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2024なでしこリーグ1部第13節・2部15節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

静岡SSUボニータ VS スペランツァ大阪

直近5試合で4勝とチームとして完成してきているボニータが下位に低迷するスペランツァを迎えての一戦。立ち上がりから一進一退の攻防を見せる超リーム、スコアが動いたのは21分、南山のロングフィードに反応した増永がドリブルで持ち運びエリア内に侵入しラストパス。このボールを左子がしっかりと合わせてスペランツァが先制に成功する。リードを奪われて苦しい展開のボニータはさらにアクシデントが発生する。35分、相手との競り合いでキャプテンの塩澤が顔面の負傷により交代を余儀なくされる。前半はなんとかこのまま凌ぎきったボニータはハーフタイムに岩本、守屋を投入しフォーメーションをいじる。この変更による守備面での大きな影響は出なかったものの攻撃はスペランツァのDFに対応されゴールが遠い状態。それでもスペランツァとしては今季の課題である終盤の失点は何とか許したくないところだが87分、敵陣でFKを獲得したボニータは高島のキックにファーサイドで山田が頭で合わせると弧を描いたボールはスペランツァGK井上が触るも弾くことはできずゴールイン。ボニータが終盤の同点ゴールでゲームを振り出しに戻し試合終了。スペランツァとしてはまたしても終盤で勝点を失う形となってしまった。


ヴィアマテラス宮崎 VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

このままの勢いで優勝に突き進みたいヴィアマが2位で追いかける名古屋を迎えての一戦。試合のペースはホームのヴィアマ。ボールを保持する時間を多く作ると16分、右サイドの齊藤が突破し有馬へ。有馬の浮き球に板倉が右足で合わせてヴィアマが先制に成功する。そのまま前半をリードして終えたヴィアマは有馬、坂田を下げて山本、今蔵を投入。対する名古屋も新城から仁木に交代を行った。後半はアウェイの名古屋もボールを支配する時間が生まれるも52分、自陣からのパスワークで崩しを狙うヴィアマは今蔵のクロスボールに寺田がヘディングで合わせてリードを2点に広げる。追いかける名古屋も76分、水野が1点を返して反撃の狼煙を上げると後半アディショナルタイム、安部のロングボールに対してヴィアマDFは必死にクリアするもののこぼれ球を加藤が一振り。これが決まって名古屋が試合終了間際に同点に追いつく。そしてこのまま試合終了の笛が鳴り首位を争う直接対決は名古屋が2点差を追いついて引き分けとなった。


バニーズ群馬FCホワイトスター VS オルカ鴨川FC

残留へ黄色信号が灯っているバニーズ、まずは1勝が欲しい現在のチーム状況に対して好調のオルカを迎える。前半からオルカに主導権を握られたバニーズだったが慌てることなく落ち着いた守備を見せて攻撃の機会を伺う。それでもオルカは38分、木村のスルーパスに反応した齊藤がGKをかわしてゴールへ流し込み先制点を奪う。前半を0で乗り切りたかったバニーズだったが追いかける展開になってしまう。後半に入っても流れを変えることができないバニーズに対してオルカは73分、近藤のグラウンダーのパスを松尾美月が決めてリードを2点に広げると78分にも相手DFのミスから松尾美月が今日2点目を決めて3-0。一気に勝負を決められてしまったバニーズは試合を通してシュート2本と力を差を見せつけられてしまった。結局3-0で試合は終了しオルカが後半戦無敗を継続。一方のバニーズはこれで6連敗となってしまい残留は厳しくなった。


日体大SMG横浜 VS スフィーダ世田谷FC

4連敗中と苦しい状況が続いている日体大がホームに3連勝と好調のスフィーダを迎えての一戦。前半から両チーム一進一退の攻防が続く。日体大はまず失点しないところからチームとして意識を共有しスフィーダの攻撃力を発揮させない戦い方を見せる。攻撃で苦戦するスフィーダは前半日体大の守備を攻略することが出来ずスコアレスで折り返す。ハーフタイムに福永に代えて日体大が古巣となる金子を投入したスフィーダは押し込む時間を作り始める。対する日体大はFWの錦織に代えてDF登録の田中を投入するなど粘る試合を見せると90分でスコアは動かず。このまま試合終了かと思われた後半アディショナルタイム、篠田の斜めのクロスボールがファーサイドでフリーになった高原の足元へ。高原をこのチャンスを冷静に決めきり日体大が劇的な決勝ゴールを奪って試合終了。試合を支配していたスフィーダとしては最後の場面で失点を喫し4連勝とはならず。勝利した日体大は長いトンネルを抜けて後半戦初勝利となった。


