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2024なでしこリーグ1部第7節・2部7節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

愛媛FCレディース VS ヴィアマテラス宮崎

初対戦となる両チーム。愛媛はヴィアマの連勝記録を止めにかかる。試合は前半12分、CKを獲得した愛媛は筬島のキックに村上が頭で合わせて無敗のヴィアマ相手に先制点を奪う。さらに勢い乗る愛媛は21分、またしても筬島のCKを村上が合わせると最後は横山が詰めてリードを2点に広げる。珍しく連続失点を喫したヴィアマは前半なかなかチャンスを活かすことが出来ずに苦戦。このまま愛媛が2点リードで前半を折り返す。勝負の後半となったヴィアマはここから強さを見せる。52分、FKからチャンスを作ると最後は混戦の中で松田が決めて1点を返す。ここから猛攻を見せるヴィアマは60分にPKを獲得するとキャプテンの嘉数がこれをしっかりと決めきり同点に追いつく。こうなると試合のペースは完全にヴィアマに。しのぐ展開が続いていた愛媛だったが74分、ゴール前での混戦から最後はエースの齊藤が決めきりヴィアマが2点差をひっくり返す。リードしたヴィアマはしっかりと試合を締めてタイムアップ。決して後半チャンスがなかったわけではないものの決めきることが出来ず惜しくも勝利を逃してしまった愛媛。一方のヴィアマは前半苦戦しながらもしっかりと勝利をつかみ取った。


バニーズ群馬FCホワイトスター VS スペランツァ大阪

開幕からの未勝利が続いているバニーズが復調のきっかけを掴もうとしているスペランツァを迎えた。先制したのはアウェイのスペランツァ。28分、谷口が左サイドから大きく逆サイドへ展開すると裏に走っていた左子へ通る。左子はそのままワントラップしネットを揺らしてスペランツァがリードを奪う。しかしホームのバニーズも34分、FKから相手ゴール前にボールを供給すると混戦に。それでも最後はクリアボールを高橋が一振り。ボールはDF陣の間を通ってネットを揺らしバニーズが早々に同点に追いつく。さらにバニーズは41分、スルーパスに反応した塩谷がペナルティエリア内でスペランツァGK井上に倒されPKを獲得する。キッカーの大矢はこれをしっかりと決めてバニーズが前半のうちに逆転に成功する。リードして後半を迎えたバニーズは次第に守備の時間が増える。スペランツァは74分に一気に3枚替えを行い勝負に出ると83分、深澤のCKを大田がヘディングでつなぐと最後は南山が頭で押し込みスペランツァが試合終盤で同点に追いつく。またしても勝利を逃してしまったバニーズ。このまま試合は2-2で終了し引き分けとなった。


日体大SMG横浜 VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

前節初黒星を喫しリスタートの一戦となる日体大は開始早々の3分、裏に抜け出した窓岩がエリア内で倒されてPKを獲得する。キッカーは渡部。これを豪快に決めて日体大が幸先良い先制点を獲得する。リードを許した名古屋だったが17分、今度は長谷川がエリア内で倒され名古屋がPKを獲得する。キッカーの江﨑が日体大GK服部の逆を突き同点に追いつく。さらに前半アディショナルタイム。日体大のゴールキックを市原が跳ね返すとボールは相手DFの裏へ。そこに走り勝った江﨑がGKの位置を見てループシュート。これが決まり名古屋が逆転に成功する。一転して追いかける展開となった日体大はハーフタイムに吉川を投入。しかし思ったような攻撃を展開することが出来ず後半は中盤でのボール支配争いとなる。リードしている名古屋は64分、79分と選手交代を行い選手の疲労を考慮。最後まで逃げ切りを図る。追いつきたい日体大は90分にパワープレーを仕掛ける交代を行ったものの結果は出ず試合終了。前半のうちに逆転した名古屋が2-1で競り勝ち3連勝。一方の日体大は連敗となってしまった。


伊賀FCくノ一三重 VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

厳しい状況の続く伊賀が好調のニッパツを迎えてのホームゲーム。エースの河野が欠場のニッパツだが試合は前半の3分、權野がペナルティエリア内で倒されニッパツがPKを獲得する。權野は自らこのPKを決めてニッパツが先制する。先制パンチを食らった伊賀だったがその後は試合を落ち着かせてチャンスを演出する。司令塔の平田を中心に伊賀ゴールを脅かすものの得点が奪えず前半はニッパツがPKの1点を守り抜いて後半を迎える。後半はともにオープンな試合展開となりシュートシーンを多く作り出すもののゴールに結びつかない。このまま試合が終盤に入ると86分、奈良のCKをニアサイドでクリアしきれず抜けたボールを新井が頭で押し込みニッパツが勝利を大きく近づける追加点を奪う。残り時間の少ない伊賀は前線に枚数を増やしリスクをかけた攻撃を行う。それでも跳ね返すニッパツDFは耐えると95分、伊賀GK後藤の蹴ったボールが南條の足元へ。南條はそのままドリブルで持ち運び無人のゴールにしっかりときめてダメ押し点。ニッパツが3-0で伊賀に快勝し4連勝。一方の伊賀は苦しい5戦勝ちなしとなった。


