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2024なでしこリーグ1部第10節・2部11節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

愛媛FCレディース VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

今季初の連勝を目指す愛媛と2試合足止めを食らっているニッパツの対戦。前半は両チーム攻撃のチャンスを作る場面が少なく中盤で引っかかるシーンが目立つ。遠目からでもシュートを狙う愛媛に対しニッパツはしっかりと組み立てを行いチャンスを伺う。両チーム前半でスコアを動かすことが出来ずハーフタイムを迎えるとニッパツは岡と浦島を投入。そして先に動いたニッパツの采配が当たる。68分、小須田が中盤でキープし左サイドへ展開。蔵田が仕掛けてクロスを上げると岡がシュート。このシュートはミートできなかったものの相手に当たったボールは再度自身の目の前。今度はしっかりと決めきりニッパツが先制に成功する。リードを許した愛媛は72分に一気に3枚の交代を使い勝負に出る。田子にボールを集めるものの決定機を作ることが出来ず、83分には丸山を入れて前の枚数を増やしたもののニッパツが最後まで愛媛の攻撃を封じ切り試合終了。ニッパツが途中出場の岡のゴールを守りきり3試合ぶりの勝利を手にした。


スフィーダ世田谷FC VS スペランツァ大阪

3試合勝利から遠ざかっているスフィーダとスペランツァの一戦。前半から攻撃を仕掛けたのはスフィーダ。スペランツァに攻撃をする隙を与えないと16分、CKを獲得したスフィーダは望月のキックに堀江がドンピシャヘッドで合わせるとこれが決まって先制に成功する。さらに前半終了間際にはまたしてもCKから得点を奪ったスフィーダ。44分、藤原のCKにファーサイドで堀江がヘディング、そのこぼれ球を新堀がダイレクトで合わせて追加点。前半を2点リードして折り返すスフィーダ。一方のスペランツァは前半シュートを1本も打つことが出来ずハーフタイムにFWを交代させる。しかし、後半に入ってもペースは変わらずスフィーダ。55分、右サイドでパスを受けた金子が低めのクロスを上げると中で堀江がダイビングヘッド。これが決まってスフィーダが3点目。試合を一気に決めると試合終了間際の89分には青木のパスを受けた金子ゆいのゴールが決まって4-0。終始試合を圧倒したスフィーダがスペランツァ相手に4得点と快勝し勝点を13に伸ばした。


朝日インテックラブリッジ名古屋 VS オルカ鴨川FC

2位の名古屋がホームにオルカを迎えての一戦。30℃近い暑さの中行われたデイゲームは両チーム思ったような攻撃の形を作ることが出来ずミスも散見。気温による影響を大きく感じる前半だった。それでもオルカは松尾、浦部の2人で攻撃を組み立て名古屋ゴールを狙う。目立ったシーンが生まれなかった前半はスコアレスで折り返すと後半先に動いたのはホームの名古屋。市原に代えて渕上を投入。その交代策も当たり後半は押し込む時間を多く作る名古屋。さらに58分、74分と交代カードを切って得点を狙いに行く名古屋に対してオルカは反撃の形が作れない。それでも守備陣の奮闘もあり名古屋の攻撃をしっかりと体を張って守り抜いたオルカ。優勝へ勝利が欲しかった名古屋だが最後までネットは揺らせず試合終了。結局この試合はスコアレスドローに終わった。


伊賀FCくノ一三重 VS 静岡SSUボニータ

前節久しぶりに勝利し連勝を狙う伊賀が2連勝中のボニータをホームに迎えての一戦。試合立ち上がり3分、左サイドでパスを受けた正野が斜めのパスを送ると走りこんだ平田がトラップしてからのシュート。これがしっかりとネットを揺らし伊賀が先制に成功する。対するボニータも34分、渡辺のアーリークロスに山本がダイレクトで合わせて試合を振り出しに戻す。そしてボニータはゴールを決めて山本をこのタイミングで交代させた。伊賀のペースで進んでいた前半だったがボニータがワンチャンスを仕留めて1-1で後半へと進む。53分、金丸が相手DFの裏へハイボールを送ると体の強さで競り勝った土屋が冷静にゴールへ流し込みボニータが逆転に成功する。リードを許した伊賀はここで前がかりになるとそこの狙ったボニータは74分、右サイドからグラウンダーのクロスが入ると中で金丸がシュート。これは伊賀GK後藤が弾くもののこぼれ球を土屋が押し込んでボニータ3点目。このゴールが試合を決定づけたボニータ。3-1で伊賀に逆転勝利し3連勝。シーズン開始前は優勝候補の一角だった伊賀は苦しい状況が続いている。


