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2023なでしこリーグ1部第9節・2部第7節レビュー

今節の対戦カード


試合レビュー

愛媛FCレディース VS バニーズ群馬FCホワイトスター

早く下位から抜け出した両チームの一戦。前節負傷交代した愛媛の田子はスタメンに入った。試合は両チーム堅い立ち上がり。雨という天候もありロングボールを多用した展開で進む前半。チャンスは互いにあるものの決定機までとはいかずに前半をスコアレスで折り返すと後半に両チーム動く。60分、愛媛、バニーズともに選手交代を行うと直後の61分。相手DFのクリアを塩谷がトラップするとゴール前に放り込んだボールがGKの上を超え直接ネットに吸い込まれる。これでバニーズが先制すると直後の66分。田子が裏に抜け出しボールを受けドリブル開始。そのままフリーの桜井にパス。桜井のループシュートはポストに当たり跳ね返ると相手DFのクリアが中途半端に。大きく上がったボールを横山が頭で押し込み愛媛が同点に追いつく。その後は共にチャンスを物にできず試合終了。1-1で勝点1を分け合う形となった。


 大和シルフィード VS 日体大SMG横浜

J1リーグとのWヘッダーとして行われた今節のゲーム。シルフィードとしてはここで勝利を掴みリピーターを増やしたい。その強い気持ちもあってかスコアが動く。10分、幸嶋のヘディングを下山田が合わせシルフィードが先制する。しかし喜びの最中の11分、日体大は高原のゴールですぐさま同点に追いつく。一瞬の緩みから同点にされたシルフィード。その後は日体大の攻撃を受ける展開が続くもなんとか前半を1-1で折り返す。反撃に出たい後半だったが55分、北沢が相手のクリアミスからゴールを決め日体大が逆転すると67分には金子のPKで3-1。勢いは止まらず74分には森田のヘディングゴールで追加点を奪うと80分に金子が今日2点目となるダメ押しゴールで5-1。なんとか一矢報いたいシルフィードだったが2点目は奪えず試合終了。Wヘッダーを1-5と敗戦してしまったシルフィード。観客も373人と興行としても痛かった。


オルカ鴨川FC VS スペランツァ大阪

前節敗戦を2で止めたオルカがホームに大阪を迎えての一戦。チャンスを作るのはホームのオルカ。スタメン復帰したハンナディアス、鈴木の二人を中心にオルカゴールに迫るがなかなか点が奪えない。2人とも前半だけで4本ずつシュートを放つが大阪のマークに苦しむ。守備を徹底している大阪は相手のストロングポイントをしっかりと抑え前半をスコアレスで折り返す。後半に入るとオルカも持ち味が消え始めシュートシーンも作れない展開に。61分にはマークに苦しんだハンナディアスを下げて打開を図るが効果は出ず。大阪も攻撃に人数を割くことができず両チーム停滞状況に。しかし、73分に均衡が崩れる。ハーフタイムに交代した近藤がCKの流れからゴールを決め待望の先制点を獲得。リードしたオルカは無理に攻めようとせずそのまま時間が経過しタイムアップ。後半唯一のシュートが決まったオルカが白星を飾った。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS 静岡SSUボニータ

前節こそ引き分けに終わったものの首位を走るニッパツが相性の良い静岡を迎えての一戦。ニッパツの強力な攻撃陣に手を焼く静岡DF。再三チャンスを作られるがぎりぎりのところで粘る。しかし捉えたのはニッパツ片山。39分、右からのクロスを竹ノ谷が頭でつなぎ片山が決めて先制する。1点リードで前半を終えたニッパツ。後半に入ると反撃に出る静岡は早々の47分。ハーフタイムに2枚替えをした効果がすぐに表れ、中盤でパスを繋いでいくと服部のラストパスを受けた山本のゴールで同点に追いつく。立ち上がりに崩されたニッパツも黙ってはいない。71分、スローインから室井がセンタリングを上げると中で蔵田が合わせ勝ち越し。首位を走るニッパツが再びリードする展開になると追いつきたい静岡だったが二度もやられないニッパツ。落ち着いた守備でピンチをしのぎ試合終了。2-1でニッパツが勝利し首位キープ。


伊賀FCくノ一三重 VS ASハリマアルビオン

上を目指すために勝利が絶対に欲しい両チーム。前半は伊賀の村上、藤田が積極的にボールに絡みチャンスを作りだす。しかしゴールは生まれず対するハリマもチャンスをなかなか作れず前半をスコアレスで折り返す。後半に入ると伊賀にチャンスが。54分、蔵田が裏に抜け出して決定機を迎えるとハリマGK原田が飛び出す。原田は蔵田をエリア外で倒してしまい決定機阻止としてレッドカードで退場に。今季初出場の原田だったが空回りしたか人数の少なくなったハリマ。しかしそのFKは伊賀が活かすことができず。その後は1人少ないハリマは守備に比重を置く状態に。守りに入ったハリマを崩せない伊賀。時間だけが過ぎていきここでタイムアップ。チャンスを作っていた伊賀ではあったがハリマの割り切った戦い方からゴールは奪えずスコアレスドローに終わった。


スフィーダ世田谷FC VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

調子の上がらなかった開幕からのスフィーダ。ここにきて2戦勝利がない名古屋の一戦。試合は両チーム拮抗した戦いから迎えて33分。名古屋はCKを獲得するとキッカー上田のボールを平尾がヘディングで合わせて名古屋が先制する。セットプレー1本でリードを奪った名古屋。後半に入ると反撃に出るのはスフィーダ。名古屋陣地で試合を進める時間が増えてくると迎えた70分、名古屋GK三田のキックを根本が頭で跳ね返すと裏に抜けたボールを新堀がダイレクトで合わせ同点に追いつく。勢いに乗るスフィーダは終盤の88分、カウンターのチャンスを作ると大竹がドリブルで持ち込みラストパス。これを新堀が落ち着いて決めてスフィーダが逆転に成功する。試合はこのまま終了しスフィーダが逆転勝利で勝点を15に伸ばした。


