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2024なでしこリーグ1部第11節・2部12節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

バニーズ群馬FCホワイトスター VS 愛媛FCレディース

これ以上離されてしまうと降格が濃厚となってしまうバニーズの前半戦ラストゲーム。試合は開始早々に動く。3分、毛利のインターセプトから田子がパスを受けると反転して遠目からのシュート。これがネットを揺らしてアウェイの愛媛が早くも先制する。立ち上がりに痛い失点をしてしまったバニーズだが、以降はチーム全体でまとまった守備を見せて追加点許さない。前半を1点ビハインドで迎えた後半のバニーズはまたしても早々の49分、前田のFKのこぼれ球を俣野に押し込まれ追加点を許してしまう。2点リードで余裕が生まれた愛媛だったが67分、西尾の裏へのボールに反応した塩谷がネットを揺らしバニーズが1点を返す。次の1点が大事になったこの展開を制したのはアウェイの愛媛。88分、黒岩のクロスボールに桜井がダイレクトで合わせて愛媛が勝利を手繰り寄せる3点目。一時は同点も狙えたバニーズだったが勝負所で愛媛にやられてしまい1-3で敗戦。残留ラインのハリマとは勝点7差となってしまった。


日体大SMG横浜 VS ASハリマアルビオン

この5試合勝利から遠ざかっている日体大と残留へ勝利が欲しいハリマの一戦は前半から両チーム攻撃のチャンスを多く作る。日体大は窓岩、ハリマは千葉が3本ずつシュートを放つ。そして迎えた34分、國生のFKからチャンスを作ると千葉が相手との競り合いに勝ちこぼれ球を井之脇がシュート。弧を描いた軌道はゴールへ吸い込まれハリマが先制点を奪う。そのまま前半を1点リードして折り返したハリマ。後半は一転して日体大が押し込むシーンが続く。劣勢となったハリマにアクシデント。61分、GKの小暮が負傷により交代を余儀なくされてしまう。交代で入った竹下は今季初出場。しかしこの交代によってチームがまとまったかハリマの激しい守備の前に日体大は決定機を決めきることが出来ない。自由にさせない守備で最後まで逃げ切りを図るハリマは。GK竹下の落ち着いたプレーを見せて試合終了。前半の1点を守り抜いたハリマが日体大を破った。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

7戦負けなしで順位を上げているニッパツ。2位名古屋との直接対決をホームで迎えた。前半ペースを握ったのはアウェイの名古屋。ニッパツにほとんど攻撃のチャンスを作らせず中盤でボールを支配する。キャプテンの三浦が積極的にシュートを放つシーンを作る。しかしスコアを動かせずにいると34分、右サイドで渡部がアーリークロス。一度はニッパツがクリアするもののそのボールを蔵田が豪快に一振り。これがネットに突き刺さりニッパツが先制点を奪う。蔵田のゴラッソでリードしたニッパツがそのままハーフタイムを迎える。後半に入るとリードしているニッパツが落ち着いた試合運びからチャンスを増やす。一方の名古屋は焦りも見え始めミスが散見。得点を奪えず試合も終盤を迎えると84分、奈良のFKが名古屋ゴール前に行くと權野がヘディングで落とし最後は加田。ニッパツがセットプレーの流れから仕留めて勝利を近づける大きな追加点。名古屋は後半シュートを1本しか放つことが出来ず完封負け。勝利したニッパツが勝点を24に伸ばし2位の名古屋を射程圏内に捉えた。


スペランツァ大阪 VS オルカ鴨川FC

試合終盤で失点が勝点の取りこぼしの多いスペランツァ、前半戦最後は5戦負けなしのオルカをホームに向けての一戦。しっかりとボールを保持して攻めるオルカに対して引いてカウンターを的確に狙うスペランツァ。双方の狙う戦い方が髄所に見られた前半だったがともに得点を奪うことができない。0-0の時間を長く作ることで優位に働くのはホームのスペランツァ。後半に入るとオルカに攻め込まれる時間が増えるものの最後の部分ではやらせない。そして試合は終盤へ。ここが耐え時のスペランツァだったが後半アディショナルタイム、右サイドで粘った高村がクロスを上げると跳ね返りを回収した高塚から齊藤へ。齊藤はうまくシュートコースを作り放ったシュートはスペランツァGK井上が触るもののボールはゴールの中へ。ここまで得点を奪うことが出来なかったオルカが劇的な決勝ゴールをあげた。スペランツァとしてはまたしても試合終盤の失点により勝点を逃してしまった。


