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四国八十八ヶ所巡り「高知編2023.9.1-4 その4 〜珍しい電車と甘酒でほっこり 第30番札所・善楽寺〜」

<2日目 9/2(土)②>
読みが甘かった。
1時間で唐浜駅に着き、11:05の電車に乗れるものと思っていた。

第27番札所・神峯寺から車道を下りてきたが、意外に時間がかかった。
よくよく考えてみたら、車道って、お遍路道より長いのよね。
それに加えて、あと15分ぐらいで駅に着くぞというところで、軽トラでお昼休憩してたおじいちゃんに捕まってしまった。
「どっから来たん」から始まり、横浜からと答えると、おじいちゃんの旅話が止まらなかった。
「三原山は横浜から近いじゃろ?」と問われ、心では遠いよ!と叫んだが、会話を早く切り上げようと「そうですね〜」と答え、なんとか5分以内に収めることに成功。
よーし、行ける行ける、きっと電車に乗れる、と急ぎ足で歩いた。
あと300〜400mで駅到着という場所で、線路の音が聞こえ、乗るはずの電車が駅に入る光景を見た。

うわーっ!
嘘だろ〜?

唐浜駅の時刻表

遅かった。
次の電車は12:42安芸行き。
約1時間半の待ち時間をどうしよう。
何を言ってる、高知県に入ってからのお遍路は、バスや電車を1〜2時間ほど待つなんて普通じゃないか、と冷静に自制し、駅前の休憩所で待つことにした。
トイレに行ったり、お昼ごはんを食べたり、ガイドブックを読んだりしながらベンチで過ごした。

なんとなく、壁にあるお遍路関係の掲示物を眺めていたら、ある事実に氣づいた。
次に回る第30番札所・善楽寺は、一度、廃仏毀釈で廃寺になっていたそうだ。
その時期、代理業務を請け負っていたのが安楽寺で、善楽寺が八十八ヶ所に復帰後の現在、第30番札所・奥之院と呼ばれている。
急いでガイドブックを読むと、確かに書いてあった。
ちゃんと読んどけ、と自分にツッコミを入れたのは言うまでもない。
すかさず、安楽寺の場所を調べ、ニンマリ。
余裕があったら行ってみようと思った。

これが、しんたろう1号

長い時間待って乗った12:42発安芸行きの電車は、しんたろう1号というデッキ付き列車だった。
昼時刻に上り下り1本ずつしか走らない( 奈半利行きはしんたろう2号)「しんたろう号」に乗れるとはラッキー!

右側の通常仕様の席が空いておらず、終点安芸駅まで左のデッキに立っていた

帽子を押さえながら、風を感じてデッキに乗る氣持ち良さ。
いい体験をした。
帽子、メガネ等を飛ばされないようにご注意、のようなプレートが壁にあって、微笑ましかった。
途中の駅から小学生の男の子がひとりで乗ってきて、やはりデッキに移動してきた。
来年還暦のわたしがうれしかったのだから、彼の喜びようはものすごいものだったろう。
わたし同様、彼も終点・安芸駅までデッキにいた。

安芸駅で高知行きに乗り換え、14時ちょっと過ぎに土佐一宮駅で下車。(電車賃1360円)
ガイドブックによると徒歩20分。
高知で1番の難所を乗り越えたわたしなら、スキップでいけそうだわ。
途中、コンビニでスポーツドリンクを買ってゴクゴク飲み、平坦な歩道を歩いた。
そろそろ近くなってきたかな、と思った交差点でこの看板に出くわし、しばし立ち止まった。

どっちの矢印を信じたらいいの?

おそらく、下の矢印が本当だろうと進み、第30番札所・善楽寺に着いた。
とても整備された綺麗なお寺だった。

この日はこの札所でお遍路終了。
納経所で御宝印を授かって、かわいいパッケージの甘酒を購入。
ベンチに腰掛け、冷たくておいしい甘酒をいただき、しばらく休憩した。
ちょうどいい甘さだったな。

真ん中のポケットティッシュは、住職さん直筆のイラストなのよ

夕方よりだいぶ前に高知駅へ戻った。(電車賃240円)
駅構内のお店でお土産を買い込み、ホテルに帰り、フロントからお土産を宅配便で自宅に送った。
こう見えてわたしはコンビニ店員。
若いフロント係の宅配便のサイズの測り方がメチャクチャで、思わず「ちょっと貸してみて!」と言いそうになった。
いかんいかん、この試練も「研修中」バッジをつけた彼には必要なのだ。
ぐっと我慢しといた。
請求された金額が明らかに安かったので、「安くないですか?」と伝えると、隣にいたベテランフロントマンがきっちり対応してくれた。
どんどん失敗して成長しておくれよ〜新人くん!

まだ明るい夕刻、お目当ての居酒屋を目指し、ホテルを出た。

++++++++++ つづく ++++++++++

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