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2024なでしこリーグ1部第14節・2部16節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

朝日インテックラブリッジ名古屋 VS ASハリマアルビオン

3位に落ちてしまった名古屋と残留争い中のハリマの一戦。試合の主導権はホームの名古屋が握る。ハリマに対して攻撃のチャンスを全く作らせず完璧な内容で支配するものの肝心な攻撃はネットを揺らすことが出来ず前半は0-0で折り返す。このままでは難しいと悟ったかハーフタイムには市原、水野を下げて仁木、渕上を投入しサイドでの起点を作る。一方のハリマは前半シュート0で苦しい状況ながらも守備陣が奮闘し無失点。後半は大きな変化はつけず隙を伺う戦い方に。後半も攻撃の手を緩めない名古屋に対して集中力の高いハリマの守備がハマりゴールが遠い。試合終盤には名古屋に決定機を迎えるもののハリマGK竹下のファインセーブもあり最後まで無失点で抑えたハリマ。攻撃ではシュートを1本も放つことはできなかったものの3位の名古屋相手に貴重な勝点1を獲得。一方の名古屋は優勝には痛すぎる引き分けとなってしまった。


スフィーダ世田谷FC VS 伊賀FCくノ一三重

連勝が3でストップしたスフィーダが3連勝中の伊賀を迎えての一戦。スフィーダのクラブ記録である3316人の大観衆の中での試合は前半から観客を魅了する攻撃を展開する。堀江を起点に伊賀ゴールに迫るシーンを何度も作り得点の香りがするスフィーダに対してなかなか攻撃の形が作れない伊賀は守備の時間が長くなってしまう。それでも最後の部分はやらせずにスフィーダの攻撃を0で抑えた伊賀。ハーフタイムにはスフィーダが先に動く。藤原、金子を投入し前半とは違った攻撃のパターンを作るもののチャンスを活かしたのはアウェイの伊賀。57分、自陣でのFKから左サイドで受けた常田のクロスに中で待っていた平田が頭で合わせて伊賀が試合を動かす。リードを許してしまったスフィーダは65分に望月を投入し前への推進力を上げるも伊賀はハイプレスから相手に自由を与えず無失点を続ける。後半アディショナルタイムには試合を締めにかかった伊賀、藤田と谷口を投入し逃げ切りを図るとタイムアップの笛が。少ないチャンスを決めきった伊賀がスフィーダをウノゼロで破り4連勝。スフィーダは痛い連敗となってしまった。


静岡SSUボニータ VS 愛媛FCレディース

前節はスペランツァと対戦し1-1のドローで終わったボニータは2試合ぶりの勝利を目指して愛媛を迎えての一戦。立ち上がりに成功したのはホームのボニータ。9分、土屋がボールをカットすると自らシュートを放つ。このシュートは愛媛GK小松が弾くもののこぼれ球を中島が決めてボニータが先制する。さらに14分には左サイドを突破した土屋がドリブルでエリア内に侵入、そのままゴールを決めボニータがリードを2点に広げる。立ち上がりに連続失点をしてしまった愛媛だが攻撃では田子、桜井がシュートを放ちチャンスを作るものの得点にはつながらず前半は無得点で終える。後半に入っても攻めるのはアウェイの愛媛。久保田が後半5本のシュートを放つなど積極的な攻めを見せると76分、右サイドの深い位置から黒岩がクロスを上げると中で久保田がダイレクトで合わせて点差を1点に縮める。リードを何とか守り抜きたいボニータは84分に中島を下げて山本を投入し前線からプレスをかけて相手の攻撃に対抗するものの最後まで諦めなかった愛媛は90分、前線からプレスをかけボールを奪うと丸山がクロス、このボールはクリアされるもののこぼれ球を回収した松本がワントラップからのシュート。これが見事にネットに突き刺さり愛媛が土壇場で試合を振り出しに戻す。2点差を守り切れなかったボニータは後半シュート0と攻め込まれる時間が多く勝点2をこぼす形となってしまった。


オルカ鴨川FC VS 日体大SMG横浜

負けなしを8に伸ばしているオルカと前節後半戦初勝利を手にした日体大の一戦。前半から主導権を握ったオルカはサイドが活性化し日体大陣内に押し込む時間が続く。何とか耐えていた日体大だったが30分、高塚、松尾をパスを繋がれ最後は齊藤にゴールを許し1点ビハインドとなってしまう。反撃を試みるもののシュートは前半1本だけと抑え込まれた日体大、ハーフタイムには一気に3枚替えを行い勝負を仕掛けるもののなかなかチャンスが作れない。後半から入った大西が何度かチャンスメイクするものの決めきることが出来ずオルカは71分に守備の枚数を増やして1点をしっかりと守り切りに入る。最後まで集中した守りを見せたオルカが前半の1点を守り切り試合終了。久しぶりの連勝で3位名古屋との勝点差を3に縮めた。一方の日体大は順位がだんだんと下がっており残留争いに巻き込まれる心配が見え始めてきた。


