール、スニーク、デスアンドタックス

五分:スロウデプス、青赤系デルバー、奇跡

有利:ANT


○ANT(5.9%)

Ad Maiseam Tendrils
cl1ffy81,8-0 at Legacy Premier

Lands
1 x Bayou
1 x Bloodstained Mire
1 x Island
3 x Misty Rainforest
4 x Polluted Delta
1 x Swamp
1 x Tropical Island
2 x Underground Sea
1 x Volcanic Island

Spells
1 x Dark Petition
4 x Duress
4 x Infernal Tutor
2 x Past in Flames
4 x Ponder
4 x Preordain
1 x Tendrils of Agony
4 x Thoughtseize
1 x Ad Nauseam
4 x Brainstorm
4 x Cabal Ritual
4 x Dark Ritual
4 x Lion’s Eye Diamond
4 x Lotus Petal

Sideboard
1 x Tendrils of Agony
2 x Abrupt Decay
2 x Chain of Vapor
2 x Echoing Truth
1 x Empty the Warrens
1 x Extirpate
2 x Flusterstorm
2 x Hurkyl’s Recall
1 x Massacre
1 x Xantid Swarm


Michael CliffordがMTGO MCQで優勝し、多くの人がしばらく前から「レガシーで最高のデッキ」とANTの事を呼んでいる。
レガシーに最高のデッキはないと考えている私はその意見に賛同できないが、ANTはかなり近い所には居る。
このデッキはほとんどの青いデッキ(奇跡デッキ以外)に有利が付き、環境で最も安定しているデッキの一つだ。
残念な事に、プレイするのが非常に難しく、ミスした時の代償がとても大きいデッキでもある。
また、《虚空の杯》デッキやヘイトベアー達との相性が絶望的で、こうした理由からバウンス呪文を山盛りにし始めている。

ANTの相性は、

不利:奇跡、赤単プリズン

五分:青赤系デルバー、デスアンドタックス、スニーク

有利:青白石鍛冶、グリクシスコントロール、スロウデプス

素晴らしい相性のように見えるが、このデッキは特定のサイドカードに弱く、非常にプレイが難解である事に留意して欲しい。
もしもあなたがStormに対する知識経験が豊富ならばオススメするが、そうでないなら別の物にした方が良い。


○デスアンドタックス(5.6%)

デスアンドタックス
Scabs,7-0 at Legacy Premier

Lands
11 x Plains
4 x Rishadan Port
4 x Wasteland
1 x Ancient Tomb
3 x Karakas
1 x Mishra’s Factory

Creatures
4 x Flickerwisp
4 x Mother of Runes
1 x Palace Jailer
3 x Phyrexian Revoker
2 x Recruiter of the Guard
1 x Restoration Angel
1 x Sanctum Prelate
4 x Stoneforge Mystic
4 x Thalia, Guardian of Thraben
1 x Walking Ballista

Spells
4 x Swords to Plowshares
4 x AEther Vial
1 x Batterskull
1 x Sword of Fire and Ice
1 x Umezawa’s Jitte

Sideboard
1 x Palace Jailer
1 x Cataclysm
2 x Chalice of the Void
1 x Containment Priest
2 x Council’s Judgment
1 x Damping Sphere
1 x Dismember
1 x Karn, Scion of Urza
1 x Leonin Relic-Warder
1 x Path to Exile
1 x Pithing Needle
1 x Rest in Peace
1 x Surgical Extraction


簡潔に言えば、レガシー最高のデッキの一つに数えられながら、グリクシスコントロールと奇跡の隆盛によって長い間蚊帳の外に追い出されていたデッキだ。
しかし、苦手なデッキが下火になり、良い相性のデッキが増えた事で、再びデスアンドタックスは浮上してきた。
Thomas Enevoldsenは、最近では毎回MTGO Challengeにこのデッキで参加してtop8入賞しており、デスアンドタックスが素晴らしいプレイヤーの手にかかればとんでもない戦績を叩き出せるデッキであることを示して見せた。
《宮殿の看守》が対コントロールでの弱点にテコ入れをしている一方で、《真の名の宿敵》がこのデッキの宿敵である事は明白だ。


デスアンドタックスの相性は、

不利:奇跡、青白石鍛冶、グリクシスコントロール

五分:ANT、スロウデプス、スニーク

有利:青赤系デルバー、赤単プリズン


○スロウデプス(5.6%)

ゴルガリデプス
Griselpuff,6-1 at Legacy Challenge

Lands
3 x Bayou
1 x Bojuka Bog
4 x Dark Depths
1 x Forest
1 x Misty Rainforest
1 x Sejiri Steppe
1 x Swamp
4 x Thespian’s Stage
4 x Urborg, Tomb of Yawgmoth
4 x Verdant Catacombs
3 x Wasteland

Creatures
4 x Dark Confidant
2 x Sylvan Safekeeper
4 x Vampire Hexmage

Spells
2 x Duress
2 x Hymn to Tourach
1 x Life from the Loam
2 x Sylvan Scrying
4 x Thoughtseize
3 x Abrupt Decay
4 x Crop Rotation
4 x Mox Diamond
1 x Sylvan Library

Sideboard
2 x Sylvan Safekeeper
1 x Abrupt Decay
2 x Hymn to Tourach
1 x Assassin’s Trophy
1 x Dryad Arbor
1 x Karakas
2 x Liliana, the Last Hope
1 x Marsh Casualties
2 x Pithing Needle
2 x Surgical Extraction


これは私が使っている最新のリストで、本当に気に入っている。
GP Niagara Fallsではこのデッキか青赤系デルバーのどちらかに決めようと思っている。
デプスデッキはドローが強く、能動的にゲームを進められる。
また、Dave Longの最新リストでは《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》が四枚組み入れられており、厳しい相性であるコンボデッキに対して素晴らしい効果を発揮する。

スロウデプスの相性は、

不利:スニーク、ANT

五分:青赤系デルバー、赤単プリズン、デスアンドタックス

有利:奇跡、青白石鍛冶、グリクシスコントロール

○スニークアンドショー(5.6%)

スニークアンドショー
JPA93,8-0 at Legacy Premier

Lands
2 x Flooded Strand
3 x Island
2 x Misty Rainforest
2 x Polluted Delta
2 x Scalding Tarn
3 x Volcanic Island
3 x Ancient Tomb
2 x City of Traitors

Creatures
3 x Griselbrand
3 x Emrakul, the Aeons Torn

Spells
4 x Ponder
1 x Preordain
4 x Show and Tell
4 x Brainstorm
3 x Cunning Wish
2 x Flusterstorm
4 x Force of Will
1 x Impulse
1 x Intuition
1 x Spell Pierce
4 x Lotus Petal
3 x Omniscience
3 x Sneak Attack

Sideboard
1 x Flusterstorm
1 x Intuition
2 x Boseiju, Who Shelters All
1 x Firemind’s Foresight
1 x Kozilek’s Return
1 x Pyroblast
2 x Pyroclasm
1 x Release the Ants
1 x Rushing River
1 x Sudden Shock
1 x Surgical Extraction
1 x Through the Breach
1 x Trickbind


Jonathan Anghelescuは今年のMTGO Legacyイベントにおいて何度か決勝進出を果たしており、人々が思っている程スニークは単純なデッキでは無いという事を知らしめた。
ともかく、彼はこのデッキの能力を一段引き上げ、依然としてスニークがレガシー最高のデッキの一つであることを証明した。
最近では、《全知/Omniscience》/《狡猾な願い/Cunnning Wish》を組み込む事で、デスアンドタックスやエルドラージポストなどの、パーマネントでの妨害に対して有利が取れる構築が多くなっている。

