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2024なでしこリーグ1部第2節・2部第2節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

日体大SMG横浜 VS 愛媛FCレディース

開幕戦を勝利で飾った日体大は連勝をかけてホームに愛媛を迎えての一戦。雨が降る寒い中行われたこの試合はペースこそ日体大が掴むもののシュートシーンまでは持ち込めない時間が続く。一方の愛媛は前節の課題を踏まえてしっかりと守備から入りカウンターを狙う形に。前半は両チームネットを揺らすことが出来ず0-0でハーフタイムを迎える。後半に入ると両チームとも少しずつ前への圧力が増え始めシュートシーンが出てくる。愛媛は61分に久保田と榎谷、日体大も本田、中村と前線の選手を入れ替えて勝負を仕掛けるものの得点が奪えない。アウェイの愛媛としては勝点1を確実に持ち帰るためにも試合終盤はリスクをかけずに守備に入ると、日体大は最後までこれを打ち崩すことが出来ずに試合終了。厳しいコンディションの中での試合は0-0のスコアレスドローに終わった。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS 静岡SSUボニータ

前節は攻勢ながらも得点が奪えず引き分けに終わったニッパツがホーム開幕戦を迎える。試合はニッパツが開始早々に動かす。6分、左サイドでボールを受けた小須田は縦に走る蔵田にパスを出すと、蔵田はグラウンダーのクロス。これを河野が上手く合わせてニッパツがリードを奪う。これで勢い付いたニッパツは7分、ペナルティエリア内で河野がファールをもらいPKを獲得する。キッカーはその河野。しっかりとGKの逆を突いて決めニッパツがリードを広げる。立ち上がりの失点が苦しい展開となってしまったボニータは攻撃の組み立てが上手くいかずに決定機が作れない。ニッパツは2点のリードを守ったままハーフタイムを迎える。試合の流れを変えたいボニータはハーフタイムにDF2枚を交代させ策を練る。後半に入るとプレッシングの早いニッパツは47分、岡のシュートが相手DFの手に当たりPKを獲得する。今日2回目のPKとなるニッパツのキッカーは岡。これを自ら冷静に決めてニッパツが3点目を奪う。またしても立ち上がりに失点してしまったボニータだが75分、守屋が裏へ抜け出しドリブルで持ち運ぶと中へクロス。走りこんだ中川はミートできなかったものの流れたボールを土屋が合わせてボニータが1点を返す。しかし反撃はこれ以上続かず、3-1でニッパツで勝利し今季初勝利を挙げた。


朝日インテックラブリッジ名古屋 VS スペランツァ大阪

開幕戦2-0で勝利した名古屋。連勝に向けてホーム開幕戦に挑む。試合の主導権を握るのはホームの名古屋。14分、CKを獲得すると安部のキックは相手DFがクリアするも渕上が回収しシュート。これが決まって名古屋が先制する。さらにその後も仁木を中心に攻める名古屋に対して防戦一方のスペランツァ。前までボールを運ぶことができない時間が続くと44分、またしても安部のCKから仁木が頭で合わせて追加点。セットプレーから2点奪った名古屋が前半を圧倒してハーフタイムを迎える。両チームともDFの選手を1枚交代し迎えて後半。相手の攻撃に対応できてきたスペランツァが徐々に攻撃の機会を増やし始める。CKを含めセットプレーからもチャンスを演出するも名古屋ゴールをこじ開けることが出来ない。前半とは対照的に守備に回る時間が増えた名古屋は選手交代を交えながら最後まで強度を維持。結局スペランツァは名古屋ゴールを割ることが出来ずに試合終了。前半のリードを守った名古屋が開幕連勝を記録した。


スフィーダ世田谷FC VS ASハリマアルビオン

開幕戦は逆転負けを喫したスフィーダ。今日はホーム開幕戦となるだけに連敗はできない。試合のペースを握るのはスフィーダ。積極的にボールを回しでチャンスを作りだすと22分、右サイドでパスを受けた中村が反転してDFを交わすとセンタリングを上げる。これを新堀がワントラップで抜け出しシュート。これが決まってスフィーダが先制点を獲得する。これで試合を優位に進めると45分にはCKの混戦から堀江が右足を振り抜き、前半のうちに貴重な追加点を奪うスフィーダ。前半良いところが少なかったハリマは後半に勝負を仕掛ける。57分、裏へのパスが亀井に通るとドリブルで持ち運び決定機を迎えるハリマ。そこでたまらずスフィーダの根本が後ろから倒してしまうと主審はレッドカードを提示。2点リードしているスフィーダは残り30分ほどを1人少ない状態で戦うことに。このファールでもらったFKは平塚が直接狙うもののスフィーダGK石野の正面。1人多いハリマは前線の枚数を増やして攻撃の比重を上げる。スフィーダとしては守備からチャンスを伺う展開に。逆にこの退場によってスフィーダはチームのやることが明確になり打ち崩せないハリマ。GK石野の活躍もあり最後まで得点を許さなかったハリマ。難しい試合ながらも2-0でしっかりと勝利し今季初勝利。一方のハリマは数的有利を活かせず開幕2連敗となってしまった。


