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2024なでしこリーグ1部第4節・2部第4節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

ニッパツ横浜FCシーガルズ VS ASハリマアルビオン

前節ヴィアマに敗れてしまったニッパツはホーム連勝をかけて3連敗中のハリマを迎えた。試合は開始7分、最終ラインの新井が前線にロングフィードを送るとこれに反応した櫻井がシュート。ボールはバーに弾かれるもののこぼれ球を河野が頭で押し込みニッパツが幸先良く先制点を奪う。リードを許したハリマにアクシデントが、27分、相手と接触した川﨑が負傷により交代となってしまう。不運も重なり前半は良い攻撃を作れず1点ビハインドで折り返すハリマ。後半に入ると一転して攻撃がつながりはじめるハリマは52分、前線で溜めと作った千葉が平塚へパス。受けた平塚は裏のスペースにボールを出すと反応した中野が合わせてハリマが同点に追いつく。試合を振り出しに戻したハリマだったが58分、左サイドを持ちあがった河野のクロスに田村がダイレクトではたくと、相手のクリアミスの重なり再度ボールを受けた田村がシュート。これが決まってニッパツが勝ち越す。再度リードを許したハリマは川上、椎野を投入し追い上げを見せるもののニッパツの守備の前に追いつくことはできずに試合終了。一時は追いつかれたものの勝ち越したニッパツが今季2勝目をあげた。


朝日インテックラブリッジ名古屋 VS ヴィアマテラス宮崎

3連勝同士で迎えた優勝争いにも大きく関わる大事な一戦。試合は両チームの高い攻撃力のぶつかり合いになる。積極的にゴールを狙う姿勢を見せる選手達だがゴールネットを揺らすことが出来ない。37分、ヴィアマはこの早い時間で島田、坂田の2人を下げて宮本、切通を投入。この采配で試合が動く。前半40分、後ろのボール回しで組み立てを行う名古屋にプレスをかけると相手のミスから流れてきたボールを齊藤がダイレクトシュート。これが決まりヴィアマが均衡を破る。これで名古屋は集中が切れてしまったか直後の42分、松田のクロスボールを先に触った有馬が決めてヴィアマは追加点。前半終盤の2ゴールでリードを奪ったヴィアマは後半に入って早々の47分、CKの流れから最後は福丸が押し込んで3-0。勝利を一気に手繰り寄せる。このまま終われない名古屋も75分に市原のゴールで1点を返すものの反撃はここまで。前半の選手交代が功を奏したヴィアマが全勝対決で勝利し開幕4連勝を達成した。


スペランツァ大阪 VS 静岡SSUボニータ

なかなか勝点を積み上げられない両チームの一戦。前半ペースを握ったのはアウェイの静岡。サイドを広く使った攻撃からスペランツァゴールに迫るもののGK井上を中心に耐える。チャンスを多く作った静岡だったがゴールを決めきることが出来ずに前半はスコアレスで折り返す。後半に入ると少しずつボールを支配する時間も出てきたスペランツァだったが前への圧力をかけきれない。両チームとも選手交代を交えながら変化をつけるものの現状の打開はできず。1点勝負となったこの試合は最後までどちらもネットを揺らすことが出来ずに試合終了。下位に沈む両チームにとって重要な1戦だったこの試合は0-0のスコアレスドローに終わり勝点1を分け合う形となった。


オルカ鴨川FC VS バニーズ群馬FCホワイトスター

前節に今季初勝利を決めたオルカは連勝を目指す。一方のバニーズは前節初勝点を獲得し次は勝利を目指す。試合のペースはオルカ。7分、高塚が裏に蹴ったボールに反応した松尾がGKの飛び出しより早く触りオルカが先制する。早い時間での先制によって余裕を持ってプレーすることが出来るオルカに対して前に出る時間が必要になったバニーズ。それでも前半はオルカの攻撃を耐え前への攻撃は少ない。失点こそこれ以上増やさなかったもののビハインドで後半に入るとオルカの疲労も相まって前に出る回数が増えるバニーズ。しかしここで強かだったのはオルカ。78分、古館のワンタッチパスに反応した松尾がペナルティエリア内に侵入。最後はスペースにパスを出すと走りこんだ浦部がしっかりと決めて2-0。大きな1点を奪ったオルカは89分にも浅野がロングボールを送ると跳ね返されるもののこぼれ球を並木が豪快にネットを揺らし3点目。試合巧者のオルカがしっかりと得点を積み重ね3-0で勝利し2連勝。