スフィーダ世田谷FC VS オルカ鴨川FC

上位進出へ負けられない両チームの一戦は開始4分、松尾の裏へのボールに反応した浦部がしっかりと決めてオルカが先制して始まる。しかしホームのスフィーダも10分、柏原からのパスを受けた金子がテクニックで相手を交わしてボレーシュート。これがゴラッソとなりスフィーダが同点に追いつく。それでもオルカは32分、高村のクロスに相手DFの前で浦部が触るとこれが決まってオルカが勝ち越しに成功する。浦部は今日2ゴール目となった。このままオルカが前半を1点リードで折り返すと、ハーフタイムに田口、福永を投入したスフィーダ。この交代が的中したのは58分、左サイドで藤原がクロスを上げるとファーサイドでフリーになった金子が折り返し、これに反応した途中交代の田口が合わせてスフィーダが再度試合を振り出しに戻す。その後は両チームチャンスを演出することはできるもののスコアを動かすことはできずに試合終了。負けられない一戦はスフィーダが2度追いつく形で引き分けの痛み分けとなった。


ASハリマアルビオン VS 静岡SSUボニータ

降格が少しづつちらつき始めた6連敗中のハリマ。前節4失点を喫したボニータを迎えての一戦。試合開始早々の6分、中盤でボールを奪うと阪中が前線にロングボールを供給。それに反応した山岸が走りこみながら頭で合わせてハリマが先制に成功する。立ち上がりにリードを奪ったハリマが落ち着いた試合運びでボニータにチャンスを作らせず前半を1点リードで折り返す。反撃を狙うボニータはハーフタイムに中島、土屋を投入し積極的な攻めの姿勢を見せる。後半は徐々にハリマゴールを脅かすシーンが増えてきたものの迎えた71分、中央を上手く崩したハリマはエースの千葉が今季初ゴールを決めて2点差にする。このリードが大きかったハリマはその後のボニータの攻撃を守りきり試合終了。2-0で勝ち切り今季初白星を手にした。


つくばFCレディース VS SEISA OSA レイア湘南FC

福島相手に力の差を見せつけられたつくばが湘南との初対戦に挑んだ。この試合安定した守備をみせたつくばは前節の教訓を活かす。一方の湘南はつくばの守備の前に攻めあぐねる時間が続く前半。両チームとも決定機は作ることができずに前半をスコアレスで折り返す。後半に入って最初に動いたのは湘南。62分にキャプテンの遠藤に代えて森を投入。この交代によって試合が大きく動く。直後の63分、湘南のクリアボールが直接ゴールに入ってしまいつくばが先制点を獲得すると72分に交代で入った森がイエローカードをもらう。ここで気持ちを落ち着かせることができなかったか2分後の74分にラフプレーでこの日2枚のイエローカード。交代出場してからわずか12分で退場となってしまった。これにより完全にプランが崩れてしまった湘南。このまま追いつくことが出来ずに試合終了。つくばが1-0で逃げ切り今季2勝目をあげた。


岡山湯郷Belle VS ヴィアティン三重レディース

向かうところ敵なし状態の湯郷がホームに三重を迎えての一戦。前半から持ち味の攻撃力を発揮する湯郷は横山、谷口の2トップのボールを預けて再三チャンスを演出する。それでも耐える三重はGK切畑の好セーブも光り耐え抜く。43分にはワントップに置いた八神を下げて福井を投入し完全に守りのスタイルに変更。決定機は数多くあったものの三重の徹底した守備の前に前半無得点で終わった湯郷。後半に入っても変わらず攻め続けるがゴールが遠い。さらに30℃を超える気温の影響もあり徐々に攻め疲れが見える湯郷。最後は前にかける枚数を増やすものの選手交代を交えながら集中した守りを見せる三重から最後までゴールを割ることが出来ず。試合を通して23本ものシュートを浴びせたものの無得点。対する三重は前半のシュート1本だけと攻撃はまったくできなかったものの湯郷を猛攻を0で凌ぐことに成功し勝点1を獲得した。これにより湯郷の開幕からの連勝は6でストップした。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS JFAアカデミー福島

