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2023なでしこリーグ1部第20節・2部第15節レビュー


今節の対戦カード


試合レビュー

愛媛FCレディース VS オルカ鴨川FC

残留を決定的とした愛媛とこのまま優勝を狙うオルカの一戦。試合は立ち上がりの7分、前線からのチェイスでボールを奪った近藤がそのままゴールを奪いアウェイのオルカが幸先よく先制する。立ち上がりに失点してしまった愛媛だったが、その後は落ち着いて首位オルカ相手に対等の試合展開となっていく。オルカも追加点を奪うことはできずに前半は1-0で終える。後半に入ってもチャンスを多く作るのはオルカ。61分、近藤からのパスを鈴木が受けラストパス。これを受けた齊藤が落ち着いて流し込みオルカが追加点を奪う。2点のリードで苦しい展開となった愛媛だったがオルカの巧みなボール回しに翻弄されマイボールにできない時間が続く。シュートまで持ち込むことができずもどかしい時間が最後まで続いて試合終了。首位のオルカが2-0でしっかりと勝ち切って首位をキープ。愛媛は3連勝とはならなかった。


 静岡SSUボニータ VS バニーズ群馬FCホワイトスター

残留へ向けてホームで勝点を積み上げたい静岡は一足先に残留を決定的にしたバニーズ迎えての一戦。試合は両チームが中盤での主導権の握りあいの展開が続く中で迎えた29分、静岡の彦坂とバニーズの山口が接触により共に負傷交代となってしまう。前半をアクシデントがありながらも両チームスコアレスで折り返すと後半に入り59分、静岡は一気に3枚替えを行い勝負に出る。しかしなかなかチャンスを活かすことができずに時間だけが過ぎていく。勝点1でも良いバニーズは焦ることなく着実に時間を進めながらも静岡ゴールに迫る。しかし最後まで両チームゴールを奪うことができずにタイムアップ。結果的にスコアレスドローとなったこの試合。静岡としたは残留へ向けていたい引き分けとなってしまった。


朝日インテックラブリッジ名古屋 VS 大和シルフィード

優勝へ向けて後がない名古屋と残留へ向けて後がないシルフィードの一戦。ペースを握ったのはホームの名古屋。得点ランクトップの神谷を中心にシルフィードゴールに迫ると32分、髙島のスローインを受けた神谷がドリブルで持ち運んでパス。受けた市原がゴール中央から振り抜いたシュートが決まってホームの名古屋が先制に成功する。前半から攻勢を強めていた名古屋が1-0でリードして後半に折り返す。しかし後半に入ると名古屋の攻撃が徐々にシルフィードに抑え込まれ一進一退の展開に。なんとしても勝点が欲しいシルフィードだったがなかなか名古屋の壁を割ることができない。それでも諦めなかったシルフィードは後半アディショナルタイム、右サイドの根府のクロスを山本がヘディングシュート。これが決まって土壇場でシルフィードが追いつく。逃げ切りに失敗した名古屋、優勝へ向けて勝点2を失う形となってしまった。対するシルフィードは勝利は出来なかったものの次につなげたい勝点1となった。


スペランツァ大阪 VS ASハリマアルビオン

あと1つ勝てば残留に王手のかかる大阪がハリマを迎えての一戦。最初のチャンスを制したのは11分の大阪、ハイボールで支配し攻め上がると中野のパスを受けた深澤が落ち着いて決めて先制する。その後もリードを守りながらも追加点を狙う大阪に対してハリマはなかなか攻撃の持ち味を出せない時間が続く。前半を大阪の1点リードで折り返すと57分、深澤のシュートをハリマGK竹下がセーブするもこぼれ球を浜田が押し込んで大阪が追加点。勝利を一気に近づけたのもつかの間の70分、ハリマの山岸がバーに弾かれたボールを押し込んで1点を返すと80分には山岸のハイボールが相手DFに当たってゴールに入りオウンゴールという形でハリマが2点差を追いつく。勝利から一転して追いつかれてしまった大阪は勝ち越しを狙いに攻めるも得点には至らずに試合終了。2点差を追いついたハリマが勝点1を拾う。大阪はリードをしていたものの守り切れずに勝点2を落としてしまった。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS 日体大SMG横浜

残り3試合。ここで勝って首位オルカとの差を詰めたいニッパツは日体大との横浜ダービー。最初のチャンスは18分の日体大、右サイドを突破した金子のクロスを北沢が合わせて日体大が先制するとニッパツも26分、スルーパスを受けた片山のゴールで同点に追いつく。しかし追いつかれた日体大は38分、北沢の今日2点目で勝ち越しに成功する。このまま前半を日体大が1点リードで折り返すと後半開始早々の46分、知久のシュートのこぼれ球を篠田が決めて日体大がリードを広げる。逆転には3点が必要となったニッパツは76分、河野のゴールで点差を1に縮める。しかしわずか1分後の77分、CKの流れから田村にゴールを決められ2-4。ここで気落ちしてしまったか85分に北沢がハットトリックとなるチーム5点目を決め、アディショナルタイムに寺尾がダメ押しゴールで勝負あり。横浜ダービーは6-2で日体大が勝利。敗れたニッパツは優勝へ向けて絶望的な結果となった。


スフィーダ世田谷FC VS 伊賀FCくノ一三重

少しでも上の順位へ向けてスフィーダが優勝の可能性を残す伊賀との対戦。試合はホームのスフィーダが攻め続ける。大竹、新堀を中心に伊賀ゴールに迫るもののネットを揺らすことができない。耐える伊賀は少ないチャンスを活かそうとするも得点には結びつかず前半は0-0で折り返す。後半に入ると徐々に伊賀がペースを掴み始める。攻め疲れが見え始めた75分過ぎは伊賀が押し込む時間を増やすもゴールにつながらない。どちらも得点が欲しい試合であったが最後までゴールは生まれずに試合終了。上位同士の一戦はスコアレスドローに終わり、伊賀としては優勝の可能性はほぼなくなってしまった。スフィーダとしては多くのサポーターの前で勝利できず連勝は3で止まった。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS JFAアカデミー福島