スペランツァ大阪 VS ヴィアマテラス宮崎

連敗こそ止めたものの勝利が遠いスペランツァが攻撃に苦戦が見られ始めたヴィアマを迎えてのゲーム。開始早々からヴィアマの畳みかける攻撃に対してしっかりとブロックを敷いて守るスペランツァは18分、谷本がボール奪取すると深澤、増永と繋いで最後は左子がダイレクトでネットを揺らし防戦だったスペランツァが先制に成功する。しかし歓喜も束の間の20分、嘉数が裏にロングボールを送ると一度はクリアされるがボールを回収した齊藤がこれをしっかりと決めてヴィアマがすぐに試合を振り出しに戻す。追いつかれたスペランツァはその後もヴィアマから主導権を奪うことが出来ず前半を1-1で折り返す。後半に入っても勢いの落ちないヴィアマに対してスペランツァはカウンターの機会を伺うと68分、この試合最初のCKを佐々木がヘディングで合わせてスペランツァが勝ち越しに成功する。またしてもワンチャンスを決められてしまったヴィアマは81分に永冨を入れて前の枚数を増やしパワープレーを見せる。何度もゴール前まで迫るもののスペランツァDFが体を張って守り時計の針を進める。結局最後まで追いつくべく迫ったヴィアマだったが2点目は奪えず試合終了。スペランツァが首位ヴィアマにを2-1で破り今季2勝目をあげた。


ニッパツ横浜FCシーガルズ VS バニーズ群馬FCホワイトスター

首位ヴィアマが敗れたことで勝点を狭めるチャンスを生まれたニッパツが最下位のバニーズを迎えての一戦。立ち上がりから果敢に攻めたのはアウェイのバニーズ。10分、後藤のスルーパスに反応した高橋がシュートを放つとニッパツGK新井が弾く、そのこぼれ球を先に塩谷が押し込んで先制に成功する。出鼻を挫かれたニッパツだったが30分、奈良のFKを權野がヘディングで合わせて同点に追いつく。前半を1-1で折り返した両チーム、後半はニッパツが押し込む時間を多く作ると56分、奈良のCKが一度跳ね返されるも再度クロスを上げると小須田が頭で合わせてニッパツが逆転に成功する。一転して追いかける展開となってしまったバニーズは塩谷にボールを集めるものの効果的な攻撃はできず、交代枠を使って反撃を試みるがニッパツの統率された守備の前に後半は攻撃陣が低迷してしまい試合終了。試合巧者のニッパツが2-1でバニーズを破り2連勝。首位ヴィアマの背中が見えた。


JFAアカデミー福島 VS 吉備国際大学Charme岡山高梁

ここに来て連勝で3位の山梨との差を広げた福島は3戦負けなしの吉備国大を迎えての一戦。前半からエースの板村にボールを集める福島に対して吉備国大はしっかりとマークを付けて対応する。自由な攻撃をやらせない吉備国大は42分に細川に代えて西山を投入するプラン変更もありながらスコアレスで前半を折り返す。後半に入ると立ち上がりに吉備国大が仕掛ける。48分、樋口のゴールで先制点を奪うことに成功すると52分にはまたしても樋口のゴールで一気にリードを広げる吉備国大。少ないチャンスで2点を奪われる形となってしまった福島は71分、75分と立て続けに選手交代を行い反撃するものの吉備国大が堅い守りを見せて得点を許さない。板村も試合を通して9本のシュートを放つが吉備国大GK佐喜眞の活躍もあり無得点に抑え込まれ試合終了。後半の立ち上がりで試合を決めて吉備国大が過去の対戦成績で1勝しかしていない相手から2勝目をあげた。


大和シルフィード VS 福岡J・アンクラス

中位で停滞しているシルフィードは何か変化が欲しい。対するアンクラスは残留に勝利が欲しい状況。ともに勝利が欲しい中でも一戦はシルフィードの攻撃が光る。6分、平國のゴールで幸先良く先制に成功すると、その後も攻め続けるシルフィードに対して防戦のアンクラス。33分には早狩の今季初ゴールが生まれリードを広げたシルフィード。このままでは終われないアンクラスはハーフタイムに小山を下げて松本を投入、FWを代えると攻撃は少しずつ噛み合ってくる。62分には小林、丸形を投入してさらに前への圧力を高めようとするが、ここでリズムを握らせなかったシルフィードは64分、島村のゴールで3-0と勝利を大きく近づける。この1点が大きかったアンクラス、その後は落ち着いた戦い方の前に結局ネットを揺らすことが出来ずに試合終了。シルフィードがアンクラスを3-0で破り3試合ぶりの勝利を手にした。


