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2023 皇后杯5回戦レビュー

5回戦の試合結果


試合レビュー

三菱重工浦和レッズレディース VS 日体大SMG横浜

強豪浦和と唯一の大学生チームとなった日体大の一戦。立ち上がり最初のチャンスを作ったのは5分の浦和、塩越のパスを受けた後ろに落とすも見方にはつながらず。対する日体大も20分、左サイドの金子のクロスに中で選手が飛び込むも合わすことはできない。そしてそのまま浦和がカウンターに持ち込むと伊藤のスルーパスに走りこんだ菅澤が自らドリブルで持ち込み強烈なシュートを叩き込んで浦和が先制点を奪う。リードを奪われた日体大も31分、ロングシュートを放つが浦和GK池田がセーブ。前半を浦和が1点リードして後半に折り返す。49分、スルーパスに反応した菅澤が日体大GK西川に倒されるも判定はノーファール。この判定に対して浦和サポからはブーイングが飛ぶ。その直後のプレーでは浦和の安藤がラフプレーでイエローカードを貰い会場は異様な雰囲気に。それでも浦和は66分、清家が右サイドを駆け上がりエリア内に侵入すると最後は伊藤にパス。これを落ち着いて決め完璧な崩しから追加点を奪う。リードを広げられた日体大は69分、パスミスを回収して遠目からシュートを打つもGK池田の正面。この2点のリードを浦和が上手く時間を使って守り切り試合終了。最後まで走り続けた日体大だったが浦和の壁は高く0-2で敗戦。5回戦で姿を消した。


ジェフユナイテッド市原千葉レディース VS ノジマステラ神奈川相模原

WEリーグでは調子が上がらない両チームの一戦。試合は立ち上がり9分に動く。千葉はCKの流れから鴨川のクロスを田中が頭で合わせて先制点を奪う。その後も千葉玲海菜を中心に相模原ゴールに襲い掛かる千葉。劣勢だった相模原だが32分、平野の左からのクロスに浜田が走りこんで頭で合わせて試合を振り出しに戻す。このまま前半が終わると思われた44分、千葉は田中のクロスに鴨川がヘディングでピンポイントで合わせるとこれが決まって勝ち越しに成功する。前半をリードを奪って終えることが出来た千葉。追いつきたい相模原は47分、川島がロングシュートを放つとこれがバーに直撃し惜しくも同点とはならず。しかしその後は徐々に千葉が攻撃のリズムを掴むシーンが増えてくるもゴールには至らず。試合も終盤に差し掛かった82分、千葉玲海菜の強烈なシュートがポストに当たって入り千葉がリードを2点に広げると、後半アディショナルタイムには相手のクリアボールを今田がダイレクトで決めて4-1。要所でしっかりとゴールを決めた千葉が相模原を4-1で破り準々決勝進出を決めた。


マイナビ仙台レディース VS 愛媛FCレディース

リーグ戦では連敗中の仙台になでしこリーグの愛媛が挑む一戦。試合のペースを掴んだのはWEリーグの仙台。中島を中心にサイドからのクロスの起点となってシュートを放つを決めきることが出来ない。20分にはGKとの1対1の決定機を迎えるも決めきれず。対する愛媛のカウンターから何度かチャンスは作るもののゴールをものにはできない。両チームスコアは動かず前半をスコアレスで折り返すと52分、田畑のクロスボールに廣澤が頭で合わせるもバー直撃。このこぼれ球を西野が押し込むをブロックされるが最後は廣澤が決めて仙台が遂に均衡を破る。その後も追加点を狙って攻める仙台に対して劣勢の時間が続く愛媛。しかし最少失点で抑えた愛媛は徐々にシュートチャンスを作り始めると、84分、相手のゴールキックの跳ね返しからカウンターを開始すると裏に抜け出した田子が決めて愛媛が同点に追いつく。しかし安堵もつかの間の86分、田畑がペナルティエリア内で倒され仙台がPKを獲得するとキッカーはファールを受けた田畑。この緊張する場面でしっかりと決めて仙台が勝ち越しに成功。このゴールが決勝点となり仙台が愛媛相手に2-1と辛勝した。


サンフレッチェ広島レジーナ VS セレッソ大阪ヤンマーレディース

関西チーム同士の5回戦。カップ戦では広島が2-1で勝利しておりセレッソとしてはリベンジに燃える一戦。前半は広島がサイド攻撃を中心に攻めるのに対し、セレッソは矢形を走らせる戦い方に。両チームとも決定機を迎えるものの得点には至らず。やや広島が優勢に試合を進めた前半だった。スコアレスで後半に入ると51分、右サイドから立花のクロスボールを中で中嶋が頭で合わせて広島が先制する。リードを奪われたセレッソだが、その後は攻勢を強めると徐々にチャンスを増やしていく。61分、ゴール目の前でFKを獲得するとキッカーの筒井のシュートは枠の上を超えてしまう。その後も裏を果敢に狙うセレッソだが体を張って守る広島。耐える時間が続いた広島も71分、左サイドを切り込んだ中嶋が自らシュートを放つが追加点とはならず。セレッソは78分にスルーパスに反応した和田が決定機を作るもシュートは枠の上。90分にはペナルティエリア内で倒されたもののファールはもらえず。後半アディショナルタイムにはカウンターから白垣がドリブルで持ち運びシュートを放つが広島GK木稲がキャッチ。最後まで1点が遠かったセレッソ。広島がカップ戦に続いてセレッソに1点差で勝利し準々決勝進出を決めた。