ヴィアマテラス宮崎 VS 伊賀FCくノ一三重

10連勝中で首位を走るヴィアマ。前半戦全勝をかけて伊賀を迎えての一戦。試合はホームのヴィアマがボールを保持する時間が続く。それでも伊賀はヴィアマのストロングポイントをしっかりと消して対応しチャンスの機会を伺う。前半をスコアレスで折り返すと変化を加えたいヴィアマは寺田と今蔵を投入する。後半に入ると前への圧力を高めるヴィアマだったが58分、秦のFKが直接ゴールへ向かうとヴィアマGK馬場がキャッチできずそのままゴールイン。記録はオウンゴールとなり劣勢だった伊賀が先制に成功する。ワンチャンスを仕留められてしまったヴィアマは直後に切通を入れると前に積極的にボールを供給する。それでも体を張って守る伊賀に対して徐々にフラストレーションがたまっていくヴィアマの選手たち。勿体ないファールなども与えてしまい伊賀に時間を使わせてしまう。結局最後まで伊賀ゴールを割ることが出来なかったヴィアマ。クラブ創設後初のリーグ戦黒星。開幕からの連勝も10で止まってしまった。一方の伊賀は首位相手に貴重な勝利をあげた。


静岡SSUボニータ VS スフィーダ世田谷FC

3連勝中と好調のボニータがスフィーダを迎えてのホームゲーム。試合は立ち上がり7分、新堀のパスを受けた藤原がシュート。これはボニータGK安間がセーブするもこぼれ球を金子が押し込んでスフィーダが先制する。リードを許したボニータだったが10分、安間のロングキックが相手FKの裏まで到達すると先に追いついた林がダイレクトループが決まり同点に追いつく。早い時間にスコアが動いた両チーム、ここから少し試合展開は落ち着き前半は1-1で折り返す。ともに選手交代なしで迎えた後半はスフィーダがみせる。51分、新堀が右サイドをドリブルで突破しクロスを上げると中で望月がシュート。しかしこれはボニータGK安間がセーブするがこぼれ球を混戦の中で藤原が押し込みスフィーダが勝ち越しに成功する。さらに81分には、堀江が右サイドを深くまで切り込みラストパス。途中出場の中村がこれに合わせてスフィーダが3点目。後半主導権を握ったスフィーダがそのまま3-1で勝利した。


JFAアカデミー福島 VS FC今治レディース

前節連勝が途切れた2位の福島が今季まだ勝利のない今治を迎えての一戦。一進一退の攻防が続く前半を最初に制したのはアウェイの今治。35分、山下のゴールで先制点を奪うが福島も直後の39分に木村のゴールで同点に追いつく。前半を1-1で折り返した両チームはハーフタイムに選手交代を行う。そして49分、板村のゴールで逆転に成功した福島。このまま逃げ切りを図りにかかるものの迎えた後半アディショナルタイム。山下の今日2ゴール目は劇的な同点ゴール。このゴールによりゲームを振り出しに戻した今治。強豪福島相手に互角に戦い勝点1を獲得。勝利こそ逃したものの価値のある引き分けとなった。一方の福島はこの引き分けにより下との勝点差が縮まってしまった。


SEISA OSA レイア湘南FC VS ディアヴォロッソ広島

昇格へ勝利を積み重ねていかなければならない湘南が前節3-1で勝利したディアヴォロッソをホームに迎えての一戦。立ち上がりこそ攻防が続いていたが次第に湘南が攻撃の形を作ると21分、鈴木のゴールでリードを奪う。さらに34分には加藤にもゴールが生まれリードを広げた湘南。一方前半で2失点を喫したディアヴォロッソは後半に入ると前がかりになり得点を狙いに行く。CKから何度かチャンスはあったものの湘南GK浅越のセーブもあり得点を許さない。それでも試合終盤の89分、濱田のゴールでやっと湘南の守備を打ち崩したディアヴォロッソ。しかし残りの時間では追いつくことはできず。前半のリードをしっかりと守り抜いた湘南が2-1でディアヴォロッソを破り2位福島との勝点差を4に縮めた。一方のディアヴォロッソは連勝とはならなかった。


