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【大分】2020年シーズンレビュー 〈選手編② ~MF編~〉

新体制やユニフォームも発表され、いよいよ2021シーズンのはじまりなんだな~!とか思う一方で、そういやちょっと前に九州ダービーやったよな……ん?とか思ったり。

まぁまだ2021シーズンの開幕を迎えてないのでセーフです。MFの振り返り、やってきます!


4.島川俊郎(30試合 2016分/2G1A)
CH

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献身的な困り眉

オフザピッチでは歌声で沸かせ、ピッチ上では中盤の掃除家として唸らせるプレーを連発した島川俊郎。JFLからJ3、J2と様々なカテゴリーを経験した彼が、J1の舞台で2シーズンに渡りいぶし銀として活躍する姿を大分トリニータのユニフォームで観られたのは、とても喜ばしい事であった。
彼の最大の特長はカバーリングの早さ。味方が交わされた次の予測がとても早い。ダブルボランチであれば、相手アンカー番にボランチの相方をぶつけて、こぼれ球を島川が回収することができた。
一方で、シーズン序盤のビルドアップではアンカーとして振る舞うと、アングルを作れずロストをしたり、決め打ちのパスミスが散見された。中盤から下がってDFラインにてビルドアップに参加するタスクでは、真面目すぎる性格故かボールが前に行っているのに1列上がらずに、結果としてチームの重心が上がらないという負の側面がみられた。
しかし、シーズン途中から4+1ビルド(DFライン4人+中盤1人)からボールエリアによって3+2ビルドを使い分けるようになってからは持ち前のボールスティールは前からハメに行った時の回収スポットとして生きた。
戦術に生かされ、来期も重要な戦力として踏んでいたが、よりにもよって鳥栖に移籍。鳥栖かよ~!
チームにもすぐマッチするはず。やだな~


6.小林裕紀(12試合 606分)
CH

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ピッチ上の羅針盤

昨年夏に加入すると、ハマりにハマった中盤の羅針盤。2020年も開幕戦からフル稼働かと思われたが、5節G大阪戦を最後に28節川崎F戦までベンチに入ることもなかった。あんまりにも音沙汰がなかったため退団疑惑があったり練習風景に写ってるのを見て生存確認をしたり。チームで一番ソーシャルディスタンスに努めた感があった……

28節以降は全試合に絡んでいるため恐らくは怪我かコンディション不良だろうが、真相は謎のまま。あんまり深追いするとぼのぼののスナドリネコさんみたく「それはヒミツです」と言われそう。

小林裕紀は試合の機微に触れられる選手。ビルドアップでのポジショニングは本当に秀逸の一言。DFラインと前線をつなぐだけでなく、自分が囮になってパスコースを作ったりと、ピッチの羅針盤であった。

2019年は半年で11試合944分の出場。ここから1年間ちゃんと所属したが2/3ほどに出場機会が減ったのは、本人にとっても納得のいかないシーズンだったはず。今年はフル稼働をして、ピッチを俯瞰して見る美しいプレーをたくさん見せてほしい。


7.松本怜(22試合 1596分/1G1A)
RWB,LWB

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サイドを駆けるイケメン

試合中のドアップ写真でため息出る選手ランキングNo.1(当社独自調べによる)

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なんなん?ずっる!!!!

カッコいいし、献身的だし、たまに得点ってサプライズでドキドキさせてくれるし……
だけど無精髭だけは小汚ない。なんなん?お茶目?

