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2023なでしこリーグ1部第10節・2部第8節レビュー

今節の対戦カード


試合レビュー

日体大SMG横浜 VS スペランツァ大阪

この3試合で2勝と調子を上げてきた日体大が最下位大阪を迎えての一戦。チャンスを作るのはホームの日体大。前線の選手が積極的にチャンスを演出すると24分、知久のロングボールを金子がトラップし渡部に落とす。受けた渡部はペナルティエリア内に侵入しそのままコースを狙ったシュートが決まり日体大が先制する。勢いのまま攻める日体大だったがアクシデント発生。37分、知久が負傷により交代を余儀なくされる。前半をこのまま1点リードで折り返した日体大だったが後半は大阪が反撃する。ハーフタイムに増田を投入すると68分には2枚替えで同点を目指す。CKを7本獲得するなどチャンスを確実に増えていくものの得点に結びつかない。粘る日体大はこの最少リードを守り切りウノゼロで勝利。今季初の連勝を飾った。対する大阪は3戦連続の0-1での敗戦となってしまった。


静岡SSUボニータ VS 愛媛FCレディース

なかなか勝点が積み上げられない両チームの一戦。試合は愛媛がチャンスを作る。25分、右サイドからのグラウンダークロスを田上がシュート。こぼれ球を松本が決めて先制すると4分後の29分には田子がカウンターからのこぼれ球を回収しそのまま持ち込んでゴールを決め一気に2点差に広げる。そのまま前半をアウェイの愛媛が2点リードで折り返すと反撃したい静岡は60分、途中交代の服部のロングボールを山田が頭で合わせると最後は彦坂が押し込み1点差に迫る。追いつきたい静岡は加藤、小野田を投入し勝負に出る。しかし耐えた愛媛が87分、パスを繋ぎながら侵入すると横山が裏へのスルーパス。これを久保田が決めて愛媛のダメ押しゴールが決まる。終盤のゴールで勝負あり。最終的には3-1でアウェイの愛媛が静岡を破り久しぶりの勝点3を獲得した。


朝日インテックラブリッジ名古屋 VS 伊賀FCくノ一三重

ここで勝つのと負けるのでは大きな差がうまれてしまう大事な一戦。攻撃力に定評のある伊賀がボールを握る展開で始まる。開始9分、CKを獲得すると齊藤のキックは名古屋GK垣内が弾く。しかしそのこぼれ球を平田が押し込み幸先よく先制に成功する。その後もリードした展開で試合を進めた伊賀は32分、獲得したPKを下條が冷静に決めて追加点を奪う。2点差とされた名古屋は直後の34分、左サイドからのクロスを神谷が頭で合わせる。ボールは流れていくが追いついた江崎が再度クロスを上げると神谷が今度はしっかりと合わせ1点差に詰め寄る。このまま伊賀の1点リードで後半に入ると64分に名古屋が65分に伊賀がそれぞれ2枚替えを行い勝負を仕掛けると直後の66分。名古屋は中盤で水野が粘ると新城へつなぐ。新城がダイレクトで中に入れると神谷がボレーで合わせ同点に追いつく。そして70分、名古屋はPKを獲得するとキッカー神谷のシュートは伊賀GK後藤が読んで止める。逆転を許さなかった伊賀だがピンチは続き76分、長谷川が左サイドを突破すると中へクロス。これを新城が走りこんで合わせ名古屋が逆転に成功する。2点差をひっくり返した名古屋がこのまま試合を締め勝点3を獲得。対する伊賀は2点さを守り切れず痛い逆転負けとなってしまった。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS オルカ鴨川FC

