見出し画像

2023なでしこリーグ1部第15節・2部第14節レビュー

今節の試合結果


試合レビュー

朝日インテックラブリッジ名古屋 VS オルカ鴨川FC

前節の勝利で首位に立った名古屋は2位オルカとの直接対決に挑んだ。ペースを掴んだのは首位の名古屋。神谷を中心にオルカゴールを脅かす。しかしゴールはなかなか生まれず前半を終盤となった42分、左サイドで抜け出した長谷川のクロスボールが逆サイドまで流れると、そこに走りこんだのは高島。ライナー性のシュートが決まり名古屋が先制に成功する。これにより前半をリードして折り返した名古屋だったが後半反撃に出たオルカは59分、中盤でボールを回収すると左サイドから河野のクロスボールがゴールに向かっていく。これが名古屋GK三田の手を掠め直接決まりオルカが同点に追いつく。追いつかれた名古屋だったが73分、右サイドでフリーになった平尾のクロスを神谷が合わせ勝ち越す。しかし、歓喜もつかの間の1分後、前線からのプレスでボールを回収すると齊藤が鈴木にスルーパス。GKとの1対1を鈴木は冷静に決めてまたしても同点に。そしてこのまま勢いはオルカへ。87分、左サイドから山田のロングボールを兼重が前でいち早く触りゴール。オルカが遂に逆転に成功する。このままいけば首位となるオルカだったがアディショナルタイム。パワープレーに出る名古屋はクロスのこぼれ球を回収すると瀬倉がヘディングで反らしそこへ走りこんだ神谷が押し込んで土壇場で同点に追いつく。そしてここで試合終了。どちらにも勝利の可能性があっただけに両チーム勝点を落とした試合となった。


 スペランツァ大阪 VS 愛媛FCレディース

最下位を脱出した大阪。一方の愛媛としてはここで敗れると一気に残留争いの真っただ中となってしまうだけになんとか勝利した。立ち上がりは一進一退の攻防が続くものの次第に大阪がチャンスを作ると30分、増田が中野とのパス交換から放ったシュートが決まり大阪がリードを奪う。そしてそのまま前半を1点リードで終えると後半は両チームシュートシーンが増える。大阪は浜田が愛媛は田子、久保田を中心にゴールを狙うと69分、セカンドボールを回収し浜田が放ったシュートが決まり大阪が追加点を獲得。一気に苦しい展開となった愛媛は84分に田上のクロスを今蔵が合わせて1点を返すが反撃をここまで。残留へ向けて大事な一戦はホームの大阪が2-1で逃げ切り今季初の連勝で順位でも愛媛を抜いた。これにより愛媛は一気に残留争いに巻き込まれてしまった。


大和シルフィード VS バニーズ群馬FCホワイトスター

7試合勝ちなしが続いているシルフィードがバニーズを迎えての一戦。試合は立ち上がり早々の4分、バニーズは前線からプレスをかけると中途半端になったボールを高橋が回収しそのまま持ち込みシュート。これが決まりアウェイのバニーズが先制する。先制を許したシルフィードも34分、ペナルティアークでの混戦から根府が右サイドでフリーになっていた幸嶋へパスを送る。受けた幸嶋が放ったシュートが決まりシルフィードが同点に追いつく。前半を1-1の同点で後半に折り返す。そして56分、カウンターからバニーズの選手が駆け上がると、左サイドの後藤のクロスをファーサイドで大矢が合わせてバニーズが勝ち越す。さらに63分には敵陣でもらったFKをゴール前まで供給すると混戦のなか塩谷が押し込んでバニーズがリードを2点に広げる。止まらないバニーズは76分、高橋のポストプレーからパスを受けた塩谷が自らドリブルで持ち込みシュート。これが決まって4-1とする。後半の一方的な展開に耐えられなかったシルフィード。大事な一戦を落とし最下位になってしまった。


