仮想CITY石巻 vol.23「なにがなんでも1095」


我が愛車(五年落ちのシビック)で、恐る恐るドライブスルーしてみた…

「WELCO~ME!1095(ワンサウザン・ナインティファイブ)」の声と共に大歓迎で迎えられた(そう感じた!)

ここは、歩行者天国になった土・日・祝でも、唯一ドライブスルー出来る店・バーガー「1095」だ

読み方は、さっき聞こえた通り!

オリジナルハンバーガーを中心に、他ではお目にかかれない無国籍料理の数々は、オーナーのボブ(生粋の日本人だが、こう呼ばれている。プライベートは、全てが謎!真っ白な歯だけは間違いが無い)の手によるものだ!

来てみたい!と、思っても二の足を踏んでいた…

その理由…
①外観が派手である
②アメ車が常に、多数停まっている
③ファッションが今風だったり、個性的な客が多い
④何とな~く、取っ付きにくい
⑤ひ弱な僕は、絡まれそう
⑥そんな僕が行っても楽しくなさそう

などなど…

では、何故?今、僕はココにいるのか?

答えは、カンタン♪

実は…
彼女が出来たのです(ドンドンドン、パフパフ、ドンドンドン~)!

で、彼女が「どしても、行きたいィィィィ~」って、言うもんだから…したら、やっぱり「派手」「イカツイ」「眩しい」「な~んか怖~い」に、変わりはないんだけど

中にいる人達が…
スタッフはモチロンだけど、お客さんまでフレンドリー!

落ち込んでる時は、いいかも~o(^-^)o
ここから見えるスタッフは、女子⑤男子③…かな
女子の制服は、フィフティーズのそれ!
へそ出しで、ピチピチのポロシャツ風!
尻に星条旗のホットバンツ!
そして、モチロン、ローラースケート!

車で来店すれば、ドアに引っかけられるホルダーに、注文のバーガーなんかを乗っけて、ローラースケートで運んで来てくれる。

インターフォンで呼ぶシステムではなく、来店して駐車場に停めれば、メニューを持って来てくれる。

女子スタッフの笑顔と、ナイスバディを見に来るだけでも、お金を払う価値がありそうだが…カップルの場合、そうもいかない悲しい性がある…

オリジナルバーガー(とにかく、食べてみて!説明は要らない!旨い!デカイ!クセになる!)580円を二つ!! ドリンクは、ラブコーク(でかいカップに、ストロー二本)380円

クンピル(イスタンブールの食べ物で、イモ・バター・チーズ・みじん切りのソーセージ・マッシュルーム・玉蜀黍・キャベツ・ヨーグルト…まだまだ、たっぷり入ってる)450円を注文した!

「全て手作りですので、20分ほどお待ち下さい。お待ちになってる間、当店のDJでお楽しみ下さい。ラジオで聞く事が出来ます!リクエストやラブメッセージも、メールでお受け致しますYO!ラヂオの周波数と、アドレスをドーゾ!」

「へぃ!MATU~!!」

注文を取りに来てくれたのは、チャコ!Fカップは、ありそうだ(バシッ!彼女に平手をいただきました…)

すぐにリクエストにも応えてくれる、アドレスカードを手渡し、DJのMATUを紹介するために、駐車場から見えるブースに手を振ってくれた。

MATUは、僕達に向かって投げキッス!!

普通なら、恥ずかしくなるか、笑ってしまうのだろうが、ココの独特の雰囲気が心地良くさせる…例えるなら、ディズニーで、ミッキーに出会ったような…

店内も、手抜きは見られない!

この店の裏に、昭和チックな店(駐車場でつながる’’神田川’’)もあるが、ちょうどその頃のアメリカだ。「ロカビリー」「モータウン」「リーゼント」などなど…しかし、来店者のファッションは、色々!ジャスでも楽しめるので、ご安心を…

しかし、外壁に取付られた大きな電光掲示板が「940」を示している!!何を意味するのか?

実はこの店、あと940日でクローズ(閉店)するのだ!

そう、店名の「1095」は、オープンからクローズまでの日数だ!

オープンした当日から、クローズまでのカウントダウンが始まっている! オーナーのこだわり「壊す美学」の店だ!!

店が、どんなに流行っていようが、1095日。つまり、3年間で閉める!

さらに、経営の内容が驚き!
オープニングメンバーで、募集したのは・・・「やる気のある大学生1年生か2年生」だった!

しっかりした研修を一ヶ月実施した後、「仕入」「シフト組み」「時給」「販促」「申告」ほか、経営に関する全てを「大学生」に任せているのだ。


キャストの一人「りん」に、当時を振り返ってもらった…

・・・・・オープン一ヶ月前

オーナーのボブは、集めた大学生「男子8名」「女子15名」を、前にこう言った!

「ありがとう!集まってくれて、ありがとう!これから、君達に基本の「接客」や「経営」の全てを、お教えします!その後は、全て自分達で決めて下さい。経営全般を君達に任せます!

自分(ボブ)には、毎月決まった金額を支給して下さい。それだけで、後は口出しはしません!もちろん、サポートは全力で致します。利益が多く出れば、全員で時給2000円でも、3000円でも取って下さい!

店長を決めて、時給の高低をつけてもOK!売上が下がった時のために、次月にプールもOK!全員で時給を抑えて、チラシや広告などに投資し、売上を上げる「損して得取る」やり方も…何をやってもイイ! ここは、君達の店だ!!

途中で、嫌になったら無理せず、リタイアしても構いません!強制は、致しません!しかし、この三年間やり抜いたゴールは、今後の自分の人生に最高のプレゼントになるはずです!」

こうして「1095」は、スタートした!

さて、気になる月の売上は…今月の見込み売上は…なんと945万円!来月は、1000万円オーバーを目論むスタッフ!!!!しかし、自分達を戒め、過ちを犯さないために、時給の上限を2000円と決めている。

そのため、店舗として利益がたっぷり出て、たっぷり納税!市にも、しっかり還元!!

さらに…
スタッフのほとんどが「豊田大學」と「任天堂大学」なのだが、利益を大学側に寄附して、新たなる「研究科」の設立をしたらしい…

3年後、男女併せて23人のスタッフは辞める者も無く、「1095」を卒業した!

ボブは、「接客」と「経営」の2つを教えただけだったが、この23人は…
「2+23=25」という足し算ではなく、「2×23=46」という掛け算をして、倍近い成果を上げた!

「1095」の閉店後、この学生達の獲得に向け、多数の企業が動き出したと聞いた…

人生は、掛け算だ! 自分が「0」なら、意味が無い!!!


〜今回は、長かったですね(^^;;
最後までお読みいただき、ありがとうございました〜

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