オルカ鴨川FC VS ヴィアマテラス宮崎

昨季優勝のオルカがホームでヴィアマを迎えての一戦。激しい試合が予想されたがペースのヴィアマが終始握る。相手の攻撃をほぼ封じ込めると齊藤、坂田がオルカゴールを再三脅かす。それでも失点はせずに堪えていたオルカだったが32分、坂田のスルーパスに反応した齊藤が冷静にゴールに流しこみヴィアマが均衡を破る。前半良いところがまったくなかったオルカはハーフタイムに高村と齊藤を投入。しかし後半も流れはヴィアマ。59分、CKの流れから松田が最後に決めて点差を2点に広げる。なおも続くヴィアマの攻撃、64分には中盤でボールを奪うと早い攻撃から齊藤が今日2点目を決めて勝利を大きく近づける。90分には嘉数のクロスボールに今蔵がヘディングで合わせてダメ押しの4点目。終始猛攻を仕掛けたヴィアマが昨季女王をまったく寄せ付けず4-0の快勝。一方のオルカは試合通してシュート3本と大きな差を見せつけられる形となった。


伊賀FCくノ一三重 VS バニーズ群馬FCホワイトスター

連勝を目指す伊賀が開幕戦で悔しい敗戦をしたバニーズを迎えての一戦。試合のペースはホームの伊賀。4分、藤田が良い位置で相手からボールを奪うと村上にラストパス。村上はしっかりとこれを決めて伊賀が先制する。さらに10分には右から藤田がクロスを上げると、一度はクリアされるもののそのボールを西川が豪快に決めて追加点。浮足立つバニーズの前に一気に2点を奪った伊賀。ここで黙っていられないバニーズも12分、澁澤のロングシュートがバーに当たるとこぼれ球を塩谷が押し込んでバニーズが1点を返す。落ち着かない試合展開となるとさらに2分後の14分、下條のCKを西川が頭で合わせて伊賀が点差を再度2点に広げる。このゴールで試合が落ち着きを取り戻すとペースは伊賀が握る。このリードを保ったまま後半に入ると71分に西川がハットトリックを達成すると、77分には平田にもゴールが生まれ5-1。止まらない伊賀は80分、常田がチーム6点目を決めて試合終了。立て続けのゴールで試合を制した伊賀がバニーズ相手に6-1と大勝した。


大和シルフィード VS ディオッサ出雲FC

開幕戦を勝利したシルフィードが連勝をかけてディオッサをホームに迎える。試合の流れはホームのシルフィード。甲斐、濱本の2トップを中心にディオッサゴールに襲い掛かる。それでも守備に定評のあるディオッサはGK西村を中心に跳ね返す。前半はほとんどシルフィードが支配し押し込む時間が続いたものの得点は奪えず。ハーフタイムにはベテランの松浦に代えて小川を投入する。一方のディオッサも相手の疲労が溜まってくると徐々に攻撃の時間を作り出す。シルフィードはたまらず60分に北田と佐々木を入れフレッシュな選手を増やすと試合終盤の83分。その交代で入った北田が監督の起用に応えるゴールを決めて遂にシルフィードがリードを奪う。失点直後の84分にディオッサは一気に3枚替えを行い勝負に出るが時すでに遅し。リードを最後まで守り抜いたシルフィードが2試合連続のウノゼロを達成。敗れたディオッサはこれで1分1敗となった。


JFAアカデミー福島 VS SEISA OSA レイア湘南FC

ともに攻撃が持ち味の連勝を狙う両チームの一戦。試合は開始早々に動く。3分、福島は木村のゴールで幸先良く先制点を獲得する。出鼻をくじかれた湘南は塩野、鈴木がミドルレンジからシュートを放ち勢いをつけていく。それが叶ったか42分、塩野の今季初ゴールが決まり湘南が同点に追いつく。1-1でハーフタイムに入ると福島は一気に3枚替えを行い色々な選手を試す。その策が当たったか前半はシュートを1本も打てず封じ込まれていた板村が52分に勝ち越しゴールを奪い福島がリードを得る。追いつきたい湘南だが福島の高い個の力になかなかボールを奪うことが出来ず試合はアディショナルタイムに。93分には古川がダメ押しとなる3点目を奪い勝負あり。前後半の立ち上がりをものにした福島が3-1で湘南を破り開幕2連勝とした。一方の湘南は今季初黒星となった。