ASハリマアルビオン VS 日体大SMG横浜

連敗が3に伸びたハリマと3戦引き分け中の日体大の一戦。前半攻勢に出たのはアウェイの日体大。前線の北沢と森田がハリマゴールを狙いに行くと実ったのは45分。右サイドに供給されたボールを競り勝った渡部がドリブルで運び中に入れると受けた森田が相手をかわしてシュート。これがネットに突き刺さり日体大が前半終了間際に先制する。前半良いところが少なかったハリマだが後半は一転して攻勢に。足が止まり始めた日体大の選手達から何としてでも追いつこうと気迫を見せるが点が遠い。その中迎えた89分、自陣からのFKでロングボールを供給すると日体大DFは必至にクリアするがセカンドボールを回収して攻めるハリマ。最後はクリアボールを武田がダイレクトでシュートを放つ。これが綺麗に決まり終了間際にハリマが同点に追いつく。あと少しが守れなかった日体大。この失点により1-1の引き分けとなった。


スフィーダ世田谷FC VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

3000人を超える大観衆の中行われた一戦。8戦負けなしのスフィーダが首位返り咲きを狙うニッパツを迎えた。前半主導権を握ったのはアウェイのニッパツ。得点ランキングトップの片山を中心にスフィーダゴールに迫る。中盤となった30分、ニッパツはFKを獲得するとキッカー渡部のキックを中居が頭で合わせて貴重な先制点を奪う。対するスフィーダは前半シュート2本と苦しい展開。後半の巻き返しに期待がかかる中、後半はオープンな展開に。スフィーダも次第にシュートシーンが増えていくもののニッパツの守備を崩さず。追加点を取って落ち着きたいニッパツも大胆な攻撃は仕掛けられず一進一退のまま後半終了。前半の1点を守り抜いたニッパツがスフィーダを破り首位に返り咲いた。


伊賀FCくノ一三重 VS 静岡SSUボニータ

中断前最後の試合となる伊賀。好調をキープしながら中断期間に入れるかがかかった一戦。試合は開始早々に動く。4分、中央で宮迫がハイボールを送ると森がヘディングでつなぎ平田が左足で合わせて幸先良く伊賀が先制に成功する。立ち上がりに失点してしまった静岡はその後は集中した守りで追加点は許さない。攻撃では日野、上柳が打開を試みるも伊賀のDFの前にチャンスが作れない。前半も終盤となった45分、右最後を突破した上柳のパスを受けた日野。日野の絶妙なパスに反応した服部が放ったシュートが決まった前半のうちに静岡が同点に追いつく。1-1で後半に入ると両チーム一歩も譲らない展開に。暑さの影響もあり足が止まってくる選手が増える中で徐々に静岡がシュートシーンを増やすもゴールには結びつかず。両チーム途中交代の選手が流れを変えようとするも堅い守備を打ち崩すことはできずに試合終了。中断前最後の試合は1-1のドローに終わった。伊賀としては優勝へ向けて痛い引き分けに。


ノルディーア北海道 VS JFAアカデミー福島

前節ディアヴォロッソとの直接対決に勝利し最下位を脱出したノルディーア。対する福島は優勝へ向けて勝ってヴィアマに圧力をかけたい。戦前の良そう通り最初のチャンスは福島。18分、名木野の今季初ゴールで先制する。福島はその勢いのまま35分に原のゴールで追加点を奪い前半を2点リードで折り返す。後半に入っても流れを福島に。67分に谷川のゴールで点差を3点に広げると70分には古賀が決めて4-0。81分には松井のダメ押しゴールで5点目をあげて勝利を確定させる。ホールのノルディーアも90分に鈴木のゴールで一矢報いるものの結果は変わらず。アウェイの福島が5得点の大勝で6連勝とし首位ヴィアマの後ろをつける。対するノルディーアは今季初の連勝とはならなかった。


ディアヴォロッソ広島 VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

前節ノルディーアに敗れ最下位に転落してしまったディアヴォロッソが連勝中の吉備国大を迎えての一戦。試合は立ち上がり早々に動く。5分、古谷のゴールでアウェイの吉備国大が先制に成功する。試合の入りが悪くなってしまったディアヴォロッソ。前半は吉備国大のペースで進む。追加点を狙う吉備国大に対しこれ以上失点は許されないディアヴォロッソはチャンスを作られるもののゴールは割られず前半を0-1で折り返す。後半に入ると次第に展開は落ち着いてくる。ボールを支配するのは吉備国大だがリードしていることもあり積極的な攻撃がみられない。流れを変えたいディアヴォロッソだがシュートシーンを作ることはできず選手交代を交えながら流れを離さない吉備国大の前に手が打てず。結局後半はシュートを1本も打つことができず試合終了。再開脱出を狙った一戦だったがアウェイの吉備国大がウノゼロで勝利3連勝とした。


