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2023なでしこリーグ1部第16節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

バニーズ群馬FCホワイトスター VS スペランツァ大阪

このまま残留争いから抜け出したいバニーズと上昇したい大阪の一戦。試合は両チーム一進一退の攻防が続く。34度にもなる気温の中高いパフォーマンスを継続して出せず一瞬の隙を狙う両チームだが前半は得点が奪えずに試合を折り返す。後半に入ると、最初のチャンスがすぐに訪れた。49分、中野のクロスを南山が収めて小嶋がシュート。これが相手DFに当たりオウンゴールという形で大阪が先制する。しかし負けられないバニーズも65分、大矢のFKを塩谷がヘディングで合わせダイレクトで川﨑がシュートを放ち同点に追いつく。追いつかれた大阪は選手交代を行い勝ち越しを狙うが得点には結びつかず1-1のまま試合終了に。過酷な環境の中行われたこの一戦は1-1の痛み分けに。シルフィード、愛媛が勝利したことにより残留争いはより混沌とした状態となった。


日体大SMG横浜 VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

4試合連続引き分け中の日体大が首位奪還を狙う名古屋を迎えての一戦。試合はホームの日体大ペース。14分、北沢が深い位置まで切り込んであげたクロスボールは相手DFにクリアされるもこぼれ球を回収した渡部が落ち着いて決めて日体大が先制する。勢いに乗る日体大は37分に高原のアーリークロスを北沢の打点の高いヘディングで合わせて追加点。前半のうちに2点リードされた名古屋は修正をしたかったがその隙を与えなかった日体大。直後の40分に縦の早い攻撃から李の個人技で決めて3-0。45分にはCKから森田のシュートを最後は金子が押し込み4点目。前半で試合をほぼ決定づけた日体大。対する名古屋は得失点差の事を考えると1点でも多く返したいところだが65分、逸見のCKから得点ランキングトップの神谷が頭で合わせて1点を返すがその後は続かず試合終了。一気に勝負を決めた日体大が名古屋を下し久しぶりの勝利を手にした。


静岡SSUボニータ VS 大和シルフィード

残留争いの直接対決。特にシルフィードとしてはここで負けてしまうと一気に残留が難しくなるだけに何が何でも勝点3が欲しい。しかし試合のリズムを先に作ったのはホームの静岡。日野、中川が積極的にシュートを放ちシルフィードへ圧力をかけていく。そして17分、前線からのプレスをかけボールを奪うと中川がペナルティエリア内でファールを受けて静岡がPKを獲得する。キッカーはキャプテンの日野、放ったシュートはシルフィードGK水口がセーブしゴールとはならず。その後も攻める静岡に対してシルフィードは守る時間が多くなかなか相手ゴールまでボールが運べない状況が続いていたが前半をなんとか0-0で折り返す。後半に入るとシルフィードは中盤の2枚替えを行い主導権を握り始めると77分、白井がドリブルでゴール前まで運ぶと左サイドを駆け上がった須恵のクロスを甲斐が合わせてシルフィードが先制する。そしてリードを奪ったシルフィードはGK水口を中心に最後までゴールを守り切って試合終了。アウェイで貴重な勝点3を獲得したシルフィード。残留へ向けて1歩前進した。


ASハリマアルビオン VS スフィーダ世田谷FC

両チームとも中位に沈んでいるなかで迎えた直接対決。上に食らいつくか下に巻き込まれるか大事な一戦はホームのハリマがチャンスを活かす。11分、葛馬がひとり交わして放ったシュートはポストに当たるもののこぼれ球を四海が押し込みハリマが先制に成功する。リードを奪われたスフィーダだが新堀を中心に攻撃を仕掛けると33分、新堀が粘って大竹にパスを送ると受けた大竹は落ち着いて相手を交わしてシュート。これが相手DFに当たるもののコース変わってネットに吸い込まれスフィーダが同点に追いつく。このまま前半が終わるかと思われたアディショナルタイム、四海が前線で溜めと作ると裏に走った山岸へパス。山岸はドリブルで持ち込みシュートを放つとこのボールがDFに当たりネットを揺らしハリマが前半のうちに勝ち越しに成功する。後半に入るとスフィーダは大竹、新堀を中心にチャンスを作るが体を張って守るハリマDF。何度か決定機は訪れたもののゴールとはいかずに時間が過ぎ、最後はハリマが試合をしっかりと締めて試合終了。前半のリードを守り抜いたハリマが逃げ切った。


愛媛FCレディース VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

残留へ勝利が欲しい愛媛と首位キープに勝利が必要なニッパツの試合は両チーム堅い立ち上がり。守備からカウンターを仕掛ける愛媛に対しボールをしっかりと回し組み立てるニッパツ。両チームシュートまで持ち込むシーンが少なく探り探りの状態で前半は終了する。後半に入り先に動いたのはアウェイのニッパツ。竹ノ谷に代えて櫻井を入れて変化をつける。ホームの愛媛も56分に2枚替えを行い勝負を仕掛けるが得点は生まれない。そして愛媛は71分にエース田子を投入すると直後の73分、前へのドリブルからスローインを獲得すると受けた田子が入れたクロスボールが直接ゴールに迎えいネットに吸い込まれる。意表を突くシュートが決まり愛媛が先制に成功する。追いつきたいニッパツは得点源の片山を下げて髙橋を入れるが点には結びつかず試合終了。田子の活躍で首位のニッパツから勝利した愛媛が勝点3を積み上げ残留争いで1歩リードした。


オルカ鴨川FC VS 伊賀FCくノ一三重

優勝へ向けて負けられない直接対決。残りの試合数を考えるとここで落とすことは許されない状況となるなかで迎えた試合は開始早々オルカがチャンスを掴む。8分、高塚のスルーパスに抜け出した鈴木が遠い位置から放ったロングシュートが伊賀GK後藤の上を超えてネットを揺らしオルカが先制する。リードを奪い優位に立ったオルカは給水タイム明けの25分、河野のFKをGKの前で回収した並木が折り返したところに鈴木が詰めて2点目を奪う。給水明けのファーストプレーで集中が切れていたか伊賀は2点を追う展開となった。後半に入ると攻勢を強めたい伊賀は選手交代を行いながらオルカゴールを脅かすものの得点が遠い。そして74分には右サイドを抜けた鈴木のクロスに松尾が合わせて3-0。鈴木は2ゴール1アシストの活躍となった。その後は余裕をもって試合を終わらせたオルカは完封勝利で勝点を32に伸ばし得失点差でニッパツを上回って首位に立った。


今節のMVP

鈴木陽(オルカ鴨川FC)

今節は2ゴール1アシストの活躍で勝利に貢献。優勝を争う伊賀に勝利しチームも首位に立った。


得点ランキング

1部では首位の神谷が1ゴールを追加し12ゴール。2位の片山と2ゴール差となった。鈴木も今節2ゴールを決めて7ゴールで5位タイに浮上。


アシストランキング

首位は5アシストで室井。鈴木が1アシストを記録し2位に4アシストで7名が追う展開となった。


JWCRランキング

今節の結果なでしこリーグのチームでは、オルカが3ランクアップ。愛媛が2ランクアップとなった。


順位表

オルカがニッパツを得失点差で抜いて首位に。4位の伊賀までが勝点5差と混戦状態。下位ではシルフィード、愛媛が勝利し勝点3を積み上げた。残留争いも熾烈な状態。

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