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2024なでしこリーグ1部第15節・2部17節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

バニーズ群馬FCホワイトスター VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

7連敗中で現在勝点2と降格が目の前に迫っているバニーズが優勝争いをする名古屋を迎えての一戦。強敵相手に臆することなく挑むバニーズだったが24分に新城にパスカットをされるとそのままゴールを決められ先制点を献上してしまう。新城は古巣相手に恩返しゴールとなった。それでもその後は名古屋の攻撃に対して人数をかけて対応し最小失点で前半を折り返す。反撃に出たい後半だったが早々の55分、1本のパスで中央を崩されると最後は渕上にゴールを許し2-0。名古屋が一気に勝利を手繰り寄せる。しかしバニーズも77分に佐藤のCKを鈴木が頭で合わせて1点を返すと、そのまま攻勢を強める。それでも名古屋は1点のリードをしっかりと守りきり試合終了。2-1で勝利した名古屋は6試合ぶりの勝利となった。一方のバニーズはこれで8連敗で開幕からの未勝利が15に伸びた。このサマーブレイク期間に立て直しを図りたい。


伊賀FCくノ一三重 VS オルカ鴨川FC

4連勝中の伊賀と9試合負けなしのオルカ、好調のチーム同士の一戦は早い時間に先制ゴールが生まれる。17分、下條のCKを初先発となったヘヨンがヘディングで合わせて伊賀がリードを奪う。スコアで有利にたった伊賀に対してオルカは遠目からでも積極的にシュートを放ちゴールを脅かすものの得点はできず。このまま1-0で迎えた前半アディショナルタイム、オルカのクリアボールを回収した藤田が増田へつなぐ。中へのクロスボールは先に触られクリアされるものの、そのボールを村上がダイレクトで押し込み伊賀が前半のうちにリードを2点に広げる。最後の部分で甘くなってしまったオルカは2点ビハインドで後半に入ると、立ち上がりの55分、1点目と同じ様に下條のCK、それもオルカGK田谷が触るも最後はヘヨンが頭で押し込み伊賀が大きな3点目を獲得。ヘヨンは今日2ゴール目となった。3点という大きなリードを手にした伊賀はその後落ち着いて試合のペースを握り、オルカの攻撃陣に仕事を全くさせずに逃げ切りに成功。サマーブレイク前の一戦は伊賀が3-0でオルカを破り5連勝とした。


ASハリマアルビオン VS スペランツァ大阪

なでしこリーグ2部との入替戦は避けたい両チーム。大事な直接対決はハリマが押し込む展開になる。立ち上がりに攻勢を強めたハリマに対してスペランツァは13分、ハリマGK竹下の蹴ったボールを回収すると裏に抜け出した深澤がドリブルで持ち運び左足を振り抜く。これが見事に決まりアウェイのスペランツァが先制に成功する。一瞬の隙を突かれてしまったハリマはMFの井之脇が積極的に同点ゴールを狙いに行くなど前半だけでシュート8本、スぺランツァの倍以上のシュートを放ったが無得点に終わった。リードしているものの試合展開では劣勢のスペランツァはハーフタイムに修正を施すと後半は互角の展開に。試合の終盤に入ると両チーム疲労からミスが散見されるようになったが選手交代を行いながらチーム全員で1点を守り抜くスペランツァの前に最後までネットを揺らすことが出来なかったハリマ。そのままタイムアップの笛が鳴り前半の1点を守り抜いたスペランツァが直接対決で大きな勝利を手にした。


ヴィアマテラス宮崎 VS 静岡SSUボニータ

後半戦に入って対策を練られ始めているヴィアマ。ここで打開できないと一気に優勝争いも混戦になる一戦は前半からエースの齊藤が果敢にゴールを狙うなど押し込む展開を作るもゴールは奪えず。対するボニータも少ないながらチャンスを作りだすことには成功し虎視眈々と得点を狙う。それでも前半をスコアレスで折り返した両チーム、先に点が動いたのはヴィアマ。63分に島田のCKをボニータGK安間が触るもクリアボールを齊藤がダイレクトシュート。これが決まって先制に成功すると74分にはPKを獲得する。しかしこのPKを決めきれないと終盤の84分に土屋にゴールを奪われ1-1の同点に。このまま引き分けで終わってしまうと思われた90分、パワープレーを仕掛けるヴィアマは松井のロングボールに反応した齊藤が先に触り前に飛び出していたボニータGK安間を上を越すループシュート。これが綺麗にネットに吸い込まれヴィアマが劇的な決勝ゴールを奪う。そして、このまま試合は終了し2-1で苦しくの勝利したヴィアマは首位でサマーブレイクを迎えることとなった。