ASハリマアルビオン VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

3戦負けなしと本来の強さが戻りつつあるハリマが前節久しぶりに黒星を喫したニッパツを迎えてのホームゲーム。前半は両チーム堅い試合を見せる。中盤での主導権の奪い合いが白熱しともにシュートチャンスはほとんど生まれず両チーム1本ずつのシュートとなった攻撃陣、それでも前半アディショナルタイムに相手のミスを見逃さなかった河野がゴールを奪いニッパツが前半のうちに先制することに成功する。ビハインドとなったハリマは54分、PKを獲得すると中野が冷静に決めて試合を振り出しに戻す。しかし、その後攻勢を強めたのはアウェイのスフィーダ。終始日体大陣内でプレーする時間を作るがハリマが必死のDFで粘る。それでも迎えた後半アディショナルタイム、田村からのパスを受けた櫻井のシュートが決まりニッパツが終了間際の勝ち越しゴールを奪った。結局このゴールが決勝点となりニッパツが苦しみながらもハリマを2-1で破り名古屋を抜いて2位に浮上した。一方のハリマは4試合ぶりの敗戦となってしまった。


愛媛FCレディース VS 伊賀FCくノ一三重

2連勝中で充実した試合内容の愛媛が勝点の近い伊賀をホームに迎えての一戦。前半は愛媛の田子が攻撃を牽引する。持ち味のスピードを活かした攻撃で伊賀ゴールに襲いかかるも得点を奪う事ができない。伊賀は20分に渡邊が負傷により交代となってプランが崩れるも、前半45分に増田のスローインを受けた常田が増田に返すとロングシュートを放つ。これがネットに吸い込まれ伊賀がファーストシュートを決め切り先制に成功する。流れを一瞬にして持って行かれた愛媛は前半を1点ビハインドで折り返す。後半に入ると早々の55分、常田のインターセプトから平田が持ち込み自らシュート。これが決まって伊賀がリードを広げる。このままでは終われない愛媛は84分に桜井が2試合連続ゴールで1点を返すものの反撃はここまで。相手にペースを握られながらも要所で決め切った伊賀が2-1で愛媛を破った。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS ヴィアティン三重レディース

2試合続けて複数得点が奪えている吉備国大が三重をホームに迎えての一戦。前半から主導権を握ったのはホームの吉備国大。チーム得点ランクトップの西村を中心に三重ゴールに迫るシーンを多く作る。それでも守備に定評のある三重はしっかりと吉備国大の攻撃を受けきり前半を0-0で折り返すことに成功する。後半の反撃を狙う三重だったが立ち上がり早々の50分に警戒していた西村にゴールを奪われる苦しい形に。それでも互角な戦いとなった後半は得点のチャンスは生まれたものの決めきることが出来ず終盤の82分に神田のゴールで吉備国大が追加点を奪うと勝負あり。攻撃結果がついてきた吉備国大は3試合連続の複数得点で勝点3を積み上げた。一方の三重は相手の勢いに飲み込まれてしまい連勝とはならず。


ディオッサ出雲FC VS FC今治レディース

直近5試合で3得点1失点とロースコアで勝点を積み上げるディオッサと4戦負けなしの今治の一戦。前回対戦時は1-1で終わっているだけに決着をつけたいこの試合は開始6分、首藤のゴールで今治が得意の早い時間帯での先制に成功する。普段ならその後ペースを奪われてしまう今治だがこの試合ではその後も主導権を握る展開を作りディオッサにチャンスを作らせない。しかしそれでも21分、宮武が少ないチャンスをものにしてディオッサが試合を振り出しに戻す。前半を1-1で終えた両チーム、ハーフタイムに動いたのはホームのディオッサ。しかし、後半のペースは変わらず今治が握ると前線の選手が積極的に仕掛け勝ち越しゴールを狙う。それでもディオッサDFは体を張った守備を見せ得点を許さない時間が続く。両チームとも選手交代を行いながら打開策を見つけようとするも効果的な戦術は生まれず、結局後半は両チームともゴールを奪うことはなく試合終了。勝利を手にするチャンスのあった今治だったが1-1で引き分けに終わった。