なかなか上昇の波に乗り切れていない吉備国大が上位を位置する福島に挑んだ一戦。前半から試合のペースを握った福島は5分、木村のゴールで先制に成功する。それでもリードを許した吉備国大は一歩のも引かずに攻撃の手数を増やす。しかし強かな福島は30分に前節メンバーから外れていた板村がゴールを決めてリードを広げると吉備国大は38分に2枚替えを行う。前半からメンバーを替えた吉備国大はハーフタイムにも2人投入し後半の反撃を狙ったものの、68分にまたしても板村にゴールを奪われ万事休す。前半の様な攻撃の回数も徐々に少なくなっていき、福島は色々なメンバーに出場の機会を与えながら試合終了。要所どころで得点を奪った福島が3-0で吉備国大を破り2連勝。2位をしっかりとキープした。


ディアヴォロッソ広島 VS ディオッサ出雲FC

ともに更に上の順位を目指した一戦は試合開始早々8分、フェレールの2試合ぶりのゴールでディオッサが先制する。その後も攻勢を強めるディオッサは25分に友近の今季初ゴールで2点差に。ホームのディアヴォロッソはゴール前まで迫ることはできるもののシュートシーンが多くは作れず、前半を2点ビハインドで折り返す。ハーフタイムに岡を投入したディアヴォロッソだったが56分にディオッサは住徳のゴールで今季最多得点の3点とすると75分に岡倉にもゴールが生まれて4-0。試合の勝敗を一気に決めた。それでもディアヴォロッソは82分に濱田がなんとか1点を返して試合終了。アウェイながらも快勝したディオッサはこれで3試合負けなし。一方のディアヴォロッソはホーム連勝を飾ることはできなかった。


FCふじざくら山梨 VS FC今治レディース

上位をキープしている山梨は今季未勝利の今治をホームに迎えた。この試合は3225人という大観衆の前で行われたが、その後押しを受けた山梨が前半から積極的にゴールを狙う場面が目立つ。そして25分、成迫のゴールで山梨が先制するとスタジアムが一層盛り上がった。完全アウェイの今治はリードを許したわずか2分後の27分、首藤のゴールですぐさま同点に追いつく。その後は山梨の攻撃の前に防戦一方の今治だったが前半を1-1で凌ぎ切る。後半に入ると一層山梨は前がかりになりチャンスを再三作る。それでも今治GK田中のファインセーブもあり勝ち越しゴールが奪えない。終盤になると体力的にも厳しくなった山梨は84分に脇田と内田を入れて前の枚数を増やす。それでも今治の体を張った守りが光り後半無得点に終わった山梨。試合は1-1の引き分けに終わった。


福岡J・アンクラス  VS 大和シルフィード

今季未勝利のアンクラスは前半早々にチャンスを活かす。4分、エース小林のゴールが決まり幸先良く先制する。しかし次第にシルフィードが盛り返す時間を増やし始めると23分、こちらも得点柱の濱本のゴールでシルフィードが試合を振り出しに戻す。それでもホームのアンクラスは36分に村上に初ゴールが生まれ再度リードを奪う。前半を2-1とリードして折り返したアンクラス、後半はうまく時間を使いながらカウンターからチャンスを伺う。追いつきたいシルフィードは濱本が封じられると攻撃が停滞。最後までアンクラスゴールに迫ったものの追いつくことはできずにタイムアップの笛。前半のリードを守り抜いたアンクラスが7試合目にして今季初勝利を手にした。一方のシルフィードはこれで3連敗となってしまった。


今節のMVP

江﨑 杏那(朝日インテックラブリッジ名古屋)

1点リードを許した展開からの2ゴールで逆転勝利に貢献。チームも順位を2位に上げた。

切畑 琴乃(ヴィアティン三重レディース)

湯郷の猛攻から何度もゴールマウスを守り抜いた。23本のシュートに耐えて無失点で貴重な勝点1の獲得に貢献した。


得点ランキング

1部では齊藤が1ゴールを追加し5ゴールで単独首位に立った。浦部も2ゴールを追加し4ゴールで2位タイへ浮上。

2部では板村が2ゴールを追加し通算8ゴールで2位に浮上した。


アシストランキング

上位勢では大きな変化がなかった今節。首位は3アシストで坂田、嘉数、齊藤、並木となっている。


JWCRランキング

今節は大きく変動がみられた。なかでも名古屋は3ランクアップ。


順位表

1部はヴィアマが未だ無敗。ハリマは8節目にして初勝利を飾った。

2部湯郷が首位キープ。2位の福島が勝点1差で追う。

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