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スティーブ・ジョブズに憧れて、3か国でプログラミング修行 !卒業後はサンフランシスコで起業した先輩

山崎大志さん
2017年システム理工学部機械工学科 卒業。
在学中、スティーブ・ジョブズに憧れ、プログラミングを独学で学ぶ。
休学し、東京・インド・アメリカへプログラミング修行へ。卒業後、サンフランシスコで「Poppy AI Inc.」を共同創業し、CTOとして交換日記アプリの開発を行う。


スティーブ・ジョブスに憧れて、プログラミングの世界へ

幼いころからロボットに関心があり、システム理工学部機械工学科に進学しました。大学院に進学する進路も考えましたが「とにかく早く社会に出たい」という思いが強くありました。ちょうどその頃、スティーブ・ジョブズ氏の伝記『スティーブ・ジョブズ』を読んで、ジョブズ氏の世界観やシリコンバレー、そこで生まれるテクノロジーや起業文化に完全に魅了されてしまいました。そこからはプログラミングを独学で学び、プログラミングの勉強会などにも積極的に参加しました。

ジョブズに憧れた大学時代の私

↑ジョブズに憧れた大学時代の山崎さん

休学して、3か国でプログラミング修行

独学でプログラミングを学ぶうちに、「エンジニアになって起業したい!」という思いが強くなりました。せっかくエンジニアとして実践を積むのだったらIT先進都市へ行こうと思い、大学を3学期間休学して東京、インド(バンガロール)、サンフランシスコの3都市でのプログラミング+起業)修行を決行しました。

1都市目の東京ではIT企業で5か月間インターンシップに参加しました。コードを書くことはもちろんですが、ユーザー獲得のためのリサーチを任され、サービス開発からユーザー獲得にいたるまでのプロセスを体系的に学ぶことができました。

東京でのインターンシップ

↑東京でのインターンシップ時代。

次に向かったインド・バンガロールでは、スクールに通って半年間モバイルアプリ開発を集中的に学びながら、IT関係のイベントに定期的に参加しました。インドの人々はフレンドリーで、英語を話すことにハードルを感じずに生活できました。現地のエンジニアたちと積極的にコミュニケーションを取ることができ、英語への自信もつきました。そしてなんといっても、サバイバル力が鍛えられましたね(笑)。到着早々、ロストバゲージでスーツケースは行方不明。2週間、下着1枚とパソコンだけで生活したり、ベッドバグに悩まされたり…東京とは全く違う住環境や秩序の中で戸惑うことばかりでしたが、精神的にかなり鍛えられ「生きる力」がついたと思います。

インド・バンガロール

↑サバイバル力が毎日鍛えられたインド・バンガロール時代。友人と。

サンフランシスコでは、到着した瞬間、ITのレベルは前に訪れた2都市とは段違いだと感じました。カフェに行けば、パーカーのフードをかぶって、ラップトップでコードを書いている人がうじゃうじゃいる。そしてここに集まるエンジニアは世界の一流の人たち。シリコンバレー独特の空気感を肌で感じ、この街でエンジニアとしてやっていきたい、という憧れが強くなりました。サンフランシスコ滞在中の半年間は、IT企業でエンジニアとしてインターンをしながら、ミートアップで起業家や投資家との交流し、サービス開発のアイデアや起業のチャンスを探りました。インド、サンフランシスコへは「トビタテ!留学Japan日本代表プログラム」の奨学金を受けて留学したのですが、この経験なしでは今の自分はなかったのではないかと思います。

サンフランシスコ2

↑サンフランシスコでGoogleを訪問

卒業後、サンフランシスコで起業、CTOに。

卒業後は、一時就職もしたのですが、やはり自分のスタートアップを立ち上げたいという思いがあり渡米の方法を探っていました。そんな時、サンフランシスコで知り合った同い年の日本人の友人から共同創業の誘いがあり、再びサンフランシスコへ。資金調達を行い、Poppy AI Inc.を共同創業しました。

サンフランシスコで創業。創業直後友人のオフィスからソファを引き取りに運び出している途中

↑創業直後、友人に譲ってもらったソファを新オフィスに搬入している途中。右が山崎さん、左がCEOの哘崎さん。

Poppy AI Inc.ではアメリカの10代をターゲットとした交換日記アプリ「Waffle Journal」を開発・運営しています。「Waffle Journal」は、家族や親しい友人の間で、自分の日記をシェアできるアプリです。私自身が海外で生活する中で日本の家族や友人と日常的に近況の共有がしたいと思ったことが「Waffle Journal」開発のアイデアになりました。最近、アメリカの若者はSNSに疲れているように思います。不特定多数の人へ映える写真や動画を発信するSNSから離れて、近しい人と深くつながることのできる場所を創りたいと思ったんです。

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↑「Waffle Journal」https://apps.apple.com/jp/app/waffle-journal-together/id1519726353


CTOとして多国籍のチームを率いる

日々の仕事では、CTO(Chief Technology Officer、最高技術責任者)として、私自身がアプリの開発を行う一方でエンジニアの採用や、マネージメント、トレーニングもしています。Poppy AI Inc.では現在多国籍な6名のメンバーがいるのですが、CEOはニューヨークに、私は一時的に東京に、エンジニアはウクライナ、パキスタン、サンフランシスコに在住で、完全にリモートでプロジェクトを動かしています。時差があるので、リアルタイムでミーティングを行う時間が限られてしまうという難点はありますが、多国籍なチームはPoppy AI Inc.のクリエイティビティを向上させるために不可欠な存在だと考えています。ただし、アプリのメインターゲットはアメリカの10代なので、アメリカの文化や社会の動き、それに対する若い世代の反応や感覚を多国籍で年齢も異なるチームで共有するところに難しさもありますね。このチームで「Waffle Journal」をさらに改良し、「交換日記アプリと言えばWaffle Journal」となるよう、ユーザーをさらに増やしていくことを目標としています。

ミーティングの様子

↑Poppy AI Inc.のミーティングの様子。

関大生へのメッセージ

「タイムリミットなんてない。この時期に種をまこう」

関大生のみなさんのなかには「卒業=タイムリミット」として就職しなければいけないとプレッシャーを感じている人も多いのではないでしょうか。私自身も大学在学中に起業することを目標としていましたが、それが達成できず、就職活動もしました。でも、結局は自分が挑戦したいことはそこにはなかった。うまくいかず悩むこともありましたが、スティーブ・ジョブズに憧れた大学時代から数年後にスタートアップを立ち上げるところまで到達することができました。コロナ禍で大学時代を過ごすみなさんは制限が多く、やりたいことをすぐに実行できない場面も多いと思います。在学中や卒業後すぐに挑戦できないことでも、夢や希望をゼロにしてしまわないでほしいですね。コロナでできないことがある反面、できることも確実にあります。この時期に、いろんなところに種をまいておいてほしいなと思います。