過密日程の煽りを受けたのか、今季は例年に比べると低調な出来であった感は正直否めなかった。
サイドをぶち抜くもクロスでなくバックパスであったり、昨年はたくさん見られたボックス内からマイナスのクロスも影を潜め、サイドのシャトルランで頑張っている姿が主な印象だった。
チームの戦術がマイナーチェンジされ続けたシーズンであったため、戦術上、かなり重要なタスクを担うサイドも試合によって立ち位置が微調整され続けたが、過密日程によりチームの狙いが浸透したのかは疑問符がつく。
特にWBはただでさえ走って忙しいポジションなのに過密日程など様々な外的要因があったため、低調に写ってしまう。そんななかでも両サイド共にできるユーティリティさとロングボールもちゃんとトラップできる基礎技術の高さは安心安全のレイチェルクオリティ。安定感は大きな武器だ。
今季は契約更新が最後だったり、新加入選手で同じポジションの選手が多く入ってきたりと試練の一年。しかし、不撓不屈の精神でチームも引っ張るだろう。楽しみだ。


8.町田也真人(19試合 1038分/1G2A)
OH

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まちだやまと(8)

まちだやまとくんはとてもがんばっていました。

シーズン序盤、開幕スタメンを勝ち取り3節で怪我で離脱をするが、この2試合だけでも結構タスクの多いシャドウをほぼ完璧にこなし、確かな技術力の高さに加え、献身的なプレーを見せつけてくれた。
復帰戦となった13節浦和戦では華麗な身のこなしでボレーシュートをしたり、試合終盤では1列下がってボランチとしてプレーしたりと、天才小学生ぶりを見せる。そこからは継続的に多彩な攻撃陣の一角としてプレーし続け、迎えた最終節鳥栖戦ではバースデーゴール兼J1初ゴールまで決めて見せた。

結果だけみると1G2Aと物足りなさを感じるかもしれないが、プレーの引き出しの多さと豊富な運動量を生かして組み立てからフィニッシュまで様々な形で関わり続けた。

意外に?フォトジェニックな選手でもあり、童顔らしからぬ凛々しい写真も。

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かと思えば、年相応の可愛い写真も。

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年相応とは?
これで31歳。またまたご冗談をw
伊佐スタでの満面の愛想笑いを今年もたくさんみたいです!


10.野村直輝(18試合 950分/3G2A)
OH

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官能的ィ~

なんだろう。野村のプレーってなんか艶っぽいというか。エロみたいなカタカナじゃなくて漢字な印象。「スケベ」じゃなくて「助平」感。
あんまりドン!っと官能的ってしちゃうとエグみがあるから語尾でお茶を濁しました。(何言ってんだコイツ

シーズン序盤こそ謎の膝の痛みにより開幕戦以外ゲームに絡めなかったが、復帰した24節FC東京戦に途中出場から1ゴール1アシスト未遂と大活躍。あのゴールはシーズンイチ痺れました。その試合を期にそのまま主力としてプレー。

野村のプレーは卓越した技術が目立つ。19節鹿島戦でのアシストでは胸トラップから浮き球を右足アウトに乗っけてのスルーパス。胸トラップした時に、相手CBが髙澤の方向に身体を向けているのが見えていたからこそ、その背後にボールを置くようなパスができた。僅かな時間でスペースを作っちゃえる。

古巣との対戦であった26節横浜FC戦では狭いスペースで右足にボールをひっかけて身体を捻りながら浮き球のパス。ボックス近くで相手DFは迂闊に近づこうものならハンドになるかもしれないし、近くにいたのがミート力のある知念だったからの閃きだろう。そして90分フル出場していて後半ATのラストチャンスかも、なシーン。自分で持ち込んで相手を引き付けてからのあのスキル。気力、体力に煌めきを添える姿はファンタジスタのそれであった。

ファンタジスタ的な確かな技術もあるが、野村のプレーで最大の魅力は負けん気の強さと責任感。横浜FC戦での閃きに繋がるドリブルもそう。自分から勝負ができる。ヒリヒリした展開で1つのプレーで全てが台無しになったり、一瞬で道が拓ける場面がある。そんな場面で「チャンスや!」って思える貪欲さをプレーから感じた。
その姿は馬場賢治にダブる。開幕戦から自分がロストした場面で誰よりも球際で激しく行き、ファウルされたら次のプレーでやり返す。試合の手綱を絶対に渡さないって負けん気が大好き。説得力のあるプレーの継続。これを見せてくれる10番に惚れないワケがない。


