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2023なでしこリーグ1部第12節・2部第11節レビュー

今節の対戦カード


試合レビュー

バニーズ群馬FCホワイトスター VS ASハリマアルビオン

4試合負けなし同士の一戦。バニーズは上位に向けて、ハリマは優勝に向けて負けられない一戦。この試合のチャンスを作ったのはホームのバニーズ。7分、大矢のクロスを塩谷が合わせて先制すると12分には椎野のクロスボールを伊藤が頭で合わせ追加点。前半から果敢に攻撃を展開するバニーズがハリマを寄せ付けず一方的な試合展開で進む。そしてアディショナルタイムには抜け出した伊藤が今日2点目を決めて前半だけで3-0とバニーズが大きくリードして後半に折り返す。ハーフタイムにはハリマがGKの原田とDF松久保を交代させるという思い切った行動に出る。しかし流れは変わらず67分に川﨑のゴールで4-0とすると73分にまたしても川﨑のゴールで大量5得点。後半こそ7本のシュートを放ち一矢報いたかったハリマだったがバニーズの流れを止めることはできず完敗。ホームのバニーズが今季最多の5ゴールで勝利を飾った。


 スペランツァ大阪 VS 大和シルフィード

残留へ向けて負けられない両チームの直接対決。最初にチャンスを作ったのはアウェイのシルフィード。北方のCKを松浦が合わせて先制する。しかし、負けられない大阪も負けじと18分、前線からプレスをかけると相手DFはGKにバックパス。受けたシルフィードのGK水口が処理を誤ったところをプレスをかけていた増田が奪い中野につなぐ。パスを受けた中野は無人のゴールに流し込み大阪がすぐさま同点に追いつく。ミスから追いつかれたシルフィードだったが直後にビッグチャンスが生まれる。キックオフから攻め上がると裏に抜け出した根府がペナルティエリア内で倒されPKを獲得する。キッカー北方のシュートはバーに当たり勝ち越しとはならず。ここで流れが変わったのか次に仕留めたのはホームの大阪。45分、入江、増田の2人で相手エリアに侵入すると増田のクロスボールが相手に当たりオウンゴールという形で大阪が逆転に成功する。前半で逆転されたシルフィードは後半に入ると根府を中心に大阪ゴールを脅かすが得点は生まれない。結局後半はスコアが動かず試合終了。ホームの大阪が2-1の逆転勝利で今季2勝目。勝点を6とし残留へ上との差を少し縮めた。


愛媛FCレディース VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

残留争いに巻き込まれたくない愛媛と優勝争いに加わりたい名古屋の一戦。最初にチャンスを作ったのはアウェイの名古屋。28分、愛媛GK濱田のクリアを市原が回収するとクロスボールを神谷が頭で合わせ先制点を奪う。この勢いのまま名古屋は32分にも上田の強烈なシュートが決まり追加点を奪うと前半アディショナルタイムには上田が愛媛GK濱田からボールを奪いゴールに流し込み3-0。前半だけでリードを3に広げる。対する愛媛は後半に入ると少しずつ名古屋の攻撃に適応するものの攻撃のチャンスがなかなか作れない。69分には2枚替えを行うが効果は表れず。終始試合を優位に進めたアウェイの名古屋がこのまま試合を終わらせ貴重な勝点3を獲得し3連勝とした。ホームの愛媛としては痛い敗戦。


オルカ鴨川FC VS スフィーダ世田谷FC

優勝へ向けて良い位置につけているオルカが前半戦調子の上がらなかったスフィーダを迎えての一戦。試合はオルカペース。エースの鈴木を筆頭にスフィーダゴールを脅かすと38分、ハンナディアスのパスを鈴木が合わせてホームのオルカが先制する。前半をそのままオルカリードで折り返すと後半は両チーム堅い展開に。セットプレーを中心にチャンスを作るスフィーダだがシュートまで持ち込めずヤキモキする時間が続く。ゲームの終盤に差し掛かった85分、このままスコアが動かないかと思われたが金子、樫本で左サイドを突破すると樫本のクロスに新堀が頭で合わせスフィーダが同点に追いつく。リードを守り切れなかったオルカだったが追加点は与えることなく試合終了。後半戦最初のゲームは1-1の引き分けに終わった。


