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ドイツサッカー協会公認ユースアカデミー:NLZ(Nachwuchleistungszentrum)


はじめに

ドイツでプロサッカー選手として活動している人はドイツのサッカー人口に対してたった0.04%程と言われています。この狭き門を通過しても、更にプロの世界で厳しい戦いが待っています。この厳しい戦いを勝ち抜く選手はどのようにして生まれてくるのでしょうか。

日本でもプロクラブとして活動するための条件の一つに『2種または3種チームを保有してる。または保有が確実であること。』とあります。ドイツも同様にブンデスリーガに参戦するためにはドイツサッカー協会公認ユースアカデミー:Leistungszentrum:通称、NLZ(Nachwuchsleistungszentrum)(以下、NLZ)の保有が義務付けられています。今回はそんなNLZについて紹介していきたいと思います。


ドイツサッカー協会公認ユースアカデミー:NLZ(Nachwuchsleistungszentrum)とは

ブンデスリーガに参戦するために必要な条件でもあり、名の通りドイツサッカー協会とドイツプロサッカー機構が認定したユースアカデミーのことを言います。NLZに認定されるためには条件があり、2020年1月現在でそのクラブの数は57クラブになります。

ユースアカデミーのクオリティ管理

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引用:ドイツサッカー協会 H.P.(ドイツ語)

NLZになるためには、単にチームを保有し、登録すれば良いというわけではありません。施設、グランド、チーム、指導者、また選手教育の分野など様々な基準をクリアしたクラブのみがNLZとして認められます。

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引用:ドイツプロサッカー機構(ドイツ語)

https://www.dfl.de/de/hintergrund/nachwuchsleistungszentren/vielfaeltige-aspekte-die-vorgaben-nachwuchsleistungszentren/


国内で共通意識を持ちながら、各クラブの育成方針を持つ

上記のようにNLZとなるためには様々な基準をクリアしなければなりません。また一度認定された後も継続して審査があり、審査をクリアできずに認定を外されるクラブもあります。

ブンデスリーガのクラブの育成も様々で、U−9を保有しているクラブもあれば、最近ではFCバイエルン・ミュンヘンが2022–23シーズンからU-10以下のチームを保有しないという発表もありました。

トップチームから逆算するとトップ昇格のためにはU-19(U-19 ブンデスリーガ)での活躍が絶対条件となります。U-17からはユース年代のブンデスリーガ(U-17 ブンデスリーガ)があり、トップレベルの戦いが年間を通じて行われています。U-15まではリーグ戦の規模も大きく、ドイツ全土で6つあるトップリーグにはその地域のブンデスリーガ1部、2部のアカデミーチームを中心に参戦しています。U-13以下はリーグの規模も小さくなり、ヘッセン州では6つのトップリーグがあります。(※州リーグを日本の地域リーグ規模と考えると都道府県リーグくらいになるでしょか。)

以上のことからU-17 /U-19の時点でブンデスリーガでプレーをしているかどうかがプロ選手として生活してくチャンスがあるかを見極める一つの基準となります。勿論、例外があることは言うまでもありませんが、U-19 ブンデスリーガでプレーしている選手でもトップ昇格できるのは数名で、そのトップ昇格した選手でもすぐに2部、3部または4部などにレンタルされることも多いです。この厳しい戦いを勝ち抜き、成長し続けた選手のにがブンデスリーガでのプレーを許させます。


ドイツサッカー協会公認ユースアカデミークラブ一覧

2020年1月の時点でドイツ全土にあるドイツサッカー協会公認ユースアカデミーは以下の57箇所です。

ブンデスリーガ 1、2部 → 36クラブ
・ブンデスリーガ 1、2部以外 → 21クラブ
プロリーグ(1〜3部) → 48クラブ
・ブンデスリーガ1部 18クラブ中  → 18クラブ
・ブンデスリーガ2部 18クラブ中 → 18クラブ
・3部リーグ 20クラブ中 →12クラブ
セミプロリーグ/アマチュアリーグ
・4部リーグ 91クラブ中 →8クラブ
・5部リーグ →1クラブ

ブンデスリーガ1部のNLZ(全18クラブ)

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ブンデスリーガ2部のNLZ(全18クラブ)

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3部リーグ(全12/20クラブ)

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レギオナルリーガ(4部リーグ:全8/91クラブ)

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5部リーグ(アマチュアリーグ)

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参考:ドイツサッカー協会H.P.
https://www.dfb.de/sportl-strukturen/talentfoerderung/leistungszentren/

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