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2023なでしこリーグ1部第14節・2部第13節レビュー

今節の試合結果


試合レビュー

バニーズ群馬FCホワイトスター VS 伊賀FCくノ一三重

前節6試合ぶりに敗戦となったバニーズは切り替えの一戦を優勝を狙う伊賀と行う。試合はホームのバニーズが伊賀の攻撃陣を抑えつつチャンスを伺う展開に。セカンドボールを大島、後藤を中心に回収しシュートシーンを作るがゴールは決まらない。伊賀は前半目立ったチャンスが作れないまま迎えたアディショナルタイム。下條からのクロスボールの競り合いで森がペナルティエリア内で倒されPKを獲得する。前節の愛媛戦でPKを決めてる森のキックはポストに直撃しゴールならず。伊賀はリードを奪えず前半をスコアレスで折り返す。ハーフタイムに伊賀は2枚替えを行い後半に入るが両チームシュートシーンが作れず。選手交代を行いながら打開策を探すも攻略できない。結果的に後半は両チーム1本ずつのシュートに終わり試合終了。炎天下の中の試合はスコアレスドローに終わった。


 愛媛FCレディース VS 大和シルフィード

残留へ向けて大事な下位直接対決。試合のペースを掴んだのはホームの愛媛。田子が積極的にシュートを放つなど守備に不安のあるシルフィードに対し攻勢を強めていく。シルフィードはカウンター、セットプレーを中心に愛媛ゴールを狙う展開に。その中迎えた前半35分、前田が絶妙なスルーパスを送ると走り込んだ田子が飛び出して来たGKもかわして無人のゴールに流し込み愛媛が先制点を奪う。前半を愛媛が1点リードで折り返すと後半最初のチャンスを掴んだのはアウェイのシルフィード。56分、須恵がドリブルで持ち込んで獲得したCK、キッカーの北方のボールを幸嶋が頭で合わせて同点に追いつく。試合が振り出しに戻ると両チーム次第にオープンな展開に。互いに前線の選手を替えて変化をつけるも勝ち越し点は奪えない。試合はこのままタイムアップとなり下位直接対決は1-1の同点に終わった。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS スペランツァ大阪

首位ニッパツと最下位大阪の対照的順位の両チームの一戦。立ち上がりは両チーム拮抗した展開となる。セットプレーからチャンスを演出するのはアウェイの大阪。首位ニッパツ相手に互角の戦いが出来ている。そして前半の37分、増田のCKを小池が頭で合わせてアウェイの大阪が先制する。そしてそのまま前半を1点リードで折り返すと追いつきたいニッパツは攻勢を強める。得点ランキング首位の片山を中心に大阪ゴールを脅かすもゴールとはならない。相手に勢いに飲まれたくない大阪は52分、左サイドで浜田がキープし中野に落とすと、中野のセンタリングを中で上西が合わせ大阪が追加点を奪う。点差を2点に広げられたニッパツは76分に2枚替えを行い勝負に出るが大阪の集中した守りの前にチャンスを決めきれない。30度を超える熱戦はこのままスコア動かず試合終了。アウェイの大阪が首位相手に2-0で勝利し貴重な白星。対するニッパツはホームゲームで敗戦。名古屋の試合結果次第では首位陥落となってしまう。


オルカ鴨川FC VS ASハリマアルビオン

3戦連続引き分け中のオルカと連敗中のハリマの一戦。前半はハリマの藤原が試合のカギを握った。中盤でボールを組み立てると自身も積極的に攻め上がりシュートを放つ。対するオルカは鈴木を中心にハリマゴールを狙うも得点には至らず。前半をスコアレスで折り返すと後半はオルカがチャンスを増やす。62分に2枚替えを行い攻撃にアクセントをつけると、その交代で入ったハンナディアスが起点となって攻撃を組み立てる。しかしスコアは動かずアディショナルタイムに入るとラストプレーの94分。自陣でもらったFKでパワープレーを仕掛けるオルカ。児玉の放ったロングキックはペナルティエリア内まで届き兼重がフリックするとボールはハンナディアスの前へ。これを冷静に押し込みオルカが劇的ゴールで決勝点を獲得。最後まで諦めなかったオルカが4試合ぶりの勝利で勝点3を獲得。対するハリマは痛恨の失点で3連敗となってしまった。