スニークアンドショーの相性は、

不利:青赤系デルバー、グリクシスコントロール

五分:デスアンドタックス、ANT

有利:奇跡、青白石鍛冶、赤単プリズン、スロウデプス


デッキ相性を公平に付けたつもりだが、完璧な相性表だとは考えていない。
特定のカードやサイドボードの選択、プレイヤーの熟練度に至るまで、プレイに関する変数が多すぎるからだ。
例としてグリクシスデルバーを挙げると、グリクシスデルバーは他の8つのデッキ全てに対してほぼ有利が付くように組み上げられる(同時に、という意味ではなく)。
また、私は赤単プリズンと青いミッドレンジデッキに対して偏見を持っており、そういうわけでいささか低く見積もったかも知れない。
今回一番言いたいのは、これらの9つのアーキタイプが今現在最も成功しているという事を理解し、これらを叩き潰す準備をせよ、という事だ。
MTGO上でプレイヤーはこれら9つの(とそれ以上に多くの)デッキを使って好成績を収めている。
重要なのは、メタゲーム上での自分の立ち位置を選び取り、重要なマッチアップにおいて毎回一貫した戦略を取る事だと考えている。
そしてそれの大部分は経験に基づくものなので、私が最初に言った通り、
使い慣れたデッキを使え、という事だ。

今度のGPが楽しみで、次なるレガシーの時代がどんなものになるか待ち遠しい。


記事
https://www.channelfireball.com/articles/gp-niagara-falls-preview-the-best-decks-in-legacy/?_ga=2.34750825.954926958.1555290209-781245113.1493183254


1st place at Grand Prix Niagara Falls with U/W Stoneblade in Legacy

by Daniel Goetschel

2019/05/11


私はMagicで「ちゃんとゲームをやる事」には興味が持てないんだ。
欠片の双子デッキのミラーマッチをやる時は楽しいけど、大会で優勝するのが最終目標なら、勝ち続けなければいけない。
大会中ずっと勝ち続けるのはとても困難な事で、出来ればもっと楽に勝ちたい。

Magicで「ちゃんとゲームする事」を避けるなら、対戦相手のカードを全く無価値なものにする必要がある。

彼らの手札が良くて、こちらの手札が良くなくても関係ない。
もしも相手に対して十分な備えがこちらにあれば、それだけで大きなアドバンテージとなる。
対戦相手の行いを無効化してしまうこの方法は非常に残忍なやり口で、私はいつも「搾取」と呼んでいる。

グリクシスシャドウの人気が増して、人々が《死の影/Death’s Shadow》を禁止しろ、と叫んでいた時のランタンコントロールを例にしよう。
あの頃は《ルーンの光輪/Runed Halo》を複数積み、《力線》を入れ、過剰な除去スペルと、《オーリオックのチャンピオン/Auriok Champion》/《前兆の壁/Wall of Omens》/《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》等々をメインから採用したデッキに頻繁に当たった。
ほぼ全員がクリーチャーの駆除に躍起になっている環境で、ランタンコントロールは完璧な選択肢だった。
対デスシャドウの相性が良いわけではないが、《死の影》対策を詰めてきた全員に対しての相性は良い。

ランタンコントロールはデスシャドウ全盛時代に軸をずらした戦いが出来たのでとても良かった。
仮に対戦相手が怪しげな構築をしていたとしても関係ない。
結局全てのデッキが仮想敵(デスシャドウ)を倒すための構築をしていたのだから。

どうやって大会を「圧勝」するのかを知りたければ、自分が「搾取」される側になる事なく、いかに他人を「搾取」できるのかの思索を深める必要がある。
時にはその方法が明確な事もある。
もし《虚空の杯/Chalice of the Void》をX=1で置けば、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を使用する対戦相手は死ぬに違いない。
あなたは対戦相手の1マナ域を封じてしまう。しかし、それによって《思案/Ponder》を使えなくさせた事を知っても実際にはあまり役には立たない。
様々な「搾取」の方法をパズルのように組み合わせて、ゲームをまとめていく。

Brad Nelsonがプロツアーでグルールランプを使っていた時に言っていた事を思い出す。
対戦相手がランプデッキを「搾取」する奇妙な方法を採用しない限り、デッキ相性は非常に良い。
そしてランプデッキはメタ外だったため、人々が対策を見つけることに怯える必要もなく、「普通に」プレイしている対戦相手全員に対して有利だとBradは感じていた。
つまり、私たちもある特定の方法を取る事で「搾取」する側に回れるというわけだ。
これを行うためには、マッチアップの中で何が起こっているのかを把握し、奇妙な戦略を色々と試してみる必要がある。

「搾取」するもう一つの方法として、相手の予想を裏切ってサイドボーディングを台無しにする事が挙げられる。
モダンで私が青赤けちストームを使っている時は、ほとんど毎回《けちな贈り物/Gifts Ungiven》と《炎の中の過去/Past in Flames》をサイドアウトし、《パズルの欠片/Pieces of the Puzzle》と《巣穴からの総出/Empty the Warrens》をサイドインする。
多くの対戦相手がもはや無用の長物と化した墓地対策カードを求めてマリガンするだけで、大きな利益を得ていると分かった。

これはレガシーでTESを使うプレイヤーにとってはよくある経験だろう。
レガシーには全く異なる二つのストームデッキがある。ANTとTESだ。
ANTはやや遅いものの、墓地を利用する事で粘り強いデッキだが、TESは《炎の儀式/Rite of Flame》以外の墓地を利用するカードをメインデッキに一切入れず、《燃え立つ願い/Burnign Wish》で持ってくるための《炎の中の過去》がサイドボードに一枚あるのみだ。
これは、シールド戦でのサイドインアウト戦術と通ずる物があり、対戦相手に勘違いをさせる事で大きな利益を得られる。
オールインアグロデッキと見せかけて、サイド後にミッドレンジデッキ寄りに変更すれば、対戦相手のサイドボーディングは最適なものではなくなってしまう。

この章の締めくくりとして、二つの馬鹿げた例を引き合いに出したい。
一つ目は、グリクシスデルバーのサイドボードに基本土地を一枚入れるやり方だ。
以前にも試された事ではあるが、Omar Beldonは私に試してみるように話した。
デルバーデッキに基本土地が入っていないと予想する対戦相手達が、私の1ターン目に《幽霊街/Ghost Quarter》を使ってきたり、《血染めの月/Blood Moon》や《基本に帰れ/Back to Basics》を置く事にオールインしてきたり、1ターン目の《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を《流刑への道/Path ot Exile》したりするのを見て、なんてズルい戦術なんだと気付いた。
小さな変更によって対戦相手を欺く事は、大きな利益を生む事になる。

もう一つは土地単とのゲームで起こった。
多くのデルバーデッキには、一種類のデュアルランドが三枚、もう一種類が2~3枚入っている。
ところが私のデッキにはデュアルランドが7枚入っていて、数ターンの間フェッチランドであえて土地を持ってこずに相手に土地切れだと思わせた。
対戦相手が《罰する火/Punishing Fire》でこちらの脅威を除去するよりも《The Tabernacle at Pendrell Vale》を出す事を優先したタイミングで、とっておきの《Underground Sea》をこっそりとフェッチしてきて致命傷を与える。

これらの例で言いたいのは、対戦相手のカードを「搾取」する方法を考える事で、莫大な利益を得られる可能性があるという事だ。
もしもあなたが上手くやれれば、報酬はすぐそこにある。

しかしGP Niagaraの話は、こういった「搾取」の話ではない。
私は没個性な青白石鍛冶デッキを使い、週末の間ずっと《思案》を打ちあっていた。

Stoneblade

Lands
1 x Arid Mesa
4 x Flooded Strand
6 x Island
1 x Misty Rainforest
2 x Plains
1 x Polluted Delta
2 x Scalding Tarn
2 x Tundra
1 x Windswept Heath