静岡SSUボニータ VS 日体大SMG横浜

残留争いから抜け出したい静岡はホームに日体大を迎えての一戦。試合は拮抗した展開が続く。静岡は土屋、日体大は森田が起点となって互い攻めあうもののゴールまでは遠い。次第に日体大がゲームを支配する時間が長くなっていくものの得点にはつながらず前半はスコアレスで折り返す。後半に入るとチャンスを増やしたのはホームの静岡。56分に前線3枚を一気に交代させる策に出た小山監督。これが功を奏したのか次第にシュートシーンが増え始める。しかし日体大の守備は堅く得点には至らない。対する日体大は後半に入り疲労が見え始め思ったような攻撃が出来なくなっていく。両チームスコアを動かせず試合は終盤へ。静岡は途中交代で入った小池がチャンスを作るが1点が遠くここでタイムアップ。中盤でのボールの奪い合いとなったこの一戦は0-0のスコアレスドローに終わった。


ニッパツ横浜FCシーガルズス VS 伊賀FCくノ一三重

優勝へ向けて突き進みたいニッパツと逆転優勝を狙う伊賀の直接対決。この試合は両チーム球際の強さが目立つ。攻守がコロコロ入れ替わる展開となるなかシュートを打たせない両DF陣。前半はニッパツ0本、伊賀もシュート1本と見せ場をつくれない。後半に入ってもこの展開は続くと思われた53分。左サイドから常田菜那のボールを受けた藤田が中にグラウンダーのボールをいれると待っていた常田麻友が合わせて伊賀が待望の先制点を獲得する。リードされたニッパツは選手交代を交えながら伊賀ゴールに迫るも相手の気持ちの入った守備に苦戦。結局ニッパツは後半もシュート1本に抑え込まれてしまう。リードを奪った伊賀も後半はシュート2本と両チーム合計で4本のシュートしか生まれなかったこの一戦。試合はこのまま終了しアウェイの伊賀が首位ニッパツから勝利を奪い勝点差を4に縮めた。


FCふじざくら山梨 VS JFAアカデミー福島

より勝点を多く積み上げたい山梨がホームで優勝を狙う福島との一戦。試合はアウェイの福島ペース。立ち上がり11分、板村の今季8ゴール目で福島が先制すると18分にはまたしても板村のゴールで差を2点に広げる。勢いが増す福島はその後も攻め続け33分に樋口の今季初ゴールで3-0で前半を折り返す。ハーフタイムに両チーム選手交代を行い変化をつけるとこれが実ったのはまたしても福島。55分に花城のゴールで4-0と大量リードを奪うとその後も山梨の攻撃をシャットアウトしアディショナルタイムにオウンゴールでダメ押し点を奪い試合終了。結果的には5-0で福島が大勝となった。ホームの山梨としては4試合ぶりの敗戦となった。


岡山湯郷Belle VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

岡山ダービー2戦目。前回対戦は引き分けに終わっている両チーム。この試合も拮抗した展開から始まるものの最初にスコアが動いたのは前半20分。木須のゴールでホームの湯郷が先制点を奪うと対する吉備国大は38分に早くも2枚替えを行う決断をする。しかしその後は両チームチャンスが作れず前半を1-0で折り返すと後半早々の51分。エース横山のゴールで湯郷が追加点を奪い試合を優位に進めると、その後もボールを保持しつつ吉備国大ゴールを脅かす。ゴールこそ生まれなかったもののクリーンシートで抑え試合終了。岡山ダービー2戦目はホームの湯郷が2-0で勝利した。


