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2023なでしこリーグ1部第22節・2部第17節レビュー


今節の対戦カード


試合レビュー

ニッパツ横浜FCシーガルズ VS ASハリマアルビオン

シーズン終盤の不調で順位を下げているニッパツがハリマを迎えての一戦。先制したのはホームのニッパツ。32分、右サイドから片山のグラウンダーのパスを受けた河野が左足でシュート。これがネットに吸い込まれニッパツがリードを奪った。しかしハリマの40分、裏に抜けた内田のシュートは一度はニッパツGK新井が防ぐもののこぼれ球を内田が自ら押し込みハリマが同点に追いつく。そして前半終了間際の44分、裏に抜け出した谷島を倒してしまったニッパツの中居がDOGSOの判定により一発退場となってしまった。前半はなんとか1-1で折り返したニッパツだが後半は一人少ない中での45分となる厳しい展開に。人数の多いメリットを活かしたいハリマは後半に前がかりになって攻める場面もあるもののニッパツの集中した守りの前になかなか得点が奪えない。63分、82分と2度の2枚替えを行ったものの最後まで逆転ゴールを奪うことができずに試合終了。一人少ない中で耐えたニッパツが勝点1をもぎ取る形となった。


大和シルフィード VS 伊賀FCくノ一三重

互いに来季の目標到達に向けて仕切り直しとなる一戦。試合のペースを掴むのはアウェイの伊賀。フィールドプレーヤー誰からでもシュートを積極的に打つ展開に後手を踏むシルフィード。前半は耐える時間が続きなんとか0で守っていたものの45分、秦にゴールを決められ失点。前半を1点ビハインドで折り返す。後半に入ってもなかなか良い形が作れないシルフィードは76分に秦のFKから西川に頭で合わせられ追加点を奪われる。なんとか最後に1点が欲しかったシルフィードだったが伊賀のゴールを割ることができずに試合終了。来季の2部降格が決まっているシルフィードはホームでの最終戦を勝利で飾ることができなかった。対する伊賀は、来季の王者奪還に向けて3位でシーズンを終えた。


静岡SSUボニータ VS スフィーダ世田谷FC

なんとか残留を決めた静岡がスフィーダを迎えての最終戦。試合は両チームゴールが生まれる展開に。32分、PKを獲得したスフィーダが大竹が落ち着いて決めて先制点を奪う。対するホームの静岡も37分に混戦の流れから小池のゴールが決まって同点に。しかし直後の39分にスフィーダは三本がネットを揺らし再度勝ち越す。それでも44分に静岡は小池の今日2ゴール目で再度追いついて前半を終える。後半に入って最初のチャンスはスフィーダ。60分、望月のCKは一度クリアされるものの長﨑がダイレクトで合わせてスフィーダが勝ち越しに成功すると75分には大竹が今日2点目となるチーム4点目を決めて勝負あり。この試合6ゴールが生まれた乱打戦はアウェイのスフィーダが4-2で勝利してシーズンを締めくくった。


スペランツァ大阪 VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

残留が決まった大阪は最終戦に名古屋を迎えてのホームゲーム。試合が動いたのは25分、スローインの流れから神谷のパスのこぼれ球を途中加入の三浦が決めてアウェイの名古屋が先制する。リードされた大阪はセットプレーを中心に名古屋ゴールに迫るものの得点には至らずに前半を1点リードされて折り返す。後半に入ると徐々に大阪もチャンスを増やし始めるものの最後の部分でやらせない名古屋DFの前に苦戦。選手交代を交えながら打開を図るものの最後まで名古屋の守備に抑え込まれて試合終了。最終戦はアウェイの名古屋が1-0で勝利し今シーズンをチーム最高順位の2位で終えた。対する大阪はホーム最終戦で白星を飾ることができず勝点18の10位でシーズンを終えた。


