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2024なでしこリーグ1部第3節・2部第3節レビュー


今節の試合結果


試合レビュー

静岡SSUボニータ VS 朝日インテックラブリッジ名古屋

1分1敗と勝利のないボニータは2連勝中で勢いに乗る名古屋をホームに迎えての一戦。試合の主導権を握ったのは連勝中の名古屋。積極的に相手の背後を狙って行きチャンスを作る。それでも体を張って守るボニータの前になかなかゴールが決まらない。31分、CKの流れから三浦がシュート。これはバーの当たるもののこぼれ球を最後は渕上が狙うがこれもバー。名古屋が連続攻撃を見せるがピンチを脱するボニータ。34分にも市原がシュートを放つもボニータGK安間の正面。攻め続けた名古屋だが前半はゴールを奪えず後半を迎える。後半に入ってもペースは名古屋のまま。60分、名古屋は髙島、新城を投入すると64分、裏へ抜け出した髙島がGKを交わしてシュート。しかしこれはボニータDFがスライディングで防ぐもののクリアボールが味方にあたりボールはネットの中へ。攻勢だった名古屋がオウンゴールで先制に成功した。失点直後にボニータも3枚替えを行うものの流れを引き寄せることはできず。2点目を奪うことはできなかったものの、この1点が大きかった名古屋は1-0で勝利し開幕3連勝を達成した。


ASハリマアルビオン VS オルカ鴨川FC

開幕連敗スタートとなってしまったハリマが初勝利をかけて同じく勝利のないオルカを迎えての一戦。最初のチャンスはホームのハリマ。4分、GKのパスをカットした川﨑がロングシュートを放つが惜しくも枠の左。対するオルカも15分、近藤が抜け出してシュートを放つがハリマGK小暮が好セーブを見せる。ボールを支配する時間が長いのはハリマだがチャンスを多く作ったのはオルカ。しかし前半は双方得点を奪うことはできずに前半をスコアレスで折り返す。流れを変えたいハリマはハーフタイムに3枚替えを行い変化をつける。試合を動かすことはできずに迎えた74分、相手のミスをついたオルカは齊藤がGKを1対1のチャンスを作るが小暮がタイミング良く飛び出しなんとか防ぐ。しかし直後の76分、高村のクロスボールは相手に当たるもののこぼれ球を松尾が振り抜く。これが決まってオルカが先制に成功する。さらに試合終盤の88分、並木のCKに三秋が頭で合わせて追加点。これで勝負を決めてオルカが今季初勝利。一方のハリマは開幕3試合とも0-2の敗戦となってしまった。


愛媛FCレディース VS スペランツァ大阪

前節アウェイ戦ながらも勝点1を持ち帰った愛媛がホームで同じ勝点1のスペランツァを迎えての一戦。立ち上がりにペースを握ったのはホームの愛媛。前線からプレスをかけ相手陣内でのプレー時間を増やす。さらに5分にはスペランツァは宮本が負傷し交代を余儀なくされる。チャンスを作る愛媛だがシュートまで持ち込むことはできず。対するスペランツァも徐々にチャンスを作り始める。そして34分、右サイドで豊村がクロスを上げると平岩がシュート。これは愛媛GK小松がセーブするもこぼれ球を深澤が押し込んで劣勢だったスペランツァが先制点を奪う。前半を1点ビハインドで折り返した愛媛はハーフタイムに2枚替えを行うと後半はシュートが増え始める。エースの田子が4本のシュートを放つなど積極的にゴールを狙う。それでも追いつくことはできずに試合はアディショナルタイムへ。このまま試合終了かと思われた94分、丸山のロングボールに反応した松岡が上手く相手を交わしてシュート。これが決まって愛媛が劇的な同点ゴール。そしてそのままタイムアップの笛。ルーキーの松岡のゴールで引き分けに持ち込んだ愛媛。一方のスペランツァはラストワンプレーに泣く結果となってしまった。


バニーズ群馬FCホワイトスター VS スフィーダ世田谷FC

2試合で9失点で守備に課題を呈しているバニーズが攻撃力の高いスフィーダを迎えての一戦。試合は引いて守るバニーズに対してスフィーダがゆっくりと組み立て攻撃を仕掛ける展開に。スフィーダのサイド攻撃に対しても落ち着いて守るバニーズ。この1週間で守備の連係も高まっている。攻撃に転じることはできないもののスフィーダの攻撃をしっかりと守りきり前半は0-0で折り返す。30℃を超える暑さのデイゲームに苦労する選手たち。後半は両チームとも足が止まる場面が目立つ。攻め疲れが見えるスフィーダは62分、69分と選手交代を行ってフレッシュな選手を投入するのに対し、バニーズは72分に大矢を下げただけでこの状態をいじりたくない様子。シュートは2本しか打つことができなかったバニーズだったが課題の守備面では最後までスフィーダにゴールを割らせずに試合終了。0-0のスコアレスドローに終わり勝点1を分け合う形となった。