ASハリマアルビオン VS バニーズ群馬FCホワイトスター

1部残留へ向けて負けられない下位チームの直接対決。ともに2連敗で迎えるこの一戦は一進一退の前半。ハリマは千葉にボールを集め攻撃を組み立て、バニーズはセットプレーからチャンスを伺う。それでも前半は両チームスコアを動かすことが出来ず0-0で後半に入る。62分、流れを変えたいハリマは一気に3枚替えを行いリズムを作ると79分、CKを獲得したハリマはキッカーの正野の巻いてくるキックが直接ゴールネットを揺らしハリマが遂に均衡を破る。今まで耐えていたバニーズだったがこのワンプレーにより勝敗を決した。最後まで同点に追いつくべく攻めあがるバニーズだがハリマの守備が勝り得点できず試合終了。残留争いの直接対決はハリマが1-0でバニーズを破り大きな勝点3を加えた。一方のバニーズはこの敗戦により残留圏との差が開いてしまった。


ヴィアマテラス宮崎 VS 日体大SMG横浜

優勝へこのまま独走したいヴィアマが日体大を迎えての一戦。前節複数失点で不安な立ち上がりを見せたヴィアマだったが今日は最初から前がかりで攻め込むシーンを多く作る。22分、相手のボールがルーズになったところを見逃さなかった福丸が齊藤へつなぐと、これを狙いすましたシュートでネットを揺らした齊藤。押し込んでいたヴィアマがこの時間で日体大ゴールをこじ開けた。一方の日体大はこのミスによる失点だけで他はヴィアマの攻撃を防げていただけに悔しい前半となった。後半に入ってもヴィアマが主導権を握る展開が続く。それでも日体大は途中出場の笠井がシュート3本放つなど積極的にゴールを狙いに行く。しかしゴールにつながらないとヴィアマはロングボールでラインを押し上げ相手陣内でのプレー時間を増やす。そして最後まで攻撃は最大の防御を示したヴィアマ。今季初めて複数得点を奪うことができなかったものの勝利は譲らず開幕10連勝を達成。2位の名古屋が引き分けたこともあり優勝へまた一歩近づいた。


ヴィアティン三重レディース VS JFAアカデミー福島

前半戦最後の一戦。上位進出を狙う三重が2位の福島をホームに迎えての一戦。試合は開始早々に動く。2分、八神の今季リーグ初ゴールが決まり三重が前節に引き続き電光石火での勝ち越しに成功。そしてその後の試合展開は前節をなぞるかのように福島が主導権を握る時間が多いものの堅い守備を見せる三重。前半はこの守備力と30℃を超える気候の影響もあり福島の攻撃が噛み合わないシーンも目立つ。前半1点リードして折り返した三重は後半に入ると徐々にボールを握るシーンも増える。しかしこれにより攻撃に枚数を増やせたが守備の強度が下がったところを突いた福島。78分、ハーフタイムに交代で入った林のゴールで同点に追いつく福島。優勝を狙うには勝利が欲しい福島は前から圧力をかけるものの耐え凌ぐ三重。しかし、三重としても勝ち越したいが前にボールを運ぶシーンがなかなか作れず。なんとか勝点1を守り切ることには成功した三重。前半戦最後の一戦は引き分けに終わった。


SEISA OSA レイア湘南FC VS 大和シルフィード

連勝がなかなかできない湘南がシルフィードをホームに迎えての神奈川ダービー。試合のペースはアウェイのシルフィード。濱本が再三ゴールを狙いに行くと25分に島村のロングボールを収めた濱本がそのままゴールを決めシルフィードがリードを奪う。その後も攻めるシルフィードに対して防戦一方の湘南。前半は追加点を与えなかったものの1点を追いかける苦しい状況で後半を迎える。それでも後半に入り意地を見せる湘南は52分、塩野のゴールで試合を振り出しに戻す。しかし、その後はシルフィードの攻勢の前にラインが下がってしまい逆転ゴールを狙いに行くのが難しい展開に。それでも勝ち越しを許さない湘南はシルフィードの11本のシュートをしっかりと守り切りタイムアップ。神奈川ダービーのこの一戦は1-1のドローに終わった。湘南としては2位の福島が引き分けだっただけに勝てれば大きい一戦を逃してしまった。