11.田中達也(33試合 2179分/8G2A)
LWB,OH,RWB

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クソダサガッポ

8ゴールとチームトップスコアラーだったタナタツ。ゴールの度にダサいけど気持ちの入ったガッツポーズが印象的だった。

2020シーズンは左右のWBだけでなく、シャドウとしてもプレー。新たな試みで重要となるポジションを任され、持ち前の持ったら仕掛ける推進力とそこそこのクロス精度を生かしたが、過密日程による戦術的な積み上げが難しくWBで落ち着いた1年だった。
シャドウの一角にサイドアタッカー的な選手を起用するミソは「可変と循環」を促すためだろうが、それをここで話すと長くなるのでシーズンレビューのチーム編で拾います。タナタツはこの重要な役割でかなり良かったが、完成させるにはチームにもう一人タナタツが必要だった。今季も大分で見られれば何か答えが見えたかもしれないと思うとちょっともどかしい……

戦術の理解度が高く、加入した19年夏からずっと不動に近いスタメン。同サイドで起用された岡野(現千葉)に檄を飛ばす姿からも要求ができるくらいにチームのやり方に理解があった。そんな選手が昨年、要求よりも首を傾げる仕草が度々見られた。自分ができることと、周りが合わせる所、チームとしての役割がやや解離してきたのかな~とか。

タナタツのできることの代表格としてあげるならやはりカットインだろう。そこを中心としたとき、メインとして務めた左サイドでは三竿とプレーエリアが重なってしまい、どちらが相手のサイド深くに抜ける囮になりハーフスペース(HS)を攻略するかが見えにくい時が多くあった。そしてその問題を調整する監督は、HSは三竿、大外はタナタツがメインで攻略する事を主に選んだ。連戦や守備を考えるなら三竿を内側で使いネガトラで生かす。タナタツの推進力は中へではなく縦方向で使いたかったのだろう。チームとしては納得だ。だが、タナタツにとっては……という所でリカルドからのお誘い。それも同姓同名の憧れのレジェンドが居たクラブ。断る理由がない。
自分の中では結果は残せたが、やや不満の残るシーズンだったはず。そんな中でも移籍金を残してくれた。ありがてぇ……


14.小塚和季(8試合 376分/1G1A)
OH

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大分のエロ

屈辱のシーズンだ。
前年はシャドウの主力として33試合2581分、1G5Aとチームのアシスト王にも輝いた選手がまさかまさかの数字に。

小塚の良さは広大なプレービジョンと、それを実現できるだけの技術だ。一番相手の嫌なスペースを見逃さない。だからこそ、19年シーズンはチーム内アシスト王になれた。昨シーズンは飛躍の年になるはずであったが……チームの求めるシャドウ像が大きく変わってしまった。
シャドウで大きく変わったのはプレーエリア。19年は自分のレーンの上下動をメインに守備でサイドをケアする事が求められたが、昨年はそれに加えて攻撃時にもサイドに流れる動きを求められたのだ。これによって皺寄せを食らったのが小塚。中央レーンやハーフスペースでボールを受けるからこそ広い視野とイマジネーションが存分に生かせる選手をわざわざサイドに追いやらない。だから出場機会が減ったのだろう。

小塚はそのプレースタイルからか「運動量が少ない」と言われるが全くそんなことはない。チームのために走れるし身体も張れる。だからこそ、1列下がったボランチとしてのプレーもできたと思うが……今のトリニータのボランチでは、ゴールやアシストに直結するプレーはできない。守備の際に前からアグレッシブに相手を捕まえに行くのであれば、敵陣でボールを引っ掻ける→スルーパスを狙うために試されただろうが、DFラインから丁寧にボールを繋ぐ今のチームのボランチでは、縁の下の力持ち以上になり得ないから試されることはなかったのだと思う。

