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クレジットスコア (Credit Score)

アメリカの生活を始めて、まず一番初めにつまづくのがクレジットスコアです。このスコアが低いと金銭的な支払い能力に対する信用が低いということを意味します。アメリカでの生活を始めた時点では、いかに日本において高い信用があったとしても「スコア無し」となります。スコアが一定の数値になるまで、階級社会の一番下から始めなければいけないという苦痛というか屈辱を味わうことになります。今日は、なぜクレジットスコアをできるだけ早く上げることが大事なのかと、具体的にはどうすればいいのかをお話したいと思います。 結果から申し上げると、6か月から1年という時間が必要です。

スコアが無いもしくは、低いと何が問題になるかというと、以下のようなことを私は経験しました。

1.携帯電話を契約する際に、Deposit(保証金)を要求された(500ドル近く、1年後に返金されます。)
幸い、私の携帯は勤務先の会社が用意しておいてくれたので、Depositを払う必要はありませんでしたが、家族の携帯電話の契約には、Depositを入れました。このような負担がボディーブローのように効いてきます。

2.DirecTV(テレビ)に契約を断られた
アメリカでは、アンテナを立てて無料でテレビを受信することもできますが、ほとんどの家庭ではケーブルテレビ/サテライトの有料チャンネルに加入しています。私も軽い気持ちで、借りていたコンドミニアム(分譲マンション)が指定するDirecTVに申し込みをしたところ、断られました。なんと自分の信用力ではテレビ見れないのかと、がっかりしました。そこであきらめずに、Comcastに申し込みをしたところ、Depositを入れることで加入できました。半年から1年間テレビが見られないという事態にはなりませんでしたが、なんとも悲しい思いをしました。

3.車を買いたくてもローンが組めない。
アメリカではほとんどの都市で自家用車が無いと暮らしていくことが難しいです。安全面とメンテナンスの面を考えると、1-2万ドルは必要となります。日本から渡米する際に持ってきた資金が少ないと(そもそもいくら必要なのか検討がついていないことも多いと思います)、非常に心細い状況になります。私の場合も、手持ちの現金が少なかったのですが、自動車のディーラーで裏メニュー的な1年リース(割高)が用意されており、それを契約しました。Honda Civicで毎月300ドル の支払い+初期費用+Depositがあったと思います。

4.住宅ローンを組むことができない
いきなりアメリカに来て不動産を買おうと思う人はいないかもしれませんが、アメリカの不動産価格は基本的に右肩上がりで上昇しております。長く住むか済まないかに関わらず、お金に余裕があればクレジットスコアが整い次第不動産購入をするのは、結果として得するケースが多いように思います。

5.限られたクレジットカードしか作れない
クレジットスコアの良い人は、3-5%程度のキャッシュバックやポイント還元があるお得なクレジットカードに年会費無料で利用することができます。日本の還元率と比べると非常に魅力的なカードが沢山あるのですが、1年間は、そのようなカードに申請しても審査に通りません。クレジットスコアを上げるには、クレジットカードやローンの支払いを期日前に行うことが必要なのですが、そもそも借金をさせてもらえないというループにはまります。

このループから脱出するためには、大きく分けて2つのクレジットカードがあります。

1.JAL USA Card,  ANA USA Card、Premio Card など日本での信用力をもとに作れるアメリカのクレジットカード。
メリットとしては、限度額が結構高く設定されるので、カード社会のアメリカで生活を始めるためにはとても助かります。ただし、年会費がかかりますので、長期的な保有はあまりおすすめできません。

2.Secured Cardを作る
Secured Cardというのは、あらかじめ自分で決めた金額をDepositとして預けておくことで、その金額の範囲内までを限度額として使えるクレジットカードです。カードによっては、年会費無料で、キャッシュバック特典がついているものもあります。例えば、Bank of AmericaのSecured Cardや、DiscoverのSecured Cardなど。お金に余裕がある場合は、2000-3000ドルくらいDepositで入れられると使い勝手がかなり良くなると思います。1年後には返金され、この金額が翌年の限度額として設定されます。なので、当初のDeposit額が多いほうが、より高い信用を作れることになります。ただ、2000-3000ドル投資する機会損失と、クレジットスコアを上げることに注力するかのトレードオフになります。

両方とも一長一短がありますが、余裕があれば両方作るのが得策だと思います。1のカードはいづれは解約することになると思うので、解約した際にも、初めてクレジットカードを作ってからの期間と、すべてのクレジットカードの平均期間を長くすることができます。一般的には一番最初に作ったクレジットカードは解約せずに、使わなくても持っておくべきといわれるのですが、年会費ばかりがかかってしまいますので、高いクレジットスコアの人しか作れない希望のカードを作れた時点で、1のカードを解約する人が多いと思います。また、カード社会においてクレジットカードが1枚しか持っていないと、何かと心細くなることもあります。

結論としては、アメリカのクレジットカードを作って、常に期限内の支払いを続けて6か月から1年待つしかないのですが、最初から知っていれば、現金を日本から多めに持ってきたり、Secured CardのDepositを多めに設定していたりできたと、いろいろ打つ手があったと思いました。

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