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2023なでしこリーグ1部第21節・2部第16節レビュー


今節の対戦カード


試合レビュー

朝日インテックラブリッジ名古屋 VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

優勝には勝つしかない名古屋とニッパツ。可能性を繋げるための試合は名古屋のホームで行われた。試合は開始13分、ニッパツは奈良がアクシデントによる交代によりプランが崩れる。それでも先制点を奪ったのは2分後の15分、右サイドから小須田のグラウンダーのパスを河野が合わせて先制。大事な試合でリードを奪ったニッパツだったが名古屋も21分、江﨑のシュートがオウンゴールになり名古屋は同点に追いつく。その後はアウェイのニッパツが攻勢を強めるも耐える名古屋は41分、市原のCKを山田が頭で合わせて逆転に成功。山田は待望の今季初ゴールとなった。前半はそのまま名古屋の1点リードで折り返すと後半はまたしてもニッパツのペースで進む。早く追いつきたいニッパツは64分に室井、松本を投入し勝負を仕掛けるが体を張って守る名古屋。それでもセットプレーを中心にダメ押し点を狙う強かな戦いぶりにニッパツも苦戦。最後までゴールを奪えなかったニッパツ、前半のリードを守り切った名古屋がそのまま2-1で勝利。これにより名古屋は優勝の可能性をわずかに残すことに成功。対するニッパツはこれにより優勝が消滅してしまった。


オルカ鴨川FC VS 静岡SSUボニータ

先に行われた名古屋とニッパツの試合で名古屋が勝利したことにより勝てば優勝が決まるオルカ。ホームのサポーターの前で歓喜を味わう舞台は整った。しかし優勝へのプレッシャーか前半はアウェイの静岡がペースを握る。服部を中心にオルカゴールに迫るものの得点は許さない。オルカは鈴木が気を吐いて4本のシュートを放つがゴールは決められずに前半をスコアレスで折り返す。後半に入ってもなかなかチャンスを作れないオルカだったが、相手の足が止まり始めた76分、高村のクロスボールを静岡GK高橋がクリア。そのボールを浦島が押し込んでオルカが遂に均衡を破る先制ゴールを決める。しかし歓喜もつかの間の78分、静岡は小池がペナルティエリア内で倒されPKを獲得する。キッカーはキャプテンの山田。勢いよく放ったキックはゴールを上を超えて同点とはならず。このピンチを乗り切ったオルカ、残り10分はしっかりと試合を締めて試合終了のホイッスル。1-0で勝利したオルカがなでしこ1部リーグ初優勝を決めた。


伊賀FCくノ一三重 VS スペランツァ大阪

優勝こそ逃してしまった伊賀だが最後のホームゲームを勝利で飾りたい。対する大阪は勝点を少しでも積み重ねたい一戦。まずは立ち上がり4分、秦のゴールで伊賀が先制点を奪ったのをきっかけに両チーム得点の取り合いが始まる。31分に藤田のゴールで伊賀が追加点を奪い試合を優位に進めるが直後の34分に浜田がPKを決めて1点差に詰め寄る。しかし伊賀も42分に一瞬の隙をついて秦のゴールで再度突き放す。このまま前半を終えるかと思われたアディショナルタイム、FKの流れから深澤が決めて大阪がまたしても1点差に詰め寄って前半を終える。後半に入っても決定力の高い両チームは57分に森のゴールで伊賀が突き放すも79分に深澤の今日2点目のゴールでまたしても点差は1に。だが、最後は伊賀の常田が88分にダメ押しとなる5点目を奪い試合終了。両チーム合わせて8ゴールが生まれた乱打戦はホームの伊賀が5-3で勝利した。


