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大分トリニータU-18 クラ選2024レビュー・選手名鑑

今日からプリンスリーグ九州の中断が明けて後半戦が始まります。
不甲斐ないトップチームにはなかなかスッキリさせてもらえませんが…フレッシュなユースっ子たちは溌剌としていて、様々な発見があります。
今回はクラブユース選手権の振り返りと、各選手のちょっとした短評を書いてみました。ユース観戦のお供にしていただけると嬉しいなぁ、と思います。

冬の選手権大会に次ぐ、2種年代のでっかい大会。夏のクラブユース選手権。
これまでは群馬県での集中開催でした。昨年は酷暑により大会のグループステージのキックオフが平日8:45〜とかいう過酷さでしたが、今年のGLは群馬、大阪、山口、宮崎で分散開催かつ17時、19時のナイター開催と環境はマシになりました。
大分U-18は地区予選を2位で通過して本大会出場を決め、予選はなんと自分が今住んでいる大阪!それも全部19時キックオフ!仕事終わりにダッシュすれば間に合う?くらいのタイミングで幸運に恵まれました。という事で大分トリニータU-18の全3試合を振り返っていきます。

第1節 vs山形ユース●1-2

公式記録

ボールをキープして前進する大分U-18。トップチームと違い、ミドルレンジからもガンガンシュートを打っていくが、なかなかゴールが奪えないでいると、前半終了間際にカウンターからほぼワンチャンスを決められて先生を許す。後半立ち上がりに小野誠竜のニア上ぶち抜きゴールで同点に持ち込むも、FKから頭で合わせられて勝ち越しを許す。試合を通じて攻め続け、シュートは相手の倍の14本を記録したが敗戦。

第2節 vs甲府U-18●1-2

公式記録

山形ユースとの試合の翌日に2試合目。コンディション面での難しさは言うまでもないが、酷暑もありよりキツかったであろう甲府U-18との試合。互いに初戦を落とし、GL突破の望みをつなぐには勝利が絶対条件であった。
左サイドの大駒、小野誠竜とそれを支える後藤雅人のコンビもイージーなミスが目立ったが、スコアレスで前半を折り返す。後半になると、イーブンなボールを拾えなくなっていき、2失点を喫する。PKで1点を返すも、反撃はそこまで。連敗でGL敗退が決まる。

第3節 vsG大阪ユース●0-1

公式記録

前回大会の王者、ガンバユースとの試合。これまでの2試合とは異なり、ボールを保持する時間が限られるゲームに。そんな中でも焦れずにプレッシングに行き、押し込まれたらブロックを敷いて守る。そして何よりも球際での強度にこだわっていた印象を受けた。
ゲームは互角だった印象だが、山本天翔のロングシュート1本に沈む。

クラ選総括

ボールを大事にして前進を図るチームカラーはトップ準拠。GKから丁寧に繋ぎ、サイドの深くに侵入→マイナスクロスで攻略を意図していた。サイドの大駒である小野誠竜と単騎突破と、それを支えるSBの後藤雅人の左サイドは3試合を通じて大きな武器となっていた。守備も献身的。前から追いかけてコースを限定し、蹴らせて回収。無理に繋ごうとする相手に対してはボランチがチェックして回収する様は、トップチームの求めている「シームレス」に近いチームであった。
一方で、ことプレッシングが嵌らないと脆さを露呈した。行くべきところに行けてはいるが、1歩や半歩遅く、前線では小さなズレが自陣に近づくにつれて大きな歪みとなる。一度バイタルでぽっかり穴が開いてしまうと大変で、DFラインはシュートブロックを意識してか、消極的になりベタ引きに近しいのに、前線は元気にプレッシングを続行する。前後が分断されると中盤は攻守を繋げようと必死になるが、管理できるスペースに限界がある。アンバランスさがピッチで露呈した。
クラ選での3戦3敗。原因は攻守の分断が大きな要因に見えた。これはDFラインにはもっとコンパクトにする勇気が、前線はプレッシングに行けるが、敢えていかずに引き込む我慢強さが必要だった。

難しくて面白いのは、ユースの面白さはたぶん最低2試合を見ないとわからない事。たった2試合でも、日々変わる選手の心情や成長がピッチに多くちりばめられているのをじわじわと感じられるとこだと思う。ぜひこの記事を読んでいるあなたにも、なかなか難しいかもしれないが、ユースの試合に足を運んでもらいたいと思います。
うちのユースはすげぇ奴がいる。数年後プロで輝くであろう選手が、サッカーとは別の道に進んでも「アイツ、ユースの時こんな選手だったんだぜ」と語れる選手が居ます。たくさんの眼が、観客が選手を育てるという面もあります。「育成の大分」をこれからまた盛り上げていくためにも、語り手が増えていってほしいな、と切に思います。

ホーム藤枝戦の日は10時から鳥栖U-182ndもあるのでダブルヘッダーもできます。ぜひ!見よう!