Creatures
3 x Snapcaster Mage
4 x Stoneforge Mystic
4 x True-Name Nemesis
1 x Vendilion Clique

Spells
3 x Jace, the Mind Sculptor
1 x Batterskull
4 x Brainstorm
2 x Council’s Judgment
2 x Counterspell
4 x Force of Will
4 x Ponder
2 x Spell Pierce
1 x Spell Snare
4 x Swords to Plowshares
1 x Umezawa’s Jitte

Sideboard
1 x Celestial Purge
2 x Containment Priest
1 x Disenchant
1 x Engineered Explosives
3 x Flusterstorm
2 x Palace Jailer
2 x Supreme Verdict
3 x Tormod’s Crypt


私は《不毛の大地/Wasteland》入りの青赤系デルバーと五回当たった。
一つは非常に奇妙な構築で、《ニヴメイガスの精霊/Nicmagus Elemental》、《沼/Swamp》、《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptors》、《コラガンの命令/Kolaghan’s Command》、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》などが入っていた。
グリクシスコントロールには二回当たり、
《Tundra》の入ったデッキにも二回当たった。
一つはエスパーブレードで、もう一つはFabianoの奇跡だ。
また、ストーム熟練者である42ADにも当たり、
《リシャーダの港/Rishadan Port》入りの土地単、スティールストンピィ、スローデプスとも当たった。

ラウンド1がByeで、順位調整のために最終ラウンドをEdgarに譲りスイスラウンドを終えた。

Top8に入ってからは、スニークショーと当たり、Fabianoともう一戦交え、決勝の相手はデスアンドタックスだった。

唯一「搾取」が上手く行ったのはFabianoに対してのゲームだけだ。
Top8ではオープンデッキリストになるため、私はGerardの使う奇跡のリストを読み込んだ。
そしてメインデッキに《僧院の導師/Monastery Mentor》が入っていない事に気付いたので、彼の《瞬唱の魔道士》と《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》に対して安心して《剣を鋤に/Swords to Plowshares》を二度使えた。

より重要なのは、こちらの《瞬唱の魔道士》が彼にとって(複数の観点で)対処し辛い
という事を表している。
通常、私が奇跡に対して《瞬唱の魔道士》を唱えると、相手はそれに《僧院の導師》で応じるか、あるいは彼らも《瞬唱の魔道士》を用いてくる。
私が《剣を鋤に》を使ってしまえば、《導師》に対して無防備になってしまう。
しかし《導師》がいなければ、私の《瞬唱の魔道士》は不愉快な程に強烈になる。
実際のマッチでは、こちらのエンドステップに彼が《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》を使ったのに対応して、《瞬唱の魔道士》で《渦まく知識/Brainstorm》をフラッシュバックした。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystics》で《殴打頭蓋》を出すよりも優先したが、これは《瞬唱の魔道士》+《渦まく知識》が彼の《ジェイス》により圧力をかけると共に、こちらの《ジェイス》、打ち消し、《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》の準備へと繋がるからだ。

また、私が打ち消しの種類を混在させた(メインに《呪文貫き/Spell Pierce》2枚、《対抗呪文/Counterspell》2枚、《呪文嵌め/Spell Snare》1枚、《意志の力/Force of Will》4枚、サイドに《狼狽の嵐/Flusterstorm》3枚)ことで、彼はどうプレイしたら良いのか非常に難しかっただろう。
その一方で、彼の打ち消しは《呪文貫き》3枚、《対抗呪文》1枚、《相殺/Counterbalance》が2枚、《意志の力》4枚がメインに入っていた。
彼はコンボ対策としてサイドボードに《翻弄する魔導士/Meddling Mage》を採用していたため、そういった点でも私にとっては非常に快適に戦えた。

私がこうした基本に忠実なデッキを選択した理由は、《思案》を使いつつも、《虚空の杯》や《不毛の大地》を使ってくる相手を打ちのめしたかったからだ。
レガシー環境には、75枚では到底やり合えない程多くのデッキがひしめき合っている。
《虚空の杯》によって沈黙させられると非常につまらないので、まずは《虚空の杯》に強いデッキが第一条件になった。そして他の《思案》を使うデッキでは《虚空の杯》に対して相性が良いとは思えなかった。
こう言うと、「いやいや、やれるぞ」という反対意見が多く挙がるだろう。
もしエルドラージに対する勝率が60%だとして、彼ら相手に3勝2敗だったとして、もしもグランプリのTop8を目指しているのならその数字は容認できるものではない。
15ラウンドを戦って90%の勝率が必要なら、あなたは《虚空の杯》に対して「大丈夫」ではなく、「最高」の相性を望むべきだ。

一方で、青白石鍛冶にとってデルバー戦はあまり良くない。
ゲーム1では本当に少量の除去しか持っていないし、こちらの脅威は《目くらまし/Daze》、《稲妻/Lightning Bolt》、《意志の力》に対して弱く、妨害にさらされて安定性に欠いてしまう。
サイド後は《至高の評決/Supreme Verdict》を得るため、容易に盤面を取り返せるし、除去できずに轢き殺される事も無くなる。
実際私が当たった5戦では、対戦相手の《不毛の大地》がほぼ死に札になっていて大いに助けられた。
デルバー使用者はもっと頻繁に《不毛の大地》をサイドアウトすべきだと思っている。
もし相手が特殊地形を率先して持ってこないプレイヤーの場合、《不毛の大地》はまさにオモチャの積み木同然で、そんな時に本当に必要なのは対戦相手を追い詰める呪文だろう。
私の対戦相手はほとんど《不毛の大地》をそのままにしていたので、自動的にそこから利益を得ていた。

また、石鍛冶デッキに色を足す事に関しての議論も多くなされている。
《紅蓮破/Pyroblast》のための赤、《盲信的迫害/Zealous Persecution》のための黒、《貴族の教主/Noble Hierarch》のための緑。
私は見た目以上に黒を足したものが強そうに思える。
2マナの《疫病風/Plague Wind》は《真の名の宿敵》の睨み合いで有効だし、第1ゲームでデルバーデッキへの対抗手段にもなる。
さっきも言った通り、こちらの脅威は弱く《目くらまし》と《稲妻》のせいで安定性に欠け、除去も十分には用意できない。
全体除去はこの状況の改善に非常に役立ち、相性を変える。そのためにサイドボードに《至高の評決》を2枚取っている。

Eric Landonが《貴族の教主》のために緑を足して本当に楽しそうにやっているのも知っている。
一度も試した事がないから、《貴族の教主》が《最後の希望、リリアナ/Liliana,the Last Hope》の餌食になって超絶不愉快になるだろう、という事実を除いて私からは何一つ有用なアドバイスは出来ない。

赤を足すのも強力だ。
《赤霊破/Red Elemental Blast》のためにカードを削るのは大幅な改良だとは思っていない。
私は最低限の改良を施したが、《赤霊破》は非常に強く、特にスニークショーの使う《秘儀の職工/Arcane Artisan》への効果的な解答となる。


○サイドボード

レガシーにおけるサイドボーディングの重要な側面は、デッキ構築の区別にある。
例えば、TESとANTの区別、オムニテルとスニークショーの区別、などだ。
これらのデッキは非常に似通っているにも関わらず、プレイは大きく異なり、弱点となるカードも異なっている。
墓地対策カードはほとんどの場合でTESに対しては無力だが、ANTに対しては刺さる。
あなたが《炎の儀式》、《金属モックス/Chrome Mox》、あるいは《燃え立つ願い》を見かけたら、それらは危険信号だ。対戦相手はTESだと判断できる。
もちろん、少数ながらANTでもこれらのカードを使っているかも知れないが、主流ではない。
もし対戦相手が《冥府の教示者/Infernal Tutor》で《炎の中の過去》やメインの《苦悶の触手/Tendrils of Agony》を持って来たら、彼らはANT使いだ。
TESはメインデッキに《巣穴からの総出》しかストームカードを入れておらず、あなたを殺すためにはサイドボードから《触手》を引っ張ってくる必要がある。