優勝の可能性をの残している福島はアウェイで吉備国大と対戦。試合は両チーム前半から積極的に攻め上がる。その中で迎えた29分、西村のゴールでホームの吉備国大が先制点を奪う。対する福島も32分、林のゴールで1-1の同点に追いつく。前半を両チーム1-1で折り返すと福島はハーフタイムに2枚替えを行い戦況の打開を図る。しかし勝ち越しに成功したのはホームの吉備国大。76分、途中出場の西山のゴールでリードを奪うとそのまま逃げ切りに入る。後半も終盤に差し掛かり前掛かりになる福島。なんとか耐えていた吉備国大だったが後半アディショナルタイム、樋口のゴールで福島が土壇場で追いつく。そしてこのまま試合は終了し勝利の欲しかった福島だったがなんとか勝点1を拾う形となった。


つくばFCレディース VS FCふじざくら山梨

サマーブレイク明けの最初の試合となった両チーム。前半のペースはアウェイの山梨。少しずつボールを保持する時間を増やしていくとつくばゴールに迫る。しかしなかなか決定機は作れず前半を両チームスコアレスで折り返すと後半は一進一退の時間が続く。なかなかシュートまで持ち込むことのできない両チームだったが迎えた79分、山梨は72分に交代出場した菅のゴールで貴重な先制点を獲得する。リードを奪った山梨はその後も試合を落ち着いて進めこの1点を守り抜く。追いつきたいつくばではあったが、シュートもなかなか打てずに試合終了。拮抗したこの試合はアウェイの山梨が1-0で勝利した。


ヴィアマテラス宮崎 VS ノルディーア北海道

勝てば湯郷の結果次第では2位以上が決まるヴィアマが入替戦回避のため最少失点で抑えたいノルディーアを迎えての一戦。立ち上がり3分、嘉数のゴールで幸先良くヴィアマが先制すると9分にはまたしても嘉数のゴールで追加点。勢いの止まらないヴィアマは14分に齊藤、40分に有馬のゴールで前半に4得点。後半に入っても勢いの落ちないヴィアマは66分に福丸、81分に岡野のゴールで6点目。84分とアディショナルタイムにもゴールを積み重ねて8-0の圧勝。ノルディーアとしてはシュートを1本も打つことができず力負け。ディアヴォロッソとの残留争いでも得失点差-8を作ってしまったのは痛い敗戦となった。1161人の観衆の前で勝利したヴィアマ、次節にも優勝の可能性が出てきた。


ヴィアティン三重レディース VS 岡山湯郷Belle

逆転での昇格に向けて負けられない湯郷はアウェイ戦となった。前半から攻勢を強める湯郷であったが少ないチャンスを活かした三重は26分、桑原のゴールで先制点を奪う。リードされた湯郷は得点ランクトップの横山を中心に三重ゴールに迫るが得点には至らない。前半は三重が1点リードで折り返すと後半に入って52分、桑原の今日2点目が決まって点差を広げる三重。攻めながらも苦しい展開となった湯郷は意地を見せる。73分、新谷のゴールで点差を1点に迫ると終盤の88分、横山の今季21ゴール目が決まって土壇場で同点に追いついた湯郷。それでも昇格へは勝点3が必要な状況は変わらず、逆点に向けて攻め続ける。しかし時間が足りずに試合終了。2点差を守り抜くことができなかった三重としては残念な結果に。湯郷としても2位福島との差を縮めることができなかった。


福岡J・アンクラス VS ディアヴォロッソ広島

今季まだ11得点と順位の割に得点力不足が露呈しているアンクラス。さらに上を目指すには得点が必要となる。対するディアヴォロッソはここで勝点を獲得しノルディーアより上に立ちたい。前半は両チーム様子見の展開が続く。試合のリズムを作るのはホームのアンクラスだがシュートまでは持ち込めない時間が続く。前半はこれといった決定機を作ることができずにスコアレスで折り返す。後半に入ってもなかなか得点が生まれなかったなかでの65分、柳田のゴールでアンクラスが均衡を破る。リードしたアンクラスは持前の堅守でディアヴォロッソの攻撃陣をシャットアウトし試合終了。1点のリードを守ったアンクラスが6試合ぶりの勝利を手にした。対するディアヴォロッソは得点を奪えず勝点を積み上げられなかった。


今節のMVP

北沢 明未(日体大SMG横浜)

ハットトリックの大活躍で勝利に貢献した。得点数も二桁に達し3位タイとなった。

桑原 舞音(ヴィアティン三重レディース)

強豪湯郷相手に2得点の活躍。チームはリードを守れず引き分けに終わったものの存在感を示した。


得点ランキング

1部では神谷が14ゴールで首位。2位に片山が12ゴール。3位に11ゴールで鈴木、北沢となっている。

2部では横山が首位の21ゴール。齊藤が19ゴールで追う展開に。


アシストランキング

三本が首位の7アシストで抜け出す。2位に鈴木、中野、室井、江﨑、渡部の5名が追う展開。


JWCRランキング

今節の結果なでしこリーグのチームでは若干の変動があったが大きな増減はなし。


順位表

1部ではオルカが首位を走る。2位ニッパツとは勝点4差で優位に立った。

2部ではヴィアマが次節にも優勝を決定する可能性がある。

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