ヴィアティン三重レディース VS ディアヴォロッソ広島

中位につける三重と残留に向けて勝利が欲しいディアヴォロッソの一戦。前半はなかなかチャンスを作れない両チーム。スコアが動いたのは前半終了間際のアディショナルタイム。内藤のゴールでアウェイのディアヴォロッソが先制点を奪い前半をリードして折り返す。後半に入るとホームの三重はFW山口が気を吐く。積極的にシュートを打つをこれが実ったのは70分、後半だけで5本のシュートを放った山口のゴールで試合を振り出しに戻す。その後は両チーム決定機は生まれずタイムアップ。結局この試合は1-1の引き分けに終わり、ホームに三重としては勝点1を拾った。対するディアヴォロッソとしては勝点3を取りたかっただけに痛い引き分けとなった。


ヴィアマテラス宮崎 VS 福岡J・アンクラス

首位を突き進むヴィアマが昇格を争うアンクラスを迎えての直接対決。自慢のヴィアマ攻撃陣に対しアンクラスは徹底した守備を見せる。自分たちのシュートシーンは作れないものの相手のシュートを5本に抑える守備で前半を0-0で折り返す。ワンチャンスをものにしたいアンクラスだったが後半に入りヴィアマの圧力が増す。そしてスコアが動いたのは63分。嘉数のゴール遂に均衡を破るとリードしたヴィアマは攻撃の勢いが増す。追いつきたいアンクラスだったが人数をかけた攻撃ができず防戦一方に。それでも追加点は許さないアンクラス守備だったがリードを奪ったヴィアマを攻略することができず試合終了。普段よりも厳しい試合展開となったヴィアマだったが力の差を見せ勝利。これで7連勝となった。敗れたアンクラスは2連敗となり足止め状態に。


ノルディーア北海道 VS つくばFCレディース

勝利が欲しいノルディーアが前半戦調子が良かったつくばを迎えての一戦。この試合主導権を握ったのはホームのノルディーア。普段はシュートシーンもほとんど作れないが今日は積極的な攻撃姿勢でチャンスを作りだす。そして32分、丸形のゴールで遂にノルディーアが今季初の先制点を奪う。リードを奪われたつくばはハーフタイムに3枚替えを行い反撃を試みるが体を張って守るノルディーアの選手達を前にゴールが奪えない。相手の倍以上のシュートを放ったつくばだったが最後までノルディーアゴールを割ることができず試合終了。11節目にしてノルディーアが今季初勝利を獲得。勝点3を加えて9位ディアヴォロッソとの勝点差を3に縮めた。対するつくばはここで3連敗と完全に停滞している。


今節のMVP

伊藤結菜(バニーズ群馬FCホワイトスター)

2ゴールの活躍で勝利に貢献。前半だけで3点のリードを奪い試合を優位に進め最終的には5-0で快勝。次節にも期待がかかる。

丸形梨恵(ノルディーア北海道)

今季勝利のなかったノルディーアの初勝利を決めたゴール。チームとしては苦しい状態が続くが残留へ向けて弾みの出るゴールだった。


得点ランキング

1部では片山がゴールが10ゴールで首位。2位に内田が9ゴールで後をつけ、3位に7ゴールで新堀となっている。

2部では齊藤が18ゴールでトップを走る。2位の横山も12ゴールで迫る。


アシストランキング

まだまだ混戦模様のアシストランキング。首位は5アシストで室井、5得点を奪ったバニーズから大矢、後藤が3アシストで3位タイへ。


JWCRランキング

今節の結果なでしこリーグのチームでは、湯郷が3ランク、オルカが2ランクアップ。逆にハリマは2ランク、つくばは3ランクダウンした。


順位表

1部ではニッパツを追うオルカが勝点2差に迫る。4位伊賀までは十分に優勝が狙える位置に。

2部ではヴィアマが首位を走る。アンクラス、湯郷としては2位以内に入り入替戦まで持ち込みたい。

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