日体大SMG横浜 VS 伊賀FCくノ一三重

前節は引き分けに終わったが今季まだ無敗の日体大が攻撃陣絶好調で連勝中の伊賀を迎えての一戦。最初のチャンスはホームの日体大。14分、伊賀はGKまでボールを下げると、GK後藤のパスは日体大篠田の足元へ。篠田はダイレクトで無人のゴールに流しこみに日体大が先制する。自分たちのミスによりリードを許した伊賀は追いつくべく日体大ゴールに迫るシーンを作るも決めきれない。前半はこの1点により日体大がリードしてハーフタイムに入る。伊賀は66分に交代出場した篠原が積極的に攻撃を牽引しチャンスを作るも日体大はGK服部を中心に堅い守備を見せる。77分、FKを獲得した日体大は渡部のキックはオーバーするもタッチラインぎりぎりで西村が折り返すと中村が合わせて追加点。伊賀の選手たちはタッチラインを割ったと抗議するも判定は変わらず日体大がリードを広げる。その後は時間を上手く使った日体大が無失点で試合を終えて今季2勝目。前節まで良い攻撃を見せていた伊賀は1点が遠く今季初黒星となった。


ヴィアマテラス宮崎 VS ニッパツ横浜FCシーガルズ

なでしこ1部でも高い攻撃力を発揮するヴィアマはニッパツをホームに迎えた。試合のペースはヴィアマ、得点源の齊藤を起点にニッパツゴールに迫るもGK大久保が好プレーを見せて得点を許さない。それでも31分、右サイドで齊藤が粘ってクロスを入れると坂田が収め最後は松田のダイレクトシュート。これが決まってホームのヴィアマが先制する。リードを許したニッパツは前半を0-1で折り返すと後半もヴィアマのペースから流れを変えることができない。59分、76分と4名の選手を送りだすもののヴィアマの高いチーム力の前に持ち味を発揮できない。それでも追加点は許さなかったニッパツ。後半アディショナルタイムが7分と提示されると最後のチャンスにかけるニッパツだったが95分、嘉数のFKを跳ね返したニッパツだがこぼれ球を松田がミドルシュート。これが豪快にネットに吸い込まれるゴラッソが決まりヴィアマが勝利を決定づける追加点。そして試合は終了しヴィアマが2-0でニッパツを破り開幕3連勝とした。


つくばFCレディース VS 福岡J・アンクラス

開幕連敗スタートとなってしまったつくばは同じく今季勝利のないアンクラスをホームに迎えての一戦。前半輝きを見せたのはつくばのキャプテン内藤。チームを引っ張る司令塔が積極的にアンクラスゴールを狙う。セットプレーからもチャンスを演出するつくばだがアンクラスの集中を切らさない守りの前にゴールが奪えない。前半はつくばが押し込む時間がほとんどだったものの0-0でハーフタイムに入る。両チームとも中盤を1人代えて迎えた後半。ペースは相変わらずつくばだがゴールは遠い。それでも迎えた試合終盤の88分、つくばはDF小田川の値千金の決勝ゴールが決まり試合終了。アンクラスの守備に苦戦したつくばだったが、なんとか1点を奪い今季初勝利。一方のアンクラスは攻撃がほとんどできず防戦一方で試合を落としてしまった。


FCふじざくら山梨 VS 大和シルフィード

前節アンクラスに勝利した山梨は現在2連勝と勢いがあるシルフィードと対戦。試合は開始早々に動く。2分、鈴木の2試合連続ゴールで先制した山梨。その後も中盤でボールを組み立てると33分に山本のシュートが決まって山梨が追加点。一方のシルフィードは持ち味の攻撃が発揮できず前半シュート0に終わってしまった。立て直したいシルフィードは後半に北田を投入しテコ入れを図るも山梨の攻勢が強まる。2点のリードがあることでのびのびとプレーする山梨の選手たち。82分に松岡がダメ押しとなる3点目を決めると勝負あり。最後は交代を使って無失点で終えた山梨。3-0で強豪シルフィードを破り2連勝。一方のシルフィードは良いシーンをほとんど出すことが出来ず連勝は2で止まってしまった。