ディオッサ出雲FC VS 岡山湯郷Belle

3連勝を目指すディオッサが前半戦無敗で折り返しを狙う湯郷をホームに迎えての一戦。前半から押し込む時間を作ったのはアウェイの湯郷。横山を中心にディオッサゴールに襲い掛かるもののGK西村を中心にしっかりと守り切るディオッサ。時間の経過とともに湯郷の攻撃にも慣れ始めたディオッサは徐々に落ち着いてボールを動かす時間作り始め、前半は0-0のスコアレスで折り返す。ハーフタイムに動いたのは主導権を握っていた湯郷。今野、谷口を投入して得点を狙いに行く。後半に入ると湯郷も猛攻がさらに強くなり防戦一方となるディオッサ。それでも64分、76分と良い時間帯でフレッシュな選手を投入し体を張った守備を見せる。セットプレーからピンチを作るシーンはあったものの湯郷の決定力にも助けられ0-0で試合終盤へ。88分には宮川を投入し勝点1を取りに行く流れにシフトチェンジしたディオッサ。結局最後まで湯郷にゴールを割らせなかったディオッサは首位から価値のある勝点1を奪った。


つくばFCレディース VS ディアヴォロッソ広島

連勝のあとの連敗と波が激しいつくばがホームにディアヴォロッソを迎えての一戦。試合を支配したのはアウェイのディアヴォロッソ。最近好調の攻撃陣がつくばゴールを襲うと34分に栂がゴールをこじ開けディアヴォロッソが先制する。前半をリードして折り返したディアヴォロッソは後半開始すぐの47分に長野のゴールでリードを2点に広げる。さらに54分には栂が今日2点目となるゴールを決めて3-0。一気にリードを広げるとつくばもたまらずFW2枚を交代し反撃を狙う。しかし試合を有利にしたディアヴォロッソは70分、75分と立て続けに2枚替えを行いフレッシュな選手を投入。最後までつくばの攻撃を防ぎ切る狙い。1点でも取り返したつくばは88分に途中出場の松田のゴールで何とか1点を返すものの反撃はここまで。栂の活躍でディアヴォロッソが3-1でつくばを破った。対するつくばはこれで3連敗となってしまった。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS FCふじざくら山梨

5戦勝ちなしと開幕時の勢いが完全になくなってしまった吉備国大、4位と好調の山梨を迎えた。試合は立ち上がり4分に吉備国大がオウンゴールという不運な形で得点を献上してしまう。それでも試合の主導権を握っていた吉備国大は23分に西村の今季2ゴール目が決まり試合を振り出しに戻す。前半はあまり良い形での攻撃を仕掛けることが出来なかった山梨はハーフタイムに辻野、脇田を投入。この交代によって後半は一気に山梨が反撃に出る。64分にその辻野のゴールで勝ち越しに成功した山梨はさらに得点を狙う。その後も交代で入った選手がシュートを積極的に放つなど押し込む時間が多い山梨。吉備国大としても反撃をしたいところだが相手の前からの圧力を跳ね返すことが出来ず防戦一方。それでもリードしている山梨は最後まで攻撃の手を緩めず後半だけでシュート15本。タイムアップの笛まで攻め続けた山梨が得点差以上の内容を見せつけ勝利。2位の福島との勝点差を3に縮めた。


FC今治レディース VS 福岡J・アンクラス

入替戦が近い位置にある両チーム。この一戦は前半戦の最後の山場だ。ともに失点だけは避けたい状況の中で迎えた前半はリスクをかけた攻撃は両チームともほとんど見られず得点の香りがしない展開に。決定機を作ることなく前半をスコアレスで折り返すと後半は勝負の45分。ハーフタイムに動いたのはアウェイのアンクラス。藤山、丸形を投入し後半に入ったがペースはホームの今治。攻撃のチャンスを増やし始めると田中が再三アンクラスゴールに襲い掛かる。それでも得点を決めきることはできず、時間が進んでいく。ホームとして絶対に勝利が欲しい今治だったが最後までアンクラスゴールをこじ開けることが出来ずに試合終了。今後を左右する直接対決はスコアレスドローという形で勝点1を分け合った。


今節のMVP

土田 佑津季(静岡SSUボニータ)

2ゴールの活躍を見せ伊賀相手に勝利。チームも好調を維持している。

栂 菜々笑(ディアヴォロッソ広島)

2ゴールの活躍でチームの勝利に貢献。勝点上でも入替戦回避ができそうである。


得点ランキング

1部では土屋が2ゴールを追加し通算6ゴールで単独2位になった。

2部では横山が首位の18ゴール。2位に板村が11ゴールで追う展開となっている。


アシストランキング

上位勢では大きな変化がなかった今節。齊藤が首位を走る。


JWCRランキング

今節の結果、アンクラスが2ランクアップした。


順位表

1部はヴィアマが2位の名古屋と差を広げる。

2部では前半戦が終わり昇格ラインが平均勝点2.0の44程度となりそうだ。

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