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芸能人として有名になる夢を諦めたい人に勧める映画「キング・オブ・コメディ」

「まま、僕将来は俳優さんになって沢山の映画に出るんだっ!」
「素敵じゃないたくみ、きっと出来るわよ」
そういって微笑みかけ、息子に見えないようそっとため息をつくおかあさんかた・・・

だいじょうぶです。この映画を見れば、
有名人になりたいなぁという淡い希望を打ち砕いてくれるので、「うちの子は芸能人の器ではない」という娘・息子さんの決意を思いとどまらせるのにも有効な映画ではないでしょうか。

事の始まり

家族が「凄い映画を聞いてきた」と喜び勇んで帰宅してきた。どうやらラジオで誰かが絶賛していたらしい。
「ミュージカル映画だったかコメディだったか、兎に角面白いから見よう」というので見てみた。

それが「キング・オブ・コメディ(1983)」である。

タイトルに「コメディ」とついているし、ディズニー+で配信している。
これは面白そうだ。

そう思って意気揚々と視聴を開始してから48分経過…

俺の目は死んでいた。この映画を絶賛していたやつと、そいつを出演させたラジオ局と、そのラジオ番組を心の中で呪った。

こいつらさっきから一ミリも歌わないし、くそつまんねーではないか。

こんなの見るなら「ラマになった王様」の方がマシだ。
俺は「ラッキームーチョ」で口直しをした。

おすすめした張本人も「なんだか思っていたのと違う」と思ったのだろうか。
ネットを使い「どうやら後半にかけて怖くなる映画らしい」という情報を新たに入手した。

ミュージカルでもコメディでもないじゃないか。
こんなの幕の内弁当買ったらこなぷんだった時くらいのがっかり感だよ。

だがしかし、後半にかけて怖くなるなら最後まで見届けないとと思い直し、いざ二回目の視聴開始・・・

歌も出てこないし怖い映画と腰を据えていれば、そこまで気落ちする事なく最後まで視聴する事が出来た。

結局いちばん怖いのは人、系映画の破壊力

どんなにきつくあたっても「君との友情は壊れてないよ」と、さも「自分はジェリーの友人なのだ」と思い込むパプキン(ずっと名前が美味しそうにしかみえなかった)
こういうタイプがいちばんしつこくて追い払うのが難しいたいぷのやばいやつだよなぁ。とみていてひしひしと感じた。

恋愛でもこのタイプは恐怖映画として適役だろう。
「君と付き合いたいんだ。。。悪い事だってのは分かってる。」と家を訪ねてくるやつより
「遅かったじゃないか。君のすきなマッシュポテトが覚めちゃったよ。」と家で自分のエプロンつけてるやつのほうが怖いのである。いやでてけよ。
と思わずイマジナリーストーカーにいら立ってしまった。

そういう意味ではパプキンは黒人美人バー店員リタにも似たようなことしていたか。。。よっハイブリッドやば奴

お前もか、リタ・・・

一見常識人枠のリタ、頭のおかしいパプキンに仕方なく付き合ってくれている美人ねえちゃんかと思いきや、こいつもまぁまぁやばかった。
壮絶勘違いにより空想パーティーに乗り込むルパート&リタ
割と早い電車で向かってそうなの地味にご苦労さんで笑える。

執事に歓迎されていないどころか招待されていないことには秒で察しているくせに、「じゃぁくつろがせて頂くわ」ばりに人んちのソファーに上着ぼーーーーーん
長い脚をばーーーーーーーん
挙句の果てには勝手に踊り出す始末。なんか飲んでるし。

そしてパプキン、そんなやりたい放題のリタに「それは迷惑だよ」

おまえがな

そしてちゃっかりお暇するときに窃盗を働いて退出。
この世界にまっとうな人間はいないのか…

この映画の監督はマーティンスコセッシさんでした。。
どこかで聞いた事がと思ったら「ヒューゴの不思議な発明」の方だった。
あれもくそつまんなかったので納得。

「有名人も絶賛!爆笑ミュージカルコメディ」→「鬼の行動力で夢を実現するヒューマンドラマ」→「つまらんホラー」へと自分の中でここまで認識が色とりどりする映画も珍しいだろう。
オチもいまいちぬめっと終わって、後味の悪さもなかなか好きな人は好きなのではないだろうか。

時間は1時間49分と短くもないが長すぎはしないので、2時間以内にどっと疲れを感じる事が可能です。

有名税、なんていう言葉もあるが、実際にこの映画のようなことは「ありえなくはない」というのがこの映画の怖いところだ。
有名人になれば、どこでもちやほやされるし尊敬の目でも見られ、注目は集められるが、やばいファンに四六時中付きまとわれやり、なんなら誘拐され椅子にしばられ頭に銃を突きつけられて強迫されるリスクもセットでついてくる。

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