チームの求める選手像とマッチしない問題。これは中盤より前の選手でちらほら見られた。小塚もその煽りを受けた形だが、「ボールを持てば何かしてくれる」ワクワク感はここ数年で一番。とにかくときめく選手だった。今季はリーグ覇者の川崎Fに移籍。より狭いスペースで必殺のスルーパスをたくさん見たい。


20.小手川宏基(1試合1分)

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大分のスケベ

覚悟はしていたが、昨年限りで契約満了になってしまった大分のスケベ。リーグ戦では16節仙台戦のATしか出場機会がなかった。
ここ2年、過剰な競争があったシャドウのポジション。そんな中でJ2時代から再び共に歩んできた生え抜きの居場所が少しずつなくなっていくのは寂しいものであると共に、J1という舞台の厳しさを感じざるを得なかった。
若かりし日はイケイケだったサイドハーフは、成熟してシャドウやボランチとしてプレー。大分でプロ生活をはじめた青年の歩みを見れた。これって幸せな事だと思う。再び道は離れるけど、今まさにポゼッションへの舵取りをしている松本に加入というのはとても応援したくなる。頑張って。


23.高山薫(11試合 490分)
RWB,LWB

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サイドのスプリンター

サイドをアップダウンできる体力の持ち主。しかし球蹴りの上手い陸上選手からの進歩はほぼなかった……

守備で穴開けたくないマン片野坂監督だから、過密日程で一番消耗するWBで守備の担保として計算はできたがそれ以上にはなり得ず。チームとしてもリードした展開が少なく、高山の守備は途中で打ちきられて攻撃的な選手を投入、という場面がほとんど。それを裏付けるかのようにフル出場はゼロ。なかなか厳しい。

走力と体力はあるが、広大なスペースがあってもなぜかクロスまで行かずにバックパスという意味不明な判断は減ったが、それは単に高い位置でもボールを保持するようになり前線のスペースがなくなったから。彼をきっかけに攻撃の幅が広がった覚えが全くない。

片野坂監督は走力と体力を高く買っており、それを生かしてルヴァン杯では3バックの一角としてのプレーも。今季も3バックを継続するのであればパワープレーのオプションになるかもしれない。

ここまで酷評だが、なぜ今季も契約更新なのか?それは左右のサイドなら松本怜と同様にどこでもできる事。オプションとして示唆された4バックへの移行にも繋がる大変重要なポジション。だからこそ走力と体力を生かしてほしい、と言うことだろう。
個人的にはたとえ下手でもいいのでもっと勝負をしてほしい。サイドは生命線。カットインでもクロスでもなんでもいい。不格好でもチャレンジしてほしい。今年はサイドの補強が多く、苦しい一年。そろそろ見返してほしい。頼む。


25.小林成豪(2試合 47分)

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キュンキュンドリブル

昨年も怪我に泣いた成豪。2019年以上にしょっぱいシーズンだったが、出場した8節鹿島戦(1-4●)と9節川崎F戦(0-2●)は共にチームが苦しい時の途中出場だった。
ボールを持てばまずは抜く!くらいの獰猛さと、アッと言わせるパンチ力のあるシュート。キュンキュンのドリブルはシーズンを通じては生かせなかったが、チームの中で流れを変えられる貴重な戦力であるという認識で間違いないだろう。

今季はおそらく本格的に4バックへと移行するシーズン。元々ウインガーとして相手選手を抜きに抜いてた成豪にとってはチャンスの年になるはずだ。成豪が復活するときこそ、大分が新たな1歩を踏み出せる気がする。そのためにも、シーズンを怪我無くフルで戦えるように準備していてほしい。
今年は成豪の年でありますように……


26.佐藤和弘(5試合 134分)
CH ※10/5~松本(期限付き移籍)

