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2023なでしこリーグ1部第8節・2部第6節レビュー

今節の対戦カード


試合レビュー

バニーズ群馬FCホワイトスター VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

ホームゲームでは2試合負けなしのバニーズが6連勝中のニッパツを迎えての一戦。試合は大方の予想通りニッパツペース。片山を中心にバニーズゴールへ襲い掛かるがぎりぎりのところで凌ぐバニーズ。しかし均衡を崩れたのは38分、スローインの流れから蔵田が抜け出すと折り返しを片山が決めてニッパツが先制する。このままニッパツ1点リードで迎えた後半早々の47分、相手のクリアミスからボールを奪うと塩谷からパスを受けた後藤のゴールでバニーズが同点に追いつく。試合が振り出しに戻ったと思われた55分、小須田のクロスをフリーで片山が合わせてニッパツが突き放す。このまま1点リードの状態で迎えた終盤の84分、松井のCKを椎野が合わせるもニッパツGK新井がセーブ。しかしそのこぼれ球を川﨑が押し込みバニーズが同点に追いつく。その後も攻めるバニーズだが逆転ゴールは奪えず試合はこのまま終了。バニーズが首位ニッパツから貴重な勝点1を獲得した。


 日体大SMG横浜 VS 伊賀FCくノ一三重

前節久しぶりに勝利した日体大が4戦負けなしの伊賀を迎えての一戦。試合は均衡した展開が続いたいた中の38分、坂元からパスを受けた秦が勢いよくシュートを放つとこれがネットを揺らしアウェイの伊賀が先制する。今季初めてリードを奪われた日体大。前半を0-1で折り返すと後半立ち上がり52分、常田のCKが直接ゴールに吸い込まれ伊賀が追加点を奪う。2点差とされた日体大は追いつくべく攻め込む時間が増えるも伊賀の高い集中力を持った守備陣を崩すことができない。選手交代をしながらうまく時計の針を進める伊賀。2点先行されてからは日体大のペースだったものの得点は奪えず試合終了。伊賀が2-0で勝利し5戦負けなしの2連勝とした。対する日体大はホーム3連敗となってしまった。


静岡SSUボニータ VS スペランツァ大阪

4試合勝ちなしの静岡と前節今季初勝利を飾った大阪の一戦。試合はアウェイの大阪がペースを握る展開。流動的な前線の選手が代わる代わる静岡ゴールを狙うもののネットを揺らすことができない。対するホームの静岡はなかなか攻撃のチャンスを作れず前半はシュート0本に終わってしまう。前半をこのまま0-0で折り返すと静岡が修正をして後半を迎える。徐々に相手陣地でプレーする時間が増えていくと迎えた67分、高島のCKは一度はクリアされるもこぼれ球を走りこんだ三輪がダイレクトシュート。これが綺麗にネットに突き刺さり静岡が先制する。リードされた大阪は前への圧力を高め同点を狙うも割り切った戦い方をする静岡相手にチャンスが作れない。パワープレーでゴール前にボールを送るも跳ね返す静岡。なんとか1点を守り抜き5試合ぶりの白星を獲得。対する大阪は連勝とはならなかった。


ASハリマアルビオン VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

前節はともに敗れてしまったが上位との差はまだ少ない。勝点3が欲しい両チームの一戦はキックオフ早々に動く。2分、武田が前にボールを送ると千葉がヘディングで反らす。これに反応した内田が落ち着いて決めてハリマが先制する。内田は今季5点目となった。1点リードしたハリマは中盤でボールを支配する時間が続きチャンスをうかがう。対する名古屋は立ち上がりの失点もあり浮足立った状態を脱するためにも守備から入る。そのまま時間は過ぎ前半のチャンスはこれ以上なく1-0でハリマがリードして後半を迎える。攻めたい名古屋だったがしたたかなハリマが襲い掛かる。56分、中盤でボールを奪ってカウンターを仕掛けると内田とクロスを千葉がボレーで合わせハリマがまたしても立ち上がりに点を奪う。しかし2点リードしたことで攻守のバランスが崩れたのか名古屋の反撃。70分、ゴール前で得たFKを上田が直接決めて1点を返すと勢いの止まらない名古屋は85分、投入されたばかりの新城が決めて同点に追いつき試合終了。2点のリードを守れなかったハリマは名古屋と勝点1を分け合う形となった。