ASハリマアルビオン VS 愛媛FCレディース

リーグ戦から皇后杯へ向けてシフトチェンジとなる一戦の両チーム。積極的にシュートを放つ展開となった中最初のゴールは21分、ホームのハリマは谷島のFKのクリアボールを正野が合わせて先制ゴールを奪う。前半はこの1点を守り抜いたハリマがリードして折り返す。後半に入ると愛媛が徐々にペースを握ると65分、村上がPKを落ち着いて決めて愛媛が同点に追いつく。そのまま逆転へと突き進みたい愛媛だったが86分、ハリマの内田に勝ち越しゴールを許し厳しい展開に。試合もアディショナルタイムに突入。このままハリマが勝利と思われた91分、愛媛はスローインの流れから松本のクロスボールをハリマが必死にクリア、しかしそのこぼれ球を押し込んだのは仲松。これがネットを揺らし劇的な同点ゴールで愛媛が勝点1をもぎ取る。一転して勝利を逃してしまったハリマとしては苦い引き分けとなってしまった。


日体大SMG横浜 VS バニーズ群馬FCホワイトスター

終盤に入って得点力が増している日体大はホームでバニーズを迎えての一戦。立ち上がりから猛攻の日体大は16分、金子のゴールで先制すると31分には李のゴールで追加点を奪う。そして43分にまたしても李が相手DFからボールを奪ってドリブルからシュート。これが決まり前半で3点目を奪った日体大。前半は11本のシュートを放ち後半に入ると早々の54分、またしても李がバニーズGK小暮のこぼれ球を押し込んでハットトリックを達成。78分には寺尾がダメ押しとなる5点目を奪い勝負あり。バニーズは日体大の猛攻を防ぎきれずに無得点で敗北。対照的な両チームの結果は日体大が次につなげる勝利となった。対するバニーズは苦しい状況が続いており皇后杯へ向けて修正をしたい。


スフィーダ世田谷FC VS 大和シルフィード

この試合敗れた時点で最下位が確定してしまうシルフィード。勝点3が必須の試合だが優勢なのはスフィーダ。前半から積極的に攻め込みシルフィードゴールを襲うと26分、新堀が大竹とのパス交換から抜け出しシュート。これが決まってホームのスフィーダが先制する。追いつかなければ降格が決まるシルフィードだったが前線にボールを供給することができずに前半はシュートを1本も打つことができずにハーフタイムを迎える。後半に入り立ち上がりから攻め込みたいシルフィードだったが試合巧者だったのはスフィーダ。48分、新堀のパスを受けた大竹がネットを揺らしスフィーダが追加点。厳しい展開になってしまったシルフィードは最後まであきらめずにゴールに向かう姿勢は見せるもののゴールは奪えず試合終了。スフィーダが2-0でしっかりと勝ち切った。なでしこ1部リーグ挑戦となったシルフィードは最下位が決定し来季の2部降格が決まってしまった。


つくばFCレディース VS ヴィアティン三重レディース

過去の対戦成績は五分の両チームの一戦はキックオフ早々に動く。1分、アウェイの三重は市川の電光石火のゴールで幸先良く先制点を奪う。しかしその後はつくばも持ち直して一進一退の攻防に。ロングボールを主体にして攻めるつくばはチャンスを作るも決めきれない。前半はそのままアウェイの三重が1点リードした状態で折り返す。後半に入ると今度はつくばが先制パンチを繰り出す。51分、内藤のゴールで立ち上がり早々に同点に追いついたつくば。その勢いのまま逆転を狙うも許さない三重は堅守速攻で対抗する。両チーム持ち味は出すものの得点には結びつかない時間が続いていく。後半は選手交代を交えながら両監督は打開を試みるものの決定打にはならずに試合終了。結局1-1のドローに終わったこの試合。つくばとしては連敗を7で止めた。


JFAアカデミー福島 VS ディアヴォロッソ広島

逆転優勝の可能性が0ではない福島。勝って望みを繋げたい一戦の相手は入替戦回避へ向けて挑むディアヴォロッソ。試合のリズムを作るのはホームの福島。33分に長縄が今季初ゴールで先制点を奪う。対するディアヴォロッソはシュートまで持ち込むシーンをなかなか作れずに前半は無得点で折り返す。ハーフタイムに3枚替えを行ったのはリードしている福島。これが功を奏したのか55分に板村の久しぶりのゴールが決まって追加点を奪うと試合終盤の90分にも板村にゴールが生まれ3点目。福島の守備を打ち崩すことのできなかったディアヴォロッソ、苦しいチーム状況は続く中で0-3の敗戦。得失点差を関わってくる可能性があるだけにこの3失点は痛い敗戦となってしまった。