どのようにサイドボーディングすべきかについて、
TESはゴブリンを大量に出してくるため、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》や《盲信的迫害》を全てサイドインする。反対にANTはたまに《巣穴からの総出》を使う事もあるが、石鍛冶相手ではほぼあり得ない。
ANTに対しては墓地対策カードが非常に有効だが、ANTはやや粘り強いため、もしも可能ならば強烈なカードを入れたい。さもなければあなたの妨害を乗り越えてくるかもしれない。

見た目は似ているが、全く異なる別のデッキタイプとして、
オムニテルとスニークショーが挙げられる。
もしも《直観/Intuition》、《衝動/Impulse》、《狡猾な願い/Cunning Wish》を見かけたらオムニテルだ。
オムニテルは一般的にあなたを殺すために《全治/Omniscience》を用いるため、《ジェイス》や《宮殿の看守/Palace jailer》といったクリーチャー除去カードは全く役に立たない。
最も重要なのは、オムニテルのサイドボードは(ウィッシュボードのために)圧迫されているため、《秘儀の職工》に怯えずに済むという事だ。
もしも《外科的摘出/Surgical Extraction》を持っていれば、スニークショーに対してだけではなく、(主に《直観》を使うために)オムニテルに対してもかなり強い。


vsデルバ-

out 4*《意志の力》 1*《精神を刻む者、ジェイス》

in  2*《宮殿の看守》 2*《至高の評決》 1*《天界の粛清/Celestial Purge》

この作戦は決まり切ったものではなく、もっと良い選択肢があるかもしれない。
また、デルバー側の構築次第でもある。
もし《もみ消し/Stifle》を使っている場合、《狼狽の嵐》をより重視する。
もし青緑黒のような長期戦型の場合、《ジェイス》を全て残すだろう。
もし《冬の宝珠/Winter Orb》を大量に見た場合、《解呪/Disenchant》が欲しくなる。
《意志の力》ももちろん良いが、対フェアデッキにおいては評価が複雑になる。
そのため、盲目的にサイドアウトするのは考え無しな戦術だ。
《もみ消し》デッキに対して《意志の力》は一定の効果を持っている。
《もみ消し》を「搾取」する素晴らしい小技として試して欲しいのは、彼らが《思案》を唱えた時にフェッチランドを使う。そこで《もみ消し》してきたら、《狼狽の嵐》で二つとも打ち取ってしまうんだ。


vs奇跡

繰り返しになるが、サイドボーディングは状況に依るものだ。
Gerard戦では《剣を鋤に》を0枚にしたが、基本的には3枚残す。

out 1*《剣を鋤に》 《平地/Plains》 1*《梅沢の十手/Umezawa’s Jitte》 2*《意志の力》

in  2*《宮殿の看守》 3*《狼狽の嵐》

このサイドボーディングはおそらく間違っていて、《意志の力》は多分良いカードだが、レガシーは複雑なためこれよりも良いプランが思いつかなかった。
常に相手が何をやろうとしているのか見極め、それに従ってプレイしていく。


vsスニークショー

もし相手がオムニテルなら気を付ける。
オムニ戦でもサイドボーディングは基本的に同じだが、《職工》を見ない限りは安心して《剣を鋤に》を削れる。

out 1*《剣を鋤に》 1*《平地》 1*《議会の採決》 4*《真の名の宿敵》 1*《梅沢の十手》

in  3*《狼狽の嵐》 2*《封じ込める僧侶/Containment Priest》 2*《宮殿の看守》 1*《解呪》

何度も言うが、これが100%のプランだとは言わない。しかし、私が考えうる限りでは最高のサイドボーディングだ。


vsデスアンドタックス

out 2*《意志の力》 2*《呪文貫き》 2*《対抗呪文》

in  2*《宮殿の看守》 2*《至高の評決》 1*《解呪》 1*《仕組まれた爆薬》

先手の場合、《対抗呪文》は有効になる。
その場合は3枚目の《意志の力》を削って1枚だけ《対抗呪文》を残すが、これが正しいかは自信がない。


vsグリクシスコントロール

《剣を鋤に》が役立たずなため、このサイドボーディングは本当に難しい。
しかし、除去スペルを引き込むための「統治者」になりたいのなら、《悪意の大梟/Baleful Strix》に対処できた方が良いかも知れない。

out 4*《剣を鋤に》 2*《意志の力》

in  3*《狼狽の嵐》 2*《宮殿の看守》 1*《天界の粛清》

《平地》は《意志の力》よりも悪い可能性がある。
しかし《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》に対抗して4マナ域のスペルを唱える場合は基本の《平地》が素晴らしく成り得る。もっと経験が必要だろう。
《ヴェンディリオン三人衆》も《大梟》や《最後の希望、リリアナ》を前にして役に立たないように見えるが、活躍する盤面が多いので私は残している。


vsミラーマッチ

out 1*《平地》 4*《意志の力》

in  2*《至高の評決》 2*《宮殿の看守》 1*《解呪》

おそらく間違ったサイドボーディングだが、先に述べたように、自分の経験から出たサイドボーディングよりも良い方法が見つからなかった。
より重要な事が何かを理解するために、もっとやり込む必要がある。


カードを貸してくれたBostonとHans Jacob、そして食べ物を買ってくれたEetai/Peter、そして週末を楽しく過ごした全員に大声で言いたい。
とっても感謝しています。


記事
https://www.channelfireball.com/articles/1st-place-at-grand-prix-niagara-falls-with-u-w-stoneblade-in-legacy/?_ga=2.132079116.2078493601.1557752745-781245113.1493183254


It’s A Miracle: How Legacy’s Best Deck Somehow Got Better

Brian Coval

2019/6/13


エターナル環境の新しい夜明けだ。
灯争大戦は積極的なマナコストの支払いに対する見返りを大きなものにして、その存在感はスタンダードからヴィンテージまで幅広く知られる事となった。
モダンホライズンの上陸も差し迫り、大量の新カードが追加される。
更には、ロンドンマリガンが正式採用となり、コアセット2020のリリースとともに運用されるようになる。

ヴィンテージとレガシーは先週末のSCG Con Summerでスポットライトを浴びた。
The Vintage Power 9 Seriesは昨年11月のEternal Weekend以来となる今年初の公式な紙の大会となった。
レガシーの方はGP Niagara以来となるが、その頃はまだ灯争大戦のリリース前だった。
SCG CON Summerが二倍になり、Team Eternal Showdownが開催されたので、両方のフォーマットが二回行われた。

競技シーンで見ると、灯争大戦のプレインズウォーカー達はレガシーとヴィンテージで使えるというだけでなく、両フォーマットの環境を定義付けてしまっている。
エターナル環境を“デュエルデッキ:カーンvsナーセット”と言い換えるのに、異論はないだろう。
ヴィンテージにおいて、《覆いを割く者、ナーセット/Narset,Parter of Veils》は環境を抑圧しており、制限指定されずにいるのはどうかと思う。
けれど、私は《大いなる創造者、カーン/Karn,the Great Creator》こそが真にこのフォーマットを(かなり悪い方に)ぶっ壊すと確信している。
1ターン目に《三なる宝球/Trinisphere》を解決して、2ターン目に勝利してしまうデッキなんて、どっかイカれてる。

モダンホライズンはこの状況をどうにも出来ないだろうし、加えて私の予想では、このセットはドレッジをとんでもなく強化する。
新しいフリースペルと、本当になんでこんなカードを刷ったのか頭がおかしい様な、《蘇る死滅都市、ホガーク/Hogaak,Arisen Nectopolis》によって。
願わくば、これによってWotCが重い腰を上げ、ヴィンテージの制限リストを見直して欲しい。
また0からのスタートになったとしても、今のままよりはずっと良い。
それまでは、少し離れたところからヴィンテージを見守っていることにする。

という事で、今日はレガシーについて話そう!

