深層学習を用いた外観検査に関してあまり公表されていない事

今回は予兆保全の続きではなく、最近実施している深層学習を用いた外観検査について少しだけですがノウハウが貯まってきたので、営業の段階では語られない内容を色々と書いてみます。

最初に断らせて頂くと私自身は深層学習やデータ分析のエンジニアではないため、一部誤解があるかもしれませんがご容赦ください。

1.光学系の選定が最も重要

外観検査に詳しい方であればご存じの内容になってしまいますが、カメラ、レンズ、照明といった光学系の選定が最も重要です。金属材料によく発生する傷を例に取ると、通常の白い光を当てるよりも青系の光を当てた方がより詳細に傷が発生している部分とそうでない部分を確認する事が出来ます。

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深層学習を使う場合でも通常のコントローラーを利用される場合でもここに大きな違いはありません。

よく「誰でも簡単にすぐ開始できます!」といったうたい文句がありますが、カメラで傷を捉える事が出来なければ外観検査を行う事はできません。

以前、画像処理を長年されていたエキスパートの方にお話を伺ったのですが光学系の選定がその後の成否の8割以上を占めると言われていたので、ここは非常に重要な点となります。

また、光学系の選定を行う際にもう一つポイントとなるのが製品が流れる速度です。この速度が速い場合、例えば0.05秒で一個製品が流れるようなラインの場合、0.05秒で検出→合否判定→写真撮影→排除といった一連の流れを実施する必要が出てきてしまうため、精度の高いカメラが必要となりますし、その後の処理も考えて制御系の速度も効率化させる必要があります。

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