ヴィアティン三重レディース VS FC今治レディース

雨天の中行われた三重と今治の初対決の一戦。試合のペースを握るのはアウェイの今治。積極的に三重の背後を狙いながらCKを獲得していく。しかしセットプレーからチャンスを活かす事が出来ずに得点とはならない。一方の三重は前半のシュートが1本だけと厳しい状況。両チームとも前半スコアを動かす事が出来ずに試合は後半を迎える。ハーフタイムに修正をした両チームだが変化が見えたのはアウェイの今治。シュートシーンが目に見えて増えていく。それでも引いて守る三重相手にネットを揺らすことができない。最後まで得点を狙いに行った今治だがゴールは遠く試合終了。結局スコアレスドローで両チーム勝点1を分け合う形となった。今治としてはこの引き分けがなでしこリーグ初勝点となった。


岡山湯郷Belle VS つくばFCレディース

開幕戦は辛勝ながらも勝点3を持ち帰った湯郷がホームにつくばを迎えての一戦。開幕戦0-3で敗れたつくばはシーズン初ゴールを目指して前に出たものの湯郷の反撃に遭う。14分、谷口にネットを揺らされたリードを奪われる苦しい展開に。一方リードした湯郷は積極的に追加点を狙いに横山を中心につくばゴールを脅かす。つくばも何とか体を張って守り前半は失点を1に留める。隙を見て反撃に講じたいつくばは60分に久永と古寺を投入。しかし5分後の65分に小松のゴールで湯郷が追加点を奪う。リードを広げられたつくばだったが73分に小西のゴールで1点差に詰め寄る。しかし直後の76分に谷口の今日2点目が決まり3-1。わずか1分後には横山の今季2点目となるダメ押しゴールで湯郷が勝利。つくばとしては点差を縮めたものの一気に突き放されたのが痛かった。ホームで勝利した湯郷は開幕2連勝。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS ディアヴォロッソ広島

開幕戦を良い形で勝利した吉備国大がホームにディアヴォロッソを迎えての一戦。試合は吉備国大ペース。FWの古谷にボールを集めチャンスを増やしていく。なかなかチャンスの作れないディアヴォロッソだったが26分、栂のゴールで劣勢のディアヴォロッソが先制点を奪う。ワンチャンスを仕留められた吉備国大だったが慌てることはなく自分たちのサッカーを進めていくと37分、神田のゴールで試合を振り出しに戻す。前半を1-1で折り返すと逆転を狙う吉備国大は中盤も積極的に攻撃参加する。それでもなかなかゴールを奪えない吉備国大は73分、82分と4人の交代を行うがディアヴォロッソもゴール前を固めて勝点1を確実に持ち帰る戦い方に。アディショナルタイムには選手交代で時間を使ったディアヴォロッソが吉備国大相手に1-1の引き分けで貴重な勝点1を獲得した。ホームの吉備国大としては勝ちたかった相手だけに悔やまれる一戦となった。


福岡J・アンクラス VS FCふじざくら山梨

開幕戦は白星を挙げることができなかった両チームの一戦。試合は一進一退の攻防。アンクラスはキャプテンの藤、山梨は鈴木、山本の2人が魅せる。27分、山梨は山本の先制ゴールで均衡を破ると2分後の29分に鈴木のゴールでリードを2点に広げる。前線の活躍で試合を優位に進める山梨は前半をこのまま2点リードで折り返すと、後半の勢いは継続されアンクラスゴールに迫る。対するアンクラスは76分に丸形、藤山の2人を投入し勝負を仕掛けると81分、中盤の足立のゴールで点差を縮める。それでも同点には一歩及ばず、山梨は交代カードを上手く使って前半の2点を守り切り今季初勝利を手にした。一方のアンクラスはホームでの試合だったが勝利を飾ることはできなかった。


今節のMVP

西川 明花(伊賀FCくノ一三重)

ハットトリックの大活躍でチームの勝利に貢献。開幕2連勝を達成した。

谷口 木乃実(岡山湯郷Belle)

チームの先制点とダメ押し点の2ゴールの活躍。開幕連勝スタートを切った。


得点ランキング

1部では西川がハットトリックを達成し首位に立った。

2部では板村が2試合連続のゴールで通算3ゴールとし首位に立つ。


アシストランキング

安部、嘉数、坂田、常田が2アシストで並んでいる状態。


JWCRランキング

今節の結果、なでしこリーグでは山梨が3ランク、名古屋が2ランクアップした。


順位表

1部は伊賀、ヴィアマ、名古屋が開幕2連勝

2部は福島、湯郷、シルフィードが開幕2連勝。

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