伊賀FCくノ一三重 VS 愛媛FCレディース

前節日体大に敗れた伊賀はここでしっかりと勝ち切り優勝争いから引き離されたくない。前半から攻撃に迫力のある伊賀は平田を中心に押し込む時間が続く。それでも体を張った守備で守り抜く愛媛に対して前がかりになった伊賀は裏を突かれ攻撃の流れを変えられると、38分に黒岩のアーリークロスに久保田が前に走り込み先に頭で合わせるとこれがネットを揺らし劣勢だった愛媛が先制に成功する。まさかの展開でリードを許してしまった伊賀、前半は得点を奪えず1点を追いかける状態で後半へ。ハーフタイムに篠原を投入しフォーメーションをいじった伊賀は後半も攻撃のチャンスを数多く作るもののゴールが遠い。リードを守り切りたい愛媛はカウンターに焦点をあて田子を前にの残しながら守る。65分、78分と立て続けに選手交代をしながらプレスの強度を維持する愛媛に対して焦りが見え始める伊賀。シュート17本放ったものの最後まで愛媛の堅い守りを崩すことはできず試合終了。少ないチャンスをものにした愛媛が1-0で勝利し今季初勝利を飾った。


スフィーダ世田谷FC VS 日体大SMG横浜

満開の桜が咲き誇るAGFでの一戦。試合を動かしたのは11分。日体大は前線からのプレスをかいくぐるとセンターサークル付近でボールを受けた本田がドリブルで持ち運びロングシュート。これがスフィーダGK石川の頭上を越えてネットを揺らし日体大がゴラッソで先制する。リードを許したスフィーダだったがハイプレスを継続しセットプレーからチャンスを演出する。しかしなかなか得点までは至らず前半は0-1と1点ビハインドで折り返す。ハーフタイムに金子を投入したスフィーダは攻撃に迫力を増す。61分、敵陣の深い位置でスローインの流れからボックス内でボールを受けた新堀が反転してシュート。これが決まってスフィーダが同点に追いつく。追いつかれた日体大は直後に2枚替えを行い勝ち越しを狙いに行くと80分、本田のパスを受けた渡部が相手を1人交わしシュート。技ありのシュートが決まり日体大が勝ち越しに成功する。ホームでの敗戦は避けたいスフィーダは最後まで得点を狙いに行くものの日体大が粘り強く守りきり試合終了。後半は苦しい展開だったものの勝ち切った日体大は無傷の4試合負けなしで2位に浮上した。


JFAアカデミー福島 VS ディオッサ出雲FC

3連勝中の福島を相手に一矢報いたいディオッサ。前半は両チーム一進一退の攻防が続く。福島はエースの板村にボールを集め、ディオッサは岩下が積極的にゴールを狙う流れ。得点が動いたのは30分、板村が仕事をこなし福島が先制点を奪う。前半はこの1点だけに終わり福島がリードしてハーフタイムを迎える。両チーム交代枠を1枚使った後半は59分、野田のゴールで福島が追加点を奪うと追いかけるディオッサも途中出場の住徳が80分にゴールを奪い1-2。1点差に迫ったディオッサだったが同点までは遠くタイムアップ。決して優勢ではなかったもののしっかりと逃げ切った福島が開幕4連勝を達成した。


SEISA OSA レイア湘南FC VS FC今治レディース

2勝1敗と白星が先行している湘南は今季初勝利を狙う今治をホームに迎えてのリーグ戦初対戦。試合は立ち上がり4分、湘南のエース鈴木のゴールでリードを奪う。出鼻をくじかれた今治だったがその後は押し込む時間を作るものの、一瞬の隙を突いた湘南は27分に鈴木の今日2点目が決まりリードを広げる。前半シュート2本で2点を取った湘南だったが、後半最初のチャンスは今治。51分に山下の今季2ゴール目で点差を1点に縮める。しかしここで流れを渡さなかった湘南は57分に加藤のゴールで再度リードを広げると60分には相手のオウンゴールによって4-1。このゴールで試合を優位に進めることが出来た湘南。今治の攻撃をしっかりと防ぎ切り試合終了。4-1で今治を破った湘南は2連勝を飾った。対する今治は今季初の連敗となってしまった。