9/7  vs日章学園高校 @日章学園高 人工芝G
9/14   vs大津高校2nd  @大分県人工芝G
9/28   vs鳥栖U-182nd  @大分県人工芝G
10/5   vs長崎U-18        @大分県人工芝G
10/12 vs九州国際大付属 @福岡フットボールセンターAピッチ
10/19 vs飯塚高校    @飯塚高 人工芝G
11/23 vs長崎総科大付属 @レゾサ サブA
11/30 vs福岡U-18    @福岡フットボールセンターAピッチ

詳細はこちらで確認を↓
https://www.jfa.jp/match/takamado_jfa_u18_prince2024/kyushu/

選手短評

覚えている範囲でポジションと印象を書いていきます。
観戦の参考になれば…

自分が観戦した試合はクラ選の3試合と
プーマカップ  vs浜松開誠館
プリンスリーグ vs熊本ユース
Jユースカップ    vs熊本ユース
計6試合。

全選手を網羅しきれていないので、わかる範囲で書いています。
もう数試合見て埋めたい…

背番号、名前、学年、Pos
の順番で書いてます。

GK

1.南拓海③
2番手のGK。割とセーフティーに蹴る場面も多いが、しっかり繋げられる。今季のプリンスリーグの開幕からクラ選のちょっと前までは正GKだった。

21.平野稜太②
現在の正GK。ビルドアップに関われる器用さと、浮き球でサイドに付けれる技術はトリニータらしいな、と。ガンバユース戦ではビッグセーブを連発。

22.嶋田陽鷺人①
Jユース杯でめっちゃ№34.江藤碧伊①にあおい!あおい!とコーチングしていたのがめっちゃ印象的だった。

31.古野優斗③(2種登録)☆トップ昇格
トップにも登録されている191㎝の長身GK。来季から昇格も決まりました!開幕前のプーマカップでは出場していたが、おそらく怪我で離脱。高身長ならではのハイボールの処理の安定はさすがの一言。ビルドアップも積極的にこなす。手足の長いGKの綺麗なキックフォームは見ごたえアリ。

51.内川晴登①

DF

2.岩尾匠朗③

3.平川日向③ CB・RB
右CB。173㎝と上背はないが、空中戦で戦える選手。繋ぎの場面で縦に早くつけたり自ら持ち上がったりと積極性が光った。RBでは攻撃参加のタイミングなどは改善の余地があるが、内側に絞っての3バックっぽいことをしていたので器用なんだろう。

4.矢野想翔③(2種登録) CB
2種登録もされている左利きのCB。高さ、速さ、強さの3拍子揃った選手。視野も広く、サイドチェンジや左足アウトでスルーパスなんて洒落たパスもしていた。試合前の円陣では大きな声で盛り上げるムードメーカー。

5.鮫嶋志侑翔③ CB

14.後藤雅人③ LB(2種登録※天皇杯のみ)
今年のキャプテン。運動量があり、積極果敢に前線に絡んでいく。
今年の開幕前のプーマカップ、プリンス開幕の2試合では両SBが物足りないな…と感じていたが、クラ選ではカットインや右足アウトで裏に出したりと溌剌としたプレーで攻撃に厚みをもたらしていた。

15.新井周人① RB・LB
開幕前のプーマカップで1年生ながら唯一の帯同。期待されているっぽい。

16.吉原虎太郎② CB・CH(2種登録※天皇杯のみ)
184㎝あるスラっとした選手。プリンス開幕ではボランチをしていたが、平川の右SB起用により1列下がってのプレーが増えたようだ。中盤の選手らしく、パスに意図が見えるシーンが多くあった。

17.亀井智次③ RB・LB
あまり目立ったプレーこそなかったが、球際の粘り強さや簡単に抜かせない喰らいつくプレーで守備に貢献。左右どちらのサイドでもプレーしていた。

24.坂本謙祐② LB
26.田村蓮人②
27.原田煌也①
30.奈須翔大① RB


34.江藤碧伊① CB
Jユース杯1次予選で観たCB。デカくて繋ぎで怖がらない。ラインの管理やマーカーのチェックなどでドタバタしていてGKにめっちゃ指示されていたこともあり危なっかしさはあったが、最後はやらせない帳尻を合わせられる粘り強さは魅力。まだ1年生。化けそう。

40.島袋海生① LB
攻め上がりの迫力が魅力のLB。球際で割とあっさりしていたところはちょっと気になったが…これからの2年半でどう変わっていくかを見るのが育成年代の醍醐味なので楽しみにしてる。

41.安倍蒼空②

44.佐藤隼人① CB
Jユース杯であまりコーチングされてなかった方のCB。たぶん周りにコーチングをしていたからだろう。ビルドアップで攻撃のスイッチを入れたりスピードがあり地上戦での巧さが目を引いた。

MF

6.又吉琉樹③ CH
すごく大人びたプレイヤーで驚いた選手。ポジショニングは卒なくこなしているがちょっと消えがち。テンポを作ってくパサーでも飛び出しが武器…でもなくプレーで沸かせるタイプではないのだろうが、相手を邪魔してクイックスタートをさせないだったりカウンターを食う場面でテクニカルファールをもらったりと泥臭いプレーができる。高校生でこんな地味な役回りができるのはあんまり見ない。今後どんなプレイヤーになるか追いたい。