愛媛FCレディース VS スフィーダ世田谷FC

下位脱出を目指す愛媛と上位進出を目指すスフィーダの一戦。最初のチャンスは17分、樫本が倒されPKを獲得すると樫本のキックは愛媛GK小松がキャッチしスフィーダは得点を奪えない。これで流れが変わったか愛媛は20分、敵陣深くでFKを獲得するとキッカーの小島はGKの位置を確認し直接狙う。意表を突かれたスフィーダの選手達はなんとかGK石野がかき出すもこぼれ球を久保田が押し込みホームの愛媛が先制する。リードを奪った愛媛だったが31分にアクシデント。FWでチームをけん引していた田子が接触プレーの際に指を負傷し交代を余儀なくされる。なんとか前半を1点リードで折り返した愛媛だったが後半に入るとスフィーダの猛攻にあう。樫本、大竹、福永と次々にシュートを放つスフィーダに対し防戦一方の愛媛。なかなかボールをキープできないもののなんとか最後の部分では体を張って粘っていた愛媛だったが84分、大竹がペナルティエリア内で倒されスフィーダが今日2本目のPKを獲得。大竹がこれを落ち着いて決め終盤にスフィーダが同点に追いつく。なんとか凌いでいた愛媛だったが守り切れず1-1で試合終了。両チーム勝点1を分け合う形となった。


オルカ鴨川FC VS 大和シルフィード

連敗中のオルカと前節勝利しているシルフィードの一戦。試合は立ち上がり13分、浦島がFKを直接決めて先制すると32分にはまたしても浦島のFKから生まれた混戦を古舘が押し込んで追加点。リードを奪われたシルフィードはオルカの攻撃陣を捕まえることができず守備の時間が長くなっている。前半をこのままオルカが優勢で進め後半に折り返す。後半に反撃したいシルフィードだったが先制パンチはまたしてもオルカ。57分、左サイドでパスを受けた山田が1人交わして放ったシュートがニアサイドを打ち破き3点差とする。シルフィードも選手交代で活性化を図ろうとするも、67分には中盤でボールを奪うとボールを受けた兼重が相手GKの位置を確認し放ったロングシュートが綺麗にネットに吸い込まれ4-0とされ万事休す。88分には途中交代のハンナディアスが裏に抜け出すとGKをかわしてゴールを決めて5-0で試合終了。連敗中のオルカだったが5発快勝でGWを締めくくった。


ディアヴォロッソ広島 VS 福岡J・アンクラス

ディアヴォロッソのホームで迎えたGW最後の試合。試合のリズムを作るのはアウェイのアンクラス。雨でスリッピーなピッチで思うようなプレーができないなかでもチャンスを作り、ディアヴォロッソゴールに迫る。前半から強度の高いプレーを見せるアンクラスだがゴールは奪えず前半をスコアレスで折り返すとアンクラス河島監督はハーフタイムに一気に4枚替えという勝負に出る。この交代が功を奏したか59分、小山のゴールが決まりアンクラスが先制すると時間の経過とともにディアヴォロッソの選手達の足が止まり始めた。前田がなんとかアンクラスゴールに迫るプレーを見せるもののゴールは奪えず選手層の差で違いを見せたアンクラスがそのまま1点のリードを守り抜き試合終了。これで5戦負けなしとなった。


JFAアカデミー福島 VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

2戦連続4-0で勝利している福島が3連勝を目指しホーム連戦に挑んだ。試合は福島ペース。前半から積極的にシュートを放つ。キャプテン谷川が4本のシュートを打ち攻撃の中心を担う。対する吉備国大は少ないチャンスながらもゴール前に迫るが得点には結びつかない。スコアレスで迎えた後半、ハーフタイムに2枚替えを行った福島がチャンスを増やしていく。吉備国大の陣地でプレーする時間が増え始めた69分、PKを獲得するとキッカーの谷川が決めて攻めていた福島が先制に成功する。追いつきたい吉備国大だったが福島のDFに手を焼きシュートまで持ち込めない。試合はこのまま福島ペースでタイムアップ。3試合連続無失点を記録した福島が首位ヴィアマを追う。


