保全部門が予算をより簡単に採れるようにするための一つの案

今回はご相談頂く事が多くなっている保全部門が予算を取りやすくするためにはどういったアウトプットが出せれば良いのか?について今までの経験から考察してみます。

ただ、今回の内容は今までのお客様とのやり取り、実際のプロジェクトを元にしていますが、全ての状況で当てはまるとは言えない事をご理解ください。

結論から書きますと以下のようなグラフが出せれば非常にすっきりするのではないかと考えました。

図1

これは縦軸に設備全体の信頼度(※)を横軸に年間で必要となる費用を記載し、各設備やラインに対してどういった作業を行ったら、いくら必要なのか?その際に担保される信頼度はどの程度か?を示しています。つまり一つ一つの点が想定される計画のパターンを示していると理解して貰えると分かり易いと思います。(細かくグラフを見て頂くと突っ込みどころが満載なわけですが、説明のための一例ということでご容赦ください。)

※信頼度という言葉では分かりにくい場合、稼働率といった言葉に読み替えて頂いてもでも大丈夫です。厳密には言葉の定義が異なりますが、ここでは学術的なお話や定義についてはあまりこだわらない形で紹介をさせて頂きます。

例えばですが上層部では設備の信頼度を80%確保した上で年間の費用を10億円に抑えたいと考えているとします。

そうすると以下の表のような形で上層部の考えに収まりそうな範囲が限定できるため(赤枠の中)、その中からどの計画を選ぶのか、といった話になりますので保全を行う側からしても話が進めやすいようです。

図2

実際にこういったグラフを作成するための仕組みづくりをお手伝いさせて頂いたお客様からは予算を削られそうになった時に上記のグラフを見せつつ、想定される設備の稼働率を伝えた上で、問題が無いかを確認するようになったそうです。結果的になぜそれだけの予算が必要なのか?についての説明が出来るようになり不当な予算削減から逃れられたと聞いています。(場合によっては脅しが出来るようです。(笑))

設備管理という業務は企業活動という面から見ますと直接売り上げに貢献するというよりも損害を出さない、生産活動を計画通りに進められるようにするための縁の下の力持ち的な捉え方をされるケースが多いと思います。

そのような中で業務の必要性を説明し予算を獲得していくには相当な労力が必要となりますが、労力の一助となれましたら嬉しいです。

なお、上記のグラフを手動で作成するには非常に手間と時間がかかります。そのため、上記のようなグラフを作成するには設備管理業務を効率的に回す仕組みやシステム化が必要である事はご承知おきください。

本当は手法も含めて書こうとしたのですが、息切れしてしまい今回はここまでとなります。

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