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指のクセおじさん

昨年、一番嬉しかった新加入選手だった。
2019年に島川、小塚をぶっこ抜いたが「まずは佐藤和弘やろがい!!!」と思っていただけに個人的には1年越しのラブコールが実った形。
3列目からのダイナミックな飛び出しと積極的なミドルシュートは上手くチームに組み込めると、チームとして一歩前に進めるんやろな~と期待していたがタイミングが悪かった……
大分で唯一となったスタメン起用は7節清水戦。続く鹿島戦、川崎F戦に途中出場を果たしたが、持ち味を生かすまでは行かず、ビルドアップに四苦八苦していたように映った。チーム状態が最悪に近い状態だったため正当な評価は難しいが、ボランチとしてビルドアップに関与する時にプレッシャーに曝されてしまい、前を向けなかった感は否めない。もう1列前でミドルシュートを生かす事もあるかと思ったが、そこまで仕込めなかったか。
秋のマーケットで松本に移籍をすると3-1-4-2(3-3-2-2)のアンカーで主力としてプレー。ゲームキャプテンも任されていた。松本で試合に絡んでからInstagramの更新が増えたのを見て、大分でこのキャラがみれたらなぁ~!と。
今年はレンタルから完全移籍。松本の選手となる。もっと大分で見たかったが、小手川と一緒に新たな松本のサッカーを作ってほしい。


32.前田凌佑(10試合 492分)
CH

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ヤンチャキング

ボール奪取とキープが得意なボランチはまさかまさかの契約満了。カネ払ってでもほしい所あったやろ……

2020年は序盤でショッキングな怪我をして離脱をした影響もあってか出場機会が減少。前年は夏場に干されていたので、それを下回る出場機会になってしまったのはかなり悔しかった事だろう。
前田の魅力は前からボールを奪いに行けることと、一度ボールを持てば相手をおちょくるようなキープができること。昨年はこれにシュート意識を極々稀に思い出してヘロヘロだけどシュートをしたりと、奪った後の意識はちょっとずつ改善されてる印象を受けた。
大分のボランチ像としてボール奪取とキープ力は理想であったが、ボールをよりキープすることにチャレンジしたシーズンでは、彼の得意ではない展開力が試される事が大きかった。前田はおそらく他のボランチよりもキック力が低く、サイドに大きな展開はほぼなかったように記憶している。

個人的には展開力に目を瞑っても、守備で前からハメる事にチャレンジするのであれば、ボールの回収所として残すという判断はあってもおかしくないと感じていたので引き抜きではなく満了というのは意外であった。その一方でチームの扇の要となるボランチでシーズンを通して計算がしにくい、というのもわからなくもない。
とにもかくにも怪我がなければ……とタラレバになってしまうが。今季は海を隔てて向かいの愛媛でプレー。チームの中心選手として活躍できるはず。怪我のなきように……


38.高畑奎汰(3試合 57分)

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我慢の時

奎汰のプロ2年目はスタメン出場がなく、かといってレンタルに出されることもなく……我慢の年であった。ルヴァン杯では3試合全てに出場もリーグ戦にはほとんど絡めなかった要因としては、やはり好不調の波が大きいからではないだろうか。

リーグ戦最初で最長の出場時間が与えられた5節G大阪戦では37分プレーするも無難で全く見せ場はなく、ダイナミックな攻め上がりがみられなかった。与えられたチャンスを生かせなかった悔しいシーズンだったが、残りの29節C大阪戦と31節仙台戦では主に守備面での成長が見られた。特に仙台戦では82分からの出場だったが、3バックの左として対人の強さで見せ場をつくり、当たり負けせず守備ができていた。

今季も大分でプレー。フィジカルの強さを身につければ、守備の計算ができるだけでなく、プロ初年度から見せてくれた正確なクロスに繋がるはず。そのためにも継続して良いプレーができるように準備してほしい。3年目、勝負のシーズンだ。