日体大SMG横浜 VS スフィーダ世田谷FC

3試合勝ちなしの日体大が7試合負けなしのスフィーダを迎えての一戦。前半はアウェイのスフィーダがチャンスを演出する。大竹、新堀のFW2枚が日体大ゴールを脅かす。しかしゴール前で体を張って守る日体大の前に得点が奪えず前半はスコアレスで折り返す。後半に入ると展開は一進一退に。しかし最初のチャンスを迎えたのはスフィーダ。47分、大竹が中で張っている新堀につなぎキープした新堀の落としを根本がコントロールシュート。これが綺麗な弧を描きネットに吸い込まれスフィーダが先制する。先制を許した日体大は65分、79分と立て続けに選手交代を行いフレッシュな選手が勝負を仕掛けるも集中したスフィーダのDFの前にゴールを奪えず。試合も終盤に入った83分、ゴールキックからのセカンドボールを回収すると左サイドの森田へパスが通る。フリーになった森田のシュートはDFに当たるもののネットに吸い込まれ同点に追いつく。そして試合はこのまま終了し土壇場で追いついた日体大が勝点1を拾う。追いつかれたスフィーダは勝点2を取りこぼす結果となってしまった。


静岡SSUボニータ VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

前節の勝利を活かし連勝を狙う静岡と今季初の首位を狙う名古屋の一戦。試合は立ち上がり10分、CKを獲得するとショートコーナーで変化をつける。逸見のクロスボールを神谷がヘディング。一度は相手DFに跳ね返されるもののこぼれ球を自ら押し込み名古屋が先制に成功する。早い段階でリードを奪った名古屋はその後落ち着いた試合展開を見せ静岡にチャンスらしいチャンスを作らせない。そのまま前半を1点リードで折り返すと追いつきたい静岡は66分、2枚替えを行い勝負に出る。しかし名古屋の堅いDFを前に得点が奪えず。終盤に入ると時間を上手く使う名古屋。そしてタイムアップの笛がなり、最後までリードを手ばさなかった名古屋が勝利。これによりニッパツを抜いて首位に浮上した。敗れた静岡は今季初の連勝とはならなかった。


岡山湯郷Belle VS FCふじざくら山梨

3連勝中と好調の湯郷は過去2戦とも黒星を喫している山梨相手に初勝利を狙う。試合は立ち上がりから動く。8分、木須のゴールで湯郷が先制点を奪うとその後も攻撃を繰り出す湯郷。エース横山が積極的にゴールを狙いに行くと24分、その横山のゴールで点差を2点に広げる。一方の山梨は湯郷の早い攻撃を前にチャンスが作れず前半はシュートを1本も打つことができなかった。後半に入ってもペースは湯郷。体を張ってなんとか守る山梨は攻撃の時間が作れない。後半こそ失点は防いだ山梨だったがアディショナルタイム、横山に今日2点目となるシーズン17点目を決められ終戦。ホームの湯郷が3-0で完封勝利をあげ4連勝。山梨は失点が減らず3連敗となってしまった。


ノルディーア北海道 VS ディアヴォロッソ広島

入替戦回避に向けて負けられない直接対決。ノルディーアのベンチには先日登録された14歳の橘が入った。試合はホームのノルディーアがペースを掴む。試合が始まって3分、ディアヴォロッソにアクシデント発生。武田が負傷により交代を余儀なくされる。ベンチに2人しか入れていないディアヴォロッソとしては貴重な1枚を開始早々に使うことになってしまった。これでプランが崩れたかノルディーアは榎を中心にディアヴォロッソゴールに襲いかかるがなかなか点が決まらない。前半はノルディーアが一方的に攻める展開となったものの無失点でおさえたディアヴォロッソ。後半に入ると徐々にチャンスを作り始めたディアヴォロッソだったが決定機まではいかず。互いに暑さによる影響もあり足が止まり始めると55分、ノルディーアは14歳の橘を投入し打開を試みる。しかしスコア動かずこのまま試合終了かと追われた82分、鈴木のゴールが決まりノルディーアが待望の先制点を獲得。そしてこのリードを守ったノルディーアが2試合ぶりの勝利。勝点を3積み上げ得失点差でディアヴォロッソを抜き最下位脱出となった。