愛媛FCレディース VS 日体大SMG横浜

ホーム最終戦で勝利を届けたい愛媛が日体大を迎えての一戦。試合はホームの愛媛が積極的な攻撃を見せる。今蔵を中心に日体大ゴールに迫ると32分、筬島のCKの混戦から村上がヘディングで合わせてホームの愛媛が先制点を獲得する。リードを奪われた日体大もチームトップスコアラーの北沢を中心に愛媛ゴールに襲い掛かるものの得点は奪えずに前半は1-0で折り返す。それでも後半に入るとペースは一転して日体大に。66分、左サイドを突破すると知久のクロスに北沢が頭で合わせて同点に追いつく。さらに69分には守備の乱れを突いた日体大は金子の右からのクロスに知久が合わせて短時間で逆点に成功する。こうなると試合巧者の日体大。愛媛の攻撃を防ぎつつも3点目を狙いに行く。だんだんと時間が少なくなり焦りが見え始める愛媛はミスを目立ち始めてシュートまで持ち込めず。このまま守り切った日体大が2-1で逆転勝利を果たした。


バニーズ群馬FCホワイトスター VS オルカ鴨川FC

今季の優勝チームであるオルカから勝利を奪えれば一気に弾みを付けられるバニーズ。前半はオルカの攻撃を上手く耐える時間が続く。決定的なチャンスを作らせずに0の時間を増やす。オルカとしても攻めあぐねる時間が多い前半となった。スコアレスで折り返すとオルカはハーフタイムに2枚替えを行い変化を付ける。しかし後半優勢にたったのはホームのバニーズ。塩谷を中心に積極的にオルカゴールを脅かすもののゴールが決まらない。耐えたオルカは84分、松尾のパスを受けたエースの鈴木がダイレクトで決めて待望の先制点を獲得する。試合を支配しながらもリードされたバニーズだったが後半アディショナルタイム。PKを獲得するとキッカーは塩谷。塩谷のシュートはオルカGK横山がセーブしたもののこぼれ球をいち早く押し込んだのは松井。試合終了間際の得点でバニーズが追いつき試合終了。リーグ最終戦は両チーム勝点1を分け合う形となった。


ディアヴォロッソ広島 VS FCふじざくら山梨

残留の為に勝点が欲しいディアヴォロッソは山梨をホームに迎えての一戦。試合のペースを掴んだのはアウェイの山梨。24分、MF辻野のゴールで先制点を奪い試合を優位に進めるとディアヴォロッソは35分にFWの伊藤が交代となる苦しい展開に。前半はそのまま山梨の1点リードで折り返すと後半は一転してディアヴォロッソペースに。キャプテンの内藤を中心に山梨ゴールに襲い掛かるもののなかなか得点が奪えない。耐えた山梨は60分、得点柱の鈴木の追加点で点差を広げる。得失点差を関わってくる残留争い、ディアヴォロッソとしては1点でも多く返したいものの最後まで山梨ゴールを割ることができずに試合終了。ディアヴォロッソは5試合無得点の6連敗となってしまった。


JFAアカデミー福島 VS 岡山湯郷Belle

2位に福島と3位の湯郷の一戦。両チームとも来季の優勝に向けて挑む一戦は前半37分、湯郷がPKを獲得するとキッカーはエースの横山。これを冷静に決めてアウェイの湯郷が先制する。横山は今季22ゴール目となり追いついていたヴィアマの齊藤を引き離した。前半は湯郷のPKの1点で終わったこの試合は後半に入っても堅い展開が続く。福島はアジア大会から中2日と厳しい日程ながらも谷川、古賀を投入し勝負に出るも湯郷ゴールが遠い。最後まで両チーム攻める姿勢は貫いたものの、その後はゴールは生まれずに試合終了。来季へ向けた直接対決は3位の湯郷が1点差で逃げ切った。敗れた福島は9試合ぶりの敗戦となった。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS ヴィアマテラス宮崎