40.長谷川雄志(26試合 2258分)
CH

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北極星

チームの北極星。彼から攻撃が始まり、ビルドアップは彼をまず目指す。

衝撃のデビューから1年。ピッチに虹をかけた男は、その武器を生かすためにボールの受け方に拘った。

以前はまずはボールに触ってから、ターンして必殺のロングフィード!だったが、昨年はリーグで「コイツ前向いたらヤバい!」が共通認識だったため、如何に前を向けるかに注力したはず。プレッシャーに来られも上手く往なしてターンはより上を目指すために必要不可欠だった。

チームとしては、DFラインに下げて相手FWを引っ張り出して背後を狙うのをメインタスクとして与え、中盤戦からはダブルボランチの一角としてより高い位置から背後を狙う事が求められた。
8月末から羽田のボランチ実践起用で「前から奪う」ことにマイナーチェンジをして、9月末ほどから「1列前からの展開」にチャレンジ。チームのマイナーチェンジの主軸を担った長谷川。ボールの受け方は以前に比べ格段に上手くなった。

昨年の長谷川は、DFラインからのボールはまずは触っていた所をギリギリまで相手を引き付けてから1タッチでターン。トラップからスペイン語で言うところの「コントロールオリエンタード」が格段に上手くなった。大島僚太が抜群に上手いプレーと言ったら良いだろうか。説明が難しいから詳しくはURLから確認してください。

かくしてロングフィード激ウマアニキから捌きまで上手くなったバケモンになりつつある長谷川。
今季も契約更新。3年目のシーズンはコントロールオリエンタードを極めつつ、もっともっと攻撃に絡めるスケールのデカイ選手になってほしい。それだけの素質があると思う。プロ初ゴール含む3ゴールくらいは見せてほしい。アシストも!5つくらい!よろしく!!!(強欲


43.弓場将輝(0試合 0分)
※2種登録

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お姉さんキラー

今季唯一のトップ昇格を果たしたユースっ子。
昨年はルヴァン杯3節柏戦でプロデビュー。この試合で負傷退場をしてしまったが、チームからの期待の高さが窺えた。
ボランチとしてビルドアップに顔を出して堂々としたプレーをみせてくれた。プレー時間が少なかったためか大きな展開はみられなかったが、左右どちらの足でも遜色無く、近くの味方や相手の背後を狙ったパスも意思としてみられたので楽しみな逸材。プロのフィジカルに順応できれば大化けもできるはず。
新体制発表会では甘いマスクでときめきました。お姉さんキラーみがあると思う。もげろ。


47.井上健太(6試合 203分)
RWB,OH

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けんた顔

妙にしっくりくるけんた感。なんなんだろ。
福岡大から特別指定でプレーした井上は公式の発表よりちょっと前にさんぺーのインスタで初々しい挨拶をしてた。立正大淞南高→福岡大。大学1年から夏の全国大会である総理大臣杯のメンバーに入っていたサッカーエリート。
足の速さと福岡大らしいフィジカルの強さを生かしたプレースタイルは松本怜や高山とは違う。なんだろうなー。高橋大輔みをほんのりと感じる。
昨年の3節広島戦で見せたセットプレーの跳ね返りの難しいボールを身体を捻ってボレーして枠に飛ばしてるのをみて「あ、エグいの取ったな」と感じた。
一方で、ロングフィードのトラップはまだまだ改善の余地あり。地味~に松本怜がこのタッチライン際でのトラップが上手いが、あまりにもサラリとやっちゃうため話題にならない。先輩を喰う勢いで頑張ってほしい。

井上は他のWBの選手と比べ前寄りなポジションができるためタナタツ的なタスクを求められてるはず。今季の大分がサッカーで一番アップデートしたい所をこなせる選手なだけに期待は高まる。メインとしてシャドウかWBかがまだわからないためなんとも言えないが、プロ初年度から即戦力になれるだけの実力はあるはず。たくさんプレーをみたい。


次回は選手振り返りラストのFW編!
来週には仕上げたい!気持ち!


写真は大分トリニータ公式サイトより引用。

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