レガシーは灯争大戦以前の世界とは、明らかにメタゲームとゲーム哲学が変化しており、環境の定義自体が変わってしまった。
以下、ビッグ3について説明していこう。


・《覆いを割く者、ナーセット》

彼女は1青青で使える《時を越えた探索/Digh Through Time》(禁止カード)であり、場に残る《トレストの使者、レオヴォルド/Leovold,Emissary of Trest》(異なる3色が必要なカード)でもある。
レガシーにおいて「対戦相手は追加のカードをドローできない」という効果がゲームをぶっ壊すため、《レオヴォルド》が登場して以来、多くのデッキがマナベースを歪めてマナを捻出していた。
では《ナーセット》は?
ただ《島/Island》が必要なだけだ。
彼女は忠誠値5から始まり、起動に2を使うので、コントローラーはデッキの上から8枚中最高の2枚を手にできる。
そして忠誠値1の彼女は、追加のドローを対戦相手に禁じながら場に居残り続けるんだ。
レガシーでは毎ゲーム、カードを引き、選択肢を増やせるように手札を整えていく必要がある。
もし片方のプレイヤーだけがそれを行えたとしたら、そのゲームは一方的なゲームとなってしまう。
《ナーセット》はコントロールデッキが求める2つの要素を持ち、青いマナベースなら容易にキャストできるマナコストなので、青いコントロールデッキにすんなりと居場所を見つけた。


・《大いなる創造者、カーン》

彼はそれ自体で1枚コンボと言える。
対戦相手が持つアーティファクトの起動型能力を封じ、あなたのサイドボードからカードを取ってくる。
カードに精通しているデッキビルダーなら、全てのカードをアーティファクト化するために《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》をサイドボードに仕込むだろう。
例えば、4マナに到達し、その後6マナ(あるいは一度に10マナ)に到達すると、対戦相手は自分のカードの一切を起動できなくなってしまう(マナを生み出すために土地をタップするのも含む)。
そして、そんな事態に備えてあなたが《活性の力/Force of Vigor》を構えていたとしても、《マイコシンスの格子》は全ての領域のカードを無色に変えてしまうため、永遠に「緑の」カードを追放する事はできないんだ。残念ながら。

無色のビッグマナデッキはレガシーに常に一定数おり、《古の墳墓/Ancient Tomb》と《裏切り者の都/City of Trators》はそれらの力強い駆動力となっている。
《厳かなモノリス/Grim Monolith》と《通電式キー/Voltaic Key》はウルザブロックからの古き友人だし、《雲上の座/Cloudpost》は《ヴェズーヴァ/Vesuva》と《微光地/Glimmerpost》を用いて素早く大量のマナを生み出す。
これらは既に《虚空の杯/Chalice of the Void》や《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》、エルドラージクリ―チャーとともに使われている。
《カーン》はこれら二軍のデッキをTier1まで押し上げた。


・《時を解す者、テフェリー/Teferi,Time Raveler》

彼は一方的な超《防御の光網/Defense Grid》であり、面倒なパーマネントに対処する役割も担う。
もし彼が場に定着すれば、コントローラーのソーサリーをインスタントに変えてしまうので、片方のプレイヤーは第1メインと第2メインにしか呪文を唱えられない一方で、あなたは本来唱えられないはずのタイミングで呪文を唱える機会を得る事になる。
加えて、それらの呪文は打ち消されない。
対戦相手は対応して何かを唱える事が出来ないからだ。
レガシーにおいて、ほとんどのデッキは正しく機能するために多少はインスタントスピードで動く必要がある。
彼がもたらす不平等は、ゲームはあっという間に終わらせてしまう。


以上が、ビッグ3が戦場に何をもたらすかの説明だ。
どれもこれも非常にめちゃくちゃな強さで、デッキビルダーはこれらのパワーカードに対して何をすればいいのだろうか?
他のデッキを倒せて、これらの内から二種類を使えるデッキは何があるだろうか?
そう…奇跡があるじゃないか!


Miracles
Brian Coval
16th Place at Star City Games Play 4 Power

Creatures (5)
2 Monastery Mentor
3 Snapcaster Mage

Planeswalkers (6)
2 Jace, the Mind Sculptor
2 Narset, Parter of Veils
2 Teferi, Time Raveler

Lands (19)
7 Island
2 Plains
1 Arid Mesa
4 Flooded Strand
1 Misty Rainforest
1 Polluted Delta
1 Scalding Tarn
1 Tundra
1 Karakas

Spells (30)
1 Back to Basics
4 Brainstorm
2 Dovin’s Veto
4 Force of Will
3 Spell Pierce
4 Swords to Plowshares
2 Council’s Judgment
4 Ponder
1 Portent
1 Preordain
1 Supreme Verdict
3 Terminus

Sideboard

1 Null Rod
1 Tormod’s Crypt
1 Containment Priest
1 Back to Basics
1 Celestial Purge
2 Disenchant
2 Flusterstorm
2 Surgical Extraction
2 Vendilion Clique
1 Ashiok, Dream Render
1 Supreme Verdict


奇跡は《終末/Terminus》が刷られて以来、レガシーで最高のデッキの一つと言える。
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》が禁止されても、時代に合わせて様々に形を変えて適応し続けてきた。

このデッキはかつて、《師範の占い独楽》と《相殺/Counterbalance》の組み合わせによって対戦相手の行動全てを捌き、燃えカスになった相手を《瞬唱の魔道士/Snapacaster Mage》でぺちぺちしたり、《天使への願い/Entreat the Angels》でゲームを終わらせていた。
このゲームプランを、《独楽》無しでやろうとし続けていたため、しばらくの期間このデッキは妙な感じになっていた。
昨年夏、私はSCG Duel for Dualsで奇跡の達人であるAnuraag Das(TwitchでのAnzi104だ)と対面し、その時の彼は《占い/Soothsayng》をデッキに入れていた。
バントカラーにして《ミリーの悪知恵/Mirri’s Guile》を採用する人たちもいた。

Jim Davisは2018年初頭に、基本土地多めのマナベースに焦点を当ててデュアルランドを減らす事を推奨する記事を書いた。
《基本に帰れ/Back to Basics》によって対戦相手を挫くとともに、序盤をコントロールした後で相手が体勢を立て直す前に《僧院の導師/Monastery Mentor》によって素早く対戦相手を粉砕するという、より積極的なゲームプランを提唱した。
私は彼のリストを使い、2018年のSCG Cincinnati Legacy Classicではタイブレークの末に惜しくも9位だったが、その後も使い続けて一か月後の2018年SCG Baltimore Legacy Classicで優勝を果たした。
それ以来、私は純アゾリウスカラーのマナベースと、《導師》による早期決着のスタイルを支持し、改良し続けてきた。
《ナーセット》と《テフェリー》は両方ともこのデッキに合い、《カーン》デッキは《基本に帰れ》で畳んでしまおう。