大和シルフィード VS つくばFCレディース

開幕3連勝とはならなかったシルフィードは切り替えに大事な一戦を迎える。試合は両チーム中盤でのボールの支配に苦戦がみられる。その中で一つの変化が34分、芳賀が負傷により交代となったシルフィードだが38分に中山のゴールで先制点を獲得する。だがリードを許したつくばも45分に赤嶺の今季初ゴールが決まり試合を振り出しに戻す。ハーフタイムはともに1枚の交代を行って迎える。後半は前半よりも両チームチャンスを作るシーンが減ってしまう。1点を争うじりじりとした展開が続く中、両監督は選手交代に打開の意図を見つける。後半はシルフィードがシュート2本、つくばがシュート1本と攻撃の形を作ることが出来ずにタイムアップの笛が鳴る。ともに2点目は遠くこの試合は1-1のドローで終わった。


ヴィアティン三重レディース VS FCふじざくら山梨

勝利が遠い三重はホームに3連勝を目指す山梨を迎えての一戦。前半は両チーム組み立てに苦労する時間が続く。主導権を掴み切れずに前半は両チーム得点のチャンスをあまり作れずスコアレスで折り返す。後半に入って先にチャンスを迎えたのはアウェイの山梨。50分、山本がペナルティエリア内で倒されPKを獲得する。キッカーはその山本。これを冷静に決めて山梨が均衡を破る。リードを許した三重も直後の51分にポスト直撃のシュートを放つなどチャンスを作りだすものの決めきれず。63分に3枚替えを行い勝負に出た三重に対して山梨は81分、脇田のクロスに合わせた山本の今日2点目が決まりリードを広げる。85分には一気に選手を交代させ試合を決めにかかる山梨。三重は山梨の圧力を跳ね返すことが出来ずに試合終了の笛。山本の活躍で勝利した山梨はクラブ初の3連勝を達成した。一方の三重は3試合連続無得点となってしまった。


岡山湯郷Belle VS ディアヴォロッソ広島

開幕4連勝を目指す湯郷がディアヴォロッソを迎えての一戦。チャンスがあまり多くないと予想しているディアヴォロッソは守備から入り0-0の時間を長くする。前半は湯郷の攻撃を耐える時間が続くと、このまま後半に折り返せるかと思われた40分、エース横山がPKを決めて湯郷が先制する。ここで気持ちが切れてしまったディアヴォロッソは42分に谷口のヘディングゴールで失点すると、前半アディショナルタイムにはオウンゴールで3-0。この3失点で完全に流れは湯郷に傾いてしまうと後半に入ったら湯郷の猛攻を浴び続けるディアヴォロッソ。79分に横山の2点目、85分には栫井に決められ5-0とされる。さらに後半アディショナルタイムには横山の今季初ハットトリックを許すなど大量6失点。攻撃ではほとんどチャンスがなかったディアヴォロッソは前半の連続失点が響き2連敗。勝利した湯郷は4連勝として得失点差で首位に立った。


福岡J・アンクラス VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

そろそろ勝利が欲しいアンクラスと前節大敗を喫した吉備国大の一戦。試合の主導権を握りきることが出来ず前半が過ぎていく試合展開。それでも43分にスコアが動く。西村がペナルティエリア内でファールを受けたPKを獲得すると、西村はこのPKをしっかりと決めて吉備国大が前半のうちに先制する。前半を0で抑えたかったアンクラスは後半前がかりにならざるを得ずに。その隙を突いたのは吉備国大。56分に樋口のシュートが決まって追加点を奪うと81分には古谷の今季2点目が決まり3-0。試合の勝敗を決定づける得点により勝点3を手繰り寄せた吉備国大。アンクラスは最後までゴールを目指したものの得点は奪えず試合終了。ホームで敗戦を喫したアンクラスは3連敗。吉備国大は2勝目を挙げた。


今節のMVP

小松 里弥(愛媛FCレディース)

伊賀の猛攻を最後まで防ぎきりクリーンシート。チームの勝利に大きく貢献した。

山本 菜桜美(FCふじざくら山梨)

0-0で迎えた50分に先制ゴールを決めると終盤の81分にも勝利を決める追加点を奪う。2ゴールの活躍でチーム初の3連勝に貢献した。


得点ランキング

1部では西川、松田、齊藤、松尾、河野が3ゴールで並んでいる。

2部では横山がハットトリックを達成し7ゴールで首位に。鈴木、山本も2ゴールで順位を上げた。


アシストランキング

上位勢では大きな変化がなかった今節。首位は3アシストでヴィアマの坂田となっている。


JWCRランキング

今節の結果、日体大と吉備国大が3ランクアップ。名古屋は2ランクダウンとなっている。


順位表

1部はヴィアマが4連勝で首位をキープ。

2部では湯郷と福島が4連勝を達成。

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