ノルディーア北海道 VS ヴィアマテラス宮崎

互いの状況は対照的の中迎えた一戦。ヴィアマの攻撃に耐えたいノルディーアだったが開始12分、坂本のゴールでヴィアマが先制すると32分に齊藤、38分には松田が立て続けにゴールを決め前半だけでヴィアマが3点リードする。後半に入っても勢いは止まらず57分に島田のゴールで4点目を奪うと、69分には坂田が決める。わずか1分後には齊藤が2ゴール目を決め2分後の72分にはまたしても齊藤のゴールで7-0。齊藤はハットトリックを達成。手を緩めないヴィアマは75分に坂田の今日2ゴール目で8-0。アディショナルタイムには齊藤のダメ押しゴールで9-0で大勝したヴィアマ。前半こそシュート5本を放ちヴィアマに対抗していたノルディーアだったが後半はシュート1本に抑え込まれ完敗。6試合終わって未だ0ゴールと深刻な状態となっている。


FCふじざくら山梨 VS 岡山湯郷Belle

前節勝利しているチーム同士の連勝を目指しての一戦。試合は立ち上がりから山梨が攻める。7分に脇田のゴールで幸先よく先制すると、その流れを維持したまま16分にまたしても脇田のゴールで追加点。勢いの止まらない山梨は23分に田中のゴールで早くも3点差にする。対する湯郷はエース横山がマークに苦しみシュートまで持ち込めない。前半を山梨ペースで折り返すと後半に湯郷が少しずつチャンスを作り始める。52分、新谷のゴールで湯郷が1点を返すと77分に横山の6試合連続ゴールで遂に1点差まで詰め寄る。このまま勢いで追いつきたい湯郷だったが耐える山梨。そして終盤の89分に脇田がハットトリックを決めて山梨が4点目。これで勝負あったか、試合はこのまま終了し4-2で山梨が湯郷を破って連勝とした。


ヴィアティン三重レディース VS つくばFCレディース

前節ともに今季初黒星を喫し切り替えの一戦となる今節。立ち上がりはアウェイのつくばペース。三重の攻撃の防ぎつつゴールまで迫る。荒れたピッチになかなかペースを掴めなかった三重だが39分、チーム初シュートとなる山口のシュートが決まり劣勢だった三重がリードする。一発にやられたつくばはハーフタイムに2枚替えを慣行し打開を図る。後半になると工藤、小林を中心に三重ゴールに迫るがネットを揺らせないつくば。一方の三重も追加点が奪えず試合も終盤となる79分、片野田の今季3ゴール目が決まり三重が追加点。このリードをしっかりと守り切ろうとする三重。アディショナルタイムに入ると選手交代を織り交ぜながら時間を使っていき試合終了。三重がホームでつくばを破った。対するつくばはここにきて連敗となってしまう。


今節のMVP

浦島 里紗(オルカ鴨川FC)

1ゴール2アシストの活躍で5-0で勝利に貢献。得点ランキングも5位タイとしチームも連敗を2で止めた。

脇田 紗弥(FCふじざくら山梨)

前半の早い段階で2ゴールを決め試合を有利に進めるとアディショナルタイムにハットトリックを達成。チームも2連勝とした。


得点ランキング

1部では片山が2ゴールを決め7ゴールとし単独首位に。2位タイに内田、小川、平田の3名が5ゴールで迫る。

2部では齊藤が4ゴールを決め13ゴールで首位独走。横山が1ゴール、脇田がハットトリックを達成し2位、3位となっている。


アシストランキング

首位は3アシストで千葉、内田、浦島、室井、水野、神谷の6名が並んでいる。今節では千葉、内田、浦島がアシストを記録した。


JWCRランキング

今節の結果、伊賀、バニーズが1ランクアップ。福島は勝利したものの増加率が低く2ランクダウンとなった。


順位表

ニッパツが首位をキープ。2位伊賀との勝点差3。

ヴィアマが首位をキープ。連敗のつくばは4位に後退。

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