先週末のSCG CON Summerにて、私はこのリストを使って12-3で終え、the Play 4 PowerでTop16、Team Eternal ShowdownではTop4入りを果たした。
負けたのは伝説的なプレイヤーたちで、Harlan Firerが使う《戦慄衆の秘技術士/Dreadhorde Arcanist》入りイゼット、David Longのゴルガリデプス、Gerard Fabianoとのミラーマッチの三つだ。

私は奇跡がレガシー最高のデッキに舞い戻ったと信じている。


○The Lands

この構築の最も明確な部分であり、この構築をする理由の全てでもある。
基本土地9枚とそれらを持ってこられるフェッチランド8枚、《ツンドラ/Tundra》と《カラカス/Karakas》が1枚ずつ。
ほとんどの状況で、ゲーム全体を通して対戦相手の《不毛の大地/Wasteland》に狙われる事は無い。
デルバー、デスアンドタックス、マーヴェリック、エルドラージストンピィ、そして土地単など全てのデッキが《不毛の大地》を使ってゲームに必要な資源を相手から奪い去ろうとする。
《血染めの月/Blood Moon》を用いて同様の事を行うデッキもある。
デッキを基本土地で満たすことによって、対面する多くのデッキが4枚から10枚の死に札を抱える事となり、更にはデッキ中の《基本に帰れ》をより活用できる。
相手のマナ否定戦術を無視できるだけでなく、こちら側のマナ否定戦術を相手に意識させられるんだ。

1枚の《カラカス》は、あなたの地域に《不毛の大地》が多く、リアニメイタ―や実物提示教育、コントロールデッキが少なければ、3枚目の《平地/Plains》になるだろう。
しかし、私は《カラカス》を《不毛の大地》に晒してでもメインデッキに入れておく価値があると思う。

最後に、1枚の《ツンドラ》に関して。
私と《ツンドラ》は犬猿の仲だと言える。
《思案/Ponder》と《乾燥台地/Arid Mesa》(《島》を持ってこられない)しかない初手で何度も痛い目を見てきた。
同様に、白マナが欲しい時に《沸騰する小湖/Scalding Tarn》、《霧深い雨林/Misty Rainforest》、《汚染された三角州/Polluted Delta》しか無かったことも。
こういった状況では《ツンドラ》が必要になるが、土地破壊を無視する構築で土地を壊される恐怖に晒されるのは決して楽しいことではない。

そういったわけで、モダンホライズンのプレビューで《虹色の眺望/Prismatic Vista》を見た時に世界中の誰よりも興奮したのは私なのではないだろうか。
これは5枚目から8枚目の《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》であり、もう二度と《思案》+《乾燥台地》の初手に我慢することはなくなる。
このデッキを選んでから、《ツンドラ》を入れずに純粋に基本土地だけの構築にしたいと1000回は言ってきた。
《ツンドラ》を完全に無くしてしまえる程に《虹色の眺望》が良いカードかは自信が持てないが、かなり良さそうなので基本土地のみのバージョンをテストするつもりだ。


○The Engine

《渦まく知識/Brainstorm》と《思案》はどの奇跡でも自動的に4枚入る。
何をするにしてもこの二種類は最高だし、多くの選択肢を与え、早ければ1ターン目にゲームプランを形作りもする。
私は《島》と《思案》があればどんな初手でもキープする、と言うと少し大げさかも知れないが、限りなくそれに近いほどに《思案》はこのデッキで重要な位置を占めている。

他のキャントリップとドロー呪文は構築の種類によって変わる。
一般的なのは《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》、《定業/Preordain》、《先触れ/Portent》だろうか。
私の構築では《定業》と《先触れ》を1枚ずつ入れている。
レガシーに存在する多くのコントロールデッキと比べて、私のデッキは土地が19枚と少ないため、追加の土地を見つけるのが仕事であるキャントリップ呪文は1マナの物が望ましい。

《定業》は《渦まく知識》と《思案》に次いで素晴らしく、疑いようがない。
《先触れ》はこのデッキをよく知らない人からすると奇妙に見えるかも知れないが、《師範の占い独楽》亡き後では、革新的なカードだ。
《先触れ》はデッキトップを確認するものの、引くのは次のターンなため、対戦相手のアップキープにかなり刺激的な《終末》へと繋げられる。

ここしばらくドローエンジンとしての《先触れ》の人気は、ミラーマッチ(長期戦になりがち)を見据えて《蓄積された知識》に取って代わられていたが、《ナーセット》がそれを変えてしまった。
1マナ払って選んだ1枚を引くのに比べて、2マナ払ってランダムな1枚を引くカードはかなり悪い選択肢となった。
決定的なのは、《先触れ》の“スロートリップ”(対戦相手のアップキープにカードを引く事)が《ナーセット》の「各ターン1枚だけドローできる」というルールをすり抜けてしまう事だ。(対戦相手のアップキープは新しいターンなため)
《先触れ》はもの凄いわけではない。
しかし、このリストでは重要な役割を担っている。

対戦相手が《ナーセット》を出していても即座に新しいカードを得られる手段として、《先触れ》の枠に《手練/Sleight of Hand》を試したりもしたが、《先触れ》で《終末》をめくる方が私好みだった。


○The Counters

奇跡のゲームプランをざっくり書くと、次のようになる。

・1~3ターン目:死ぬな

・4ターン目以降:なんとか勝つ

つまり、序盤に生き残れるだけの効果的な打ち消しを持つのが重要になる。
《意志の力/Force of Will》はレガシーにおける序盤の代名詞のようなもので、4枚入る。

長期戦を望むデッキで《呪文貫き/Spell Pierce》は奇妙に見えるかも知れない。
最終的には対戦相手が追加の2マナを払えるようになるが、最初の3ターンの間時間を稼げれば御の字と言える。
プレインズウォーカーと《虚空の杯》を考えて、《狼狽の嵐/Flusterstorm》よりも《呪文貫き》を優先している。
メインデッキにおいては、カード本来の強さよりも汎用性がより重要だからだ。

最初の数ターンはゲームプランを妨害されないように、注意深く進める必要がある。

もし初手に1枚の土地と《呪文貫き》、《思案》があるなら、私は土地を置いて《思案》を使うより、《呪文貫き》を構える。
2枚目の土地を探したい誘惑は強いものの、《思考囲い/Thoughtseize》、《虚空の杯》、あるいは《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》を被弾する方が、2枚目の土地を置けないよりもひどい目にあう。
付け加えると、あなたは2ターン目にドローしてから《思案》で2枚目の土地を探してもいい。
耐え忍ぶ者に、このデッキは褒美を与えてくれる。

《ドビンの拒否権/Dovin’s Veto》は《呪文貫き》の延長線上にあるカードだ。
プレインズウォーカーや、ハンデス、プリズンパーマネント、コンボの始動に怯えながら、《呪文貫き》が用をなさない終盤戦になった場合、打ち消されない《否認/Negate》は強力な第二防衛ラインとなる。
良く聞かれるのが、《対抗呪文/Counterspell》より良いのか?というものだ。
奇跡デッキは既にクリーチャーの処理が上手く、私のデッキはプレインズウォーカーを守りたいので特にクリーチャーに対して残酷な構築になっている。
となると、私たちが心配するのはまさに呪文だけということだ。
増して、基本土地偏重のマナベースでは青青を残すのが難しい。
ありがちなのは、1ターン目に《剣を鋤に/Swords to Plowshares》(平地が必要)、2ターン目に《島》を置き、3ターン目に土地を探してキャントリップと動いた場合、4ターン目まで青青を残すことはできない。
しかし、《拒否権》ならば2ターン目と3ターン目に構えられる。
デュアルランドを用いずに順調に色を伸ばす場合、青白というマナコストは青青よりも簡単に用意できる。
もしデュアルランドを多く入れるジェスカイ奇跡に変えるなら、《対抗呪文》の方が良いかも知れない。