FCふじざくら山梨 VS ヴィアマテラス宮崎

ホームゲームで最多の900人超えの観客が集まった一戦。試合は立ち上がりから動く。13分、井原がペナルティエリア内で倒されPKを獲得すると自身がそのままそのPKを決めて山梨が先制する。ヴィアマとしては5節のつくば戦以来のリードを許す展開に。しかしその後はヴィアマのペースに。圧倒的な攻撃力を持つ相手に対しギリギリの所で守る山梨。前半をそのまま1点リードで後半に入ると益々ヴィアマの攻撃が強くなる。それでも崩されなかった山梨は終盤までリードを守り抜いた。しかし今季無敗のヴィアマは87分、西山のゴールで漸く同点に追いつき試合終了。勝利を逃した形になった山梨だがこの試合の出来は大きい。


ヴィアティン三重レディース VS 福岡J・アンクラス

ホームで今季無敗の三重が後半戦失速しているアンクラスを迎えての一戦。試合は両チーム堅い展開に。三重がボールを支配するシーンが多いものの連携ミスも目立ち思うように攻撃がつながらない。対するアンクラスは課題となる得点力不足がこの試合でも露呈しシュートシーンが少ない前半に。両チーム得点が奪えずハーフタイムを迎えると選手交代を行い後半の巻き返しを図る。しかし、37度を超える暑さの影響か思うように動きができない選手が目立ち始めシュートシーンもさらに減少。交代枠をフル活用しなんとか1点を狙いに行くもゴールは遠くこのまま試合終了に。結局スコアレスドローとなり三重としてはホームの無敗を7に伸ばしたがアンクラスは5戦勝ちなしとなってしまった。


岡山湯郷Belle VS つくばFCレディース

4連勝中で逆転優勝を狙う湯郷がホームにつくばを迎えての一戦。最初にチャンスを掴んだのはつくば。14分、内藤のゴールで先制点を奪うと32分には野沢のゴールで点差を広げる。2点リードされた湯郷だったが直後の34分に木須が1点を返すと反撃開始。36分に山田のゴールであっという間に同点とすると前半終了間際の45分に横山のゴールで逆転に成功する。2点のリードをひっくり返されたつくばとしてはこれ以上の失点は避けたかったものの湯郷の攻撃は止まらず。52分に横山が2点目を決めて点差を広げると64分にまたしても横山がハットトリックを達成し5-2とする。横山はこれで今季20ゴール目となり得点ランキング首位に立った。つくばは後半シュートを1本も打つことができず力負け。立ち上がりこそリードを許し苦しい展開だったものの自力の差を見せつけ5得点で大勝した湯郷。連勝を5に伸ばし中断期間に突入した。


今節のMVP

神谷千菜(朝日インテックラブリッジ名古屋)

1点目は勝ち越しゴール、2点目は試合終了間際の同点ゴールと苦しい中で2ゴール。首位からは陥落してしまったものの貴重な勝点1を死守した。

横山久美(岡山湯郷Belle)

2点リードされる苦しい展開の中で追いつき逆転ゴールを決める。さらにそこから2点を追加しハットトリックを達成。今季20ゴールとなった。


得点ランキング

1部では2ゴールをあげた神谷が11ゴールで首位に。2位に片山がゴール10ゴール。3位に内田が9ゴールで後をつける。

2部では横山がハットトリックにより齊藤がを抜いて20ゴールで首位に立った。


アシストランキング

首位は5アシストで室井。2位に4アシストで6名が追う混戦模様。


JWCRランキング

今節の結果なでしこリーグのチームでは、大阪が2ランクアップ。スフィーダ、ヴィアマ、アンクラスが2ランクダウンした。


順位表

1部ではニッパツが首位に返り咲き。4位の伊賀までが勝点5差と混戦状態。下位ではシルフィードが最下位に。9位の静岡以下が残留争いとなっている。

2部ではヴィアマが首位だが福島が勝点4差まで迫る。3位の湯郷が残り4試合で追い抜けるか。下位ではノルディーアとディアヴォロッソが入替戦回避に向けて争っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?