ディオッサ出雲FC VS ヴィアティン三重レディース

なでしこリーグでの初勝利を目指してディオッサは三重を迎えての一戦。試合は両チーム一進一退の攻防が続く。それでもディオッサの岩下はこの試合で最多の3本のシュートを放つ。それでもネットを揺らすことはできず、両チームとの攻撃の決めてにかける。後半に変化をつけたい両チームだったが試合の流れを完全に支配することはできず時間が進む。両チームとも後半は攻撃的な交代カードを立て続けに用意するも得点には至らない。結局最後までゴールを目指して攻めた両チームだったがスコアレスドローで試合終了。ディオッサとしてはホームで2連続の引き分け。対する三重も2試合連続のドローで勝点2となった。


吉備国際大学Charme岡山高梁 VS 岡山湯郷Belle

岡山ダービーとなったこの試合は過去の対戦成績でも圧倒する湯郷の試合となった。10分、エース横山のゴールで先制した湯郷は19分にも横山の追加点でリードを広げる。さらに26分に相手のオウンゴールで3点目が入ると、その2分後の28分に内田のダメ押しゴールで4-0。前半だけで試合を一気に決めた湯郷。吉備国大はたまらず39分にDF2枚を交代させこれ以上の失点を防ぐ策に出る。前半こそこれ以上失点しなかった吉備国大だったが後半開始早々の49分に栫井にもゴールを許し5-0。その後も攻め続ける湯郷に対して防戦一方の吉備国大。シュートも試合通して7本と相手の28本と大きく差をつけられてしまう。湯郷は最後まで隙を見せずにクリーンシートで試合を締めた。今年最初の岡山ダービーは湯郷が力の差を見せつける形となった。ホームの吉備国大はこれで2戦勝ちなしとなった。


ディアヴォロッソ広島 VS SEISA OSA レイア湘南FC

今季初勝利を目指すディアヴォロッソはホームに湘南を迎えての初対戦。試合のペースを掴むのはホームのディアヴォロッソ。得点源の木須を中心に湘南ゴールに襲い掛かる。しかし、そんな主導権を握っていたディアヴォロッソにアクシデント。38分、髙橋が負傷により交代を余儀なくされると流れが変わる。そして前半アディショナルタイムに湘南は鈴木のゴールで先制点を奪う。リードを許して後半に入ったディアヴォロッソ、同点ゴールを狙うもののなかなかネットを揺らすことができない。それでも83分、和田の今季初ゴールで同点に追いつくディアヴォロッソ。しかし、歓喜を束の間の84分、湘南は遠藤が勝ち越しゴールを奪い再度リードを得る。このゴールはディアヴォロッソとしてもメンタルに大きくそのまま再度追いつくことは叶わず試合終了。ディアヴォロッソは惜しくも勝点を積み重ねることが出来なかった。一方の湘南はアウェイでの初勝利を飾った。


FC今治レディース VS JFAアカデミー福島

今季まだ得点を奪えていない今治はホームに福島を迎えての一戦。この試合はゴールラッシュとなった。立ち上がり5分、福島は野田のゴールで先制すると10分に板村のゴールで追加点。立て続けに得点を許した今治は11分に徳田が負傷により交代するなど苦しい展開に。その後は試合が落ち着いたものの43分に福島は木村が勝利を大きく手繰り寄せる3点目を決めてハーフタイムに入る。後半になり反撃したい今治はチャンスを作り始めるも決定力の高い福島は51分に樋口の今季初ゴールで4点目。それでも今治は諦めずに63分、山下のゴールでなでしこリーグでチーム初得点を決める。これで勢い付きたい今治だったが66分に長縄に得点を許すと、71分、74分と立て続けに失点。1-7と大きく点差をつけられてしまう。それでも88分に池崎のゴールで1点を返した今治。試合には敗れたもののこの2得点は今後につながる大きいものになったはずだ。


今節のMVP

松田 遥奈(ヴィアマテラス宮崎)

後半アディショナルタイムにはゴラッソもあり2得点の活躍でチームの3連勝に貢献した。

小田川 真奈(つくばFCレディース)

試合終盤にチーム初勝利を決定づけるゴールで決め勝点3を獲得する活躍を見せた。


得点ランキング

1部では松田が2ゴールを記録し西川と並んで3ゴールで首位に立った。

2部では板村が5ゴールで首位に立つ。2位に横山、3位に鈴木が追う。


アシストランキング

坂田が1アシストを追加し3アシストで単独首位になった。


JWCRランキング

今節の結果、変動が大きかったところでは、三重が2ランクアップ、伊賀は2ランクダウンとなった。


順位表

1部はヴィアマ、名古屋が開幕3連勝を飾った。一方のハリマは3連敗。

2部は福島、湯郷と昨季の2位、3位が3連勝を飾っている。


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