愛媛FCレディース VS スフィーダ世田谷FC

足踏み状態の愛媛がホームに連敗中のスフィーダを迎えての一戦。試合の主導権を握ったのはアウェイのスフィーダ、16分に渡邊が左からクロスを上げると堀江が頭で落とし最後は藤原のシュート。これは愛媛GK小松が防ぐもののこぼれ球を再度藤原が押し込んでスフィーダが先制に成功する。リードしたスフィーダはその後も攻撃を続けると36分に藤原のパスを受けた新堀のゴールで追加点。4分後の40分には相手のパスカットから藤原が今日2点目となるゴールを決めて前半で一気に3得点。文句なしの前半を終えたスフィーダは後半に入っても愛媛に主導権を握らせず。30℃を超える気候の影響もあり終盤は両チーム運動量が落ちてくるものの3点のリードを持っているスフィーダが落ち着いて時間を使い愛媛に攻撃の形を作らせずに試合終了。サマーブレイク前最後の一戦は3-0でスフィーダが勝点3を持ち帰る形となった。敗れた愛媛はこれで3戦勝ちなしとなった。


日体大SMG横浜 VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

雨の中の横浜ダービーとなったこの一戦は現在連勝中のニッパツが主導権を握る。セットプレーを中心に日体大ゴールに襲い掛かるがGK服部を中心に守り切る。対する日体大も窓岩が一人気を吐いてシュート3本を放つなど可能性を見出す。しかし両チーム得点は奪えずこのままスコアレスで折り返すかと思われた前半ラストの45分、權野が櫻井とのワンツーで抜け出すと最後は自らが決めて前半のうちにニッパツが得点を奪う。そしてこのまま1点リードしてハーフタイムを迎えたニッパツに対して日体大は田中、窓岩を下げた篠田、本田と若いメンバーを投入。しかし後半最初のチャンスもアウェイのニッパツ。岡がボール奪取からチャンスを作るとスルーパスを受けた河野が冷静にゴールに流し込みニッパツが追加点。さらに70分には途中出場の加田のパスを浦島がダイレクトシュートで決めて3-0。勝利を決定づける得点を奪ったニッパツは最後まで無失点で日体大の攻撃を抑えて試合終了。横浜ダービーを3-0で勝利したニッパツが勝点4差で首位のヴィアマを追いかける。対する日体大は2連敗となってしまった。


福岡J・アンクラス VS ヴィアティン三重レディース

現在最下位となっているアンクラス、入替戦回避には勝利が絶対に欲しいサマーブレイク前最後の一戦は三重ゴールに再三襲い掛かる。得点源の柳田を中心にシュートを放つものの三重GK釘村を中心に堅い守備でアンクラスの攻撃を防ぐ。耐える時間の長かった三重だったが43分に山崎がワンチャンスをものにして先制に成功する。前半放った唯一のシュートを決めきった三重がリードしてハーフタイムを迎える。リードを許したアンクラスだが後半はやることは変わらず三重よりも多くのチャンスを演出するも最後の部分で決めきることが出来ず苦しい状況。三重は81分、90分と時間を有効活用しながら選手交代を行い1点を守り抜く体勢に。アンクラスは選手交代も含めて上手く行かず後手を踏む場面が目立ち、結局最後までネットを揺らすことが出来ずに試合終了。三重が1-0で逃げ切り3試合ぶりの白星。アンクラスは5連敗となってしまった。


FCふじざくら山梨 VS ディオッサ出雲FC

2位奪取へ勝利が絶対に欲しい山梨が1200人を超える観衆の中ディオッサを迎えた。前半から得点の香りがする試合展開にする山梨だったがスコアが動いたのは32分、ディオッサの岡倉が先制ゴールを奪い山梨は1点のビハインドとなってしまった。そのまま前半で得点を奪えなかった山梨はハーフタイムに菅と脇田を投入する。ディオッサを後半の立ち上がりで相手にペースを握られると57分に一気に3枚替えを行い勝負を仕掛ける。この采配の影響もあってか迎えた65分、辻野のゴールでゲームを振り出しに戻した山梨。80分には成迫を投入するなど逆転ゴールを狙う山梨に対してディオッサはしっかりと守備を固める。山梨はチャンスを作りだしたものの逆転までは至らず1-1でタイムアップ。サマーブレイク前の一戦は両チームにとって心残りとなる引き分けに終わった。