岡山湯郷Belle VS 大和シルフィード

無敗を継続している首位の湯郷がシルフィードを迎えての一戦。立ち上がりからペースを握るホームの湯郷は19分、谷口のゴールで幸先良く先制点を奪う。対するシルフィードは32分に浜田が交代となってしまうと直後の33分に栫井のゴールで追加点を奪われ前半を折り返す。後半に入っても勢いの衰えることを知らない湯郷は再三シルフィードゴールに襲い掛かるもギリギリのところで守り切る。そして82分、少ないチャンスをものにしたシルフィードは小川のゴールで1点差に詰め寄るものの直後の85分に横山にゴールを決められ万事休す。その後は守備が崩壊してしまったシルフィード。87分に横山が今日2点目を決めると直後の88分には栫井にもゴールを決められ5-1。前がかりになったところをやられてしまったシルフィードは首位の湯郷相手に1-5と惨敗となってしまった。


FCふじざくら山梨 VS SEISA OSA レイア湘南FC

昇格へ向けてともにこれ以上負けられない一戦はアクシデントに見舞われる。15分、鈴木が負傷により交代となった山梨に対して湘南は25分に阿久井が交代。ともに早い段階で交代枠を使ってしまう展開に。それでも主導権を握った山梨は39分、鈴木の交代で入った脇田のゴールで先制点を奪い前半をリードして折り返す。後半に入るとペースは少しずつ湘南に傾くが57分、辻野のゴールで山梨がしっかりと追加点を決めると63分には脇田が今日2点目を奪い3-0。湘南も80分に鈴木の今季11ゴール目が決まり1点を返したものの直後に81分に山本にゴールを奪われて4-1。今季ワーストとなる4失点を喫してしまった湘南に対して決定力の高さを見せつけた山梨がしっかりと3位の意地を見せて4-1で勝利。前回対戦時の雪辱を果たすことに成功した。敗れた湘南はこれで昇格が厳しい状況となってしまった。


ディアヴォロッソ広島 VS 福岡J・アンクラス

下位に沈む両チームの直接対決、ディアヴォロッソとしてはこの試合に勝てば残留へ大きな1歩となる反面敗れれば一気に残留争いに巻き込まれてしまう。注目の一戦、前半はホームのディアヴォロッソがリズムを掴む。FWの栂が積極的にシュートを狙って行くと13分、木須のゴールでディアヴォロッソが先制に成功する。その後も追加点を狙うディアヴォロッソに対して防戦一方となっているアウェイのアンクラス。それでも前半はなんとか1失点で凌ぐと後半は逆に畳みかける攻撃が目立つ。前半とは対照的な試合展開となった後半はアンクラスが果敢にゴールを狙うもののディアヴォロッソが安定した守備を見せて得点を許さない。76分にはキャプテンの成合を下げたアンクラス、攻撃の比重を上げるものの最後まで得点を奪うことが出来ずに試合終了の笛が鳴ってしまう。下位直接対決は前半に得点を奪ったディアヴォロッソがアンクラスを倒し勝点3を獲得した。


つくばFCレディース VS JFAアカデミー福島

6連敗中となっているつくばが強敵福島を迎えての一戦。前半から流れを掴んだ福島は多彩な攻撃を展開すると26分、野田のゴールで先制に成功する。対するつくばは少ないながらもチャンスを作ることはできているが得点には至らない。前半をこのまま福島がリードして折り返すとハーフタイムに3枚の交代を決めた福島に対してつくばが攻勢を強める。しかし、決定力のある福島は落ち着いた試合運びを見せる。もどかしいつくばは疲労とともに遅れが見え始めると72分に板村に決められて2点差に。さらに76分には花城にもゴールを決められ3-0。こうなると止まらない福島は84分に板村が今日2点目を決め、87分には田中のゴールで一挙に5得点。つくばを圧倒した後半の福島は、前半こそ得点が入らず苦戦したものの終わってみれば大量5得点の圧勝。2位の位置をしっかりとキープした。対するつくばは攻撃力の差を見せつけられ7連敗となってしまった。


今節のMVP

高原 天音(日体大SMG横浜)

試合終了間際の劇的ゴールでチームに久しぶりの勝利を導く活躍を見せた。

脇田 紗弥(FCふじざくら山梨)

途中出場ながら2ゴールの大活躍。大事な一戦で勝利に貢献した。


得点ランキング

1部では松尾が2ゴール、河野が1ゴールを追加し通算5ゴールで4位タイになった。

2部では横山、板村が2ゴールを追加しそれぞれ22ゴール、14ゴールとした。


アシストランキング

常田が2アシスト、今蔵が1アシストを追加し4アシストで齊藤、黒岩と並んで首位タイになった。


JWCRランキング

今節の結果、ヴィアマ、伊賀、山梨が2ランクアップ、世田谷が3ランク、名古屋が2ランクダウンした。


順位表

1部はニッパツが名古屋を抜いて2位に浮上した。

2部では湯郷が昇格まであと勝点10となった。

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