ヴィアティン三重レディース VS ディオッサ出雲FC

上位進出へともに可能性が残っている両チームの一戦。試合のペースはアウェイのディオッサ。背後を狙うプレーで押し込む時間を作ると30分、相手のオウンゴールで先制に成功する。リードを許した三重は単発の攻撃が続きなかなかチャンスを活かすことができない。前半をディオッサがリードして折り返すと後半は徐々に三重がペースを握り始める。堅い守備で耐えていたディオッサだったが84分、高田のゴールを奪われ試合を振り出しに戻した三重。試合終盤に追いつかれてしまったディオッサは直後に多田を投入するも勝ち越しゴールを奪うことはできず。耐える時間が長かった三重だったが勝点1をもぎとり3戦負けなし。一方のディオッサも勝てなかったものの4試合負けなしとなった。


福岡J・アンクラス VS つくばFCレディース

4試合勝利がないアンクラスと3連敗中のつくばの一戦。前半は両チーム堅い立ち上がり。なかなかチャンスを作れない中で迎えた36分、アンクラスのエース柳田のゴールで前半のうちにリードを奪うことに成功する。リードを許したつくばはハーフタイムに2枚の交代を使って勝負に出た後半。しかしアンクラスのチャンスは続き、56分に小山の今季2ゴール目が決まってリードを広げる。直後の57分に前線の枚数を増やしたつくばだったが決定機を作るシーンが少なく苦戦。安定した守備を見せるアンクラスの前に最後までネットを揺らすことが出来ずタイムアップ。アンクラスが2-0でつくばを破り5試合ぶりの勝利を手にした。一方のつくばは4連敗と厳しい状況が続いている。


大和シルフィード VS FCふじざくら山梨

勝星が先行し始めたシルフィード、前半戦の遅れを取り戻すべく昇格を狙う山梨を迎える。試合は立ち上がり9分、シルフィードはPKを獲得するとキッカーの浜田が冷静に決めて先制する。浜田はこのゴールで選手復帰初ゴールとなった。しかしリードを許した山梨は18分、三田のリーグ初ゴールですぐに試合を振り出しに戻す。このまま前半を1-1で折り返した前半。後半に入ると両チームともチャンスシーンを増やし始める。先に動いたのは山梨。59分に2枚替えを行うと77分には残りの3つの交代枠を一気に使用して勝負に出る。対するシルフィードは少ない選手交代で耐える時間が続く。山梨が押し込む時間が増える中でも集中した守りを見せるシルフィード。カウンター主体の攻撃となってしまい苦しい状況だが得点は許さずそのままタイムアップ。前半は1点ずつからスコアは動かずこの一戦は引き分けに終わった。


岡山湯郷Belle VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

今季2度目の岡山ダービー。首位の湯郷に不調の吉備国大が挑む。前半は一進一退の攻防に。湯郷の強力な攻撃力に対して怯むことなく立ち向かう吉備国大。西村を中心に攻めの姿勢を見せる。ともにチャンスは作りだすものの得点は奪えず前半はスコアレスで折り返す。前半は良い戦いが出来ていた吉備国大だったが後半は一転して劣勢に。湯郷の攻撃を受け続ける時間が続く。特にエースの横山に再三シュートを放たれると76分、横山にゴールをこじ開けられてしまい万事休す。77分、87分と選手交代で反撃の糸口を作り出そうとしたものの湯郷の守備を攻略することが出来ず試合終了。苦戦したものの勝負強さを見せた湯郷が1-0で吉備国大を破り首位を快走している。一方、敗れた吉備国大は3連敗となってしまった。


今節のMVP

後藤 優香(伊賀FCくノ一三重)

首位ヴィアマの攻撃を完全にシャットアウトし勝利に貢献。初黒星をつけさせた。

山下 結夢(FC今治レディース)

2ゴールの活躍により福島相手に引き分けに持ち込んだ。


得点ランキング

今節は上位陣のゴールはなく首位は齊藤の8ゴール。

2部では横山が1ゴールを追加し首位の19ゴール。2位に板村が12ゴールで追う展開となっている。


アシストランキング

上位勢では大きな変化がなかった今節。齊藤が4アシストで首位。


JWCRランキング

今節の結果、名古屋、山梨が2ランクダウンとなっている。


順位表

1部はヴィアマが初黒星。3位のニッパツが名古屋に迫る。

2部では湯郷が首位を走り昇格が近づく。2位争いが熾烈になりそうだ。

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