首位を走るニッパツが2位のオルカを迎えての一戦。試合は首位のニッパツがうまく組み立てチャンスを作り出す。しかし最初のチャンスを掴んだのはアウェイのオルカ。16分、敵陣深くで鈴木がボールを奪うとそのままドリブルで持ち込みGKと1対1に。これをしっかりと決めて先制に成功する。リードを奪われたニッパツだったが34分に獲得したPKを得点ランキングトップの片山が決めて同点に追いつく。前半を1-1で折り返し後半を迎えると62分、中盤でボールを繋いだオルカは浦島のパスを受けた鈴木が今日2点目を決めてオルカが勝ち越す。リードしたオルカは64分に2枚替えを行いフレッシュな選手を投入するとこのリードを最後まで守り抜き試合終了。アウェイのオルカが首位ニッパツから貴重な勝点3を獲得し勝点差を1に縮めた。


ASハリマアルビオン VS 大和シルフィード

優勝争いへ勝点が欲しいハリマが残留争いに巻き込まれたくないシルフィードとの一戦。立ち上がりからボールを握るのはハリマ。前へと運びチャンスを作り出す。しかし徐々に対応してきたシルフィードがシュートシーンを増やすと33分、CKのこぼれ球を森本が押し込みアウェイのシルフィードが先制する。リードを奪われたハリマだったがすぐに追いつく。40分、中盤で小島が左サイドに供給すると吉田のクロスを内田が合わせて試合を振り出しに戻す。後半に入ってもハリマがペースを握るも気温により次第に選手の足が重くなっていく。選手交代を交えながら打開を図る両チームであるが決定機が生まれない。最後はシルフィードが勝点1を確実に持ち帰る戦い方にシフトチェンジしたこともあり試合終了。1-1の引き分けとなり勝点1を分け合う形となった。


スフィーダ世田谷FC VS バニーズ群馬FCホワイトスター

スフィーダにとってバニーズは相性があまり良くない相手であるが上位に食い込むためには勝ちが必要。試合は一進一退の攻防でスフィーダは大竹、新堀を中心にバニーズゴールを狙う。バニーズも選手間の距離が良くスフィーダに決定機を作らせない。前半をスフィーダより1本多い5本のシュートを放った。後半に入っても展開は大きく変わらず、疲労が見える時間になってくるとバニーズは選手交代を上手く使いながらケアをしていく。スフィーダも後半で5本のCKを獲得するなどゴール前までは迫るものの最後が決められない。結局得点は生まれずこのままスコアレスで試合終了。両チームの現状を踏まえると納得いく結果とはならなかった。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS FCふじざくら山梨

3試合勝利から遠ざかつている吉備国大がホームで山梨を迎えての一戦。立ち上がりから一進一退の攻防をみせる両チーム。しかし最初のチャンスを掴んだのはアウェイの山梨。10分に鈴木のゴールで先制するとそのままリードを活かした戦い方を見せる。前半のうちに追いつきたい吉備国大だったがゴールは割れず前半を0-1で折り返すとハーフタイムに一気に3枚替えを敢行する。その効果がすぐさま現れ50分、DF樋口のゴールで同点に追いつくと56分には中村のゴールで逆転に成功する。一気に試合をひっくり返された山梨も61分、辻野のゴールで試合を振り出しに戻す。その後は両チームシュートシーンが増えるものの得点できず試合終了。2-2の引き分けで勝点1を分け合った。


JFAアカデミー福島 VS ヴィアマテラス宮崎

2位福島が首位ヴィアマとの直接対決に挑む。攻撃力のある両チームだがペースを掴んだのはヴィアマ。得点ランキングトップの齊藤を中心に福島ゴールを狙う。守備の時間が長くなる福島だったがぎりぎりのところで耐える。しかし33分、松田のゴールでヴィアマが先制点を獲得し後半に折り返す。福島は60分、64分と選手交代を行い変化をつけると69分、原のゴールで同点に追いつく。追いつかれたヴィアマだったが5分後の74分、途中交代の西山のゴールで勝ち越すと80分には齊藤のダメ押しゴールで3-1。一時は同点に追いついたもののヴィアマの攻撃陣を抑えてきれなかった福島。3-1でヴィアマが勝利し首位をしっかりとキープ。ヴィアマは優勝、昇格へ向けて大きく前進した。


