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「Happyでなければ『いい仕事』とは言えない」 — by Alvaro Arregui Falcon (Nuevo.Studio)<vol.2>

WORKS GOOD!インタビュー第二弾は、これまで海外のデジタルプロダクトスタジオustwoで働き、現在は日本でNuevo.Studioという会社を設立し、デジタルプロダクト、ブランディング、デザインなどを制作しているAlvaro(アルバロ)さんにお話しを伺いました。海外のクリエイティブ業界のリアルな実態を答えてくれています!

Question 1:
どのようなワークフローで仕事を進めていますか?

まずプロジェクトが始まる前に、なぜクライアントが自分たちを必要としているのか?クライアントが抱える課題を解決するために何が必要なのか?を知る必要があると私は考えています。

そのために明白なやりとり(会話すること)が重要です。可能であればクライアントと一緒にワークショップを開き、アイデアやコンセプトを最短距離で導き出し、そこからプランを立てていく。その後、問題を解決するにはどのくらいの時間が必要かを考えていますね。

Question 2:
クライアントとはどんなスキームで契約を結んでいますか?

今までの経験をもとに、プロジェクトが始まる前に、50%の費用をもらうようにしています。未来のことは誰にもわからないし、望まなくてもプロジェクトが無くなってしまうことはありうることですからね。

以前は毎月稼働した分を請求するなどの方法もとっていたけど、今のやり方が一番ベストだと思っています。

Question 3:
プロジェクトを進めるうえで、クライアントとどのくらい会話をしていますか?

そのクライアントが何を必要としているかによりますね。たとえば、課題に対して、その問題を解決するためには何が必要なのかがわからない場合もあります。そういった場合「何が必要なのか」ということに解をだすために、その会社のことを全て理解する必要があります。そういった場合はしっかり相手を理解するために、時間を要するときもありますね。

コラボレーションとコミュニケーションは、プロジェクトを進めていく上でとっても大切です。その姿勢がないと、プロジェクトがいざ始まっても、進みが遅くなってしまうことが多い。相手をしっかりと理解したうえで、コミュニケーションする姿勢はまず何よりも大切なことなんです。

もし可能であれば、クライアントの近くで働き、綿密なやりとりをクライアントと行うプロジェクトオーナーを立てて、クライアントの状況も加味した制作環境の構築や提案方法の選定などを行います。これは前いた会社もそうでした。このやり方は、とても理にかなっています。クライアントとの距離が近ければ近いほどそのプロジェクトは成功するといって間違いないですからね。

Question 4:
クライアントへの共有もこまめに行いますか?

とてもこまめに共有しますね。そのときのステージにもよりますが、まず最初のステージ、たとえば企画段階などでは、クライアントと一緒にブレインストーミングをしてアイデアを出し合って、「これを作るんだ!」という合意を制作チーム、クライアント感で強くもつようにします。そうしないと、プロジェクトを進めていくうえで、ほかに必要なものがあったのではないか、果たしてこれであっているのか、などの雑念が両者のなかで生まれてしまいますからね。

そして制作時点でもしっかり進捗共有を行います。私たちのチームでは『basecamp』を使っていて、そこにタスクを登録しているのですが、クライアントにも権限を付与して、進捗を見れたり、コメントができるようにしています。『Jira』も使用していて、このツールはクライアントに進捗を共有するのはもちろん、何より、デザインや開発の進捗やタスクの優先度をチーム内で共有するのに向いています。また色々なツールを使ってコミュニケーションできるようにしていますが、一番大切なのは対面で会話すること。しっかりと進捗やマインドを共有できれば、プロジェクトが滞るなんてことはほぼないですね。

日常生活でもそうじゃないですか?相手をしっかりと理解して、こまめに連絡を取り合っていれば、関係も良好でうまくいくことが多いじゃないですか?!(笑)

クライアントと意識を揃えていくことは、すぐにできることではないと思っています。時間をかけながら、ことあるごとにお互いの意見を、しっかりと言い合って、デザインのプロフェッショナルとして、最適な方法を伝えていくことは、つねに意識しています。そういった姿勢を続けることが、クライアントから信頼を得るには絶対に必要だと思っています。

Question 5:
1日のうち平均何時間働きますか?

8時間です。8時間以上は働かないようにしています。たとえばもし今日10時間働いてしまったら、翌日は6時間働いたら仕事を切り上げるようにしています。限られた時間のなかでしっかりと終わらせるという、バランス感覚は常に心がけていますね。

残業してしまうのは、スケジュールマネージメントの問題です。プロジェクトを始める際に、スコープやクライアントが何を求めているか、どこがデッドラインなのかということを知るのと同時に、今回のプロジェクトは何人のチームで編成すべきか、プロジェクト遂行に何時間くらいかかるのかなどをこまかく算出して、それに則って日々の業務を遂行しています。そうすれば、自ずと自分のスケジュール管理もしっかりとでき、残業はしないようになりますね。

Question 6:
集中力を維持するために何かやっていることはありますか?

1日の勤務時間のなかで、自分の作業を進める時間と、コミュニケーションの作業をする時間を分けていますね。あとは、ケータイやメールをチェックする時間帯や回数を決めていて、それ以外はみないようにして、自分の作業に集中するなんてこともしていますね。

Question 7:
チームメンバーとのコミュニケーションを円滑にするために気をつけていることはありますか?

なるべく一緒にいるように心がけています。仕事をしている最中も、チーム同士はなるべく近くに座ったり、朝ごはんやランチを一緒にとったり、仕事終わりに飲みに行ったりして、お互いの理解を深めて、信頼し合える環境を作ります。

物理的に近くに行けないときは、『ハングアウト』なんかで映像をつないで、いつでも連絡が取れるようにしていたりしています。

Question 8:
仕事をするうえで一番気をつけていることは?

いい質問ですね(笑)一番大切なことはニーズに対してきちんと満足の得られる結果を出せたかどうかですね。いつもクリエイティブで、アメージングで、美しくて、新しいものをもちろん作りたいですが、一番重要なことは課題をクリアしているかどうかということです。

Question 9:
一度に抱える案件数は?

1件のみですね。それ以上は、いい仕事ができないと考えています。1つのクライアント、プロジェクトに集中して、そのことをこれでもかと考える。会社を経営する身になった今でも、このスタイルは崩さずにやっています。何件もプロジェクトを同時進行してしまうと、限られた時間のなかで、1件ずつに費やせる時間が減ってしまい、パフォーマンスを発揮できないことが多々有ります。

Question 10:
最後に「いい仕事」をするうえでもっとも重要なことだと思っていることは何ですか?

自分がやったことに対してハッピーであるかということですかね。もしハッピーでなければそれは「いい仕事」とは言えないと思う。だから、自分にしっかりと芯を持って、自信を持って取り組むことがとっても大切だと思っています。


Latest works of Alvaro (Nuevo. Studio)

<Nuevo. Studio>

<Vins Del Tros. Rebrand>

<タイニー東京>

<Black app>


※この記事内容は2017年2月公開当時のものです。

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Vol.1:「共生することがより良い仕事を生んでいく」- by AQuest

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