7.小野誠竜③(2種登録) LH・CF
今年のエースと言えば彼。佇まいは三笘薫っぽさがある。右足で細かいタッチをして相手が食いつくのを待って出てきた脚の逆を突く。山形ユース戦でエラシコで股抜きしたシーンはほぼネイマールだった。カットインしてパンチのあるシュートを打ったりニアゾーンに入り込んでマイナスクロスやニアぶち抜いたりと伸び伸びと自身を表現できてた。守備に難ありな気がしないでもないが、それでもお釣りが来るくらいの打開力。近い将来トップチームで見れるであろう逸材なので是非その目で見てほしい。


8.廣瀬拓也③ CH(2種登録※天皇杯のみ)
中盤のバランサー。下がってボールを引き出すし、前線に飛び出すタイミングもいい。細かくボールに関わりリズムを作れる選手。チームの課題として攻守の分断が大きかったため、負担が大きかった。1人では局面を大きく変えることはできなかったが、できることは懸命にこなしていた印象。

10.近藤陽稀③ RH・LH・CF(2種登録※天皇杯のみ)
2列目ならどこでもできる。2トップの1角では下がってリズムを作った。小野誠竜までの個はないが、ボールを奪われない技術の高さに、チームのバランスを見て能動的にポジションを変えられる頭の良さが光ったキープレイヤー。甲府U-18戦でのFKをバー直撃弾は痺れた。思い出したのはボールを運べる伊藤大介。

13.多田惇希③ RH

19.髙橋七皆② CH
クラ選でプレータイムが多かったボランチ。廣瀬拓也と同じく分断された攻守により割を喰らっていた印象だが、中盤と前線を繋ぐ役目を果たそうとあくせくしていた印象。ボールを引き出す動くは改善の余地がありそうだが、ことボールに触れるとテンポよく繋ぎスイッチ役を担っていた。これからのチームの軸になりうる存在。

20.東脇晴那① RH
前線への飛び出しやボールを積極的に呼び込んでいた。プレスの強度も高く2度追い3度追いを頑張っていた。汗かき役を1年生で担っていたのは好印象。

23.熊本陸斗① RH・CF
めちゃくちゃピーキーな存在。守備はからっきしできない。自分が奪われた時と、気が向いた時にはプレスバックを頑張るも、大体は王様みたいな存在。Jユース杯1次予選では№43.崎濱睦晃①と全く守備の計算が立たない2トップを組んでて頭を抱えた思い出…それでも足が速く、ボールを持った際の迫力やいい意味で相手を舐めてる挑戦的で積極的なプレーにはとてもワクワクした。まだ1年生。これからプレーが大人びてきたときにどんな選手になるのかがすごく楽しみ。

25.福屋裕士① CH
若さゆえにか軽さも見られたが、縦への意識が高くスルーパスはずっと狙っている選手だった。ボールの受け方やターンなどが上手くなると視野がグッと開けて全然別のプレイヤーになりそう。

29.廣井琉人① LH
38.渡邊丈輝② RH・LH


39.山内湊人② RH・LH
クラ選では途中出場が多かったSH。足が速く、ボールを持ってもスピードが落ちないのが魅力で、ガンバユース戦ではカウンターでハーフラインをちょっと超えたところからボックスまで運んでマイナスクロスは決まりはしなかったが印象に残るプレーだった。

42.島袋泰生① CH
50.吉廣幸太郎② CH

FW

9.増永琥士朗③ CF
スピードスター。スーパーサブとして裏抜けぶっちぎりマシーンとして面白い存在だった。初速から速いがロングスプリントでぶち抜くのはウインガーぽさがあったが、チーム事情からか2トップの1角での起用でしか見ることができなかった。

11.平原俊介③ CF
前線中央のオールラウンダー。トップもできるし、1列下がって組み立てにも関われる。潜ってポケットに入り込むのが上手いなぁとみていて感じた。何でもそつなくできるが故にあまり印象には残っていないが、武器を持った時はすごく伸びるのもこのタイプ。進学先が気になる。

18.三上倫広③ CF(2種登録※天皇杯のみ)
プリンス九州リーグで9戦7Gのストライカー。ポストプレーが上手く、前線からの献身的なプレッシングと強引でダイナミックなシュートが魅力。若いころの伊佐みたいな選手。クラ選ではゴールを奪えなかったが、存在感は示していた。

28.甲田清太郎① CF
ポストプレーを頑張っていた印象。三上倫広のような動けてポストができるお手本が近くにいるのでいろいろとプレーの幅が広がるのを期待したいトコロ。

32.今仁雅治② CF・LH
37.奈須心勇②


43.崎濱睦晃① CF
プレスをさぼりがちでベンチから指示が飛んでたのが印象に残る。身体能力が高く、ゴールキックを胸トラップで収めたりしていた。№23熊本陸斗①と共に1年生の軸になりうる存在。

選手の名鑑はこちらから↓
https://www.oita-trinita.co.jp/youth/players-u18/

プーマ杯での山崎雅人監督。
トップチームで活躍した選手のセカンドキャリアとして、監督、コーチも「大分から世界へ」翔ける環境になってほしいです。

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