つくばFCレディース VS FC今治レディース

現在8連敗、そしてこの間でわずか1得点のつくばがサマーブレイク前最後の一戦で今治をホームに迎えた。前半勢いを持って入ったのはホームのつくばだったが、11分に森瀬にゴールを決められ早くも追いかける展開となってしまった。攻撃のチャンスこそ多くないもののリードを奪った今治は持ち前の守備力でつくばの攻撃を防ぎ前半をリードして折り返す。後半に入ると試合のペースは今治に傾く。徐々に攻撃が噛み合ってくると56分に池崎の今季初ゴールでリードを広げた今治。その後は余裕を持った試合運びを見せると、焦るつくばは攻撃でもミスが見られ後半はわずかシュート1本に終わってしまう。前半の苦しい展開をリードして耐えた今治が2-0でつくばを破り入替戦回避に向けて大きな1勝を手に入れた。一方のつくばはこれで9連敗。このタイミングでサマーブレイクを迎えることが出来るのは唯一の救いだろう。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS SEISA OSA レイア湘南FC

直近4試合すべてで複数得点を奪っている吉備国大が前節2-0で勝利している湘南を迎えてのホームゲーム。前半から押し込む展開を多く作り出す吉備国大に対して湘南は安定した守備を見せて得点を許さない。吉備国大も前半10本のシュートを放ったものの無得点と物足りない前半に終わると、ハーフタイムには西山を投入する。後半に入っても前半と展開は変わらず、押し込む吉備国大に対してカウンターで対抗する湘南。それでも72分、吉備国大はチームの得点王である西村が今季6点目となる先制ゴールを決めて均衡を破ると両チーム選手交代を活発に行い激しい展開に。それでもリードを奪った吉備国大は最後まで湘南の攻撃陣をシャットアウトし試合終了。3試合連続のクリーンシートを達成した吉備国大が5位に浮上した。一方の湘南は昇格への大事な一戦を落としてしまい夢の1部リーグが遠のいた。


ディアヴォロッソ広島 VS 大和シルフィード

2連勝中で残留争いから抜け出したディアヴォロッソがシルフィードを迎えての一戦。試合は立ち上がりの11分、まだ流れを掴み切れていない両チームだったがディアヴォロッソは山根のゴールで先制に成功する。その後は少しずつシルフィードが押し込む時間が増えるものの決定機までは至らず前半をディアヴォロッソがリードして折り返す。交代なしで迎えて後半はディアヴォロッソが主導権を握ると60分に八田の今季初ゴールで大きな追加点を奪うことに成功するとシルフィードはたまらず64分に堀と小田を投入し前の枚数を増やすがこの2試合無失点と堅守のディアヴォロッソからゴールを奪うことが出来ずに試合終了。要所でしっかりと得点を奪ったディアヴォロッソが3連勝を達成した。一方のシルフィードは前節3-0で勝利したものの今節は無得点に終わった。


岡山湯郷Belle VS JFAアカデミー福島

1位と2位の直接対決のとなった一戦。3位の山梨が引き分けたことにより福島としてはこの試合で敗れると3位に転落してしまう。試合のペースを握る湯郷が果敢に攻撃を展開すると21分に横山のゴールでスコアを動かす。その後も福島にまったくプレーをさせないと32分に坂本のゴールで追加点。2点リードして前半を折り返した湯郷は後半に入っても勢いの落ちない。51分に横山が今日2点目を決めると3分後には栫井にもゴールが生まれ一気に4-0。71分には小松のゴールで5点目を奪った湯郷。78分にPKから長縄にゴールを許すものの83分に坂本が今日2点目を決め、さらには後半アディショナルタイムに横山がハットトリックを達成し圧巻の7得点。攻撃が持ち味の福島にレベルの違いを見せつけた湯郷が7-1で大勝し優勝決定まであと1勝と王手をかけた。対する福島はこの大量失点により得失点差でも山梨に抜かれてしまう結果となった。


今節のMVP

藤原 愛里(スフィーダ世田谷FC)

2ゴール1アシストの活躍でチームの勝利に貢献した。

横山 久美(岡山湯郷Belle)

1位、2位直接対決でハットトリックの大暴れ。圧倒的な強さを見せつけて優勝をほぼ決定させた。


得点ランキング

1部では上位の齊藤、藤原が2ゴール、土屋が1ゴールを追加した。

2部では横山がハットトリックで27ゴールまで伸ばしている。また、栫井が1ゴールを追加し谷口と並んで4位タイになった。


アシストランキング

今節は上位陣にアシストは生まれず順位変動はなかった。


JWCRランキング

今節の結果、12位から17位で小さな変動がうまれた。


順位表

1部はヴィアマが首位でサマーブレイクに突入。残留争いではバニーズとハリマが厳しい状況に。

2部では湯郷が昇格まであと勝点1とした。山梨が2位に浮上しアンクラス、つくばが入替戦ラインに。

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