吉備国大のホームゲームで行われたこの一戦。ヴィアマは引き分け以上で優勝が決まる。試合は開始早々の3分、エースの齊藤が今季21ゴール目となる先制弾でヴィアマがリードを奪う。対する吉備国大は守備から入りこれ以上の失点を許さない。前半はヴィアマの攻撃を上手く抑え込んだ吉備国大が1点のビハインドで後半に折り返す。後半に入ると最初のチャンスは吉備国大。47分、一瞬の隙をついた板倉のゴールで吉備国大が同点に追いつく。追いつかれたヴィアマはその後も齊藤を中心に再三ゴールを奪いに行くが吉備国大GK佐喜眞の好セーブもあり勝ち越し点を許さない。そして少ないチャンスながらもヴィアマゴールを脅かす吉備国大。攻めていながらもピンチの時間が続くヴィアマは、なかなか前掛かりに勝負することができずに試合終了。1失点でヴィアマを抑えた吉備国大が貴重な勝点1を獲得。勝利はできなかったヴィアマだが勝点1を獲得し、参入初年度にしてなでしこ2部リーグ優勝を決めた。


ノルディーア北海道 VS ヴィアティン三重レディース

前日に行われたディアヴォロッソが敗れたことでここで勝点を積み上げれば大きく残留に近づくノルディーア。前半から積極的に攻める。ホームで3勝目をあげるためにDFの丸形がシュートを3本放つなど勢いは見せるもののチャンスを仕留めたのはアウェイの三重。35分、佐々木の今季初ゴールで三重が先制するとそのまま前半を1点リードで逃げ切る。勝負の後半に入ると試合のペースをリードしている三重に。立ち上がりすぐの50分に高田のゴールで三重が追加点を奪うと、その後はノルディーアの攻撃は完全に封じ切り最後まで逃げ切る。結局2-0で勝利した三重が5試合ぶりの勝利をあげる。敗れたノルディーアは得失点差で最下位となっており最終戦が強敵湯郷ということもあり厳しい状況に立たされた。


福岡J・アンクラス VS つくばFCレディース

少ない得点ながらも勝星を積み上げているアンクラスがホームにつくばを迎えての一戦。試合は両チーム慎重な立ち上がり。互いに相手のDFラインの裏を狙うもののパスミスも目立ちチャンスが作れない。前半はじりじりとした試合展開となり両チームともシュートはわずかに1本と寂しい展開に。それでも後半に入ると徐々にオープンな展開になっていく。そして71分につくばが2枚替えを行ったところで試合が動き出す。76分、アンクラスはチーム得点王である柳田のゴールで均衡を破る。リードを奪われたつくばは前に人数をかけ始めるものの高い守備力を持つアンクラスの前に攻撃が噛み合わず得点が奪えない。結局最後までアンクラスゴールを割ることができなかったつくば。1-0で試合は終了し、アンクラスが3試合連続のウノゼロを達成。敗れたつくばは9戦勝ちなしとなってしまった。


今節のMVP

松井 彩乃(バニーズ群馬FCホワイトスター)

後半アディショナルタイムに獲得したPKはGKのセーブにあうものの、こぼれ球を押し込んで同点にした。しっかりと詰めていたのはさすがである。

佐喜眞 幹(吉備国際大学Charme岡山高梁)

GKとして攻撃力の高いヴィアマ相手に再三のセーブで1失点に抑え引き分けに持ち込んだ。この結果は今後の自身にもなるだろう。


得点ランキング

1部では神谷が14ゴールで得点王を獲得。2位は内田、鈴木、片山、北沢の4名が12ゴールとなった。

2部では横山、齊藤がともに1ゴールを追加した。差はわずかに1ゴール。


アシストランキング

スフィーダの三本が7アシストでアシスト王を獲得した。2位に5アシストで鈴木、中野、室井、江﨑、渡部の5名。


JWCRランキング

今節の結果、なでしこリーグのチームでは、オルカ、ハリマ、福島が2ランクダウンとなった。


順位表

1部は今節でリーグ戦が終了。オルカの初優勝で幕を閉じた。また、最下位のシルフィードは来季の2部降格が決まった。

2部ではヴィアマが優勝を決めて来季のなでしこ1部リーグへの昇格を決めた。また残留争いでは得失点差によりディアヴォロッソがノルディーアの上に立ち優位な状況に。

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