ディオッサ出雲FC VS ディアヴォロッソ広島

7戦負けなしと好調のディオッサと前節4試合ぶりの勝利を手にしたディアヴォロッソの一戦。試合は立ち上がり早々の3分にディアヴォロッソの山根がゴールを決めて試合を動かす。隙を突かれてしまったディオッサはなかなかチャンスを作れずにいると30分には友近が負傷により交代となり苦しい展開に。前半はこのまま0-1でビハインドで折り返すとハーフタイムにフェレールを投入、対するディアヴォロッソも岡を入れて勝負の後半は55分に前田の今季初ゴールでディアヴォロッソが点差を広げると77分に2枚替えを行ったディオッサのマークの受け渡しが上手く行かず78分に栂のゴールでリードを3点に広げたディアヴォロッソ。試合終盤は選手交代を行いながら時計の針を進めると最後までディオッサの攻撃を受けきり試合終了。2試合連続のク
にリーンシートで連勝としたディアヴォロッソは勝点を17に伸ばして残留を大きく近づけた。


ヴィアティン三重レディース VS 岡山湯郷Belle

首位の湯郷相手に挑む形となった三重だったが12分、秋元に先制点を許し早い段階で追いかける展開に。さらに35分には三重のGK切畑が決定機阻止で一発退場に。数的不利となってしまった三重はこのファールで与えたFKを横山に直接決められ0-2。人数の多い湯郷はその後も攻め続け45分には横山の今日2点目が決まり3-0。前半で勝負を決めてハーフタイムを迎える。後半に入っても勢いの落ちない湯郷は49分に杉田のゴールで4-0。その後は三重が全員守備で何とか失点こそしないものの攻撃の形を作ることはできず。63分、73分と選手交代を行いフレッシュな選手を投入するも首位相手に一人少ないという状況はどうしようもできず0-4で敗戦となってしまった三重は今季初の連敗。湯郷は5連勝として昇格が目の前になった。


SEISA OSA レイア湘南FC VS つくばFCレディース

足踏みが続く湘南がホームにつくばを迎えての一戦。試合のペースを完全に掴んだ湘南が前半から畳みかけると20分に鈴木のゴールで先制に成功する。さらに終盤の43分にも鈴木の2ゴール目が決まりリードを広げた湘南。一方のつくばは前半シュートを1本も放つことが出来ず修正が求められる状況だった。後半に入るとつくばにも攻撃の回数が増えだし一進一退の攻防が生まれるものの前半の2点のリードは大きく、精神的にも楽な状態の湘南選手たちがしっかりと落ち着いたプレーを見せる。つくばは次第に焦りが見え始めるとミスが散見し負の連鎖に。結局後半は湘南と同じ5本のシュートを放ったつくばだったがゴールを割ることが出来ずに試合終了。鈴木の活躍で4試合ぶりの勝利を手にした湘南。対するつくばは8連敗と辛い状況が続いている。


FC今治レディース VS FCふじざくら山梨

難しい試合が続いている今治が2位を狙う山梨を迎えての一戦。雨天強風という悪天候の中でのゲームは両チーム普段通りのサッカーを行うことが出来ずに苦戦。チャンスもなかなか作ることが出来ずに辛抱の前半となった。それでも前半終了間際の45分に辻野が均衡を破るゴールを決めてリードして前半を終えることが出来た山梨。後半に入ってもリードを活かしながら相手が前に出てきたところを狙いに行く。今治としても早い時間で追いつきたかったものの前線にボールを運ぶことができず停滞。山梨をリスクをかけたプレーは見せずボールの蹴り合いに。それでもリードしている山梨は90分に源関のダメ押しゴールで勝利を決定づける。前後半の締めで失点を許してしまった今治が0-2で敗戦。勝利した山梨は2位の福島と勝点で並んだ。


今節のMVP

佐々木 美悠(スペランツァ大阪)

首位ヴィアマ相手に勝ち越しゴールを決め勝利に貢献した。

樋口 佳那子(吉備国際大学Charme岡山高梁)

2位の福島から2ゴールの大活躍。守備では相手の高い攻撃力を封じ込め完封勝利。


得点ランキング

1部では齊藤、土屋が1ゴールを追加した。

2部では横山と鈴木が2ゴールを追加した。


アシストランキング

黒岩が1アシストを追加し5アシストで単独首位に。


JWCRランキング

今節の結果、名古屋、吉備国大が2ランクアップ、ヴィアマが3ランクダウンとなった。


順位表

1部は2位のニッパツが首位のヴィアマとの勝点差を4まで縮める。

2部では山梨が2位の福島に勝点で追いついた。

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