FCふじざくら山梨 VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

初挑戦となったなでしこリーグの残り2試合の山梨。1つでも上の順位で終わりたいなかでのホームゲーム。しかし前半は吉備国大が試合のペースを握る展開に。土山を中心に山梨ゴールに果敢に攻める吉備国大イレブン。前半に7本のシュートを放ち、山梨にはシュートを打たせず理想的な展開にするもゴールが奪えない。それでも37分に岩田のゴールで吉備国大が均衡を破り前半を1点リードで折り返す。後半に入って徐々にペースを掴み始めた山梨は61分、鈴木のゴールで同点に追いつき会場のボルテージを上がる。そのまま押せ押せの展開となった山梨だったが逆転は許さない吉備国大。流れをなんとか断ち切りオープンな展開に持っていくものの両チームスコアを動かすことができずに試合終了。1-1で引き分けに終わった両チーム。残り2試合を最高の形で終えたい。


ノルディーア北海道 VS 福岡J・アンクラス

ホームで迎えるノルディーア、一足先に行われているディアヴォロッソが破れたこともあり勝点1でも積み上げ優位に立ちたい。前半から得点が少ない両チームらしくシュートシーンがほとんど見られない。互いに探る展開が続く中での23分、平良の今季初ゴールでアウェイのアンクラスが均衡を破った。前半はこの1点に留まり後半へ入るも試合の流れはなかなか変わらず。決定機はほとんど生まれず時間だけだ進む試合内容に。リードしているアンクラスはそのままリードをしっかりと守り抜いて試合終了。結局両チーム3本ずつと寂しいシュート数で終わったこの試合はアンクラスが連勝を飾る。敗れたノルディーア、得失点差は少し縮まったものの依然として最下位となっている。


岡山湯郷Belle VS ヴィアマテラス宮崎

入替戦に向けて勝利が絶対の湯郷と優勝目前もヴィアマの一戦。横山、齊藤の得点王争いも焦点となるこの一戦で結果を残したのはヴィアマの齊藤。22分にヴィアマはPKを獲得すると齊藤が今季20ゴール目となるゴールで得点ランク首位の横山に1ゴールと迫る。この先制点を守り抜いた前半のヴィアマ。1点リードで後半に入ると勝利しかない湯郷は打ち合いを目指す。ともに攻撃力があるだけに迫力のあるシュートの応酬となるが次のゴールもアウェイのヴィアマ。59分、松田のゴールで追加点を奪う。前掛かりになって点を取りに行く湯郷に対してカウンターを狙うヴィアマは82分に坂本のダメ押しゴールを奪い勝負あり。見ごたえのある両チームの一戦はアウェイのヴィアマが3-0で勝利。残り2試合、勝点1以上獲得すればなでしこ2部リーグ優勝が決まる展開に。対する湯郷は後半戦に入り巻き返したものの前半戦の苦戦が影響し今季でのなでしこ1部復帰は消滅してしまった。


今節のMVP

季 誠雅(日体大SMG横浜)

ハットトリックの大活躍。チームも5得点で大勝し今後への弾みをつけた。

板村 真央(JFAアカデミー福島)

2ゴールの活躍をみせた。チームもしっかりと勝利し2位以上を決定させた。


得点ランキング

1部では神谷が14ゴールで首位。2位に片山が12ゴール。残り1節、神谷が逃げ切るか。

2部では横山が21ゴールでトップ。2位に齊藤が20ゴールで迫る。


アシストランキング

三本が7アシストでアシスト王濃厚に。2位で5名が5アシストで追う。


JWCRランキング

今節の結果なでしこリーグのチームでは、アンクラスが2ランクアップ、静岡、三重が2ランクダウンとなった。


順位表

1部ではオルカのなでしこ1部リーグ優勝が決まった。またシルフィードの最下位が決定し2部降格がほぼ確定してしまった。

2部ではヴィアマが優勝をほぼ決定的とした。入替戦回避に向けてノルディーアとディアヴォロッソが争う。

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