INAC神戸レオネッサ VS ASハリマアルビオン

連戦の疲労が残るINACはハリマとの兵庫ダービー。4分、INACは左サイドからチャンスを作ると田中のシュートはハリマDFがブロック。それでも9分、右サイドの守屋のクロスに田中が頭で合わせてINACは先制する。その後も攻勢をINACに対して劣勢のハリマ。20分にはCKの流れから竹重が反転してシュートを放つが枠の左。前半INACは13本のシュートを打ったのに対してハリマは2本と差をつけられてしまう。それでも何とか1点で持ちこたえたハリマは後半に巻き返しを狙う。51分、INACはゴール目の前の絶好な位置でFKを獲得すると田中のシュートはポストに当たってゴールとはならない。54分にはカウンターから髙瀬が飛び込むも合わすことが出来ず。防戦一方のハリマだったが59分、CKのチャンスを獲得すると一度はクリアされるものの組み立て直し内田のクロスを小島がヘディングで合わせて少ないチャンスで同点に追いつく。しかしここで慌てないINACはしっかりとペースを握ったままチャンスを迎える。81分、巧みなパス交換から髙瀬が抜け出してゴールに流し込み勝ち越し成功する。さらに88分には愛川がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得する。キッカーは倒された愛川。左に蹴ったシュートはハリマGK竹下が見事にセーブし追加点は許さない。これで流れを一気に変えたいハリマだったがなかなかボールを前に運ぶことが出来ずに試合終了。一時は同点にされたINACだったが落ち着いて勝ち切り準々決勝進出を決めた。


AC長野パルセイロレディース VS アルビレックス新潟レディース

宮崎での開催となった長野と新潟の皇后杯5回戦。最初にチャンスをものにしたのは長野。15分、菊池のCKにタニガーン・デーンダーが走りこんで頭で合わせて先制する。しかしそのわずか1分後の16分、新潟は川澄のクロスに杉田が頭で合わせてすぐさま同点に追いつくと23分にはスルーパスに反応した杉田がフリーの石淵にパスを送る。石淵のGKの上を通すシュートが決まり新潟が逆転に成功する。勢いに乗る新潟は30分、杉田のシュートはバーに当たるもののこぼれ球を石淵。しかし石淵のシュートはポストに当たり決めることはできないが跳ね返りを滝川が決めて新潟が3点目。リードを2点に広げる。このまま前半を3-1でリードして折り返した新潟は後半開始早々の52分、石淵の左からのクロスを川澄がヘディングで合わせて新潟が4点目。試合を一気に有利に進める。苦しい状況となった長野だがなかなかシュートシーンを作ることができない。大量リードとなった新潟はその後も時間を使いながらしっかりと試合のペースを離さず。長野は後半もシュートを1本しか打つことが出来ず完敗。先制こそ許したもののしっかりと逆転し勝ち切った新潟が初タイトルに向けて5回戦を突破した。


日テレ東京ヴェルディベレーザ VS スフィーダ世田谷FC

公式戦では初対決の東京ダービー。前半から自慢の攻撃力でシュートシーンを作りだすベレーザ。しかしスフィーダもそれに恐れずに果敢にゴールに迫る。両チーム迫力ある攻撃を見せるものの、なかなか枠を捉えることが出来ない。23分、裏に抜け出してチャンスを作ったベレーザは木下がミドルシュートを放つもバーに直撃し惜しくのボールはラインを割らず。前半アディショナルタイムには藤野が前線でボールを奪って自ら持ち込みシュート。しかしスフィーダGK石野がしっかりキャッチ。決定機は作るものの決めきれなかったベレーザ。前半をスコアレスで折り返す。後半に入るとさらにベレーザの攻撃が増す。それでも体を張った守備で耐えるスフィーダは何とか無失点を続ける。69分には藤野が決定機を作るもシュートは枠の上。耐えたスフィーダは76分、右サイドを崩すと大竹のグラウンダーのクロスは相手に触られるものの最後は長﨑とつないで最後は金子が決めて先制に成功する。まさかの先制点を奪われたベレーザは前への圧力をさらに高めると、80分、カウンターの流れから藤野が右サイドを突破し自らシュートを放つと、これが決まって同点に追いつくと87分には樋渡のシュートがバーに跳ね返るとこぼれ球を最後は北村が押し込んでベレーザがあっという間に逆転に成功する。この失点が大きかったスフィーダ。先制したもののベレーザの攻撃に耐えることはできずに逆転負け。前回大会覇者に対して善戦したもののあと1歩及ばなかった。


大宮アルディージャVENTUS VS ちふれASエルフェン埼玉

アウェイの連戦が続く大宮がエルフェンのホーム熊谷に乗り込んでの一戦。強風が吹くなか風上に立った大宮だったがペースを掴んだのはエルフェン。縦に早い攻撃で大宮陣地に侵入するシーンを増やすエルフェンは23分。FKを獲得すると瀬戸口のキックに瀬野がヘディングでつなぐとルーズボールとなったところを大宮GKスタンボーより先に大沼が触って押し込みエルフェンが先制点を奪う。その後もカウンターを中心に攻め込むエルフェンに風上ながらペースを掴めない大宮。前半をシュート1本と完全に抑え込まれてしまった。後半に入ると一転してペースを掴んだのは大宮。57分に井上、船木を投入し勝負に出ると少しずつチャンスを増やす。70分、FKの流れから林がシュートを放つが枠の右。72分には船木のシュートのこぼれ球を井上が触るもボールはゴールの上。76分にはCKから長嶋がヘディングで合わせるも枠を捉えられない。チャンスを作るもののゴールを決めることができない時間が続く大宮。後半アディショナルタイムにはFKを獲得するが決められず試合終了。前半の1点を守り抜いたエルフェンが埼玉ダービーを制して準々決勝に駒を進めた。


得点ランキング

齊藤が首位で5ゴール。勝ち残っているチームがこの中にはいないため有利か。


トーナメント表


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