つくばFCレディース VS JFAアカデミー福島

上位に位置するチーム同士の一戦。試合は両チーム拮抗した展開が続く。前線に得点力のある選手を据える両チームだが徹底したマークの前にチャンスをなかなか作れないなか迎えた35分。福島のエース板村の今季5ゴール目が決まり先制に成功する。このまま福島の1点リードで折り返すと、追加点の欲しい福島はハーフタイムに2枚替えで仕掛ける。しかしチャンスを作ったのは57分のつくば。小林が同点ゴールを決めて試合を振り出しに戻す。その後は両チームチャンスを作るもネットを揺らす事が出来ず試合終了。上位直接対決は1-1のドローに終わった。


福岡J・アンクラス VS ノルディーア北海道

上位を追うアンクラスと苦しいチーム事情のノルディーアの一戦。ノルディーアはベンチ0人と今日も厳しい状態で試合に挑んだ。試合を有利に進めるのはホームのアンクラス。引いて守るノルディーア相手にゴール前に迫る展開を多く作るが人数をかけられた守備の前に得点が奪えない。耐えるノルディーアは高い集中力で前半を0-0で折り返すと後半もカウンター狙いを徹底する。しかし耐えられなかったノルディーア。70分、藤山にゴールを決められてしまう。その後カウンターからGKと1対1の場面を作るなど決定機が訪れるが決めきれなかったノルディーア。このまま1-0でアンクラスがホームで勝利を飾った。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS ディアヴォロッソ広島

今季まだ1勝と厳しい状態が続いている吉備国大が3連敗中のディアヴォロッソをホームに迎えての一戦。試合は現在のチーム状況を表す展開に。両チームとも連携ミスもあり前線にボールが運べない。中盤でも支配権をめぐる状態のなか何度かシュートを放つものの決定機にはならない。徐々にディアヴォロッソがセットプレーからチャンスを演出するがゴールには至らず。前半をスコアレスで折り返すと後半はホームの吉備国大の攻撃が増える。65分に2枚替えを行い仕掛けるがなかなか点にはつながらない。終盤の82分にも2枚替えを行うが効果は表れず。最終的に両チームとも点はとれずスコアレスドローで試合を終える。


ヴィアマテラス宮崎 VS FCふじざくら山梨

今季なでしこリーグに参入したチーム同士の同期対決。参入戦ではヴィアマが勝利しており山梨としてはリベンジとなる。試合は首位ヴィアマの展開で進む。立ち上がりから得点ランキングで独走する齊藤が果敢にゴールを狙う。対する山梨はボールを保持することができず苦しい時間が続く。なんとか凌いでいた山梨だが31分、再三シュートを放っていた齊藤に決められ先制を許すと前半はシュートを1本も打てず後半に折り返す。後半に入ってもヴィアマのペースは変わらず、リードされている山梨としては攻めたくても失点を警戒する展開に。最終的には自分たちのペースで試合を進めたヴィアマは追加点こそならなかったものの1-0で山梨相手に勝利。チームも開幕から負けなしの3連勝と首位を走る。対する山梨は3連勝とはならず。


岡山湯郷Belle VS ヴィアティン三重レディース

前節4試合ぶりに黒星を喫した湯郷と前節つくばに2-0で勝利した三重の一戦。試合は立ち上がり4分、髙田のゴールで三重が幸先よく先制する。このまま勢いに乗りたかった三重だったが15分、湯郷は中村のゴールで同点に追いつくと直後の18分に三重は片野田が一発レッドで退場となってしまう。1人少なくなった三重に対し湯郷は畳みかける。23分、同点ゴールを決めた中村が今日2点目となる逆転ゴールを決めると42分に横山が開幕から7試合連続ゴールを決めてリードを2点に広げる。後半に入っても湯郷の有利は変わらず、66分に横山の今日2点目で追加点を挙げると73分に内田のダメ押しゴールで勝負あり。1人少ない三重は少ないチャンスを活かそうとするもゴールにはつながらず試合終了。先制点を奪われた湯郷だったが結局5-1で三重に快勝した。


今節のMVP

新堀 華波(スフィーダ世田谷FC)

試合終盤で2ゴールを記録しチームの逆転勝利に大きく貢献した。得点ランキングでも2位に浮上。

中村 ひかる(岡山湯郷Belle)

開始早々に失点する苦しい立ち上がりだったものの8分間に2得点をあげ逆転。チームもその後もゴールを決め快勝した。


得点ランキング

1部では片山が1ゴールを追加し8ゴールで首位。2ゴールを決めた新堀が2位に浮上した。

2部では齊藤が1ゴール積み上げ14ゴールに。横山も7試合連続ゴールの通算8ゴールで2位。


アシストランキング

室井が1アシストを記録しトップの4アシスト。次点で3アシストで5名が追う。


JWCRランキング

今節の結果なでしこリーグではアンクラスが2ランクアップを記録した。


順位表

1部ではニッパツが2位に勝点4差をつけて首位を走る。残留争いでは勝点7でバニーズ、愛媛、シルフィードが並ぶ。

2部ではヴィアマが勝点17で首位。それを福島、アンクラスが勝点14で追う。ノルディーアは入替戦に近い勝点1にとどまっている。

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