ディアヴォロッソ広島 VS つくばFCレディース

4戦勝ちなしと下位に沈むディアヴォロッソが上位をキープしているつくばとの一戦。ベンチメンバー2人と厳しいディアヴォロッソだが前半は互角の戦い。つくばにボールを保持される時間は長いものの堅い守備で得点を許さないディアヴォロッソ。前半は無失点で持ちこたえる。後半に入ると少しずつボールを保持できるようになったディアヴォロッソ。58分、杉岡のゴールでホームのディアヴォロッソが先制するが直後の62分に工藤のゴールでつくばが同点に追いつくと4分後の66分には赤嶺のゴールで逆転したつくば。その後はディアヴォロッソの攻撃をしのぎつつチャンスを伺うつくば。試合はこのまま動かず2-1でアウェイのつくばが逆転勝ちをおさめた。


ノルディーア北海道 VS 岡山湯郷Belle

今季まだゴールがないノルディーア。好調湯郷をホームに迎えての一戦は開始わずか3分。内田のゴールで湯郷が先制する。立ち上がりにリードを許したノルディーアは苦しい展開に。前節5得点奪っている湯郷の攻撃力は今日も健在、34分に横山の8試合連続ゴールで2点差に広げる。リードを広げられたノルディーアだったが43分、安達がチームの今季初得点となるゴールを決めて1点差に迫って前半を終える。しかし後半に入ってもペースは湯郷。50分に山田のゴールで再度2点差とすると65分には町田の追加点で4-1に。80分には内田の今日2ゴール目で勝負を決める。対するノルディーアもアディショナルタイムに鈴木が1点を返すも反撃はここまで。5-2で湯郷が2試合連続となる5ゴールで勝利を飾った。


福岡J・アンクラス VS ヴィアティン三重レディース

6戦負けなしの2連勝、ウノゼロが目立つアンクラスが三重との一戦に挑んだ。前半からアンクラスが主導権を握る。髙橋、小山を中心に三重ゴールに迫ると25分、平坂のゴールでアンクラスが先制する。その後もシュートえお積極的に打ったアンクラスだが三重GK切畑のセーブにもあい1-0で前半を折り返す。後半に入ると気温の上昇に伴い疲労がたまってくる両チーム。リードしているアンクラスも無理に攻めずカウンターを狙う戦い方に。一方追いつきたい三重はボールを保持はするもののシュートまで結びつけられない。アンクラスは65分に3枚替えを行いリフレッシュすると得意のウノゼロで試合をシャットアウト。3試合連続のウノゼロ勝利を飾ったアンクラスが順位を2位にあげた。


今節のMVP

鈴木陽(オルカ鴨川FC)

2ゴールの活躍で勝利に貢献。今回の勝利により首位ニッパツとの勝点差を縮めた。

内田好美(岡山湯郷Belle)

2ゴールを決めチームも2戦連続の大勝。得点ランキングでも3位となった。


得点ランキング

1部では片山がゴールを積み重ね9ゴールでリードしている。2位は内田、新堀、平田の3名で6ゴールとなっている。

2部では齊藤が独走の15ゴール。横山も開幕から8戦連続ゴールの9ゴール目を記録した。


アシストランキング

今節は浦島が1アシストを記録し4アシストで室井と並んで首位になった。それを追うのが3アシストで千葉、内田、水野、神谷、江崎の5名となっている。


JWCRランキング

今節の結果により多くのチームで順位の変動がみられた。なかでもつくばは2ランクアップ。伊賀、ディアヴォロッソが2ランクダウンとなった。


順位表

1部ではニッパツ、オルカが一歩リードする展開に。また残留争いでは大阪が勝点3で離されており苦しい展開に。

2部ではヴィアマが首位を走る。後ろからアンクラスが追う展開に。下位ではディアヴォロッソ、ノルディーアが勝点を積み重ねられず厳しい状況に。

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