JFAアカデミー福島 VS つくばFCレディース

4連勝と4連敗という対照的な両チームの一戦は福島が圧倒する展開に。開始5分、谷川のゴールで先制点をあげると12分には花城のゴールで追加点。立ち上がりから2点を奪われたつくばは防戦一方。これ以上失点はしたくなかったが35分に板村に3点目を奪われ早くも勝負をつけられる。後半に入っても流れは福島。62分に松井のゴールで4-0とすると77分に福島のゴールで5点目。対するつくばはシュートさえもまともに打てるチャンスができずアディショナルタイムには板村に今日2点目を決められて終了。ホームの福島が6得点の大勝。守備では5試合連続のクリーンシートを達成し首位ヴィアマを追随する。対するつくばは5連敗と苦しい状況は変わらず。


ヴィアマテラス宮崎 VS ヴィアティン三重レディース

優勝が近づいてきたヴィアマ。この勢いのまま一気に突き進みたいが今節の立ち上がりは三重と互角の戦いに。それでも少しずつチャンスを作っていくと27分、坂田のゴールで先制する。そして34分にはまたしても坂田のゴールで追加点を奪い試合を落ち着かせる。前半をこのまま2点リードで折り返すと後半最初のチャンスを作ったのは三重。51分、髙田のゴールで点差を縮めるとヴィアマの攻撃を受けながらカウンターを狙う三重。そして62分に山口のゴールで同点に追いつく。一転して追いつかれたヴィアマは攻勢を強め再度勝ち越しを狙う。しかし耐える三重の前にゴールが奪えず試合はアディショナルタイムに。このまま試合終了かと思われたが試合を決めたのはヴィアマ。西山の劇的ゴールで勝ち越しに成功し試合終了。一時は同点に追いついた三重だったが最後まで粘ることができず敗戦。勝利したヴィアマは優勝に向けて大きな1勝となった。


福岡J・アンクラス VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

課題の得点力が改善されず順位を落としているアンクラス。連敗を脱するために勝利が欲しかったが先制したのは吉備国大。14分、加戸のゴールでリードを奪う。先制出来たこともあり優位に試合を進める吉備国大。追いつきたいアンクラスだがなかなかゴールは奪えない。前半をこのまま0-1で後半に入ると、64分には吉備国大が67分にはアンクラスが共に2枚替えを行うと72分、入ったばかりの三浦のゴールが決まり吉備国大が追加点を奪う。厳しい展開となったアンクラスだったが直後の77分、柳田のゴールでアンクラスが反撃を狼煙を上げるも一足遅く。このままリードを守り切った吉備国大が2-1で勝利した。


今節のMVP

ハンナディアス(オルカ鴨川FC)

途中出場ながらラストプレーでの劇的決勝点によりチームの勝利に大きく貢献した。

西山裕香(ヴィアマテラス宮崎)

2-2の同点で迎えた後半アディショナルタイムに勝負を決定つける勝ち越しゴール。チームも首位をキープし昇格が目の前に迫った。


得点ランキング

1部では片山がゴールが10ゴールで首位。2位に内田、神谷が9ゴールで後をつけ、4位に8ゴールで新堀となっている。

2部では齊藤が18ゴールでトップだが今節もゴールを決めた横山が1ゴール差で迫る。


アシストランキング

首位は5アシストで室井。2位に4アシストで浦島、北方、江﨑が追う展開。


JWCRランキング

今節の結果なでしこリーグのチームでは、オルカ、吉備国大が2ランクアップした。


順位表

1部では名古屋がニッパツを抜いて首位に立った。4位伊賀までは勝点3差の接戦。

2部ではヴィアマが首位を走る。アンクラスは今節の敗戦により2位以内が厳しくなった。

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