モダンホライズン解禁後、《否定の力/Force of Negation》のために《拒否権》を1枚削り始めている。
《拒否権》の簡潔さが好きだが、レガシー環境であなたに襲い掛かる物に対して2マナは遅すぎる。
5枚目の0マナ呪文を入れる事で、準備中に落とす試合を減らせるだろう。


○The Removal

《剣を鋤に》は未だに除去呪文の最高傑作だ。
このデッキは対戦相手の合計ライフを気にしない。
《精神を刻む者、ジェイス/Jace,the Mind Sculptor》は戦闘を介さず、《僧院の導師》は急激にダメージを伸ばす。
実際、対戦相手のライフが50以上でもゲームを畳んでしまえる。

《議会の採決/Council’sv Judgment》は綺麗さっぱり厄介なパーマネントを処理する。
《虚空の杯》、プレインズウォーカー、《窒息/Choke》、《殴打頭蓋/Batterskull》といった非クリーチャーを議会の意志によって消してしまう。
また《議会の採決》は対象を取らないため、《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul,the Aeons Torn》、《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》、《現実を砕くもの/Reality Smasher》、《ルーンの母/Mother of Runes》、そしてその他の処理し辛いクリーチャーたちも追放してくれる。

《終末》がこのアーキタイプに生命を与えた。
これは1マナの《神の怒り/Wrath of God》で、破壊不能や“死亡した時”の効果も誘発せず、ちょっとした手間をかければインスタントスピードで唱えられる。
《終末》の力は本当にかなり大きい。
大きな《終末》を起こそうとデッキをいじる時は気分が良いが、ドローステップに上からめくれた時はもっと気分が良い。
不意に《終末》がめくれた時に無表情で「奇跡したわ」と言い、そのまま自分のターンに入るのが私の勝ちパターンだ。相手は心をかき乱されるだろうね。

《至高の評決/Supreme Verdict》は必ずしも奇跡のメインデッキに入っているカードではない。
私のリストは出来るだけ自分のプレインズウォーカーを場に留まらせたいので、追加のクリーチャー対策として、また自分の打ち消し呪文を相手の厄介な呪文に差し向けるために《至高の評決》を入れている。
もし対戦相手の脅威に毎回《意志の力》を合わせていたら、すぐにガス欠になってしまうだろう。
相手のプレインズウォーカーのために打ち消しを温存し、盤面のクリーチャーは全体除去していけば、より成果を得られる。
覚えておいてほしい。あなたのライフもリソースであり、20点のまま勝利しても何のボーナスも得られない。
何発か貰い、全体除去を見つけ、重要な物のために打ち消しを温存する。
我慢とは美徳である。


○The Threts

《覆いを割く者、ナーセット》はカードアドバンテージであり、カードを引き増したい全てのデッキに対するロック手段でもある。
《ナーセット》の最も狂っている部分は、彼女自体の強さもさることながら、撒き餌としての強さだ。
着地すれば、対戦相手をカードで埋めてしまう。
もし着地しなければ、次にあなたが盤面に出す脅威に対して対戦相手は打ち消しが一つ少なくなる。

《時を解す者、テフェリー》は相手が打ち消しを持っているかどうか判別する究極の手段だ。
スタック上で打ち消さないわけがない。なぜなら、着地してしまえば対戦相手は二度と打ち消しを使えなくなってしまうのだから。
《ナーセット》を解決する時、相手が《ジェイス》のために《意志の力》を温存しているかどうか疑問が残る。
《僧院の導師》を解決する時、こちらの次の脅威に当てる《紅蓮破/Pyroblast》や《呪文貫き》を相手が持っているかどうか分からない。
しかし、《テフェリー》がスタック上にある時、そこには何の疑問も無い。
対戦相手は全力で《テフェリー》を排除しようとしなければならず、さもなければプレインズウォーカーとモンクの行進によってあっさりとゲームが終わってしまう。

《テフェリー》の+1能力もまた奇跡で最高のモードだ。
好きなタイミングでソーサリーを使えるのは、《終末》を含んでいるデッキで重宝する。
対戦相手の《狡猾な願い/Cunning Wish》に対応して《全治/Omniscience》を《議会の採決》で除去した事がある。
対戦相手の戦闘ステップ中に、《思案》を使って《終末》した事がある。
対戦相手がこちらのエンドステップに《霊気の薬瓶/Aether Vial》によっておっかないクリーチャーを戦場に出した後で、《至高の評決》を探しに《定業》で掘り進んだ事がある。
先週末、墓地対策が0枚の第1ゲームでドレッジに勝った。
相手のドローステップと戦闘ステップに《議会の採決》、《至高の評決》、《終末》を使えた事で、相手の《イチョリッド/Ichorid》と《黄泉からの橋/Bridge from Below》が完璧に尽きてしまった。
ソーサリーは同じマナ域のインスタントに比べて強力な傾向にあり、それ故に自分のターンでしか唱えられない制限を受けている。
テフェリーとともにアンタップする事でその均衡が崩れ、勝利がグッと近付く。

《精神を刻む者、ジェイス》もこの新しい世界で忘れてはいけない。
彼もまだまだゲームを終わらせる装置だ。
最も一般的な勝利手段は、《ジェイス》を解決し、《僧院の導師》を出して守れるまでカードを引き続ける。
もし《導師》が(事故によって)尽きても、《ジェイス》のプラス能力が完璧な勝利手段として機能する。

《瞬唱の魔道士》は決して愉快な勝利手段ではないが、パワーとタフネスを持っているため、《瞬唱の魔道士》が20点を削り切って勝つ試合は0ではない。
これは特にコンボ戦で関係がある。
序盤に《瞬唱の魔道士》をどのように使っているか記録し続ける事が重要だ。
実質的にゲームに勝てる手段は7枚ある(《瞬唱の魔道士》3枚、《僧院の導師》2枚、《ジェイス》2枚)。
もし序盤に《瞬唱》を相打ちさせたり、《意志の力》のピッチコストに当てると、デッキの勝利手段が1枚減る事を意味する。
一旦墓地に行ったクリーチャーを回収する方法はこのデッキにはない。
《瞬唱の魔道士》はそうやって使うものだが、途中で勝利手段を見失ってはいけない。
(経験からくるものではあるが)デッキを使うのではなく、デッキに使われている時が最も恥ずかしい。

《僧院の導師》はこのスタイルの構築を機能させるモンスターカードだ。
対戦相手と持久戦をする必要は無い。ただ単にどこかでゲームを終わらせるこの3マナ生物をこっそりと戦場に送り出せばいい。
相手はこれを処理するために多大な労力を割くか、あるいは死ぬかだ。
また、《導師》を持たない別のコントロールデッキに対して超攻撃的にもなれる。
時には、3ターン目に《導師》と打ち消しが2枚という手札になる事もある。そうなったらやる時だ。
もし対戦相手があなたのプレインズウォーカーと戦うために《呪文貫き》や《紅蓮破》を溜めこんでいたら、あるいは除去の大部分をサイドアウトしていたら、そのゲームは実質的に4ターン目で終わっている。

《僧院の導師》の話が出たついでに、Magicの文脈で“コントロール”という言葉について考えてみよう。
多くの人はコントロールとは打ち消しだと考えている。
コントロールとは《島》だという人も。
あるいは、コントロールとは対戦相手が何も出来ない状態にする事だ、と。
私は、コントロールとはこちらの行動に対して対戦相手に対処を迫る事、という考え方が好きだ。
《僧院の導師》のようなクリーチャーは多くのゲームでコントロール要素に留まらない強さを持つ。
フェアデッキと対峙した場合、彼らのゲームプラン全体が「《導師》を処理する事」になってしまう。
もしも序盤に彼らが《ナーセット》や《ジェイス》を処理する準備していたのなら、代わりに《導師》を出してやる。すると相手の計画はご破算となる。

