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【大分】vs横浜FC(A)北斗ーーー!!!!北斗!!北斗ーーー!!!!

いや~!よう持ちこたえた。悪い時に、悪いなりに結果をもぎ取る。最高じゃないか!
開幕戦+ルヴァン杯での教訓を生かし、「まずは守備から」立ち返っての勝ち点3。良かったぜ~!

今回のテーマは

・守備の立て直し
・ポジトラの設計
・守備とポジトラの「繋ぎ目」

の3つを話していきます。


まずはメンバーから。

横浜FC

前節の開幕戦ではトントントーンと序盤で失点してしまい札幌に1-5で敗戦。試合は見れてないけど初っぱなで2失点はキツい。
今季の補強は小川、クレーベ、伊藤、渡邉と前線が厳つい印象。一方で岩武、中塩、高橋といった守備の新加入選手が軒並み怪我っぽいのが気になる。そんな中でレンタルバックした前嶋って開幕スタメンだったしどんなだろう、ってのにワクワクしてました(開幕戦を見ろ!ってやつですな)。


大分トリニータ

新たなシーズン、新たな形。チャレンジはしているが思った以上に新戦術(4バック)が機能しなかった片野坂さん。今節はまだまだ序盤!と理想に殉ずるか、リアリズムに走るかは注目でした。
スタメンは大幅に変更し5人が入れ替わった。まだシーズン序盤なので「軸」になりうる選手を見定めてるんやろな~って印象。中でも注目は出ればゴラッソ製造機の小林成豪。今季は個人的にも注目していまして、怪我さえなければ「化ける」選手だと思ってます。新たな戦術のキーマンに成りうる逸材。開幕前は渡邉とのポジション争いかな~とか思いましたが思いがけず共にスタメンに名を連ねてくれました。


まずは「守備から」

大分は前節から修正。前節は敵陣での制限(対ビルドアップ)で4-4-2で対応していたが、容易に前進されてなし崩し的にズレがズレを生む最悪に近い形に。前半途中から修正して勝点1を拾った。

この日は3-4-2-1をベースに守備では5-4-1。一昨年に近い守備のやり方であったが、これまでより縦を圧縮して最終ラインを高く設定した。ハイライン!とまではいかないが、ラインを上げたことにより、球際でバチバチ当たれるように。守備の強度が高い大分の強みを生かした形にマイナーチェンジをした。

5-4-1にしてなぜ守備が安定したか?
それは相手SBにボールを持たせつつパスコースを消してしまうから。WBの選手が相手SH(井上→松尾、福森→小川)にしっかりマークにつくから役割分担が明確になりやすい。守備の基準をサイドから決めることで3バックとダブルボランチがスペースを消すか人に付くのか決めやすい。

SBに「持たせる」の図

・ボールサイドのシャドウは内側を切りつつボールホルダーのSBを見る
・WBがSHをマーク
・SBを引き込む
・ハーフライン近くまで前進も、近くにいるSHもIHもマークがハッキリしていてそこからの攻め手がない
・SBにはシャドウがプレスにいけるしCFがSB~CBへと2度追い(カバーシャドウ)できる


ポジトラの設計

昨年までと同様に5バックをすると、どうしてもポジティブトランジッション(守備→攻撃)で自陣に選手が多く、重心が下がってしまう。これは昨年の一番の課題であった。対策として「ゆっくり」サイドを経由しているうちに最終ラインを押し上げよう!となったが、そうなると前線にスペシャルな逸材が居ないとボールは持てるが決め手を欠く状態に。
後ろを5枚で守るなら、ポジトラの設計は必須であった。
と、言うことでシャドウに渡邉と成豪を並べます!ってのが片野坂監督のアンサーだった。狙いは背後と間。

横浜FCは守備では齋藤を上げて手塚を瀬古の横に並べた4-4-2、攻撃では瀬古をアンカーにした4-1-2-3。

この可変で、配置が変わるのは内側の齋藤と手塚。だが、距離感が変わるのは両サイドのマギーニョ-小川、武田-松尾の間。この距離感を見てシャドウは動きましょう、ってのが片野坂監督の狙いだったように思える。

横浜FCの可変は自陣でのビルドアップでは4-4-2、ハーフラインを越えてから4-1-2-3となる。

この時、自陣でのビルドアップではSB-SH間が開いてSBはボール回し、SHは相手の最終ラインを押し下げるため間延びしやすい。ならば大分は縦のパスコースを切るためにシャドウをSB-SHの間に置いて守備をしつつ、ボールを奪ったらスピードで勝負をねらう。

横浜FCがボールを保持しながら押し込んでくると、前線の補助のためにSBがSHの近くに行く。横浜FCの最終ラインはサイドを押し上げているため瀬古が下がって3枚。と、なったら大分のシャドウはSBの内側(ハーフスペース)に陣取って守備。押し込まれているためボールを奪う位置が必然的に低くなるが、低い位置から掻き出すボールをサイドの裏(SBの背後)と決めてシャドウをドーンと走らせる。

疑似カウンターの応用としてボールの逃がし所をサイドの裏と決めて、仕掛けられる選手をシャドウに、足が速くアップダウンに耐えてシャドウのサポートができる選手をWBに起用してポジトラの成立を目指した。



守備とポジトラの繋ぎ目

守備は5人並べて守ります。攻撃ではSBの裏を狙います。なら、大分のボールを大事にするサッカーを捨ててまでロングボールをバカスカ蹴っていくか?となるかも、というのは杞憂で済んだ。あくまでもこれまでのベースがあって、そこからのアレンジというのは変えなかった。片野坂監督の凄いのはここ。一本軸を持っていて、柔軟性がある。軸がないままのらりくらりと勝ち点を拾うクラブはありますが、そこにすらたどり着けない優柔不断なクラブもあるなかで凄いな、と感心するばかり。
守備とポジトラの繋ぎ目。それは先述のようにDFラインを普段より上げること。そしてSBを引き込んだ裏を狙いましょう、の2点。疑似カウンターのサイド版みたいなのを解決策とした。
サイドの裏にスピードのある成豪と渡邉を配置してからサポートとしてWB、運動量のある伊佐を組み合わせる。サブには同じようなタイプ屋敷や高畑を入れて強度を落とさない策と長沢と髙澤をサブに入れておくことで押し込まれた際の起点も策として入れており、さまざまなプランの想定もしていた。


丁寧だったが

いつも思うのは片野坂監督のゲームプランは丁寧。年単位で追いかけていると、サイドとシャドウから思考が読み取りやすいと感じる。嵌まる嵌まらないは別にして丁寧。
だけど上手くはいかないのがサッカー。この日はSBにボールを持たせてハイライン気味の守備をしたが、SBから裏にヨーイドンで松尾や小川を走らせて強制的にラインを押し下げられるとなかなか押し返せず、髙澤や長沢を入れて前線で時間を作ろうとしたが上手くいかず。押されに押されたが、トントーンと決めた序盤の2点を守りきっての今季初勝利。J1100勝目のオマケつきだった。


北斗ーーーーーー!!!!北斗!!北斗ーーーーーー!!!!

55分くらいの横浜FCのFKの場面、吉坂コーチのゲキがものの見事に入っていたのがとっても良かった。それだけ。


しょっぱい内容でも勝つ!これがまず大事。開幕戦で見られた進学のためには、まだまだ課題は多いがこの戦術のチューニングができる片野坂監督たちなら、手堅く行くとことチャレンジするところのバランスは取れるはず。まだまだリーグは始まったばかり。期待が膨らみました。

写真は大分トリニータ公式サイト公式Twitterより引用。

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