コンボデッキと対峙した場合、彼らは準備が整っていようがいまいが、すぐさまコンボをスタートさせなければいけなくなる。
《導師》を使う時は、その役割と戦場での存在感を意識するようにする。
例えば、コンボデッキとの4ターン目で、手札に《意志の力》と《狼狽の嵐》があるのなら、私は《導師》を送り出すだろう。
彼らの退路を《導師》が断ち、こちらの打ち消しが壁となる。
逆に、まだ手札に打ち消しが溜まっていないのなら、手札に《導師》を抱えて対戦相手に手札を整え続ける必要があると思わせる。
もし相手のコンボへの対抗手段がないまま《導師》を唱えるのは、勝ちをくれてやるようなものだ。

《僧院の導師》それ自体にも多大な強さがあるが、その存在感はもっと強い。
青いデッキに、青くないクリーチャーを入れる事で、本来そのカードが持つ以上の影響力を持つため、どうやって《導師》を展開するかを学ぶことは、マッチの勝利に直結する。

○Notable Exclusions

・《相殺》

灯争大戦以前から《相殺》に関しては否定的で、《師範の占い独楽》無しでは正確に運用するのが難しいからだ。
キャントリップを使う時はいつだって、何が引きたいかだけではなく、対戦相手が次に何をしてくるかを考えて使うべきだ。
もし間違えれば、対戦相手の呪文は解決し、自分の使ったキャントリップを自分で台無しにしてしまう。
現在のプレインズウォーカーが跳梁跋扈する環境では、あなたが打ち消したい呪文のマナコストの平均がかなり上がった。
以前は、《ジェイス》以外の平均コストは1~2だったが、今は3~4になっている。
《相殺》に頼る場合、デッキに何枚3マナと4マナのカードを入れればいい?
見当もつかない。


・《天使への願い》

《僧院の導師》が同じことをもっと上手に行える。
私はプレインズウォーカー環境を考慮してデッキを構築している。
《ナーセット》の存在を考慮して、2枚目の《定業》を《先触れ》にしている。
対戦相手の《テフェリー》を前にして、一生唱えられない勝利手段を入れる理由があるだろうか?


・《紅蓮破》

マナ基盤について青白2色にする利点を詳細に述べた。
しかし、ジェスカイ型にしてレガシー最高のサイドカードを使う利点も存在する。
もしコントロールのミラーマッチしか起こらないと分かっているのなら、私はデュアルランドを加えて《紅蓮破》を使うだろう。
しかし、様々なデッキが存在するフィールドでは、基本土地を採用した2色デッキの方が安定感があると確信している。


・《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
・《ドミナリアの英雄、テフェリ―/Teferi,Hero of Dominaria》
・《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》

とにもかくにもプレインズウォーカーはかつての自由枠を食いつぶしてしまった。
私の考えでは、このデッキは《導師》とプレインズウォーカーが固定枠で、それ以外は自由枠だ。
「好み」やマッチアップ次第のカードを《ナーセット》や《テフェリー》を削ってまで入れても意味が無い。


○Sideboard

サイドボードは予想する環境次第で非常に変化しやすい。
外せないのは《狼狽の嵐》2枚、《外科的摘出/Surgical Extraction》2枚、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》1枚、そして《解呪/Disenchant》1枚だ。
残りの枠は、あなたのやり方によって変わるだろう。
私が選択したカードのいくつかはいささか奇妙に思えるかもしれない。

・《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok,Dream Render》

このカードは見かけによらず、ぶっ壊れている。
最初はほとんど冗談で試していたが、《アショク》は何度も何度も期待以上の成果を上げた。
《アショク》はストーム、リアニメイタ―、ドレッジ、土地単、そして《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》デッキなどを叩きのめしてしまう。
コントロールのミラーマッチでは、相手の《瞬唱の魔道士》を無能にした上で、一方的な《血染めの太陽/Blood Sun》のようにも機能する。
こうしてみると、むしろ《アショク》をサイドインしないマッチを探す方が難しいと気付いたんだ。


・《無のロッド/Null Rod》

《基本に帰れ》を使う理由は《カーン》を擁するビッグマナデッキの存在だ。
それらのデッキは《漸増爆弾/Ratchet Bomb》や《スランの発電機/Thran Dynamo》、《厳かなモノリス》、《通電式キー》、そして《Candelabra of Tawnos》などを使って《基本に帰れ》から脱出する。
それら全てを止めようとしなくていい。
ただ、トリッキーなアーティファクトをすっと出しさえすれば良いんだ。
《無のロッド》はデスアンドタックスやストームにも影響が及ぶ。
《霊気の薬瓶》を筆頭に、装備品各種や《水蓮の花びら/Lotus Petal》、《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》などを機能停止させる。


・《天界の粛清/Celestial Purge》

《マリットレイジ》
《最後の希望、リリアナ/Liliana,the Last Hope》
《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》
《血染めの月/Blood Moon》
《闇の腹心/Dark Confidant》
《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra,Torch of Defiance》
《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》
《戦慄衆の秘技術士》
《騙し討ち/Sneak Attack》
《ゴブリンの熟練先導者/Goblin Rabblemaster》
《死の影/Death’s Shadow》
《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
《硫黄の渦/Surfuric Vortex》
などなど、対処しなければいけない赤や黒のパーマネントは非常に多い。
もう長い間《天界の粛清》を使ってきているが、その汎用性には目を見張るものがある。

・《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》

《瞬唱の魔道士》デッキで使う《外科的摘出》と比べると、やや妙に思えるカードだ。
私が《トーモッドの墓所》1枚と《外科的摘出》2枚にカードを分けている理由は、ハンデスにある。
墓地を上手に利用するデッキは、こちらの手札を捨てさせる事に関しても上手だ。
《墓所》は安全な戦場に鎮座する事で、上手くそれを回避する。


・《ヴェンディリオン三人衆》

これは別に変わった選択肢ではない。
ただ、これと新しいプレインズウォーカー、及び《カラカス》の組み合わせがいかに病的なのかについて話したいんだ。
《三人衆》+《テフェリー》+《カラカス》の組み合わせは、相手のドローステップに毎回相手の手札を覗き見できる。(しかも打ち消されない)
《三人衆》+《ナーセット》は実質的なハンデスとなる。(相手がカードを追加で引けないため)
そこに《カラカス》が加わると、打ち消し呪文を引くか《ナーセット》を処理しない限り抜け出せないソフトロックが完成する。
《三人衆》+《カラカス》+《ナーセット》+《テフェリー》の全てが揃うと、《不毛の大地》を引いて《カラカス》を壊さない限り抜け出せないロックが完成する。
あなたは毎ターン対戦相手が引いたカードを奪い去り、彼らはそれを使う機会さえ得られない。
これは夢物語のように聞こえるかも知れないが、このデッキの相乗効果は素晴らしく、1枚のロックパーツのどれかを引ければ、3枚揃うのにそう時間はかからない。


○It’s a Miracle

昨今のレガシー環境における青白奇跡について今日はかなりたくさんの私見を綴った。
レガシーやヴィンテージ、その他何でも疑問点があれば聞いてほしい。
Twitterならすぐに私を見つけられるだろうし、Twitchで配信もしてるよ。
ぜひ遊びに来てね!


記事
http://www.starcitygames.com/articles/38747_Its-A-Miracle-How-Legacys-Best-Deck-Somehow-Got-Better.html

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ここまでお読み下さってありがとうございます。
お疲れが出ませんように。
*4、3

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